俺はゲームのモブなはずだが?

レラン

文字の大きさ
3 / 33

1

しおりを挟む
「‥‥い‥‥‥ーい‥‥‥‥おーい!大丈夫かー?」

 俺の意識を覚醒したと思われる、目の前にいる人物。
 そいつは俺の従兄弟で、髪は黒髪。右が青紫色で左が琥珀色のオッドアイの瞳を持つ人物。

「‥‥あ、ああ」

 まだ朦朧とする頭で必死に、今しがた見たものを思い出す。
 ‥‥思い出した。というか、に思い出さされたに近いか。
 俺はどうやら、前世で無理やり妹にやらされたゲームに転生してしまったらしい。
 何故そうわかるかと問われると、目の前にいる人物が『鍵』っと言うしかない。

 『瞳の奥に恋をした~君との愛は~』という、題名のBLゲームの主人公。
 それが目の前にいるこいつ。

 名前は【狐ノ山このやま 白蓮びゃくれん
 容姿は、髪は黒髪。右が青紫色で左が琥珀色のオッドアイの瞳。平均よりも少し小さめの体で、それでも男らしく勇敢なところがあるやつだ。
 性格は老若男女誰にでも壁なく話せる。
 俺の従兄弟であり、さっきいたBLゲームの主人公である。

「‥‥もう、大丈夫だ。でも今日はもう休みたい。ごめんだけど、今日は帰ってくれるか?」

「あ、ああ!そうだよな!すぐ休め!!今日はおばさん達いないから、後で俺の家から食べ物持ってくるからな!!ゆっくり休めよ!!」

 そう言って俺の家から出ていく主人公様。
 俺はすぐに自分の部屋に帰り、もう一度頭の中を整理する。

「‥‥とりあえず、攻略者たちの事を覚えてる限り書き出すか?」

 俺は机に向かって、BLゲームの内容を映し出し始めた。
 興味がなかったゲームだったが、意外と内容を覚えていて、映し出す頃にはもう外は真っ赤だった。

「‥‥‥あとは現状整理か」

 俺は自分の部屋にある立て掛け鏡の前に立つ。
 現在の俺はこうだ。

 名前は【弧ノ山このやま 稜驊いつか
 容姿は、髪は白髪。右が琥珀色で左が青紫色の、白蓮とは反対のオッドアイの瞳。体格は白蓮と同じだ。
 性格は、人付き合いは苦手な方で、あまり話さない。それせいもあってか、いつも無表情だ。

 ‥‥驚きだよ。
 何がって?俺の容姿もだけど、俺のじたいが驚きなんだよ。
 俺の記憶では、このゲームにこんな容姿のやつは出てこない。仮に出てきていたら、攻略対象になっていてもいいぐらいだ。だが、そんなやついなかった。
 ま、俺はどこからかひょっこり出てきたモブって事だ。

「‥‥‥あ、やばいじゃねーか」

 さも驚いているような口調だが、俺の顔は無表情のままで、何も変化が見えない。
 これは、変顔対決は優勝できるレベルだな。と、思わず関係ないことを思ってしまうほどだ。
 あ、何がやばいかと言うと、俺はあと一週間で、主人公と共にゲーム内でのメインステージである学園。『白夜ノ森学園』に入学するのだ。
 ここは全寮制で、もう入寮手続きも服などの輸送も終わっている。後戻りできない状態なのだ。
 俺は普通にゲームに干渉せずに生きたいと、心の中で思っていたがこれでは無理そうだ。
 せめてでも、今の俺の容姿をどうにか隠して、入学してからできるだけイベントがある場所には近づかないようにしよう。

「‥‥寝るk《ピンポーン ピンポーン》‥‥‥誰だよ」

 俺は階段を降り、玄関に向かうと、そこのは主人公君がいた。
 おい。なんで勝手に他人の家入ってんだ?こいつは。

「よ!稜驊!ちゃんと寝てたか?飯持ってきたから一緒に食おうぜ!」

 そう言って、持っている紙袋を俺の前に差し出す主人公君。
 いや、ご飯を持ってきてくれたことには感謝する。だけど、人の家に勝手に入るお前は許さねー。

「ご飯はありがたく受け取るが、お前は帰れ1人で食いたいんだよ」

「またまた~。いつも無表情なお前だけど、俺はわかるぜ!今お前が言ったことは、お前が本当は思ってないことだろ?
 何だ、具合が悪いのって風邪かなんかだったのか?だから、俺に伝染らないようにって遠ざけようとしてんのか?大丈夫だって!
 ほら、リビング行こうぜ!おっ邪魔しまーす!」

 そう言って、ズカズカと家に入る主人公君。
 ‥‥現実ではこんな感じなのか。なかなかいい性格してるんだな、主人公君。
 ‥‥‥もちろんいい意味だよ?ニッコリ
 表情は変わらないので、心の中だけでも笑う。

「ご飯食べたら帰れよ?」

「ええ~?飯食べたら遊ぶだろ~。あそれとも一緒に風呂入るか?」

「ふざけんな、そんなのごめんだ。主人公君となんて入れるか‥‥あ」

 俺は風呂が嫌すぎて、主人公君の事を思わず『主人公君』と呼んでしまった。
 まずいと思い、横目で主人公君の様子を見ると、本人はキョトンとしていた。

「主人公君?なんだそれ。主人公つったら、お前の方がお似合いじゃねーか。その容姿だ。高校に入学したら、女どもが黙ってね~ぞ~?」

 そう言って、俺の横に来て俺の頬をつつく主人公君。
 ‥‥この容姿のことに対しては、俺は同意する。
 もし俺が女なら、こんな綺麗な容姿のやつがいたら目の保養として、ずっと見ているかもしてない。
 あ、ナルシストじゃないぞ?前世の記憶がある俺にとって、前世の自分の容姿を知ってる分、今の俺の容姿の綺麗さが分かるってだけだ。

「はいはい。分かったからやめろ。ご飯食うんだろ?今温めるから座って待っとけ」

「OK~!じゃ、テレビ見て待っとく!」

 そう言って、リビングのテレビの前にあるソファーに飛び乗る主人公君。
 ‥‥‥子供ガキだな。本当に。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

【完結】だから俺は主人公じゃない!

美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。 しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!? でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。 そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。 主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱! だから、…俺は主人公じゃないんだってば!

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

事なかれ主義の回廊

由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

処理中です...