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「‥‥‥あれ?」
いつまでたっても背中に衝撃が来ないので、俺はそーっと目を開けてみる。
「大丈夫か?怪我はないか?」
‥‥攻略対象に助けられました。
あ、やばい。と思った時には、もう遅かった。
「おい修也!お前取り巻きどうにかしてからこっちに来い!」
目の前にいる攻略対象が、もう1人の攻略対象を呼ぶ。
終わった。これは出会いイベントだ。
本当は白蓮がいるはずの場所に、俺がいるのが分からないが、俺は出会いイベントに遭遇してしまったらしい。
「その声は京馬か!?わかったよ!ごめんな?俺ちょっと用事ができたからーー」
何やら取り巻きに説明を始めた攻略対象。
「おい!大丈夫か?どこも怪我してないか!?稜驊!」
そう言いながら駆け寄ってくるのは、俺が今いる位置にいるはずの主人公。
おい!お前がなんでそっちにいるんだよ!!お前が本来いるのは、俺が今いるこの位置だろ!?
そう心の中で叫んでいるあいだに、取り巻きの中心にいた人物が、こちらに合流した。
「で、なんのようだ?京馬」
名前は【犬童川 修也】
容姿は、輝く金髪で瞳は青。いわゆる金髪碧眼。見た目は普通の体つきだが、ちゃんと筋肉がついており、身長も189という長身だ。
性格は、女ったらしで男は心を許した人物以外は基本嫌い。
生徒会長&女ったらしの、攻略対象だ。
「何のようだじゃない!お前の取り巻きのせいで、新入生が大怪我しそうだったんだぞ?」
名前は【惶蔵 京馬】
容姿は、輝く銀髪で瞳は青。いわゆる、銀髪碧眼。修也と同じく、見た目は普通の体つきだが、ちゃんと筋肉がついている。身長も187という長身だ。
性格は、真面目でお節介焼きのお母さんみたいな性格。
副生徒会長&お母さん的存在の、攻略対象だ。
「そうなのか?で被害にあった子に謝ればいいのか?」
「そうだ。ちゃんと謝れよ?」
「ええ~?嫌だな~」
「修也!」
俺の上でそんな言い合いを始め出す攻略対象2人。
『俺の上』っていうのは、俺が京馬に姫だっこされているせいだ。
ん?いつからかって?最初っからだよ。
何が悲しくて男に姫だっこされなきゃいかんのだ。
「で?その被害にあったのは、そこに突っ立ってるやつの事か?」
そう言って、修也が指さしたのは白蓮。
‥‥俺は眼中に無いということか。
いや、嬉しいよ?眼中に無いことは嬉しいんだけどさ?
‥‥‥影が薄いって言われてるみたいで、少しは傷ついたりしちゃうんだよ。
「はぁ?何言ってるんだが、どこからどう見たって、こっちの子だろ」
「うゎ」
そう言って、俺を抱え直した京馬。
俺は、抱え直された振動が怖くて、思わず京馬の首に手を回してしまう。
そんな俺に気づいた京馬は、俺を見てニッコリ笑って、「大丈夫。落とさないから」と、耳元で言ってきやがった。
やめろ~!!
「ふぁっ」
俺は耳が弱いらしく、変な声が出てしまった。
ぎゃー!いやだー!
幸いなことに、俺が出した変な声は、京馬にしか聞こえていなかったらしく、京馬が目を少し開いただけで終わった。
‥‥こんな時でも俺の顔は無表情なのだろうか。後で白蓮に聞いてみるか。
そんな事を思う自分に、「意外と余裕があるんだな」と、感心してしまう。
「あ?ああ。こっちのやつか。悪かったな」
謝ってきた修也は、何故かこちらを試すような目で見てくる。
‥‥なんでだ?
「‥‥大丈夫です。生徒会長さんに謝ってもらうほどでもありませんから」
「!あはははははは!そう思うのかお前は!あははは!」
俺の言葉に大笑いを始める修也。
なんでだ?俺は何も面白いこと言ってないと思うんだが?
俺は首を傾げる。
「あの惶蔵副会長さん。俺を下ろしてもらえないでしょうか」
俺はまだ京馬に姫だっこから解放してもらえるように頼む。
何故かこちらは驚き顔で俺を見ている。
「あ、ああ。そうだな。だが、足は大丈夫か?なんなら俺がこのまま保健室に連れてってyーー」
「ーー全力で遠慮させてもらいます」
俺の拒否の言葉に、これまた大きな声で笑いだす修也と既に開いていた目をこれでもかと、さらに開く京馬。
だから、俺何か変な事言った?
「おい、白蓮。さっさと行くぞ?
それでは生徒会長さんに副生徒会長さん。これで俺達は失礼します」
「え、あ、失礼します!ちょっと待ってくれよ!」
俺はそそくさとこの場を去る。
落ちた時に捻ったのか、右足が痛い。
でも、痛みよりも先に安全を確保だ。
「お前次からは俺を呼び捨てで呼べよー!あはははは!」
そう叫び笑う修也の声が後ろから聞こえた気がしたが、無視だ無視。
俺は、ゲームに干渉せずに平和に暮らしたいんだ。
その為には、白蓮を攻略対象と仲良くさせなければならない。
‥‥あれ?それなら、さっきのあの場に、白蓮を残してきても良かったのでは?
俺は考えた結果、今とった行動がよかったと判断した。
だって、あの場にこのおしゃべり主人公を1人残してきたら、白蓮が何を話すかわからない。
俺がとった行動は、正解の道だ!
