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馬車にて※
しおりを挟む「重いだろ……くっ、んっ……あっあっ……」
「全然……ほら、私も少しは鍛えているんですよ」
両太ももを、キアラン手で持ち上げられ、屹立が差し込まれていく。ソファ席の向かい側に淫らな接合部を晒す形になって圧迫される苦しさとこの姿勢での挿入に戸惑いが生まれる。ふるふるとアレックスのペニスが腰のストロークに合わせて揺れ、先走りの雫を巻き散らしている。背面座位で足を思い切り開かれ、体を全てキアランに委ねられている。恥ずかしい。恥ずかしいがやめて欲しくない。
「これっ……馬車揺れて……御者、バレる……っ……」
「大丈夫、揺れに合わせて動かしてますから……ほら……」
「っぅ…………!」
キアランはそう言うと車輪が石を乗り上げるたび揺れる車内に合わせて腰を振る。車輪の衝撃と合わせてより深くキアランと繋がってしまう。未舗装の道らしく、キアランの突きは細かく容赦のないものになった。
動きは上下だけではない。ペニスを体内に全て納めたかと思うと内壁のあらゆる所に触れ円を描くように蠢いた。それはまるで体内のキアランの先走りを塗り伸ばすように。アレックスの中にマーキングして匂いを擦り付け己のものだと主張しているようだ。そのキアランの雄っぽさを感じ取り、アレックスはたまらない気分になる。だくだくと漏らしてしまったかのようにアレックスのペニスが濡れぼそる。
「あっ……は、う……」
「んっ……達しそうです……」
耳元で限界だと囁かれ、より一層早くアレックスの弱点を突かれた。もうすっかりアレックスの体を知り尽くされてしまっている。
「っ……イく……っ……」
連続的な体を打ちつけ合う音を立てて頂上まで登り切ろうとしたその時、アレックスの目に入ってきたのは自身の立派なペニスだった。このままだと向こうのソファ席に白濁を吹き出してしまう。そうしたら弁解は逃れられないだろう。アレックス達は馬車で盛ってしまうはしたない人達だと知られてしまう。それはまずいのでは。
なんとか後ろからアレックスを攻める相手に気がついてもらおうと、キアランの腕を掴むも無駄な抵抗だった。何よりキアランが孔に出し入れすることに夢中になり過ぎていた。
キアランの耳に届くぐらい大声は出せない。なぜなら御者の耳に入る可能性もあるからだ。ならばアレックスが自分で解決しなければならない。ソファ席を精液で汚さないために。
「アレックスさん……アレックスさん……」
「くぅ……」
揺られて快楽に堪えながら目に入ったのは、自身の下着だ。……これで自身のペニスを押さえるしかあるまい。揺れる車内で手元をふらつかせながらソファに放置されていたパンツを手に取る。内側に漏らせばギリギリ履くことはできるかと思い、向きを変えようとした時だった。
「あっ……ああ──っ……」
一際大きく馬車が揺れ、串刺しにされて腰骨から頭のてっぺんまで衝撃が走る。その影響で、張り詰めていた屹立から精液がとめどなく飛び出してきた。それを中途半端に裏返った布切れが受け止める。
「ん……んん……」
「はあ……はあ……」
拍動のように規則正しく体内が脈打ちキアランのものを絞りとる。より一層きつい締め付けだったのか、キアランも頂点を迎えたようだった。生暖かい液体が体内に広がる心地がする。
お互い息も切れて無言で体力が回復するのを待つ。じわじわととんでもないことをやってしまったと自覚してきた。とりあえず証拠を隠滅しようと何も身につけていない下腹部を見るとさらにどうしようと頭を抱えることとなった。
ソファが汚れなかったのはいい。だが代わりにアレックスの下着がもう着用することができないほどにドロドロに汚れてしまっていた。今無理に履いてその上にズボンを履いたら精液が染みて漏らしたみたいになってしまう。40歳の大の大人がそれは格好がつかない。
「どうしようか……」
「あ、ごめんなさいアレックスさん……」
事態に気がついたキアランが謝罪しつつアレックスの光景を眺めている。じっと熱心に見つめられて恥ずかしい。
「下着が汚れてしまったのですね。でしたら私のものを使ってください」
「いやいや、キアランさんはどうするんですか」
「私は履かなくても大丈夫です」
その時緩やかに馬車のスピードが遅くなっていく。御者が外から「もう直ぐ宿につきますよ」との
声が聞こえてきた。
「アレックスさん早く」
「あっああ」
このままだと下半身を晒した男が2人馬車に乗っていることになる。キアランの迫力に押されて急いで下着とズボンを履き直した。
「キアラン様、アレックス様。本日の宿へと到着いたしました」
御者の案内で今夜泊まる宿へと案内される。上等な宿描写、荷物を持たれ、2階へと上がるが足がいつもよりもあげにくい。
「ふー解放された……」
御者が去った部屋でアレックスは早速ズボンを脱いだ。そこにはぱつぱつな恋人の下着を履いた下半身。キアランも同時に下半身を晒す。乾燥して落ち着いた一物が垂れ下がった下半身。下着を何も身につけていなくても態度は堂々としたものだった。羞恥のひとつも感じない。
「ノーパンで外出るとかあり得ないんですけど」
「アレックスさんのためなら平気ですよ」
尻が丸出しの姿で格好つけられても笑えるだけだがそこには突っ込まないアレックスであった。
「それとも……ベッドの上で続きをしてくれますか?」
誘い文句に対抗できなくなって寝室へ向かう2人であった。
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