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5章~エルフVS忍~
忍の里「朧」
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ハルト達は、誰1人森に侵入させることなくさらに誰1人死なせることなく全て峰打ちで打ち倒した。その中で1人意識の残っているやつがいた。
「貴様らはエルフという訳ではないのだろう?ならばなぜ我々の道を阻む!」
二人は、一斉に問いとの間に時間を挟むことなく答えた。
「なんとなく!」
その者はひどくあきれた。そんな理由で、前線で戦ったのかと。もっとまともな理由があれば納得もいったことだろう。しかし、二人には深い意味などなかった。そう、「なんとなく」なのである。二人は、あれほどの扱いを受けても平気でいられたのだ。何かを考えているはずがない。
「それでは質問を変える。我々が敵対している理由はご存知だろうか?」
二人は、またもや即答した。
「知らん!」
忍も薄々は気づいていたがやはり言葉で確認すると困るものがあった。聞いたのは自分自身なのだが。
「もし、貴様らがあのエルフにこだわっておらず、我々に明確な敵意を抱いていないと言うならば。少し我々の里まで同行をお願い出来ないだろうか。我々忍とエルフについてなど話したいことがある。」
二人は、少し悩んだ。ここで忍に着いていってしまえば、エルフにさらに警戒されるに決まっている。だが、今の現状になってしまった原因を突き止めなければ、ここから話が進まないことも事実なのであった。
「分かった行こう」
ハルトは、エルフに危険視されるリスクを負ってまで、知る価値のある情報が聞けるかもしれないことに賭けたのだ。二人は、気絶させた忍達が回復するのを待ち、復帰したあとに忍の里へと向かった。復帰したあとの忍達は、ハルト達を敵と認識していたため襲いかかって来るものもいたが、幸い一番最初に起きていた。忍がその隊の隊長だったらしく、何事もなくその場をおさめた。
「自己紹介をしていなかったな、俺は半蔵だ。忍には、忍名しかなくてな一応本名も覚えてはいるがまあ、半蔵として接してくれ。」
「じゃあ半ちゃんだな。俺はハルト・グレンフェルだ。よろしく。」
「おい、ハルトそれだと何か半チャーハンみたいじゃねぇか。それはともかく俺は一条蓮。よろしく。」
こうしてあらかた自己紹介が済んだところで忍の里へ向かった。里の名前は「朧」というそうだ。朧への道のりを歩んでいると蓮がふと思い出したかのように言った。
「そういえば追撃受けなかったよな。」
言われてみればそうだ。忍の軍勢は、一度はハルト達が無力化したものの結局は、こうして生きて帰っている。さらにハルト達は、エルフからすれば裏切り者にも見えただろう。にも関わらず、ここまで一切の襲撃を受けていない。
「それはそうだろ。むしろ襲撃何て受けてたら忍としての生き方を見直すところだぞ。」
半蔵は笑いながら蓮の疑問に答えた。ハルト達は訳がわからないという顔をしていた。それを見た半蔵は気づいたように説明した。
「そういえばまだ忍術を知らないんだっけか。なら不思議に思うだろうな。まあ、襲われなかったのは俺が隠れ身の術を使っていたからなんだけどな。いや、説明する前に少し驚いて貰おうか。もうすぐ里にもつくしな。」
半蔵は平原のど真ん中でそういった。いくら目のいいハルトと蓮が周りを見渡しても何一つ見えなかった。すなわち近くに里があるはずがないということだ。いや、遠くにあるのを見えたところでかなり距離があるのでそろそろと表現するには厳しいものなのだが、見えないとなるとそれ以上だ。そんな風にハルト達がそろそろという表現に疑問を抱き始めた頃、半蔵は急に立ち止まった。
「我、朧に潜む忍なり。半蔵の名においてその解を現せ。」
