7 / 18
鍋いっぱいのシチュー
しおりを挟む
今日、いつも通り奴を迎えに行くと、見知らぬ体格のいい男を連れていた。なにやら料理人を雇ったらしい。「いつも小さな鍋とフライパンで何度も作っているのが可哀想だと思って!調理器具もプレゼントするから!」あれを置ける場所は教会にあったかね……料理人が持っている袋はかなり大きいが、この道のりを歩くのは少々酷ではないか?と私が聞くと奴はハッとした顔をする。気付かないのか……鈍感なやつだと思っていたが本当に鈍いとは。馬車に乗り教会に向かっている間、奴はずっと「教会の聖歌隊の魅力について」語っていた。お前の物じゃないんだから、僕たちのなどと言うな。
皆は日に日に上達している。奴が無茶苦茶な指示を出すおかげで無茶振りにも耐えられるようになったせいか。いや、奴は関係ないと思う……。
練習を終えて食事の時間になりいよいよ料理人が大きな鍋でシチューを煮だした。奴が連れてきた者だから少し心配はしたが、どうやら腕は確からしい。食材も今のところ尽きる心配はないし、このまま徐々に生活が良くなればいいと思う。そうすれば皆も自立して生活できるようになり、私も──私は?特に何も無い……私はどうなるのだ?皆を導き幸せになれるよう手伝ったあと……どうなるのだ?
考えていたところで、鍋の方向で悲鳴が上がった。ギャビーがシチューをこぼしたらしい。人の多い教会だからぶつかってしまったのだろう。手に酷い火傷を負ってしまった。可哀想なギャビー………すぐに冷やしたがまだ痛むらしい。まだ涙を目に溜めて私にしがみついている……奴は次までにいい塗り薬を持ってくると約束していたが忘れないだろうか……。
皆は日に日に上達している。奴が無茶苦茶な指示を出すおかげで無茶振りにも耐えられるようになったせいか。いや、奴は関係ないと思う……。
練習を終えて食事の時間になりいよいよ料理人が大きな鍋でシチューを煮だした。奴が連れてきた者だから少し心配はしたが、どうやら腕は確からしい。食材も今のところ尽きる心配はないし、このまま徐々に生活が良くなればいいと思う。そうすれば皆も自立して生活できるようになり、私も──私は?特に何も無い……私はどうなるのだ?皆を導き幸せになれるよう手伝ったあと……どうなるのだ?
考えていたところで、鍋の方向で悲鳴が上がった。ギャビーがシチューをこぼしたらしい。人の多い教会だからぶつかってしまったのだろう。手に酷い火傷を負ってしまった。可哀想なギャビー………すぐに冷やしたがまだ痛むらしい。まだ涙を目に溜めて私にしがみついている……奴は次までにいい塗り薬を持ってくると約束していたが忘れないだろうか……。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる