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5章~エルフVS忍~
情報の縺れ
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ハルトは、疾風の話を黙って聞いていた。しかし、どうしても引っかかる点があったのだ。それは、なぜ防衛システムがきちんと成り立っているこの朧にエルフが侵入していたのかということ、そしてもしエルフが侵入する手口を持っていたとして、どうやってこの場所を知ることが出来たのかということだ。その疑問をそのまま疾風にぶつけた。
「それは、俺らにも分からん。エルフについて分かっていることなんて少ないからな。誰でも知っているような知識しか持ってない。だからあのときの攻撃も失敗した。我々は常に情報報戦において劣っているのだ。」
ハルトは、次に攻撃を仕掛けた時の状況を聞いた。その時の話でおかしい点がいくつも存在した。まず、朧の奇襲が成功したということ。核となる中心人物な攻撃は届かなかったにしても、一度は攻撃が出来ているのである。普通ならば、朧が攻め混んで来ることは容易に想像出来たはずだ。しかし、シルヴァヌスは防衛網を張っていなかった。そこから、考えられる可能性は2つ。一つは、何か意図があってそうした。これは極めて可能性が低いと言えるだろう。そうするメリットがないのだから。すると自ずともう一つの可能性が高くなってくる。それは、予期することができなかった。しかし、これを証明するには、一つまた疑問が生まれてくる。では、「真眼」を盗んだエルフは何者だったのか、そして、どんな動機があって盗んだのか。これを推測する必要がある。ハルトは、こう考えた。まず、あのエルフの正体についてである。あのエルフはシルヴァヌスのエルフではない可能性だ。いや、もしかしたらエルフですらないかもしれない。そして、その者の動機は今のこの状態にあるのかもしれないと思った。そう、エルフと朧が戦っているこの状態である。だとすると、ハルトの中で一つの仮説が生まれた。もしかしたら、エルフ側にも何か盗まれたものがあるのではないかと。それを確認するためにすべき事があった。タリアに話を聞かなければならない。
「蓮ちょっといいか?」
ハルトは、蓮にこれからの行動を伝えた。ハルトだけで、シルヴァヌスに乗り込むことを伝えそれを疾風だけに伝えて欲しいとも言った。それを告げたハルトは、夜の霞に消えた。
「どうもこんばんは。少し話をしてもいいですか?」
タリアが一人でいる部屋の大きな窓に、月明かりに照らされる男の影があった。タリアが大声を出しそうになっていたので、ハルトは人差し指を唇に当てた。タリアは少し落ち着いて、人を呼んでもいいかとハルトに聞いた。
「むしろ呼んで欲しいね。ただし、アルビオンとリリィ、ルナだけだ。心配なら俺を何かで拘束していてもいい。今回は口と耳さえ使えればいいから。」
タリアは、ハルトを拘束魔法で縛ったあと、まずルナを呼んだ。そして、ルナに、リリィ達を集めさせた。
「それじゃあ、始めようか。タリアさん質問に答えてほしいんだけど何をすれば答えてくれる?」
タリアは戸惑った。何せ朧にハルトが行ったことは確認しているのだから。そのハルトを警戒しないほうが難しいだろう。
「難しそうだな。じゃあ、朧の戦力について教えようか?それとも里の位置を教えたらいいか?」
タリアはまたしても驚いた。ハルトが現在敵対している相手の情報を吐いてくれるというのだから。タリアは罠なのか、本気なのか分からなかった。
「タリアさん、俺の言った事を信じてくれるなら、ハルトは今タリアさんをはめようとしてるわけではないよ。」
アルビオンが助け船を出してくれた。アルビオンの助け船によってタリアとの交渉が成立した。
「私は今までの無礼がある最初に質問に答えよう。」
「じゃあ、朧に何か盗まれなかった?それも、かなり大事な国宝クラスの何かが。」
タリアは黙って頷くことしか出来なかった。ハルトにはそんなことを話していなかったからだ。
「やっぱりそうか~。ならこんな戦いに意味はないな。」
「どういうことだ。」
タリアは少し怒ったように言った。
「じゃあタリアさん『真眼』って知ってる?」
タリアは、一生懸命考えたがそんなもの聞いたこともなかった。
「そういうことか!」
アルビオンが一番にこれを理解した。
「そうか分かったか。じゃあそれを後でタリアさんに教えてあげてくれ。あとちょっとこっちに来てくれないか?」
