クロスフューチャー

柊彩 藍

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4章~カジノで一攫千金!~

秘密の研究施設

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 「だいぶ落ちたな。それにしても、闘技場の地下にこんなデカイ空間があるとは思わなかった。」
 ハルトは暗い空間の中を見渡しながら呟く。かなり広い空間なのでどこからか光がさしていてもいいはずだが、瓦礫のせいなのか上からの光しか感じない。ハルトは蓮を探すために瓦礫の整理をしだした。しばらく整理していくと、一度のけて一ヵ所に整理していた瓦礫の中から、微かに声が聞こえた気がした。その中を探って行くと、蓮が気絶した状態で見つかった。ハルトは必死に声をかけて起こそうとした。
 「ん…うぅ。」
 「大丈夫か!蓮!」
 「うへへ……うへ」
 「おい、まさかお前…」
 「キレーなお姉さんが……天国…」
 「寝てんじゃねーか!」
 ハルトは渾身のビンタを蓮の左頬にくらわした。ようやく、目が覚めた蓮は、左頬のじんじんとした痛さを不思議に感じながらも状況を把握した。ハルトは、その左頬について瓦礫でも、降ってきたのではないかとごまかし、当たりを探索した。しばらく瓦礫を移動さして行くと、微かに光が漏れる場所を見つけた。二人は、その付近の瓦礫をどかして、その光に向かって進んでいった。
 一方地上では、大きな音に反応して大勢の兵士が押し寄せていた。アルビオンは闘技場にいる人々の表情を観察した。恐怖、驚きなどこの光景を見て普通に感じる感情や、リリィのハルトと蓮を心配するような感情。そして、焦り、怒り。この2つがアルビオンには引っかかった。それも兵士によく見られた。やはりこの闘技場の地下には何かあったようだ。兵士は、闘技場の観客の避難誘導ではなく、一目散に別の場所へと走っていった。アルビオンは、リリィの手を引き、人混みをかき分けながらその兵士を追う。
 ハルトと蓮は微かな光を頼りに奥へ奥へと進んでいった。そして、ある薄暗い部屋へとたどり着いた。液体の入った人や魔物が入れるほどの巨大な瓶がそこには並んでいた。その部屋を探索していると作業台の様な机を見つけた。たくさんの書類が散らばっていたため、どれとどれにどんな関係があるのかまでは分からなかったが、その一枚一枚には驚きと恐怖で、声も出ないほどの内容が書かれていた。
 生物錬金・合成魔獣(キメラ)の生成
                 ・人から魔物へ
                 ・魔物の死体の遺伝子から                         
                       新たな魔物の生成
 数枚目を通しただけで魔物に関する書類が、それも魔物生成に関するものが。更に書類に目を通していくとそれぞれの実験方法、実験結果を知ることが出来た。そこから、なぜあんなに大量の魔物が出てきていたのかが説明出来る。それらすべてに、Sと印がついていた。ハルト達は、その部屋の探索を中断し入ってきたところ以外の出入り口を探す事にした。
 「何か本棚の後ろとかに隠し扉とかないかなあ」
 蓮はすぐ近くにあった本棚を動かそうとする。
 「それは、ありきたりじゃないか?」
 ハルトが蓮に返事をしたのだが蓮からの反応が全くない。最初は無視されたか流されたかと思って気にしていなかったが数分たって、蓮から声が聞こえないどころか、自分のたてる物音以外音がしなくなったのだ。ハルトは流石に違和感に気がついた。本棚の方に振り返るとそこに蓮はいない。しばらく部屋を見渡してもいる気配がしない。本当に本棚に仕掛けがあったのかと思い本棚に近づくと本棚の横の地面に少し傷があるのが見えた。恐らく本棚を動かして出来たものだろう。ハルトは試しにその本棚を動かしてみた。ちょうど傷が付いているところまで動かしたときにガコンと音がして足元が軽くなった気がした。床が抜けたのである。ハルトは重力にしたがって落ちかけたが何とかテレポートで元の位置まで上がってきた。そして、下を覗こうとすると、本棚も床も元の状態に戻っていた。蓮がここに落ちたのは間違いないだろう。ハルトは蓮の安否が気になったが一度目の落下の時の事を思いだし心配するのをやめた。仕掛けをもう一度使って下を覗こうとしたときに少し遠くの方から足音が聞こえてきた恐らくここへ向かって来るだろうと思いハルトは仕掛けがある本棚の見える位置に身を潜めた。入ってきた人は二人。どちらも白いマントに身を包み、仮面をしていた。一人は鬼の、一人は獅子の仮面だった。鬼の仮面は、先ほどハルトと蓮が漁っていた。書類を数枚とり、獅子の仮面は仕掛けがある本棚の仕掛けを動かそうとしていた。しかしそれは、ハルトのずらした向きとは逆方向に。すると、本棚の付近の床は抜けることがなくその奥には道が現れた。そして、その道の奥に蓮がいた。
 「……ん?だれ?」蓮は寝起きの顔で獅子の仮面に問いかけた。
 「貴様何者だ!」獅子の仮面は、腰に携帯していた短剣を取り出す。
 ハルトは言葉が出てこなかった。それは、驚きによるものか戸惑いによるものかさえわからずに。ハルトは声にならないツッコミを頭のなかで叫んだ。
 (本棚ずらす向き逆かよ!蓮は落ちたんじゃねえのかよ!てか、何で寝てんだよ!見つかってんじゃねーよ!)
 蓮は獅子の仮面と、鬼の仮面に殺されそうになっていた。
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