‥‥‥そうだよな?
いつまでたっても背中に衝撃が来ないので、俺はそーっと目を開けてみる。
「大丈夫か?怪我はないか?」
‥‥攻略対象に助けられました。
あ、やばい。と思った時には、もう遅かった。
「おい修也!お前取り巻きどうにかしてからこっちに来い!」
目の前にいる攻略対象が、もう1人の攻略対象を呼ぶ。
終わった。これは出会いイベントだ。
本当は白蓮がいるはずの場所に、俺がいるのが分からないが、俺は出会いイベントに遭遇してしまったらしい。
「その声は京馬か!?わかったよ!ごめんな?俺ちょっと用事ができたからーー」
何やら取り巻きに説明を始めた攻略対象。
「おい!大丈夫か?どこも怪我してないか!?稜驊!」
そう言いながら駆け寄ってくるのは、俺が今いる位置にいるはずの主人公。
おい!お前がなんでそっちにいるんだよ!!お前が本来いるのは、俺が今いるこの位置だろ!?
そう心の中で叫んでいるあいだに、取り巻きの中心にいた人物が、こちらに合流した。
「で、なんのようだ?京馬」
名前は【犬童川 修也】
容姿は、輝く金髪で瞳は青。いわゆる金髪碧眼。見た目は普通の体つきだが、ちゃんと筋肉がついており、身長も189という長身だ。
性格は、女ったらしで男は心を許した人物以外は基本嫌い。
生徒会長&女ったらしの、攻略対象だ。
「何のようだじゃない!お前の取り巻きのせいで、新入生が大怪我しそうだったんだぞ?」
名前は【惶蔵 京馬】
容姿は、輝く銀髪で瞳は青。いわゆる、銀髪碧眼。修也と同じく、見た目は普通の体つきだが、ちゃんと筋肉がついている。身長も187という長身だ。
性格は、真面目でお節介焼きのお母さんみたいな性格。
副生徒会長&お母さん的存在の、攻略対象だ。
「そうなのか?で被害にあった子に謝ればいいのか?」
「そうだ。ちゃんと謝れよ?」
「ええ~?嫌だな~」
「修也!」
俺の上でそんな言い合いを始め出す攻略対象2人。
『俺の上』っていうのは、俺が京馬に姫だっこされているせいだ。
ん?いつからかって?最初っからだよ。
何が悲しくて男に姫だっこされなきゃいかんのだ。
「で?その被害にあったのは、そこに突っ立ってるやつの事か?」
そう言って、修也が指さしたのは白蓮。
‥‥俺は眼中に無いということか。
いや、嬉しいよ?眼中に無いことは嬉しいんだけどさ?
‥‥‥影が薄いって言われてるみたいで、少しは傷ついたりしちゃうんだよ。
「はぁ?何言ってるんだが、どこからどう見たって、こっちの子だろ」
「うゎ」
そう言って、俺を抱え直した京馬。
俺は、抱え直された振動が怖くて、思わず京馬の首に手を回してしまう。
そんな俺に気づいた京馬は、俺を見てニッコリ笑って、「大丈夫。落とさないから」と、耳元で言ってきやがった。
やめろ~!!
「ふぁっ」
俺は耳が弱いらしく、変な声が出てしまった。
ぎゃー!いやだー!
幸いなことに、俺が出した変な声は、京馬にしか聞こえていなかったらしく、京馬が目を少し開いただけで終わった。
‥‥こんな時でも俺の顔は無表情なのだろうか。後で白蓮に聞いてみるか。
そんな事を思う自分に、「意外と余裕があるんだな」と、感心してしまう。
「あ?ああ。こっちのやつか。悪かったな」
謝ってきた修也は、何故かこちらを試すような目で見てくる。
‥‥なんでだ?
「‥‥大丈夫です。生徒会長さんに謝ってもらうほどでもありませんから」
「!あはははははは!そう思うのかお前は!あははは!」
俺の言葉に大笑いを始める修也。
なんでだ?俺は何も面白いこと言ってないと思うんだが?
俺は首を傾げる。
「あの惶蔵副会長さん。俺を下ろしてもらえないでしょうか」
俺はまだ京馬に姫だっこから解放してもらえるように頼む。
何故かこちらは驚き顔で俺を見ている。
「あ、ああ。そうだな。だが、足は大丈夫か?なんなら俺がこのまま保健室に連れてってyーー」
「ーー全力で遠慮させてもらいます」
俺の拒否の言葉に、これまた大きな声で笑いだす修也と既に開いていた目をこれでもかと、さらに開く京馬。
だから、俺何か変な事言った?
「おい、白蓮。さっさと行くぞ?
それでは生徒会長さんに副生徒会長さん。これで俺達は失礼します」
「え、あ、失礼します!ちょっと待ってくれよ!」
俺はそそくさとこの場を去る。
落ちた時に捻ったのか、右足が痛い。
でも、痛みよりも先に安全を確保だ。
「お前次からは俺を呼び捨てで呼べよー!あはははは!」
そう叫び笑う修也の声が後ろから聞こえた気がしたが、無視だ無視。
俺は、ゲームに干渉せずに平和に暮らしたいんだ。
その為には、白蓮を攻略対象と仲良くさせなければならない。
‥‥あれ?それなら、さっきのあの場に、白蓮を残してきても良かったのでは?
俺は考えた結果、今とった行動がよかったと判断した。
だって、あの場にこのおしゃべり主人公を1人残してきたら、白蓮が何を話すかわからない。
俺がとった行動は、正解の道だ!
‥‥‥そうだよな?
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