アルビオンが近づくとハルトは耳打ちで頼み事をした。
「じゃあまた明日の夜に。次は朧のトップも連れてくるんでよろしくお願いします!」
ハルトはそれを最後に朝焼けが差し出した森に逃げていった。
「それは、俺らにも分からん。エルフについて分かっていることなんて少ないからな。誰でも知っているような知識しか持ってない。だからあのときの攻撃も失敗した。我々は常に情報報戦において劣っているのだ。」
ハルトは、次に攻撃を仕掛けた時の状況を聞いた。その時の話でおかしい点がいくつも存在した。まず、朧の奇襲が成功したということ。核となる中心人物な攻撃は届かなかったにしても、一度は攻撃が出来ているのである。普通ならば、朧が攻め混んで来ることは容易に想像出来たはずだ。しかし、シルヴァヌスは防衛網を張っていなかった。そこから、考えられる可能性は2つ。一つは、何か意図があってそうした。これは極めて可能性が低いと言えるだろう。そうするメリットがないのだから。すると自ずともう一つの可能性が高くなってくる。それは、予期することができなかった。しかし、これを証明するには、一つまた疑問が生まれてくる。では、「真眼」を盗んだエルフは何者だったのか、そして、どんな動機があって盗んだのか。これを推測する必要がある。ハルトは、こう考えた。まず、あのエルフの正体についてである。あのエルフはシルヴァヌスのエルフではない可能性だ。いや、もしかしたらエルフですらないかもしれない。そして、その者の動機は今のこの状態にあるのかもしれないと思った。そう、エルフと朧が戦っているこの状態である。だとすると、ハルトの中で一つの仮説が生まれた。もしかしたら、エルフ側にも何か盗まれたものがあるのではないかと。それを確認するためにすべき事があった。タリアに話を聞かなければならない。
「蓮ちょっといいか?」
ハルトは、蓮にこれからの行動を伝えた。ハルトだけで、シルヴァヌスに乗り込むことを伝えそれを疾風だけに伝えて欲しいとも言った。それを告げたハルトは、夜の霞に消えた。
「どうもこんばんは。少し話をしてもいいですか?」
タリアが一人でいる部屋の大きな窓に、月明かりに照らされる男の影があった。タリアが大声を出しそうになっていたので、ハルトは人差し指を唇に当てた。タリアは少し落ち着いて、人を呼んでもいいかとハルトに聞いた。
「むしろ呼んで欲しいね。ただし、アルビオンとリリィ、ルナだけだ。心配なら俺を何かで拘束していてもいい。今回は口と耳さえ使えればいいから。」
タリアは、ハルトを拘束魔法で縛ったあと、まずルナを呼んだ。そして、ルナに、リリィ達を集めさせた。
「それじゃあ、始めようか。タリアさん質問に答えてほしいんだけど何をすれば答えてくれる?」
タリアは戸惑った。何せ朧にハルトが行ったことは確認しているのだから。そのハルトを警戒しないほうが難しいだろう。
「難しそうだな。じゃあ、朧の戦力について教えようか?それとも里の位置を教えたらいいか?」
タリアはまたしても驚いた。ハルトが現在敵対している相手の情報を吐いてくれるというのだから。タリアは罠なのか、本気なのか分からなかった。
「タリアさん、俺の言った事を信じてくれるなら、ハルトは今タリアさんをはめようとしてるわけではないよ。」
アルビオンが助け船を出してくれた。アルビオンの助け船によってタリアとの交渉が成立した。
「私は今までの無礼がある最初に質問に答えよう。」
「じゃあ、朧に何か盗まれなかった?それも、かなり大事な国宝クラスの何かが。」
タリアは黙って頷くことしか出来なかった。ハルトにはそんなことを話していなかったからだ。
「やっぱりそうか~。ならこんな戦いに意味はないな。」
「どういうことだ。」
タリアは少し怒ったように言った。
「じゃあタリアさん『真眼』って知ってる?」
タリアは、一生懸命考えたがそんなもの聞いたこともなかった。
「そういうことか!」
アルビオンが一番にこれを理解した。
「そうか分かったか。じゃあそれを後でタリアさんに教えてあげてくれ。あとちょっとこっちに来てくれないか?」
アルビオンが近づくとハルトは耳打ちで頼み事をした。
「じゃあまた明日の夜に。次は朧のトップも連れてくるんでよろしくお願いします!」
ハルトはそれを最後に朝焼けが差し出した森に逃げていった。
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