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4章~カジノで一攫千金!~
不思議な声に
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宿に戻りご飯にしようとしたがハルトは食欲がないと言って食べに行こうとしなかった。仕方がなく三人で食べることにした。
「どう思う?」
蓮は、注文を頼んですぐに話題を切り出した。
「俺もわからない。こんなのは初めてだ、人の表情を見て何を考えているか分からないなんて。それさえわかれば…」
アルビオンは、少し自分を責めるように言った。唯一ハルトの気持ちを感じ取ってやれるだろう人材であることを理解していたからだ。
「そんな事ないですよ。例えそれが分かっていたとして私たちにどうにかできるんレベルの問題じゃない気がします。」
リリィはアルビオンに気遣ってフォローをした。
「ハルトの気持ちが複雑すぎて読み取れなかった………」
アルビオンはさらに自分を責めるように言おうとしていた。
「…………ん?ちょっと待て一応分かってんのか?ハルトがどんな気持ちか。」
蓮はアルビオンに確認する。
「一応は……けど、あの表情1つでここまで悩まされるのは厳しい。ただハルトの言動からして過去に何かあるきがするんだけどそれがどんなものなのか分からない。」
「そもそも、ハル君ってどこから来た人なんですかね。」
蓮とアルビオンはリリィの言葉に耳を疑った。二人は、当然の如くハルトの過去についてリリィは何か知っているだろうと踏みそれについてリリィに問いただそうとしていたのだから。
「ちょっと聞くけどハルトについて何を知ってる?」
蓮が眉をピクピクさせながら聞いた。
「んー………あんまり知りませんね。でもハル君はいい人ですよ。困ってる人を決して見逃しませんし、私を外に連れ出してくれた人ですから。」
リリィはのんきに笑顔で答える。
「あーでも変態さんなのはダメなところです。」
二人は、手に持っていたグラスをテーブルにおきその手でテーブルを叩いて身を乗り出した。
「こんのポンコツ魔法使いが!普通それぐらい気になって聞くだろ」
「でもそれは、お二人にも言えますよね。」
二人は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして少しの間停止した。その後静かに椅子に座り1つ咳払いをして頷いた。
「まあ、俺らが何も出来ないとなるとほっとくしかないかな。どのみち自分で解決しなきゃなんない感じのことだろうし。」
「そうだね。俺らが何をしようとそれがハルトにとってどれだけ深い問題なのか分からない。迂闊に手を出して余計に傷を広げてしまったら元も子もないしな。」
蓮とアルビオンはあっさりこの状況を自らが変えようとすることを諦めた。リリィは、それに対して反論しようとしたがそれが今出来る一番の最善だと理解していたので言葉をだしかけてやめた。
その頃、ハルトは一人部屋のなかで考えていた。自分のやりたいことについて。ハルトは、子どもを守る母親の顔を見て守る立場になりたいと思って行動してきた。しかし、その行動は時に人を傷つけることになることに気がついたのだ。いやもっと上手くやれていれば誰も悲しませることなくことを進められたのかもしれない、自分にもっと力があればそんな事さえ考えていた。
「後悔してるのか?」
どこからか声が聞こえてきた。誰か知らない声だ。ハルトは驚いて部屋を見渡す。やはり誰もいない。気のせいかと落ち着くハルトにまた声が聞こえた。
「あれ?まだ力が足りなかったかな。やっぱりまだ早かったか。」
ハルトは、どこから語りかけてくるのかわからない声に反応した。
「誰だ!どこにいる!」
ハルトは警戒の度合いを引き上げた。
「あ、聞こえてたんだね。僕は○○って言うんだよろしくね。僕は、○○から話しかけてるんだよ。ビックリした?」
その声は無邪気な子供のようだった。
「途中聞こえなかった。結局誰だ?」
「んー大事なところはまだ言えないってことか。力が足りないのか、それともまだそのときではないってことかな。うん。」
その声は、ひとりで納得した。
「そうだ話の続きだけど君は後悔してるの?」
「後悔は……してない……と思う。」
「何でそんな自信ないのさ」
「俺は、みんなを守れるそんな存在になろうとした。けど、その結果傷つける人がいることを今日知った。みんなは守れないと限界を知ってしまったんだ。」
「それで落ち込んでた訳か。じゃあ1つ質問するね。果物がたくさんありました。リンゴにメロンにブドウ、マスカット。ホントに色んな種類の果物がテーブルに並べられている。君は1つだけならとっていいと言われた。1つ以上とると君の全てを奪うとも言われた。この状況で君ならどんなものを選ぶ?」
「一番好きなもの?でもこれが何だって言うんだよ。」
「これは何を守って何を犠牲にするのかって質問だよ。その結果、君は自分の一番大切なものを守る人なんだね。だったらそれをこぼしちゃいけない。あのときあの化け物をかばったとしたら、三人のうち誰かを失ってたかもしれない。そういうことだ。」
「でも……」
ハルトには迷いがあった。それでも出来るだけの人を助けたいと。
「あの質問で他にこんなことを答える人がいる。一番大きな果物だと、その人は大勢を助け少数を切り捨てなければならない人なんだろう。またある人は、それでも全てをとると言った。その人は全てを失ってでも全てを手にいれたいという愚か者だ。君はそうではなかった、全てを守る事は不可能だと分かっているからだ。かといってそれがいけない訳じゃない。それが君の考え方だ。だったらそれを突き通した方がいい。人よりも自分や自分の心を守れなくなる。」