半蔵が、そう言うと目の前の空間が歪んでぼやけてきた。そして、そのもやが、晴れた頃には地下へと続く階段が姿を現した。二人は、驚きのあまり声も出ない。
「な?ビックリしただろ?」
半蔵は、ニヤケた顔で楽しそうにしている。
「ビックリしただろ?じゃないですよ。半蔵さん。何でよりにもよってこのスポットから入るんですか。もし見られてでもしたら一気に攻め込まれますよ。」
調子に乗った半蔵に部下が一喝する。
「忍術スゲー」
ハルトは驚きで語彙力を失いかけていた。
「まあ、魔法と一緒にされることが多いんだけどな。でもな、忍術と魔法は違ってだな………」
半蔵の話は階段を下りている間だけでなく、とりあえずと入った酒場でも続いた。
半蔵の話は魔法と忍術の違いについてだった。まず始めに、半蔵は魔法は数式に、忍術は会話に例えられると言われた。二つに共通するところは魔力を消費して自分のイメージした現象を引き起こすことなのだがその過程に大きな違いがあるらしい。まず、魔法についてだが、魔法は複数の言葉を呪文として取り組むことで魔力を、その現象に変換させるものであるという。だから、複数ある式のなかから、一つの現象を導く数式に例えられるそうだ。一方、忍術には必ず問いと解が存在するそうだ。例えるなら先ほどの、階段を隠していた術のように、術者から出された問いに、答えた者がいたことや、自然とのやり取りにも置き換えられる。もし、火に関する忍術を使いたいならまず自力で火を起こさないといけないそうだ。しかし、自然環境によりその燃えかたや、燃える度合いなどが変わってくる。自然は、どの程度どのように燃やしたいかを質問してくる。それに対して魔力で干渉し、その解を実現させるのが忍術だそうだ。よってこれは自然現象の延長とも言える。だから、忍術は隠密性に高く術を使われたことに気がつきにくいのだ。一方で、魔法の場合魔力で自然現象を再現しているためそこに不自然さが現れる。それが魔力反応として感知され、相手に気づかれるそうだ。このように二人はながながと使えない忍術や魔法の話を聞いていた。いや、聞き流していた。
「貴様らはエルフという訳ではないのだろう?ならばなぜ我々の道を阻む!」
二人は、一斉に問いとの間に時間を挟むことなく答えた。
「なんとなく!」
その者はひどくあきれた。そんな理由で、前線で戦ったのかと。もっとまともな理由があれば納得もいったことだろう。しかし、二人には深い意味などなかった。そう、「なんとなく」なのである。二人は、あれほどの扱いを受けても平気でいられたのだ。何かを考えているはずがない。
「それでは質問を変える。我々が敵対している理由はご存知だろうか?」
二人は、またもや即答した。
「知らん!」
忍も薄々は気づいていたがやはり言葉で確認すると困るものがあった。聞いたのは自分自身なのだが。
「もし、貴様らがあのエルフにこだわっておらず、我々に明確な敵意を抱いていないと言うならば。少し我々の里まで同行をお願い出来ないだろうか。我々忍とエルフについてなど話したいことがある。」
二人は、少し悩んだ。ここで忍に着いていってしまえば、エルフにさらに警戒されるに決まっている。だが、今の現状になってしまった原因を突き止めなければ、ここから話が進まないことも事実なのであった。
「分かった行こう」
ハルトは、エルフに危険視されるリスクを負ってまで、知る価値のある情報が聞けるかもしれないことに賭けたのだ。二人は、気絶させた忍達が回復するのを待ち、復帰したあとに忍の里へと向かった。復帰したあとの忍達は、ハルト達を敵と認識していたため襲いかかって来るものもいたが、幸い一番最初に起きていた。忍がその隊の隊長だったらしく、何事もなくその場をおさめた。
「自己紹介をしていなかったな、俺は半蔵だ。忍には、忍名しかなくてな一応本名も覚えてはいるがまあ、半蔵として接してくれ。」
