51 / 61
接触
しおりを挟む
ある日いつものように蒼太の捜索にいそしんでいる頃奇妙な出来事が起こった。それはある密輸業者を制圧したあとのことである。
「ここには?」
「いないと思う。というかそもそも魔力の痕跡がない。もはや魔法を使える人が誰もいなかったかのようなそんな感じ。」
「それはないだろ。今では魔法は、義務教育の一貫だろ。それで使えないはないだろ。戦闘は出来ずとも日常で使用出来る程度の魔力は誰しもが持ってるって誰かが証明してただろ。」
そう、一条が言った通り。魔力の痕跡の残っていない場所などないのだ。あるとすればそれは人里離れた山奥の誰も立ち入ったことのないような場所ぐらいだ。しかし、その場所はどれだけ奇妙に感じようとその事実は確認された。流石に怪しいと思いその建物内をくまなく探した。すると、煌輔が新たに変なものを見つけた。それは壁にペンキで殴り書きされた文字だった。
『我は、太古と昔の魔術を知りし魔術師なり。貴様らがここに来ることは知っていた。』
「太古と昔って何が違うんだ?」
「本当に大昔のことと、魔法が現代で普及し始める前って事じゃないかな」
そして、その文字を残した主は、壁の文字だけでなく一枚の手紙を残していた。その手紙にも何か全てを知っているような書き方をされていた。
『ここでは門を開くことは出来ない。私の元にたどり着くものはたった一人。しかし、それは蒼太を願いしものではなく、真実を求めしものなり。その者がただ、一人この文を読むとき門は開かれる。』
それが誰を指しているのか分からないまま一旦持ち帰ることにした。
優衣の家でそれが誰なのかという話し合いが始まった。
「真実を求めるってみんなが知りたいと思ってるだろ」
「いや、多分優先順位の問題だと思う。だから優衣と煌輔はこれに当てはまらない。」
「それもそうだな。二人は、この四人の中でひときわ蒼太への思いが強いだろう。それを考えると俺も違うな。蒼太への思いが無いわけでもないし、真実を知りたく無いわけでもないけど思いの強さで言えば他の人に負ける。」
四人の中で考えるとのこるは、志穂である。その時少し志穂はショックを受けた。自分に蒼太を心配する気持ちは無かったのかと、ただ、真実を知る為だけにwriterSをはなれたのかと。しかし、知るすべが自分しかいない以上志穂が行くしかないのである。
「じゃあ行ってくる。」
3人は志穂を残して、部屋を出た。
ポスッ
手紙が落ちる音がした。そこで3人が部屋の中を見てももう何も無かった。
突如転移させられた志穂は不安になった。辺りは真っ暗で音も聞こえない。更には人の気配もない。そして、以上なほどに漂う魔力。志穂は、本に魔力を流し適当な魔法を使い続けることで常に自分を魔力不足状態にすることで空気から体内に吸収される魔力で体がおかしくならないようにした。志穂ははその時に自分に対して状態回復をしていたので魔力過剰の状態をリセットしつつ魔力消費することが出来たので効率が良かった。そして、その状況に適応し、安心したところであることに気づく。魔力のことで感じる暇もなかった押し潰されるような殺意が向けられるのを感じた。
「おい、なにを突っ立っておる。」
「ひゃいっ!」
感じることのなかった人の気配がいきなり手の届く距離に現れ声をかけてきたのだ。
「ん?主は女か。しまったのう。あの物知り気な男を、誘ったつもりがお前が引っ掛かるとは。さてはあやつ気づいて来なかったのじゃな。」
志穂はだんだん暗闇になれてきた目でその人影を見る。その姿はしゃべり方とは全く異なってツインテールの可愛らしい少女の姿だった。
「あの、あれは?」
「そうじゃなこのまま帰れというのもいささか気が引けるしの。少しだけでも話してやるか。」
そして、少女に案内させられるまま少し明るい場所へ向かった。
「とりあえずここはどこか説明しておこうか。」
少女いわく、ここは一種の結界らしい。異空間を作る際、その空間を膨大に作り再現なく圧縮することで異空間事態の強度を高めることが出来るという。その際に本来散らばっている筈の魔力が圧縮されるため高濃度になったのだという。こうすることで、発見されても外部からの攻撃をほぼ無傷にすることが出来るという。更には膨大な魔力があるためこの空間の隠蔽に惜しむことなく魔力を注ぎ込めるため発見されることはまずないのだという。そして、この少女こそがこの異空間の創造主であるらしい。
