君がこの世にいる内は

そらた

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6話. 貴方と生きていたいんです4

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サイド. 椎野


シーーーン。という擬音がハッキリそのまま現実になったかのような
静かな部屋にただ呆然と、笑顔の消えた彼女を見つめていた。
いや、正確には静かではないかもしれない、が、今の僕の耳には
何一つ音など入ってこず、ただ彼女という1点を見つめるしかなかった。
大丈夫、交通事故と言っても怪我をしただけ、また一緒に笑える。
また一緒に生きる事が出来る。ほら、余命が見えるんだろ僕。
見ろよ。目の前にいる彼女の余命を。早く。なんて急かしてみても
僕の脳は動いてくれない。なんで、いつも見えるのに。
早く見ないと、まだ生きられる、平気、怖くない、だから…
ポン。と、やはり静かに肩に置かれた手に驚いた。
ここで初めて意識が現実へと戻された。そっと上を見上げると
幼馴染である裕貴の姿が。僕が整理をしている間に彼女の親御さんが
呼んでくださったのだろう。まぁ、整理などついていないのだけれど。

「ちょっと俺、話してきますね、こいつ、借ります。」

っと言う裕貴に手を取られ廊下へと引っ張られる。

「…何だよ。」

「…まずは、お誕生日おめでとう。
いい一年に…は、ならねぇかもしれねぇけど…。」

誕生日なんて、どうでもいい。どれだけ現実逃避をしてみても
頭に巡るのは彼女の事ばかり。

「…話は?」

「あいつの余命見たか?」

「見てない。見れない。」

ぼくだって、しんぱいなんだよ?みたいよ?いきられるよね?
だいじょうぶだよね?…ハッ…ハッ、ハッ、

「レイ!!!!!!過呼吸…!
ほら、レイ、こっち向いて。」

呼吸が苦しい、どうやって吸うんだっけ、どうやって吐くんだっけ。

「俺の事見て俺の真似して。
吸って、吐いて。吸って、吐いて。」

吸って、吐いて。
吸って、吐いて。
スっ…!ハッ…!

「そ、レイ、意識、戻った?」

「…おかげさまで。」

「……お前があいつの余命が見えないって言うんならそれはお前が
拒んでるんだよ。正式にはお前の脳が。
お前の能力が意識して見えるって言ってたろ。
お前の気持ちによって意識できなくなってる、って事だろ。」

「い、しきが、できてない。」

「あぁ、…でも、それだけお前の彼女に対する気持ちが
強いって事だろ。…でも、だからこそ俺は見るべきだと思う。」

しっかりと僕の気持ちにフォローを入れてくれる裕貴みたいに
一つ一つ気を使えて優しかったらな、なんて。
『ほら、行くぞ』なんて言ってまたもや引っ張られる。
が、今度はあまり力が入らない手で精一杯振り払う。

「僕に、彼女の余命、見る資格、ある…かな。」

「はっ…?何言ってんのお前。」

グイッと力を入れて胸ぐらを掴まれた。
その瞬間ポタッと何かが頬を伝ったが、知らないふりをした。
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