声と話していくうちにハルトのなかで弱くて脆い出来立ての核が現れるのを感じた。
「どう思う?」
蓮は、注文を頼んですぐに話題を切り出した。
「俺もわからない。こんなのは初めてだ、人の表情を見て何を考えているか分からないなんて。それさえわかれば…」
アルビオンは、少し自分を責めるように言った。唯一ハルトの気持ちを感じ取ってやれるだろう人材であることを理解していたからだ。
「そんな事ないですよ。例えそれが分かっていたとして私たちにどうにかできるんレベルの問題じゃない気がします。」
リリィはアルビオンに気遣ってフォローをした。
「ハルトの気持ちが複雑すぎて読み取れなかった………」
アルビオンはさらに自分を責めるように言おうとしていた。
「…………ん?ちょっと待て一応分かってんのか?ハルトがどんな気持ちか。」
蓮はアルビオンに確認する。
「一応は……けど、あの表情1つでここまで悩まされるのは厳しい。ただハルトの言動からして過去に何かあるきがするんだけどそれがどんなものなのか分からない。」
「そもそも、ハル君ってどこから来た人なんですかね。」
蓮とアルビオンはリリィの言葉に耳を疑った。二人は、当然の如くハルトの過去についてリリィは何か知っているだろうと踏みそれについてリリィに問いただそうとしていたのだから。
「ちょっと聞くけどハルトについて何を知ってる?」
蓮が眉をピクピクさせながら聞いた。
「んー………あんまり知りませんね。でもハル君はいい人ですよ。困ってる人を決して見逃しませんし、私を外に連れ出してくれた人ですから。」
リリィはのんきに笑顔で答える。
「あーでも変態さんなのはダメなところです。」
二人は、手に持っていたグラスをテーブルにおきその手でテーブルを叩いて身を乗り出した。
「こんのポンコツ魔法使いが!普通それぐらい気になって聞くだろ」
「でもそれは、お二人にも言えますよね。」
二人は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして少しの間停止した。その後静かに椅子に座り1つ咳払いをして頷いた。
「まあ、俺らが何も出来ないとなるとほっとくしかないかな。どのみち自分で解決しなきゃなんない感じのことだろうし。」
「そうだね。俺らが何をしようとそれがハルトにとってどれだけ深い問題なのか分からない。迂闊に手を出して余計に傷を広げてしまったら元も子もないしな。」
蓮とアルビオンはあっさりこの状況を自らが変えようとすることを諦めた。リリィは、それに対して反論しようとしたがそれが今出来る一番の最善だと理解していたので言葉をだしかけてやめた。
その頃、ハルトは一人部屋のなかで考えていた。自分のやりたいことについて。ハルトは、子どもを守る母親の顔を見て守る立場になりたいと思って行動してきた。しかし、その行動は時に人を傷つけることになることに気がついたのだ。いやもっと上手くやれていれば誰も悲しませることなくことを進められたのかもしれない、自分にもっと力があればそんな事さえ考えていた。
「後悔してるのか?」
どこからか声が聞こえてきた。誰か知らない声だ。ハルトは驚いて部屋を見渡す。やはり誰もいない。気のせいかと落ち着くハルトにまた声が聞こえた。
「あれ?まだ力が足りなかったかな。やっぱりまだ早かったか。」
ハルトは、どこから語りかけてくるのかわからない声に反応した。
「誰だ!どこにいる!」
ハルトは警戒の度合いを引き上げた。
「あ、聞こえてたんだね。僕は○○って言うんだよろしくね。僕は、○○から話しかけてるんだよ。ビックリした?」
その声は無邪気な子供のようだった。
「途中聞こえなかった。結局誰だ?」
「んー大事なところはまだ言えないってことか。力が足りないのか、それともまだそのときではないってことかな。うん。」
その声は、ひとりで納得した。
「そうだ話の続きだけど君は後悔してるの?」
「後悔は……してない……と思う。」
「何でそんな自信ないのさ」
「俺は、みんなを守れるそんな存在になろうとした。けど、その結果傷つける人がいることを今日知った。みんなは守れないと限界を知ってしまったんだ。」
「それで落ち込んでた訳か。じゃあ1つ質問するね。果物がたくさんありました。リンゴにメロンにブドウ、マスカット。ホントに色んな種類の果物がテーブルに並べられている。君は1つだけならとっていいと言われた。1つ以上とると君の全てを奪うとも言われた。この状況で君ならどんなものを選ぶ?」
「一番好きなもの?でもこれが何だって言うんだよ。」
「これは何を守って何を犠牲にするのかって質問だよ。その結果、君は自分の一番大切なものを守る人なんだね。だったらそれをこぼしちゃいけない。あのときあの化け物をかばったとしたら、三人のうち誰かを失ってたかもしれない。そういうことだ。」
「でも……」
ハルトには迷いがあった。それでも出来るだけの人を助けたいと。
「あの質問で他にこんなことを答える人がいる。一番大きな果物だと、その人は大勢を助け少数を切り捨てなければならない人なんだろう。またある人は、それでも全てをとると言った。その人は全てを失ってでも全てを手にいれたいという愚か者だ。君はそうではなかった、全てを守る事は不可能だと分かっているからだ。かといってそれがいけない訳じゃない。それが君の考え方だ。だったらそれを突き通した方がいい。人よりも自分や自分の心を守れなくなる。」
声と話していくうちにハルトのなかで弱くて脆い出来立ての核が現れるのを感じた。
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