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傍遣いの仕事
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寝室に通されると寝台の上には半裸の帝王が居た。
「ふむ・・・小娘ながら、着飾ればなかなかの器量だな」
帝王はサラを舐めるように見てから言う。
「お褒めに預かり恐縮です」
サラはそんな目を一切気にしない素振りで答える。
これからはじまる事は帝王の寵愛を受ける事なのだから、喜ばねばならない。
サラはそう覚悟を決めて、服を脱ごうとする。
「待て。お前の役目はそうじゃない」
帝王はサラが脱ぐのを止める。
それに何事かと思うサラ。
「はぁ・・・夜伽では?」
「ふん。下手に子を作っては問題が大きくなるからな」
避妊方法が無いわけじゃないが、確実な方法では無い。
性交渉をすれば、子どもが出来る可能性は大きかったし、輿入れした姫からすれば望むべきだった。
「お前の役目は俺の身辺警護だ。床を一緒にすれども、服は着ておけ」
「では・・・武器もですか?」
「当たり前だ。何のための護衛だ?」
「傍遣いとは?」
「言葉通り、傍に遣えるのだ」
帝王の言われた通り、サラは黙って、寝台の脇に置かれた椅子に座る。
「それでは眠れないだろ?」
帝王はそう言うと、掛布団を開く。
「一緒の寝台に寝ろと?」
サラは訝し気に尋ねる。
「ふん。一緒に寝るぐらいは良いだろ」
「なるほど。解りました」
サラはふくれっ面で寝台に上がる。
「失礼ながら、こちらで・・・きゃ」
サラが寝台の端で横になろうとした時、帝王がその腰を抱き寄せた。
帝王の晒された胸板にサラの顔が近付く。
何かの香水だろう。妙に甘い匂いがした。
「何を・・・」
「ふん・・・同じ寝台で寝るのだ。くっついて寝れば、落ちる心配も要らぬだろ」
帝王はそう言うと、抱き寄せたサラに腕を巻いたまま、目を閉じた。
サラは突然の出来事に驚き、そして、初めて、男の胸板を目の当たりにしている事で、心拍数だけが爆上がりしていた。
因みに夜伽も意識して、この時用意している武器は太腿のベルトに挿してある投げナイフ四本だけである。
まぁ、帝王の寝室が襲われる心配など、あり得ないわけなのだが。
サラはドキドキしながら、帝王の寝息を聞いて、眠れない夜を過ごした。
「サラ・・・寝てないのか?」
翌朝、帝王が目を醒ますと、目をバキバキにしたサラがそこに居た。
「傍遣いですから」
「気にするな。私が眠っている時は寝ろ。じゃないと今日一日、一緒に連れて歩けぬだろ」
「い、一日ですか?」
「そうだ。お前は今後、常に私の傍に居るのだ」
帝王は笑みを浮かべて、そう告げる。
つまり、これからの生活は常に帝王と一緒となる。サラはようやく傍遣いのなんたるかを理解した。
朝、起きて、帝王が用意をしている間に自室に戻り、衣装を着替える。
小手、胴巻きなども装備して、それらが見えぬようにドレスを纏う。
一見すれば、ただの姫様だが、身体中に武器と防具を身に纏っている。
総重量は15キログラム。
お嬢様育ちの並の姫様なら、歩くのですら難しい重量だが、サラは幼少期より、体を鍛えていた。
彼女が身体を鍛える理由は、世話をしてくれたミュー達の影響だ。
辺境に位置する母国は常に悪魔の脅威に晒されていた。
悪魔が放った魔獣は人を襲い、食らう。
その為、市民も護身の為に剣を握るのが当たり前であった。
故に姫と言えども、自分の身ぐらいは守れないといけなかった。
その為にミュー達が彼女の指南役として、頼まれていたのであった。
「ふむ・・・小娘ながら、着飾ればなかなかの器量だな」
帝王はサラを舐めるように見てから言う。
「お褒めに預かり恐縮です」
サラはそんな目を一切気にしない素振りで答える。
これからはじまる事は帝王の寵愛を受ける事なのだから、喜ばねばならない。
サラはそう覚悟を決めて、服を脱ごうとする。
「待て。お前の役目はそうじゃない」
帝王はサラが脱ぐのを止める。
それに何事かと思うサラ。
「はぁ・・・夜伽では?」
「ふん。下手に子を作っては問題が大きくなるからな」
避妊方法が無いわけじゃないが、確実な方法では無い。
性交渉をすれば、子どもが出来る可能性は大きかったし、輿入れした姫からすれば望むべきだった。
「お前の役目は俺の身辺警護だ。床を一緒にすれども、服は着ておけ」
「では・・・武器もですか?」
「当たり前だ。何のための護衛だ?」
「傍遣いとは?」
「言葉通り、傍に遣えるのだ」
帝王の言われた通り、サラは黙って、寝台の脇に置かれた椅子に座る。
「それでは眠れないだろ?」
帝王はそう言うと、掛布団を開く。
「一緒の寝台に寝ろと?」
サラは訝し気に尋ねる。
「ふん。一緒に寝るぐらいは良いだろ」
「なるほど。解りました」
サラはふくれっ面で寝台に上がる。
「失礼ながら、こちらで・・・きゃ」
サラが寝台の端で横になろうとした時、帝王がその腰を抱き寄せた。
帝王の晒された胸板にサラの顔が近付く。
何かの香水だろう。妙に甘い匂いがした。
「何を・・・」
「ふん・・・同じ寝台で寝るのだ。くっついて寝れば、落ちる心配も要らぬだろ」
帝王はそう言うと、抱き寄せたサラに腕を巻いたまま、目を閉じた。
サラは突然の出来事に驚き、そして、初めて、男の胸板を目の当たりにしている事で、心拍数だけが爆上がりしていた。
因みに夜伽も意識して、この時用意している武器は太腿のベルトに挿してある投げナイフ四本だけである。
まぁ、帝王の寝室が襲われる心配など、あり得ないわけなのだが。
サラはドキドキしながら、帝王の寝息を聞いて、眠れない夜を過ごした。
「サラ・・・寝てないのか?」
翌朝、帝王が目を醒ますと、目をバキバキにしたサラがそこに居た。
「傍遣いですから」
「気にするな。私が眠っている時は寝ろ。じゃないと今日一日、一緒に連れて歩けぬだろ」
「い、一日ですか?」
「そうだ。お前は今後、常に私の傍に居るのだ」
帝王は笑みを浮かべて、そう告げる。
つまり、これからの生活は常に帝王と一緒となる。サラはようやく傍遣いのなんたるかを理解した。
朝、起きて、帝王が用意をしている間に自室に戻り、衣装を着替える。
小手、胴巻きなども装備して、それらが見えぬようにドレスを纏う。
一見すれば、ただの姫様だが、身体中に武器と防具を身に纏っている。
総重量は15キログラム。
お嬢様育ちの並の姫様なら、歩くのですら難しい重量だが、サラは幼少期より、体を鍛えていた。
彼女が身体を鍛える理由は、世話をしてくれたミュー達の影響だ。
辺境に位置する母国は常に悪魔の脅威に晒されていた。
悪魔が放った魔獣は人を襲い、食らう。
その為、市民も護身の為に剣を握るのが当たり前であった。
故に姫と言えども、自分の身ぐらいは守れないといけなかった。
その為にミュー達が彼女の指南役として、頼まれていたのであった。
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