19 / 33
閑話 side喜三久 虎國
しおりを挟む
「てか、早く下ろせよ!いい加減吐きそうなんだよ!」
鷹雅が七夏弥に言われて連れてきたのは、不思議な新入生だった。
灰色よりの黒の髪は多分染めているのだろう。瞳は琥珀と青紫の色。世にゆうオッドアイだ。
綺麗だ。
見た瞬間にそう感じた。
でも、すぐにその考えは頭の隅においやった。髪を黒染めしているところ、この新入生は自分の容姿が嫌いなようだし、ズボンを履いているから男子生徒だ。男子に「綺麗」は失礼だろう。
「ひゃ!」
突然かわいゴホゴホ‥‥男子生徒が裏声を出したので、驚き男子生徒を見ると、鷹雅が男子生徒のおでこを触っていた。
「‥‥‥‥熱は無いな」
「あ、はい。いたって健康体です」
驚いた。
鷹雅が初めて会った男子生徒を心配そうにしているのもだが、普通、俺達生徒会役員に触られた生徒は男女方わずに、キャーキャー騒ぐか顔を真っ赤にさせ固まってしまうかだ。
でも、目の前にいる男子生徒はどちらとも違い、眉を少しも動かさずに言葉を発した。
「昼にさ、屋上に来てよ!それだけ!じゃあね~!ぷくくく」
その後。七夏弥の気まぐれから男子生徒と昼は一緒に屋上でとることになった。
「七夏弥!さっきのはなんだ!」
「何が~?」
教室に向かう最中は、新入生や在校生がまだ廊下にいる中を進む。そのほとんどが顔を赤く染めてこちらを好奇の目見てくる。
別に嬉しい訳でもない。逆に鬱陶しく感じる時の方が多いこの視線を適当にあしらいつつ、俺達は会話を続ける。
「さっき新入生のことだ」
「ああ~!可愛かったよね~あの子。鷹雅もそう思うでしょ?」
「‥‥‥」[コクコク]
無言で頷いた鷹雅の顔は、これまで一緒にいたのにあまり見た事のない表情だった。
「ほら!鷹雅もこう言ってるしいいでしょ?」
鷹雅が否定しなかったのをいいことに、七夏弥は俺に同意を求めてくる。
「はぁー。もう勝手にしろ」
「やったー!」
喜ぶ七夏弥は、第三者から見たら無邪気に笑う子供だが、本性を知っている俺からすれば、鳥肌が立ちそうなほど寒気がする。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「うう~」
今は昼の時間帯。
いつもは屋上で生徒会メンバーだけの昼をとるが、今日は今朝の新入生・稜驊君とその従兄弟の新入生・白蓮君が一緒だ。
だが七夏弥が、昼を持ってきていないという2人に修也達の弁当を渡したせいで、稜驊君は頭痛をおこし寝込んでしまった。
「大丈夫ですか?」
頭痛でうなされているのに、眉一つ動かさないと稜驊君の表情筋を不思議に思いつつ、俺は声をかけた。
「大丈夫です。さっきより落ち着きましたから」
起き上がってそう言った稜驊君と目が合った。
「そうですか‥‥今日は私の家の車で送ります」
「え、いいんですか?」
「はい。車が来たら起こしますから、まだ寝てていいですよ」
稜驊君の目は綺麗だ。顔も整っている。そのせいで、目が合っただげで俺は何やら不整脈をおこしてしまう。
それを必死に押し殺し、稜驊君にバレないようにして会話をする。
「っ!?」
稜驊君がまた寝転がると、鷹雅が瞬時に動いて稜驊君の膝枕をした。
初めて膝枕なるものを見た俺は、そんなことよりも鷹雅の俊敏性と不可解な行動に頭がパンクしそうだった。
「「‥‥‥‥‥」」
無言で見つめ合う2人。稜驊君がもし女性なら、この光景はとても恋人らしい光景だったかもしれないが、幸いなことに稜驊君は男性だ。どうやってもそうは見えない。
‥‥‥『幸い?』何を考えてるんだ!俺は!
