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ドラゴンハンター
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ドラゴンの思念はアミルには届いていなかったらしい。それはドラゴンの意図だったかは今にしてみれば、分からない。そもそもどんな理屈なのかも愛理には理解が出来ないわけで。
愛理は少し考える仕草をしてから、腰に提げた鞘から大振りのサバイバルナイフを取り出す。
「まぁ、良いわ。解体をするわよ。これで1ヵ月は働かずに済むんだから」
愛理に言われて、アミルも慌てて、バールなどの道具を背嚢から取り出す。
ドラゴンの身体を覆う鱗と骨、牙、爪はドラゴンメタルと呼ばれ、金属質が主成分であった。成分は研究中だが、チタンなどに近い性質ながら、加工がし易く、重宝されている。この鱗に覆われている為、その下にある厚い脂肪分と堅い筋肉質と相まって、並の小銃弾では貫通させる事は出来ず、ドラゴンを相手にする時は対戦車兵器か、20ミリ以上の機関砲しか効果が無かった。空を飛ぶのも体内にある魔法石と呼ばれる結晶体によって、身体を浮遊させ、翼によって、動いてる。その結晶体も人間が魔法を使う事に使えないが、電気を取り出す事が出来た為、エネルギー源として、重宝される。
それ以外は肉や血などは毒性が強く、使い物にならず、産業廃棄物扱いになっている。それらを意識して愛理達はドラゴンの解体を始めた。堅い鱗は隙間にバールを突っ込み、テコの原理で剥ぎ取り、牙や爪はノコギリで切断する。骨は大きく重いので、肉が腐って、削ぎ落ちてから、見付けた奴が持ち帰るって事が普通だった。
鱗を削ぎ落し、腹を割き、真っ赤な結晶体を取り出した。この時点で二人の背嚢は鱗と牙でパンパンに膨れ上がっていた。愛理は結晶体の玉を小脇に抱えた。
「うむ・・・・かなり鱗とかも残す事になったけど・・・まぁ、後に来た奴のご褒美って事で、帰るわ」
愛理は小銃を肩に担ぎ、拳銃を抜いて、歩き出した。
彼女達が数時間掛けて、歩いて来たのが練馬だった。
当然ながら、ここもかつての練馬と違い、街の様相は大きく変わっていた。
無人となった住宅地には草木が生い茂り、獣の姿が多く見られる。
獣の中には当然、魔獣と呼ばれる異世界の生物も多く見られる。
魔獣とは言うが、多くは無害でウサギやタヌキと変わらない感じだ。
人間も食料として狩ったり、飼育をしたりしている。
だが、危険な魔獣も多く存在する。その中で最も厄介で、尚且つ、人間の生活域の近くに棲み付くのがゴブリンである。
猿のような容姿でありながら、毛は無く、緑色の肌をしており、獰猛であった。雌は居らず、殆どが雄。繁殖は人型の他種族の雌を攫い、強制的に妊娠させ、出産させる。詳しい生態の研究はされてないが、一度、受精させると僅か二日で出産に至り、それを母体が死ぬまで繰り返すとされている。つまり、ゴブリンに捕まった女は死ぬまでゴブリンに犯され、出産させ続けられるって事になる。その為、魔獣の中で最も嫌悪されており、最優先に駆除がなされる。
その駆除を行うのが主に自衛隊である。
愛理達の前に姿を現したのもゴブリンの巣を駆除したばかりの自衛隊の1個小隊であった。
75式小型トラックの助手席から自衛官が歩いている愛理達に声を掛ける。
「よう、お前等か・・・今日は何を狩ってきた?」
馴染みの自衛官に尋ねられ、愛理は自慢気にドラゴンの結晶体を見せる。
「ドラゴンかよ。二人でよくやるな。自衛隊だって、中隊規模で対戦車兵器が必要なのに」
「慣れてるからね。これで7匹目だから」
愛理の言葉に自衛官達が驚く。
ドラゴンは最強の魔獣である。空を飛べば、炎や雷を放つ。銃火器を持つ自衛隊ですら、厄介な相手であった。
そんなドラゴンを女子高生が事も無げに狩ってくるのだから、誰もが驚くしか無かった。
自衛隊の一行と別れ、小一時間も歩くと、居住区と呼ばれる場所に到着する。それは陸上自衛隊駐屯地を中心に設営された人間が住む場所である。
危険な魔獣が至る場所に居る為、人は大抵、こうして、警察や自衛隊に守られた居住区で生活を営む。居住区の周囲には有刺鉄線や柵が設置され、魔獣の侵入を防いでいる。田畑などもあり、人間の営みがここで完結していた。電気や水道も突然の地形変化によって、断絶していたが、今ではこうした居住区を中心に復旧されていた。
居住区に入るには厳しい検問がある。魔獣の侵入を防ぐだけでなく、治安維持の為もあった。
愛理とアミルは居住区で発券された証明証を検問所の自衛官に見せる。顔馴染でも決して、手順を省略したりしない。それには深い理由もあるわけだが。
自衛官に本人確認を受けて、彼女達は居住区の中に入れた。
居住区の中は元々あった建物などが補修され、人が住めるようになっていた。この居住区にも5千人の人が生活をしている。無論、建物の数は足りず、多くはシェアハウス状態で住んでいるし、愛理とアミルも中学校の教室を個室に区切っただけの部屋で同居している。
居住区に入った二人はまず、寂れた小さな工場へと向かった。
そこはかつて、自動車整備工場があったようだが、今はガラクタが多く置かれている。
店の主人は70歳近くの爺さんだ。
彼は工場の前に並べた椅子に腰掛け、ラジオを聞きながら、酒を飲んでいる。
「爺さん、昼間っから酒を飲んでるなよ」
愛理は不躾にそう声を掛ける。すると主人は笑いながら愛理を見た。
「おお。大物は取れたか?」
「あいよ」
愛理は主人の前に背嚢を置いた。それを見た主人は軽く驚く。
「また、ドラゴンを狩ってきたのか・・・すげぇな」
主人は背嚢に詰まった鱗を手で掬いながら笑う。
「これで幾らになる?」
「そうだな・・・重さを計らないといけないが、ざっと100万ぐらいかな」
「150万の間違いじゃない?」
愛理は不満そうに言う。
「1ヵ月前ならな。悪いが、半月前に自衛隊が富士山麓で大量にドラゴン駆除をしたようでな。ドラゴンメタルは余り気味なんだよ。価格が大幅に下がっている」
「マジか・・・わかったよ。100万で良い」
愛理は諦めたように言う。
「そうかい。それより、出物があるが見るかい?」
「出物?」
「こいつだ」
主人は巨大な銃を取り出した。
それはバーネット社のM95対物ライフル銃だった。50BMG弾を用い、車両の外装も破れる。それでいて、プルバック方式であり、手動式とは言え、軽量化が施されている。
「そんなのこの国にあったんだ」
「自衛隊の一部にな。弾は重機関銃用のが使える」
「ふーん・・・でもドラゴンの鱗は貫通しないでしょ?」
「だが、威力も射程距離もお前さんの銃の倍ぐらいあるぞ?」
愛理は銃を眺めた。
「幾ら?」
「まぁ・・・30ぐらい」
「高い」
「だわな。解ったよ。自衛隊の奴に売るよ」
爺さんは愛理のつまらなそうな目で購入意欲がないと判断して、諦めた。
金を受け取った愛理達はそのまま、自宅となる中学校へと向かった。
中学校の校舎の屋上には対魔獣用に対空機関砲などが設置されている。
ある意味、拠点化された中学校の校舎の3階に彼女達の家がある。
教室の扉を開くと、段ボールで囲いがされ、部屋となっている。大体、6畳が一人に当てられているが、二人で住む愛理達は10畳の部屋だった。当然ながら、防音なんて事は無いわけが、それでもこうして、生活がしていられるだけありがたいと思うのが普通だった。
愛理は帰りに購入した道具などを袋から出し、背嚢などに詰め直す。
アミルは汗で汚れた自分の衣服の臭いを嗅ぐ。
「愛理・・・風呂に行きたい」
「待ってなさい。いつでも出られるように整理するから」
道具類を片付け、防犯対策を施してから、二人は近所の銭湯へと向かった。
基本的に水道は復旧しているが、水が貴重である事は間違いが無かった。その為、風呂はこうした銭湯にて、入るのが普通の生活と言えた。
愛理は脱衣所でいつもの制服を脱ぐ。隣でアミルは緑色のローブを脱ぎ、その下に着ていた緑色のドレスを脱ぐ。これはエルフの民族衣装らしく、愛理が動き難いから、服を変えろと以前に言われたが、彼女はそれを拒否している。
愛理の筋肉質で薄い胸板の身体に比べ、透き通るように白い肌に豊満な胸のアミル。愛理はその胸を横目に、とっとと浴室へと向かう。
「そもそもなんで、エルフは胸がデカいのよ。胸が小さいエルフは居ないの?」
洗い場で身体でゴシゴシと擦る愛理は不満を口にする。隣で申し訳なさそうにアミルが身体を洗う。
こうして、二人は風呂を堪能して、帰りに屋台でラーメンを食べてから家路に着いた。
愛理は少し考える仕草をしてから、腰に提げた鞘から大振りのサバイバルナイフを取り出す。
「まぁ、良いわ。解体をするわよ。これで1ヵ月は働かずに済むんだから」
愛理に言われて、アミルも慌てて、バールなどの道具を背嚢から取り出す。
ドラゴンの身体を覆う鱗と骨、牙、爪はドラゴンメタルと呼ばれ、金属質が主成分であった。成分は研究中だが、チタンなどに近い性質ながら、加工がし易く、重宝されている。この鱗に覆われている為、その下にある厚い脂肪分と堅い筋肉質と相まって、並の小銃弾では貫通させる事は出来ず、ドラゴンを相手にする時は対戦車兵器か、20ミリ以上の機関砲しか効果が無かった。空を飛ぶのも体内にある魔法石と呼ばれる結晶体によって、身体を浮遊させ、翼によって、動いてる。その結晶体も人間が魔法を使う事に使えないが、電気を取り出す事が出来た為、エネルギー源として、重宝される。
それ以外は肉や血などは毒性が強く、使い物にならず、産業廃棄物扱いになっている。それらを意識して愛理達はドラゴンの解体を始めた。堅い鱗は隙間にバールを突っ込み、テコの原理で剥ぎ取り、牙や爪はノコギリで切断する。骨は大きく重いので、肉が腐って、削ぎ落ちてから、見付けた奴が持ち帰るって事が普通だった。
鱗を削ぎ落し、腹を割き、真っ赤な結晶体を取り出した。この時点で二人の背嚢は鱗と牙でパンパンに膨れ上がっていた。愛理は結晶体の玉を小脇に抱えた。
「うむ・・・・かなり鱗とかも残す事になったけど・・・まぁ、後に来た奴のご褒美って事で、帰るわ」
愛理は小銃を肩に担ぎ、拳銃を抜いて、歩き出した。
彼女達が数時間掛けて、歩いて来たのが練馬だった。
当然ながら、ここもかつての練馬と違い、街の様相は大きく変わっていた。
無人となった住宅地には草木が生い茂り、獣の姿が多く見られる。
獣の中には当然、魔獣と呼ばれる異世界の生物も多く見られる。
魔獣とは言うが、多くは無害でウサギやタヌキと変わらない感じだ。
人間も食料として狩ったり、飼育をしたりしている。
だが、危険な魔獣も多く存在する。その中で最も厄介で、尚且つ、人間の生活域の近くに棲み付くのがゴブリンである。
猿のような容姿でありながら、毛は無く、緑色の肌をしており、獰猛であった。雌は居らず、殆どが雄。繁殖は人型の他種族の雌を攫い、強制的に妊娠させ、出産させる。詳しい生態の研究はされてないが、一度、受精させると僅か二日で出産に至り、それを母体が死ぬまで繰り返すとされている。つまり、ゴブリンに捕まった女は死ぬまでゴブリンに犯され、出産させ続けられるって事になる。その為、魔獣の中で最も嫌悪されており、最優先に駆除がなされる。
その駆除を行うのが主に自衛隊である。
愛理達の前に姿を現したのもゴブリンの巣を駆除したばかりの自衛隊の1個小隊であった。
75式小型トラックの助手席から自衛官が歩いている愛理達に声を掛ける。
「よう、お前等か・・・今日は何を狩ってきた?」
馴染みの自衛官に尋ねられ、愛理は自慢気にドラゴンの結晶体を見せる。
「ドラゴンかよ。二人でよくやるな。自衛隊だって、中隊規模で対戦車兵器が必要なのに」
「慣れてるからね。これで7匹目だから」
愛理の言葉に自衛官達が驚く。
ドラゴンは最強の魔獣である。空を飛べば、炎や雷を放つ。銃火器を持つ自衛隊ですら、厄介な相手であった。
そんなドラゴンを女子高生が事も無げに狩ってくるのだから、誰もが驚くしか無かった。
自衛隊の一行と別れ、小一時間も歩くと、居住区と呼ばれる場所に到着する。それは陸上自衛隊駐屯地を中心に設営された人間が住む場所である。
危険な魔獣が至る場所に居る為、人は大抵、こうして、警察や自衛隊に守られた居住区で生活を営む。居住区の周囲には有刺鉄線や柵が設置され、魔獣の侵入を防いでいる。田畑などもあり、人間の営みがここで完結していた。電気や水道も突然の地形変化によって、断絶していたが、今ではこうした居住区を中心に復旧されていた。
居住区に入るには厳しい検問がある。魔獣の侵入を防ぐだけでなく、治安維持の為もあった。
愛理とアミルは居住区で発券された証明証を検問所の自衛官に見せる。顔馴染でも決して、手順を省略したりしない。それには深い理由もあるわけだが。
自衛官に本人確認を受けて、彼女達は居住区の中に入れた。
居住区の中は元々あった建物などが補修され、人が住めるようになっていた。この居住区にも5千人の人が生活をしている。無論、建物の数は足りず、多くはシェアハウス状態で住んでいるし、愛理とアミルも中学校の教室を個室に区切っただけの部屋で同居している。
居住区に入った二人はまず、寂れた小さな工場へと向かった。
そこはかつて、自動車整備工場があったようだが、今はガラクタが多く置かれている。
店の主人は70歳近くの爺さんだ。
彼は工場の前に並べた椅子に腰掛け、ラジオを聞きながら、酒を飲んでいる。
「爺さん、昼間っから酒を飲んでるなよ」
愛理は不躾にそう声を掛ける。すると主人は笑いながら愛理を見た。
「おお。大物は取れたか?」
「あいよ」
愛理は主人の前に背嚢を置いた。それを見た主人は軽く驚く。
「また、ドラゴンを狩ってきたのか・・・すげぇな」
主人は背嚢に詰まった鱗を手で掬いながら笑う。
「これで幾らになる?」
「そうだな・・・重さを計らないといけないが、ざっと100万ぐらいかな」
「150万の間違いじゃない?」
愛理は不満そうに言う。
「1ヵ月前ならな。悪いが、半月前に自衛隊が富士山麓で大量にドラゴン駆除をしたようでな。ドラゴンメタルは余り気味なんだよ。価格が大幅に下がっている」
「マジか・・・わかったよ。100万で良い」
愛理は諦めたように言う。
「そうかい。それより、出物があるが見るかい?」
「出物?」
「こいつだ」
主人は巨大な銃を取り出した。
それはバーネット社のM95対物ライフル銃だった。50BMG弾を用い、車両の外装も破れる。それでいて、プルバック方式であり、手動式とは言え、軽量化が施されている。
「そんなのこの国にあったんだ」
「自衛隊の一部にな。弾は重機関銃用のが使える」
「ふーん・・・でもドラゴンの鱗は貫通しないでしょ?」
「だが、威力も射程距離もお前さんの銃の倍ぐらいあるぞ?」
愛理は銃を眺めた。
「幾ら?」
「まぁ・・・30ぐらい」
「高い」
「だわな。解ったよ。自衛隊の奴に売るよ」
爺さんは愛理のつまらなそうな目で購入意欲がないと判断して、諦めた。
金を受け取った愛理達はそのまま、自宅となる中学校へと向かった。
中学校の校舎の屋上には対魔獣用に対空機関砲などが設置されている。
ある意味、拠点化された中学校の校舎の3階に彼女達の家がある。
教室の扉を開くと、段ボールで囲いがされ、部屋となっている。大体、6畳が一人に当てられているが、二人で住む愛理達は10畳の部屋だった。当然ながら、防音なんて事は無いわけが、それでもこうして、生活がしていられるだけありがたいと思うのが普通だった。
愛理は帰りに購入した道具などを袋から出し、背嚢などに詰め直す。
アミルは汗で汚れた自分の衣服の臭いを嗅ぐ。
「愛理・・・風呂に行きたい」
「待ってなさい。いつでも出られるように整理するから」
道具類を片付け、防犯対策を施してから、二人は近所の銭湯へと向かった。
基本的に水道は復旧しているが、水が貴重である事は間違いが無かった。その為、風呂はこうした銭湯にて、入るのが普通の生活と言えた。
愛理は脱衣所でいつもの制服を脱ぐ。隣でアミルは緑色のローブを脱ぎ、その下に着ていた緑色のドレスを脱ぐ。これはエルフの民族衣装らしく、愛理が動き難いから、服を変えろと以前に言われたが、彼女はそれを拒否している。
愛理の筋肉質で薄い胸板の身体に比べ、透き通るように白い肌に豊満な胸のアミル。愛理はその胸を横目に、とっとと浴室へと向かう。
「そもそもなんで、エルフは胸がデカいのよ。胸が小さいエルフは居ないの?」
洗い場で身体でゴシゴシと擦る愛理は不満を口にする。隣で申し訳なさそうにアミルが身体を洗う。
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