クロスフューチャー

柊彩 藍

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3章~最強の剣士現れる?!~

竜狂戦士(ドラゴンバーサーカー)

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「「あ、兄さん。もう終わった?」竜の肉を堪能し、満足してきた、兄さんと再開した。
 「おう!おいしかったぞ!」本当に満足したみたいだ。
 「それじゃ、祭りの準備手伝わなきゃね」今夜は祭りだから、準備をしなければ。
 「その前に」ニヤッと、笑いながら兄さんは言った。
 「なに?兄さん」
 「奢ってもらう」
 「勝負は勝負だしね。いいよ。けど、今でいいの?」
 「当たり前だ!はやく!」
 「後で後悔しても知らないからね。」本当に後で後悔している様が目に浮かぶよ。
 「???まあ、いいや、迅の言ってることわかんねぇし」
 
 「蓮!今日は迅に勝ったそうじゃないか。今日は祭りとは別にお祝いしなければな。」父は何だか満足そうだ。やっと蓮が型にあわせてやる気を出したと、勘違いしている。
 「気持ち悪い…」ボソッと吐き捨てた。
 「迅?何か言ったか?」
 「何にも」
 「そうか、じゃあ少し祭りで楽しんでこい。」
 
 「だんだん暗くなってきたね。」もう、日がだいぶ傾いてきた。
 「ほうだなぁ」
 「兄さんその両手と口に抱えたものはなに?」兄さんはありとあらゆる所に食べ物らしきものを保持している。
 「はへもの(食べ物)!」口にいろいろ頬張りすぎて何を言っているのか分かりにくい。
 「それは、見たらわかるけど…」
 「ほうは!ひんほごっへふれ!(そうだ、迅奢ってくれ)」
 「だから、言ったのに後悔するよって」
 「ゴクン。あ!……なあ、あれは無かったことに…」
 「なると思ってる?」100点満点の作り笑顔で脅しを掛けた。
 「迅ならな!」兄さんは自信満々に僕を信じているようだが、期待はずれだ。
 「よし、他も回ろうか。」何事も無かったかのように足を進めた。
 「奢ってくれる件はー?」
 「兄さん?」
 「はい、すみません。つ、次いきましょうか。」
 
 一方その頃聖帝戒の方では…
 「おい!もう、夜だぞ。」
 「何も起きてないじゃないか。」
 「安心しろそろそろだ。」
 その男の通りにことが運び始めた。
 
 「兄さん帰るよ」さすがにそろそろ帰らないともう一度対決する暇がなくなってしまう。頑張って兄さんに交渉したんだからこんなチャンス逃したくない。
 「そうだな!」
 ドクンッ
 「あーうん、ちょっと先行っててくれるか?」
 「別にいいけど怒られない程度にねー」
 「分かった」
 「じゃあまた」
 フラ…フラ………バタッ
 蓮は迅之介の前では平然を装っていたが体調がどんどん悪化していくのが分かった。
 「はあ…はあ…はあ」
 「大丈夫か?坊主えらい気分悪そうやな。少し休んでいき」
 「えらい顔色悪いな。変なもんでも食ったか?」
 「そ…れは…ないと…おも…う」
 「じゃあ単なる熱だな。凄く熱いし。」
 「かな…?」
 「あっつ!何だ蓮!どうした!?体から湯気がたってるぞ大丈夫か!?」
 「グ…グゥゥ…グァァァ!」蓮は周囲の家屋を吹き飛ばして、その体を竜へと化した。赤く目を光らせながら。
 「な、何事だ!」
 「こんなところに、りゅ、竜が!」
 「すぐに数条家を呼べ!近くにいるはずだ!」
 
 竜が現れて数分で町の一角が焼け野はらとなった。そこに現れた竜は家屋を焼き払い、人を喰らい、また家屋を焼き払い、人を喰う。という、単純で残酷な作業を続けていた。
 「もう、ダメだこの国は竜に滅ぼされる」
 「総員かかれー!」
 「うぉぉぉぉお!」
 竜と数条家の主、さらに町の警備隊の人まで戦闘に加わり竜を仕留めることが出来た。多大なる犠牲を払って。そして仕留めたあと少ししてから竜の死体に変化があった。その体はみるみる縮まり。だんだんと、人の形へと変えていった。
 「竜が人間…だと?!」
 「こいつを取り押さえろ!」
 「!?蓮!蓮なのか?」
 ズバッ!
 「グハァッ」
 蓮の体を取り押さえようとした男が切られた。蓮は誰から見ても自我を失っていることは明白であった。
 「こいつを殺す…」父親にとってつらい選択だったのだろう、いくら出来損ないと感じていても息子がいなくなるのは悲しいみたいだ。
 「了解」
 「グゥァ…グッ…ァァ……ゥゥ」
 蓮は次第に生命力が落ちてきたが、竜の力でなんとか逃げ切ることが出来たらしい。
 それから数日後に、蓮が国内に、戻ってきた。蓮はその時の記憶が無いらしい。しかし、
 「この人でなしはやく出ていけ。」
 「化け物風情が人間の世界にはいってくるな!」
 当然と言えば、当然なのだが、兄さんはまた、国を追い出された。それがあの光景であり、兄さんがこの国にいない理由だ。」
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