writerS

柊彩 藍

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黒い狼

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 逮捕状のことはすぐにwriterSの全員に知らされた。
 「何でだよ。あいつはそんな事をするやつじゃないだろ!」
 倉野が、冷静さを欠いていた。表には出さなくとも皆それぞれ思う事はあった。しかし、その誰もが犯人が蒼太であることを信じていなかった。
 「俺から言えることは、誰よりも早くあいつを見つけ出してあいつ本人に聞くしかない。」
 ボスは、蒼太をいち早く見つけるように指示した。そして、writerSは何時間も連続で蒼太を探し続けた。一条と煌輔にも連絡を入れて手伝ってもらった。しかし、見つかるのに苦労はしなかった。ただ何度見かけてもすぐに姿を消してしまうのである。
 
 「おい、蒼太あいつら何度もお前を取り逃してるみたいだぞ。」
 「逃がしてるのはあなたじゃないですか。加古さん。」
 蒼太は、グランドオーガを従えていた者の側にいた。
 「それもそうだな。しかし一方的に逃げ切れる鬼ごっこというのも面白くない。どうだ?殺るか?」
 蒼太は、しばらく考えて返答した。
 「加古さんは、どうお考えで?」
 「無論余裕でいけると思っているに決まっているだろう。ただでさえ戦闘能力の高いお前に、この俺がバックアップを務めるんだぞ。どこに不安要素がある。」
 「では、どうせなら1対全てとなるように仕向けてもらえますか?」
 加古は悪魔的な微笑みで頷いた。
 
 ドゴォォォン
 街の中心がいきなり吹き飛んだ。見通しがひどくよくなるように。当然、蒼太の捜索を一時中断し、そこに向かった。そして誰もがその爆発の中心に目線を釘付けにされた。
 蒼太を囲むようにしてジリジリと距離をつめていった。
 「どうしてこんなことをした!」
 大柴は声を張り上げた。
 「何をそんなに怒る必要がある。俺は、誰のものでもないだろう。それに何をしようととがめられる理由はない。」
 蒼太は、淡々と言葉を流す。
 「じゃあ何がしたいんだ?」
 ボスは、蒼太を睨み付けた。
 「そんなに睨まないでくださいよ流石にビックリしますよ。まあ、いいですけど。目的ですか?そうですね。政府のクソどもに消えていただくことでしょうか。」
 この発言で、もう何もかも変わってしまったのだと理解した。考え方は歪み、憎しみに溺れ、ただただ持てる力をむやみに振るう。そんな怪物に慣れ果ててしまったのだと。悲しみを隠せないほどだった。記憶消された紗希は、この事がきっかけに蒼太を恨むようになった。そんな事を平気で行う蒼太を許せなかったのだ。過去の記憶を消された紗希は躊躇なく蒼太に武器を向けた。さらに、「不思議の国のアリス」で、結界を生成し、蒼太を逃がさないようにした。
 「そうしてくれると助かる。」
 蒼太は、そう言うと蒼太に向けられた紗希の能力で作られた刃を消滅させて見せた。
 「一人じゃ負けるぞ?躊躇ってないで殺す気で来ないと直ぐにおわってしまう。」
 蒼太の放ったこの言葉でもう、刃を向けるしかないと決意させられた。
 
 数分後…
 「俺一人なんだからもっと連携組んでチームプレイでこいよ。隙多過ぎ」
 蒼太は、このように言ってはいるが事実ではない。これは蒼太自身の実感であり、実際writerSは、洗練された連携で戦っていた。しかし、それすらも意に介さない程圧倒的に蒼太が強かったのだ。
 「終わったのか?」
 加古が、モニター越しに蒼太に話しかける。
 「終わったも何も俺じゃなくてもよかっただろ。まだ、俺はいるんだし。他の奴でも良かったんじゃね。」
 「そういうな、お前の実力を元にしているんだからデータはなるべく多い方がいい。」
 「分かった。まあ、とりあえず帰るわ」
 蒼太は意図も容易く紗希の結界を解いて見せた。本の力も織り混ぜた複雑に絡まった意図のような術式をたった数秒で解いたのだ。強くなった、というよりか別人になったと思えるほどだ。しかし、蒼太が結界を解いたと同時に別の結界が覆おうとしていた。それは、黒雲のようなものであった。
 「蒼太!早く離れろ、これは想定外だ!」
    加古は蒼太を心配しているようだ。
 「逃げろって、こんな人数に対応出来る俺が負けるわけ無いだろ。」
 「強さの問題……ない……げろ」
 結界よって通信が遮断された。結界の中は時々稲妻が走っていた。蒼太は遂に結界の主と遭遇する。
 「何でお前がここに…」
 蒼太の目の前にいたのは黒い狼だった。その狼は、蒼太の肉を引き裂きその肉を体に取り込んだ。 そして、その場にいた多くの人間がその光景を目撃した。
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