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5章~エルフVS忍~
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「フゴッフゴフゴ」
蓮は運ばれる中叫ぼうとしたがその声は口に縛られた糸に阻まれ音にならなかった。叫べていたところで聞こえる人間など運んでいる者くらいだろうが、それでも声が届かないというのはかなり不安になるものだ。蓮は少し考えた。このまま連れていかれてしまえばいいじゃないかと。これは決して諦めたのではなく、ちゃんとした理由あっての考えだった。現在自分達が分かっている情報は数少ない。ほぼ無いといっていいほどだ。そして、優勢して知りたい情報は、敵の数、拠点、指揮官である。そのどれかでも分かれば今後の反撃の手がかりになることは間違いなかった。そして、蓮はおそらく敵の拠点もしくは指揮官か、重要な人物の元に運ばれるであろうことを予想していた。そこに行けば、蓮を人質にするなり殺してしまうなりしてしまうだろう。その過程でこの糸が少しでもほどけるはずだと蓮は考えたのだ。全ての糸が取り除かれなくとも蓮には竜の力を少し借りることで炎を操ることが出来る。それで火柱でもたててしまえば、アルビオンたちに自分の居場所と同時に敵の拠点を知らせることが出来ると考えたのだ。蓮の考えがまとまったその瞬間、蓮は自分の名作戦に酔いしれさっきまで暴れていたのにも関わらずきちんとおとなしくしてしまったのだ。
「なんだこいつ急に大人しくなったぞ。」
「死んだのか?」
一人が顔の部分に耳を近づけると吐息が聞こえた。それもかなり大きく。
「こいつ全然元気じゃん。何かいい案でも思い付いたのかな、この糸からでる方法。まあ、ほどくきなんて全くもって無いけどね」
こんなことを言いながら蓮をバカにする兵士の声も蓮には聞こえていない。
兵士達が蓮の拘束を解く気など一切ないということを知らないまま拠点にたどり着いた。しかし、どれ程待っても一向に糸を剥がそうとしなかった。それどころか触りもしなかったのだ。兵士達は、拠点にたどり着いたあと報告を済まし休息をとっており蓮のことなどこれっぽっちも気にしていなかったのだ。そもそも次の作戦が与えられるまでの唯一の睡眠時間を有意義に使うために蓮の存在を忘れていたのだった。蓮は、音も光もほとんど得られない状態ではあったがなんとなくの気配で自分の回りに人がいるかいないかを把握することは出来ていた。しかし、皆休息をとるためテントにいってしまったため蓮のまわりに人はいなかった。一応捕虜という身分であり蓮に反抗の意思もあるがそのままの状態では何も出来ないと分かっていたため見張りすらつけていなかった。そして、そろそろ日が落ちてこようというときにやっと人が活動を始めたのが蓮には感じ取れた。蓮はこのほとんど何も感じ取れない状況の中である能力を開花させたのである。熱感知が出来るようになったのだ。五感が閉ざされた状況と蓮の中の竜の力が合わさった結果こうなったのだろう。はじめは何か変な感覚で気になっていたが、それをはっきりと認識したとき自分に第六感が備わったことを実感した。厳密にいうと皮膚の熱感知が極限まで高まりそれが感知できる範囲がかなり広まった結果であるため第六感とは言いがたいが蓮にはそう感じれるほどの感動があった。蓮は、その力を使って周囲を確認した。どうやら飯時のようだ。数ヵ所で火が上がっている。松明のようなものがたてられているのを見て夜になってきたことも確認できた。ようやく料理が出来たらしく兵士達は食べ物を口にし始めた。なぜかは蓮には分からなかったが多くの兵士が蓮を囲むようにして食べていた。
その頃に兵士達は、飯を食べながら蓮の処分について考えていた。
「どうします?隊長。」
「こいつは強いのか?」
「そこそこ出来る魔導師だと思います。ついた時には広範囲に渡って草が燃えて土が見えてましたから。」
「そうか、ならこいつを燃やそう。」
「しかし、糸は火で数分炙ると消えてしまうとウェイブ様が…」
「なら鍋でじっくり火を通してやろう。」
兵士達は鍋を用意し水を入れそこに蓮を入れようと運び出した。蓮は、最初ようやく人が近づいてきたものだからやっと反撃が出来ると踏んだのだが熱せられる鍋が近づくにつれ期待は焦りへと変わっていった。いくら火を操ることが出来ると言っても熱を無効化できるわけではないためダメージを負うことは確実であった。蓮は、この状況を脱することのできる方法を模索した結果一つだけ賭けられる希望があった。それは、ひそかに練習していたあることだった。竜狂戦士となってしまった蓮ではあるがそれは過去の話であって今の話ではない。蓮はそこに今から竜戦士となる可能性を見いだし力をコントロールする練習をしていたのだ。しかし、今まで成功という成功を納めたことがなくほんの数回暴走せずにいられた程度である。それもほとんど体力を残していない状態で。これを実戦でしてしまえば蓮の命が危険である。だが、どうせ命に危険があるならと実行することにした。その時、その拠点には大きな火柱が立ち上ることとなった。
