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26.恋慕 ※
④ ※
しおりを挟む私の体から、残った衣服が全て取り去られていく。ヴァンテルも自分の体に纏っていたものを脱ぎ捨てた。
目の前に現れた見事に均整の取れた体は、逞しくて美しい。程よく筋肉の付いた無駄のない体に思わず見惚れてしまう。それに引き換え、何も身に着けていない自分の体はひどく貧相だ。両手で自分の体を抱きしめると、こめかみにそっと口づけられた。
「前に、幼子よりも肉付きが悪いって言った……」
「あれは、貴方にもっとたくさん食べて、元気になってほしかったからです」
私の体をヴァンテルはうっとりと見つめながら、甘く囁く。
「とても綺麗です。雪のように白くて滑らかで、貴方は香りまでも甘い。全て喰らいつくしてしまいたくなる」
「……香り?」
「ふわりと甘く、人を……男を夢中にさせる」
そう言いながら、ヴァンテルは私を膝の上に抱き上げる。尻の下に硬く天を向くものを感じて、頬が朱に染まった。
「……アルベルト様、貴方が欲しくて仕方がない。傷つけないように、今も自分を抑えるのに必死です」
「クリス……」
何も身につけていない肌と肌は、抱きしめ合った途端にしっとりと体に馴染んで甘い吐息がこぼれる。たまらなくなって唇を重ね、互いに舌を絡め合う。
背中にヴァンテルの指先が何度も伝い、熱い舌が下へ下へと這ってゆく。
寝台に押し倒され愛撫を受けていくうちに、一度果てた自分自身が再び起ち上がり、ヴァンテルがぺろりと先端を舐めた。
「あっ!」
「……何度でもゆっくり可愛がってさしあげたい」
ヴァンテルはそう言って、私の膝裏をすくって開いていく。
腿の内側に口づけられて堪らず吐息をこぼせば、拒む間もなく口の中に芯を含まれた。
熱くねっとりと絡みつく舌が、たまらなかった。何度も蕩かされ高められていくうちに何もわからなくなってしまう。
「……あっ! クリス、も、だめ!」
先端の割れ目を舌先で突かれ、耐えきれず口中に精を放つ。爪先までじんじんと痺れて、快感ばかりが体に残った。
「……ご、ごめん。口の中に、なんて」
何てことをしてしまったのかと、涙がじわりと浮かぶ。
目の前の男はごくりと喉を鳴らして精を飲みほし、ゆっくりと笑みを浮かべた。
あまりの衝撃に呆然と見つめていると、私の涙を指ですくいながら甘く囁く。
「本当に、貴方は可愛らしい……もう、我慢なんてできない」
ヴァンテルは寝台の脇にあった香油を手に取った。
いつも肌の手入れに使うそれを手の中で温め、私の後孔の入り口に塗り付ける。
ぴくりと体を震わせると、安心させるように口づけられた。
「怖がらないで……アルベルト様」
囁く言葉に、小さく頷いた。
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