頭を振って今考えたものを追い払ってから、2人に目線を戻す。
すると、既に稜驊君は眠り始めており、鷹雅は本を読み始めていた。
‥‥‥‥‥何やってるんだ。
俺は考えることを放棄して、生徒会用の書類に目を通す。
しばらくすると、迎えの車が来た。
「‥‥稜驊君?車が来ましたよ?」
鷹雅に膝枕をされている稜驊君を起こそうと、俺は声をかけた。
だが、稜驊君は全く起きそうにない。しかも、気持ちよさそうに寝息を立てている始末だ。
「仕方ありませんね‥‥‥僕が運びます」
普通、こういう時は鷹雅が運ぶのだが、鷹雅も眠そうな顔をしており、それに加えて体制がキツそうだ。
俺も鷹雅程ではないが、力には自信があるし、筋トレもしているから男子生徒1人、屋上から車まで運ぶのは容易いことだ。
「よいしょっと‥‥‥軽いですね」
俺は稜驊君を抱き上げた。
稜驊君は予想以上に軽く、本当にご飯を3食キチンと食べているか心配になるぐらいだった。
「ん」
「っ!」
稜驊君がモゾっと動いた瞬間、稜驊君の髪が俺の首をくすぐった。それと同時にフワッと香ってきたのは、とても甘くいい香りだった。
いやいやいや。しっかりしろ俺!
頭を振って頭にある邪念を追い出す。
「ん~ん」
「っ」
一瞬起きたのかとも思ったが、変わらず気持ちよさそうな寝息が聞こえているから、ただの寝相だろう。
「はぁー」
深くため息をひとつついてから、俺はまた足を動かした。
鷹雅が七夏弥に言われて連れてきたのは、不思議な新入生だった。
灰色よりの黒の髪は多分染めているのだろう。瞳は琥珀と青紫の色。世にゆうオッドアイだ。
綺麗だ。
見た瞬間にそう感じた。
でも、すぐにその考えは頭の隅においやった。髪を黒染めしているところ、この新入生は自分の容姿が嫌いなようだし、ズボンを履いているから男子生徒だ。男子に「綺麗」は失礼だろう。
「ひゃ!」
突然かわいゴホゴホ‥‥男子生徒が裏声を出したので、驚き男子生徒を見ると、鷹雅が男子生徒のおでこを触っていた。
「‥‥‥‥熱は無いな」
「あ、はい。いたって健康体です」
驚いた。
鷹雅が初めて会った男子生徒を心配そうにしているのもだが、普通、俺達生徒会役員に触られた生徒は男女方わずに、キャーキャー騒ぐか顔を真っ赤にさせ固まってしまうかだ。
でも、目の前にいる男子生徒はどちらとも違い、眉を少しも動かさずに言葉を発した。
「昼にさ、屋上に来てよ!それだけ!じゃあね~!ぷくくく」
その後。七夏弥の気まぐれから男子生徒と昼は一緒に屋上でとることになった。
「七夏弥!さっきのはなんだ!」
「何が~?」
教室に向かう最中は、新入生や在校生がまだ廊下にいる中を進む。そのほとんどが顔を赤く染めてこちらを好奇の目見てくる。
別に嬉しい訳でもない。逆に鬱陶しく感じる時の方が多いこの視線を適当にあしらいつつ、俺達は会話を続ける。
「さっき新入生のことだ」
「ああ~!可愛かったよね~あの子。鷹雅もそう思うでしょ?」
「‥‥‥」[コクコク]
無言で頷いた鷹雅の顔は、これまで一緒にいたのにあまり見た事のない表情だった。
「ほら!鷹雅もこう言ってるしいいでしょ?」
鷹雅が否定しなかったのをいいことに、七夏弥は俺に同意を求めてくる。
「はぁー。もう勝手にしろ」
「やったー!」
喜ぶ七夏弥は、第三者から見たら無邪気に笑う子供だが、本性を知っている俺からすれば、鳥肌が立ちそうなほど寒気がする。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「うう~」
今は昼の時間帯。
いつもは屋上で生徒会メンバーだけの昼をとるが、今日は今朝の新入生・稜驊君とその従兄弟の新入生・白蓮君が一緒だ。
だが七夏弥が、昼を持ってきていないという2人に修也達の弁当を渡したせいで、稜驊君は頭痛をおこし寝込んでしまった。
「大丈夫ですか?」
頭痛でうなされているのに、眉一つ動かさないと稜驊君の表情筋を不思議に思いつつ、俺は声をかけた。
「大丈夫です。さっきより落ち着きましたから」
起き上がってそう言った稜驊君と目が合った。
「そうですか‥‥今日は私の家の車で送ります」
「え、いいんですか?」
「はい。車が来たら起こしますから、まだ寝てていいですよ」
稜驊君の目は綺麗だ。顔も整っている。そのせいで、目が合っただげで俺は何やら不整脈をおこしてしまう。
それを必死に押し殺し、稜驊君にバレないようにして会話をする。
「っ!?」
稜驊君がまた寝転がると、鷹雅が瞬時に動いて稜驊君の膝枕をした。
初めて膝枕なるものを見た俺は、そんなことよりも鷹雅の俊敏性と不可解な行動に頭がパンクしそうだった。
「「‥‥‥‥‥」」
無言で見つめ合う2人。稜驊君がもし女性なら、この光景はとても恋人らしい光景だったかもしれないが、幸いなことに稜驊君は男性だ。どうやってもそうは見えない。
‥‥‥『幸い?』何を考えてるんだ!俺は!
頭を振って今考えたものを追い払ってから、2人に目線を戻す。
すると、既に稜驊君は眠り始めており、鷹雅は本を読み始めていた。
‥‥‥‥‥何やってるんだ。
俺は考えることを放棄して、生徒会用の書類に目を通す。
しばらくすると、迎えの車が来た。
「‥‥稜驊君?車が来ましたよ?」
鷹雅に膝枕をされている稜驊君を起こそうと、俺は声をかけた。
だが、稜驊君は全く起きそうにない。しかも、気持ちよさそうに寝息を立てている始末だ。
「仕方ありませんね‥‥‥僕が運びます」
普通、こういう時は鷹雅が運ぶのだが、鷹雅も眠そうな顔をしており、それに加えて体制がキツそうだ。
俺も鷹雅程ではないが、力には自信があるし、筋トレもしているから男子生徒1人、屋上から車まで運ぶのは容易いことだ。
「よいしょっと‥‥‥軽いですね」
俺は稜驊君を抱き上げた。
稜驊君は予想以上に軽く、本当にご飯を3食キチンと食べているか心配になるぐらいだった。
「ん」
「っ!」
稜驊君がモゾっと動いた瞬間、稜驊君の髪が俺の首をくすぐった。それと同時にフワッと香ってきたのは、とても甘くいい香りだった。
いやいやいや。しっかりしろ俺!
頭を振って頭にある邪念を追い出す。
「ん~ん」
「っ」
一瞬起きたのかとも思ったが、変わらず気持ちよさそうな寝息が聞こえているから、ただの寝相だろう。
「はぁー」
深くため息をひとつついてから、俺はまた足を動かした。
3
あなたにおすすめの小説
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
事なかれ主義の回廊
由紀菜
BL
大学生の藤咲啓嗣は通学中に事故に遭い、知らない世界で転生する。大貴族の次男ランバート=アルフレイドとして初等部入学前から人生をやり直し、学園で出会う無愛想で大人顔負けの魔法の実力者であるヨアゼルン=フィアラルドと親友になるが、彼に隠された力に翻弄され次々と襲ってくる災難に巻き込まれる。終いには、国家の存続を揺るがす大事件にまで発展することに・・・
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる