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5章~エルフVS忍~
エルフの智宝
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ハルト達が忍の里に向かい始めたときシルヴァヌスでは、アルビオンとリリィが一つの部屋で一言も話さずに座っていた。
トントン
「ルナよ。入ってもいい?」
リリィが、アルビオンの顔色を伺うとアルビオンは小さく頷いた。
「いいですよ」
リリィの許可をもってルナが入ってきた。
「報告したいことがあるの。さっきハルトさんと蓮さんが忍の者についた行ったわ。」
「そうか。」
アルビオンはただ一言呟いた。
「でも私にはなぜそんなことをしたのかがわからない。私が見る限り、考えなしであそこまで大胆な行動をとるような人には見えなかったから。」
「そんなの俺にもわからない。」
アルビオンは、単調に答える。
「そう、じゃあ考えても仕方ないわね。」
ルナの言葉も段々と単調になってきた。
「質問していいか?」
「いいわ。私に答えられることなら何でも答えてあげるわ」
ルナは二つ返事で答えた。
「何で忍のやつらと戦ってるんだ?」
「少し話が長くなるわ。いい?」
アルビオンは「続けてくれ」と言った。
シルヴァヌスには、かなり高位の魔道具である、『全智の書』が存在した。それは、エルフの智宝とも呼ばれていた。『全智の書』と言っても全てを知ることもまた理解することも出来る訳ではない。ただ、きっかけをくれるというものだ。例えば、欲している抽象的な解があったとしよう。しかし、その解を導き出すことが出来なかったとする。そんなときに『全智の書』を使えば、具体的な望む解に導くためのきっかけをくれるのだ。人生におけるヒントを与えてくれる物と例えてもいいだろう。よって『全智の書』を使用したからといって解にたどり着ける保証はない。『全智の書』は、あくまでも解を導き出すためのきっかけを与えてくれるだけであり、実際に解を導くのは、使用者自身の技量にかかっている。エルフ達は、数々の修羅場から『全智の書』から得たヒントをもとにくぐり抜けてきた。しかし、ある時を境に『全智の書』は姿を消した。キレイな満月でありながらも非常に濃い霧がシルヴァヌス全域を覆っていた夜。タリアは声もでないような事態に遭遇した。ちょうどタリアが国の政治について悩みを抱えていた頃、タリアは、いつも通り『全智の書』がある塔の最上階へと向かっていた。『全智の書』のある塔を守る傭兵達に異常はなく最上階まではいつも通りであった。タリアは、最上階へ向かう階段を登っていると灯りが段々と減っていることに気がついた。普段は、見にくいと危ないとタリアが気を使って壁に多くの松明をかけていた。しかし、上へ上へ上るにつれその松明の数は減っていき。しまいにはなくなってしまった。タリアは、暗がりの中壁を伝いながら最上階の扉の前までたどり着いた。しかし、そこには最後の番人として見守る兵の姿はなく、代わりに床が水浸しになっていたのだ。その異様な状況に困惑しつつも『全智の書』のある部屋の扉を開いた。すると普段開けていない窓から風が吹き込んできた。そして、その開いた窓には『全智の書』を抱えて飛び降りようとする忍がいた。タリアは、慌ててその者を拘束しようと試みたが、それもかなわず。忍は、濃い霧の中へと消えていった。そして、途方にくれそうになっていたタリアに更なる不幸が襲いかかる。見下ろした自分の足が真っ赤に染まっているのである。そして、後ろには扉まで続く赤い足跡があった。そして、部屋の中で倒れる番人の姿を見つけた。番人はすでに息を引き取っており、出血のせいで辺りが血の海となっていた。先ほどタリアが感じた水とはこの血のことであったのだ。タリアは、怖がりつつもシルヴァヌス全域にこの事実を広めた。タリアの行動が早かったこともあり中からは誰も逃がさないように囲うことが出来た。しかし、いつまでたってもその忍は姿を現さなかった。逃がさないように外側から段々と内へ内へと捜索範囲を狭めていったが誰も存在しなかった。霧が晴れて昼になると。遠くから多数の足音が聞こえてきた。しかし、足音は近づくが姿はいっこうに見えない。そして、急にそれは、姿を現した。その足音は多数の忍によるものだったのだ。忍は、結界を展開しながら進行していたようで気づくことが遅れてしまったのだ。タリアは、忍の捜索のために展開していた兵士を8割迎撃に向かわせた。忍は、すぐに鎮圧されたのだがそのときに奇妙な事をいっていたのだという。