蓮は運ばれる中叫ぼうとしたがその声は口に縛られた糸に阻まれ音にならなかった。叫べていたところで聞こえる人間など運んでいる者くらいだろうが、それでも声が届かないというのはかなり不安になるものだ。蓮は少し考えた。このまま連れていかれてしまえばいいじゃないかと。これは決して諦めたのではなく、ちゃんとした理由あっての考えだった。現在自分達が分かっている情報は数少ない。ほぼ無いといっていいほどだ。そして、優勢して知りたい情報は、敵の数、拠点、指揮官である。そのどれかでも分かれば今後の反撃の手がかりになることは間違いなかった。そして、蓮はおそらく敵の拠点もしくは指揮官か、重要な人物の元に運ばれるであろうことを予想していた。そこに行けば、蓮を人質にするなり殺してしまうなりしてしまうだろう。その過程でこの糸が少しでもほどけるはずだと蓮は考えたのだ。全ての糸が取り除かれなくとも蓮には竜の力を少し借りることで炎を操ることが出来る。それで火柱でもたててしまえば、アルビオンたちに自分の居場所と同時に敵の拠点を知らせることが出来ると考えたのだ。蓮の考えがまとまったその瞬間、蓮は自分の名作戦に酔いしれさっきまで暴れていたのにも関わらずきちんとおとなしくしてしまったのだ。
「なんだこいつ急に大人しくなったぞ。」
「死んだのか?」
一人が顔の部分に耳を近づけると吐息が聞こえた。それもかなり大きく。
「こいつ全然元気じゃん。何かいい案でも思い付いたのかな、この糸からでる方法。まあ、ほどくきなんて全くもって無いけどね」
こんなことを言いながら蓮をバカにする兵士の声も蓮には聞こえていない。
兵士達が蓮の拘束を解く気など一切ないということを知らないまま拠点にたどり着いた。しかし、どれ程待っても一向に糸を剥がそうとしなかった。それどころか触りもしなかったのだ。兵士達は、拠点にたどり着いたあと報告を済まし休息をとっており蓮のことなどこれっぽっちも気にしていなかったのだ。そもそも次の作戦が与えられるまでの唯一の睡眠時間を有意義に使うために蓮の存在を忘れていたのだった。蓮は、音も光もほとんど得られない状態ではあったがなんとなくの気配で自分の回りに人がいるかいないかを把握することは出来ていた。しかし、皆休息をとるためテントにいってしまったため蓮のまわりに人はいなかった。一応捕虜という身分であり蓮に反抗の意思もあるがそのままの状態では何も出来ないと分かっていたため見張りすらつけていなかった。そして、そろそろ日が落ちてこようというときにやっと人が活動を始めたのが蓮には感じ取れた。蓮はこのほとんど何も感じ取れない状況の中である能力を開花させたのである。熱感知が出来るようになったのだ。五感が閉ざされた状況と蓮の中の竜の力が合わさった結果こうなったのだろう。はじめは何か変な感覚で気になっていたが、それをはっきりと認識したとき自分に第六感が備わったことを実感した。厳密にいうと皮膚の熱感知が極限まで高まりそれが感知できる範囲がかなり広まった結果であるため第六感とは言いがたいが蓮にはそう感じれるほどの感動があった。蓮は、その力を使って周囲を確認した。どうやら飯時のようだ。数ヵ所で火が上がっている。松明のようなものがたてられているのを見て夜になってきたことも確認できた。ようやく料理が出来たらしく兵士達は食べ物を口にし始めた。なぜかは蓮には分からなかったが多くの兵士が蓮を囲むようにして食べていた。
その頃に兵士達は、飯を食べながら蓮の処分について考えていた。
「どうします?隊長。」
「こいつは強いのか?」
「そこそこ出来る魔導師だと思います。ついた時には広範囲に渡って草が燃えて土が見えてましたから。」
「そうか、ならこいつを燃やそう。」
「しかし、糸は火で数分炙ると消えてしまうとウェイブ様が…」
「なら鍋でじっくり火を通してやろう。」
兵士達は鍋を用意し水を入れそこに蓮を入れようと運び出した。蓮は、最初ようやく人が近づいてきたものだからやっと反撃が出来ると踏んだのだが熱せられる鍋が近づくにつれ期待は焦りへと変わっていった。いくら火を操ることが出来ると言っても熱を無効化できるわけではないためダメージを負うことは確実であった。蓮は、この状況を脱することのできる方法を模索した結果一つだけ賭けられる希望があった。それは、ひそかに練習していたあることだった。竜狂戦士となってしまった蓮ではあるがそれは過去の話であって今の話ではない。蓮はそこに今から竜戦士となる可能性を見いだし力をコントロールする練習をしていたのだ。しかし、今まで成功という成功を納めたことがなくほんの数回暴走せずにいられた程度である。それもほとんど体力を残していない状態で。これを実戦でしてしまえば蓮の命が危険である。だが、どうせ命に危険があるならと実行することにした。その時、その拠点には大きな火柱が立ち上ることとなった。
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