「じゃあ半ちゃんだな。俺はハルト・グレンフェルだ。よろしく。」
「おい、ハルトそれだと何か半チャーハンみたいじゃねぇか。それはともかく俺は一条蓮。よろしく。」
こうしてあらかた自己紹介が済んだところで忍の里へ向かった。里の名前は「朧」というそうだ。朧への道のりを歩んでいると蓮がふと思い出したかのように言った。
「そういえば追撃受けなかったよな。」
言われてみればそうだ。忍の軍勢は、一度はハルト達が無力化したものの結局は、こうして生きて帰っている。さらにハルト達は、エルフからすれば裏切り者にも見えただろう。にも関わらず、ここまで一切の襲撃を受けていない。
「それはそうだろ。むしろ襲撃何て受けてたら忍としての生き方を見直すところだぞ。」
半蔵は笑いながら蓮の疑問に答えた。ハルト達は訳がわからないという顔をしていた。それを見た半蔵は気づいたように説明した。
「そういえばまだ忍術を知らないんだっけか。なら不思議に思うだろうな。まあ、襲われなかったのは俺が隠れ身の術を使っていたからなんだけどな。いや、説明する前に少し驚いて貰おうか。もうすぐ里にもつくしな。」
半蔵は平原のど真ん中でそういった。いくら目のいいハルトと蓮が周りを見渡しても何一つ見えなかった。すなわち近くに里があるはずがないということだ。いや、遠くにあるのを見えたところでかなり距離があるのでそろそろと表現するには厳しいものなのだが、見えないとなるとそれ以上だ。そんな風にハルト達がそろそろという表現に疑問を抱き始めた頃、半蔵は急に立ち止まった。
「我、朧に潜む忍なり。半蔵の名においてその解を現せ。」
半蔵が、そう言うと目の前の空間が歪んでぼやけてきた。そして、そのもやが、晴れた頃には地下へと続く階段が姿を現した。二人は、驚きのあまり声も出ない。
「な?ビックリしただろ?」
半蔵は、ニヤケた顔で楽しそうにしている。
「ビックリしただろ?じゃないですよ。半蔵さん。何でよりにもよってこのスポットから入るんですか。もし見られてでもしたら一気に攻め込まれますよ。」
調子に乗った半蔵に部下が一喝する。
「忍術スゲー」
ハルトは驚きで語彙力を失いかけていた。
「まあ、魔法と一緒にされることが多いんだけどな。でもな、忍術と魔法は違ってだな………」
半蔵の話は階段を下りている間だけでなく、とりあえずと入った酒場でも続いた。
半蔵の話は魔法と忍術の違いについてだった。まず始めに、半蔵は魔法は数式に、忍術は会話に例えられると言われた。二つに共通するところは魔力を消費して自分のイメージした現象を引き起こすことなのだがその過程に大きな違いがあるらしい。まず、魔法についてだが、魔法は複数の言葉を呪文として取り組むことで魔力を、その現象に変換させるものであるという。だから、複数ある式のなかから、一つの現象を導く数式に例えられるそうだ。一方、忍術には必ず問いと解が存在するそうだ。例えるなら先ほどの、階段を隠していた術のように、術者から出された問いに、答えた者がいたことや、自然とのやり取りにも置き換えられる。もし、火に関する忍術を使いたいならまず自力で火を起こさないといけないそうだ。しかし、自然環境によりその燃えかたや、燃える度合いなどが変わってくる。自然は、どの程度どのように燃やしたいかを質問してくる。それに対して魔力で干渉し、その解を実現させるのが忍術だそうだ。よってこれは自然現象の延長とも言える。だから、忍術は隠密性に高く術を使われたことに気がつきにくいのだ。一方で、魔法の場合魔力で自然現象を再現しているためそこに不自然さが現れる。それが魔力反応として感知され、相手に気づかれるそうだ。このように二人はながながと使えない忍術や魔法の話を聞いていた。いや、聞き流していた。
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