「ここには?」
「いないと思う。というかそもそも魔力の痕跡がない。もはや魔法を使える人が誰もいなかったかのようなそんな感じ。」
「それはないだろ。今では魔法は、義務教育の一貫だろ。それで使えないはないだろ。戦闘は出来ずとも日常で使用出来る程度の魔力は誰しもが持ってるって誰かが証明してただろ。」
そう、一条が言った通り。魔力の痕跡の残っていない場所などないのだ。あるとすればそれは人里離れた山奥の誰も立ち入ったことのないような場所ぐらいだ。しかし、その場所はどれだけ奇妙に感じようとその事実は確認された。流石に怪しいと思いその建物内をくまなく探した。すると、煌輔が新たに変なものを見つけた。それは壁にペンキで殴り書きされた文字だった。
『我は、太古と昔の魔術を知りし魔術師なり。貴様らがここに来ることは知っていた。』
「太古と昔って何が違うんだ?」
「本当に大昔のことと、魔法が現代で普及し始める前って事じゃないかな」
そして、その文字を残した主は、壁の文字だけでなく一枚の手紙を残していた。その手紙にも何か全てを知っているような書き方をされていた。
『ここでは門を開くことは出来ない。私の元にたどり着くものはたった一人。しかし、それは蒼太を願いしものではなく、真実を求めしものなり。その者がただ、一人この文を読むとき門は開かれる。』
それが誰を指しているのか分からないまま一旦持ち帰ることにした。
優衣の家でそれが誰なのかという話し合いが始まった。
「真実を求めるってみんなが知りたいと思ってるだろ」
「いや、多分優先順位の問題だと思う。だから優衣と煌輔はこれに当てはまらない。」
「それもそうだな。二人は、この四人の中でひときわ蒼太への思いが強いだろう。それを考えると俺も違うな。蒼太への思いが無いわけでもないし、真実を知りたく無いわけでもないけど思いの強さで言えば他の人に負ける。」
四人の中で考えるとのこるは、志穂である。その時少し志穂はショックを受けた。自分に蒼太を心配する気持ちは無かったのかと、ただ、真実を知る為だけにwriterSをはなれたのかと。しかし、知るすべが自分しかいない以上志穂が行くしかないのである。
「じゃあ行ってくる。」
3人は志穂を残して、部屋を出た。
ポスッ
手紙が落ちる音がした。そこで3人が部屋の中を見てももう何も無かった。
突如転移させられた志穂は不安になった。辺りは真っ暗で音も聞こえない。更には人の気配もない。そして、以上なほどに漂う魔力。志穂は、本に魔力を流し適当な魔法を使い続けることで常に自分を魔力不足状態にすることで空気から体内に吸収される魔力で体がおかしくならないようにした。志穂ははその時に自分に対して状態回復をしていたので魔力過剰の状態をリセットしつつ魔力消費することが出来たので効率が良かった。そして、その状況に適応し、安心したところであることに気づく。魔力のことで感じる暇もなかった押し潰されるような殺意が向けられるのを感じた。
「おい、なにを突っ立っておる。」
「ひゃいっ!」
感じることのなかった人の気配がいきなり手の届く距離に現れ声をかけてきたのだ。
「ん?主は女か。しまったのう。あの物知り気な男を、誘ったつもりがお前が引っ掛かるとは。さてはあやつ気づいて来なかったのじゃな。」
志穂はだんだん暗闇になれてきた目でその人影を見る。その姿はしゃべり方とは全く異なってツインテールの可愛らしい少女の姿だった。
「あの、あれは?」
「そうじゃなこのまま帰れというのもいささか気が引けるしの。少しだけでも話してやるか。」
そして、少女に案内させられるまま少し明るい場所へ向かった。
「とりあえずここはどこか説明しておこうか。」
少女いわく、ここは一種の結界らしい。異空間を作る際、その空間を膨大に作り再現なく圧縮することで異空間事態の強度を高めることが出来るという。その際に本来散らばっている筈の魔力が圧縮されるため高濃度になったのだという。こうすることで、発見されても外部からの攻撃をほぼ無傷にすることが出来るという。更には膨大な魔力があるためこの空間の隠蔽に惜しむことなく魔力を注ぎ込めるため発見されることはまずないのだという。そして、この少女こそがこの異空間の創造主であるらしい。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる