少女はドラゴンハンターになった。

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横浜

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 県境を越えて、ゆっくりと車列は横浜に向かっていた。
 川崎周辺は比較的、人の住居区も多く、治安は安定していた。
 そして、車列は横浜港へと到着する。
 愛理達はトラックから降りる。
 愛理達は東京湾などを見ているので、海が初めてってわけじゃなかったが、大きな貨物船が行き交う光景には驚いた。
 「東京湾が大型船が行き交うのが難しくなったから、こっちが交易の中心だとは聞いたけど、凄いわね」
 それを聞いていた港湾労働者のおっさんが笑う。
 「嬢ちゃん、ハマは初めてか?」
 「えぇ、朝霞からトラックの護衛で来たのよ」
 「埼玉か。関東からの便か。まぁ、ここは外国からの物資も豊富だ。露店が並んでいるだろ?色々と売ってるから見ていくと良い。地元には無い物がいっぱいあるぞ」
 愛理達はそう言われて、物珍しそうに露店を見て回った。
 滞在期間は三日。
 彼女達をここまで連れて来たトラックは荷物を詰み、帰路に着く。帰りもきっと、ゴブリンなどの襲撃に遭う危険はある。だが、こうしなければ、人間の生活は守れない。
 愛理達は露店で買ったアイスを食べながら港を見て回った。
 多くの貨物船や護衛艦などが停泊している。貿易の中心と言った感じだ。
 「平穏ですね」
 アミルが周りを見ながら言う。確かにここは平穏だった。物が豊富と言うのは人々の心も豊かにさせるって事だろうか。だが、その一角にはそうとも言えない光景があった。
 足枷などを付けられたドワーフなどの亜人が肉体労働に使われていた。
 奴隷
 知能は多少、低いながら、人と意思疎通が取れるドワーフや一部の妖精、亜人などは人に捕まり、奴隷として使われ宇事が多い。人は彼等を家畜程度にしか考えてない。その中でエルフだけは別格だった。知能指数が高く、人と対等に話せるのが大きかったのだろう。それと見た目が人が好む程に美しい個体が多い。アミルもそうだ。だが、それ別の悲劇も生んでいるわけだが。
 アミルもその光景を見るが、あまり何とも思わない。不思議なもんだが、エルフ族は基本的にその他の種族を下に見ている感じがある。ドワーフなどが奴隷扱いされていてもあまり何とも思っていない。むしろ当然ぐらいの感じだ。彼等が恐れるのはドラゴン。それ以外は下等生物と言う感じだ。
 だが、ドワーフからすれば、違うのだろうと愛理は彼らを見て感じ取る。明らかにアミルを見る目が違う。何か憎悪みたいな物を感じ取れる。彼等からすれば、同じ世界から来たにも関わらず、人間と親し気に接するエルフは裏切り者なのか・・・それとも元々、エルフを嫌いなのか。
 愛理はそんな事を想いながら、散策を続ける。
 
 夜は安宿が用意されていた。幸いにも雑魚寝部屋では無く、アミルとの二人部屋だ。それなりに配慮してくれたのかもしれない。畳の上に薄い蒲団があるだけの部屋だが、寝るには充分だった。
 愛理は眠ろうとする愛理に明日の予定を告げる。
 「明日は銃器の店に行こうと思うの。海外からの品もあるって聞いたわ」
 「解りました。しかし、この街は面白いですね。色々は珍しい品がいっぱいです」
 アミルは横浜が気に入った様子だ。
 「そうね。このまま、ここに居ついてもイイぐらいだけど、それじゃ、アルバイト料は貰えないしね」
 報酬はあくまでも無事に戻ってからだ。ドラゴンを狩るの比べると安い報酬だが、楽な仕事だとも思った。
 無論、ゴブリンの襲撃はかなりヤバかったが、あそこまで組織的な襲撃もそうは無いと田中は言っていたし、帰りはせめて、のんびりさせて欲しいと思った。

 二日目は予定通り、銃砲店に向かった。
 元々、銃砲店を生業にしていた店らしく、中には散弾銃やライフル銃などの猟銃も多く置いてあった。それ以外に自動小銃や機関銃などもある。
 愛理はじっくりと色々な銃器を手にした。
 店主は女子高生が珍しいのか、気さくに話し掛けて来た。
 「そっちはアメリカ製だ。自衛隊の使っている奴より扱い易いから人気がある」
 「なるほどねぇ。これは?」
 愛理は店の片隅に置かれた太い銃身の銃を見る。
 「あぁ、それか。珍しいから手に入れたが、M79グレネードランチャーだよ」
 「グレネードランチャー?」
 愛理が解っていないみたいなので、店主は一個の砲弾を持って、説明してくれた。
 「この40ミリのグレネード弾を使うんだが、こいつ自身が爆弾でね。そいつで撃ち出すと、着弾地点で爆発するのさ。簡単に言えば、手榴弾をぶっ放す銃って事かな。まあ、グレネード弾が半端なく高くて、手に入り辛いから、自衛隊ぐらいでしか扱えないけどね」
 愛理は興味津々でそれを眺めてから、決心したように店主に向かう。
 「これ、貰うわ。グレネード弾もありったけ頂戴」
 「へぇ・・・そうかい。と言ってもうちのグレネード弾の在庫も5個のHEしかないけどね」
 「弾は彼方此方で何とかするわ。自衛隊でも同じ弾を使っているんでしょ?」
 「ああ、自衛隊やアメリカ軍は同じさ」
 愛理はグレネードランチャーを手に入れるとそれをアミルに持たせる。
 「それ、軽いし、非力なあんたでも使えるでしょ?」
 そう言われて、アミルはM79グレネードランチャーをまじまじと触る。木製のストック部分が妙に手に馴染む。
 「確かに・・・でも5発しか無いんでしょ?」
 「だけど、手榴弾みたいなもんって言うから、距離を置いて、使えば、効果があるわ。それで離れた場所の敵にダメージを与えられれば、ゴブリンの襲撃を受けた時もかなり余裕が出来るんじゃないかと思うの」
 愛理の説明にアミルは納得する。ゴブリンみたいな小さい目標は余程、射撃に自信が無いと、簡単には当たらない。だが、爆弾ならば、炸裂して、周囲に破片をばら撒くので、ゴブリンにも効果がありそうだった。
 「さて・・・飯にしよっか。なんか、変わった食い物とかありそうだし」
 愛理は買い物を終えて、港町の屋台が並ぶ方へと向かった。
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