「我らの秘宝を返せ!」
「我らの秘宝を取り戻せ!」
忍達はそう叫びながら向かってきたという。
トントン
「ルナよ。入ってもいい?」
リリィが、アルビオンの顔色を伺うとアルビオンは小さく頷いた。
「いいですよ」
リリィの許可をもってルナが入ってきた。
「報告したいことがあるの。さっきハルトさんと蓮さんが忍の者についた行ったわ。」
「そうか。」
アルビオンはただ一言呟いた。
「でも私にはなぜそんなことをしたのかがわからない。私が見る限り、考えなしであそこまで大胆な行動をとるような人には見えなかったから。」
「そんなの俺にもわからない。」
アルビオンは、単調に答える。
「そう、じゃあ考えても仕方ないわね。」
ルナの言葉も段々と単調になってきた。
「質問していいか?」
「いいわ。私に答えられることなら何でも答えてあげるわ」
ルナは二つ返事で答えた。
「何で忍のやつらと戦ってるんだ?」
「少し話が長くなるわ。いい?」
アルビオンは「続けてくれ」と言った。
シルヴァヌスには、かなり高位の魔道具である、『全智の書』が存在した。それは、エルフの智宝とも呼ばれていた。『全智の書』と言っても全てを知ることもまた理解することも出来る訳ではない。ただ、きっかけをくれるというものだ。例えば、欲している抽象的な解があったとしよう。しかし、その解を導き出すことが出来なかったとする。そんなときに『全智の書』を使えば、具体的な望む解に導くためのきっかけをくれるのだ。人生におけるヒントを与えてくれる物と例えてもいいだろう。よって『全智の書』を使用したからといって解にたどり着ける保証はない。『全智の書』は、あくまでも解を導き出すためのきっかけを与えてくれるだけであり、実際に解を導くのは、使用者自身の技量にかかっている。エルフ達は、数々の修羅場から『全智の書』から得たヒントをもとにくぐり抜けてきた。しかし、ある時を境に『全智の書』は姿を消した。キレイな満月でありながらも非常に濃い霧がシルヴァヌス全域を覆っていた夜。タリアは声もでないような事態に遭遇した。ちょうどタリアが国の政治について悩みを抱えていた頃、タリアは、いつも通り『全智の書』がある塔の最上階へと向かっていた。『全智の書』のある塔を守る傭兵達に異常はなく最上階まではいつも通りであった。タリアは、最上階へ向かう階段を登っていると灯りが段々と減っていることに気がついた。普段は、見にくいと危ないとタリアが気を使って壁に多くの松明をかけていた。しかし、上へ上へ上るにつれその松明の数は減っていき。しまいにはなくなってしまった。タリアは、暗がりの中壁を伝いながら最上階の扉の前までたどり着いた。しかし、そこには最後の番人として見守る兵の姿はなく、代わりに床が水浸しになっていたのだ。その異様な状況に困惑しつつも『全智の書』のある部屋の扉を開いた。すると普段開けていない窓から風が吹き込んできた。そして、その開いた窓には『全智の書』を抱えて飛び降りようとする忍がいた。タリアは、慌ててその者を拘束しようと試みたが、それもかなわず。忍は、濃い霧の中へと消えていった。そして、途方にくれそうになっていたタリアに更なる不幸が襲いかかる。見下ろした自分の足が真っ赤に染まっているのである。そして、後ろには扉まで続く赤い足跡があった。そして、部屋の中で倒れる番人の姿を見つけた。番人はすでに息を引き取っており、出血のせいで辺りが血の海となっていた。先ほどタリアが感じた水とはこの血のことであったのだ。タリアは、怖がりつつもシルヴァヌス全域にこの事実を広めた。タリアの行動が早かったこともあり中からは誰も逃がさないように囲うことが出来た。しかし、いつまでたってもその忍は姿を現さなかった。逃がさないように外側から段々と内へ内へと捜索範囲を狭めていったが誰も存在しなかった。霧が晴れて昼になると。遠くから多数の足音が聞こえてきた。しかし、足音は近づくが姿はいっこうに見えない。そして、急にそれは、姿を現した。その足音は多数の忍によるものだったのだ。忍は、結界を展開しながら進行していたようで気づくことが遅れてしまったのだ。タリアは、忍の捜索のために展開していた兵士を8割迎撃に向かわせた。忍は、すぐに鎮圧されたのだがそのときに奇妙な事をいっていたのだという。
「我らの秘宝を返せ!」
「我らの秘宝を取り戻せ!」
忍達はそう叫びながら向かってきたという。
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