【騎士とスイーツ】異世界で菓子作りに励んだらイケメン騎士と仲良くなりました

28．騎士の告白 ※

　
　握りしめられた手を繋ぐ指の力が強くなる。

　ジードの綺麗な碧の瞳が、自分を見ている。ゆらめくように熱を帯びて、目の端が赤く染まって。名前を呼ぶと眉が少しだけ上がって、何かをこらえているような顔をする。すごく、色っぽい。

「……は。……こっちの方が余程、必死だ」
「え？　あ！」
「指を増やす。そんな顔をされたら……」

　ジードの指が奥まで入ってくる。指が何本も動いている。かき回されるような動きに自分のペニスが熱く硬くなるのがわかる。

「ん、ん、んっ」

　耳に聞こえるのは激しくなる水音ばかりで、自分の体なのにどうにもならない。ジードの太い指が中を行き来する。息が浅くなり、絡め合う舌の境がわからなくなって、口の端から唾液が零れる。ジードの唇が離れ、ため息のように言葉が零れた。

「ユウ、もう……」

　指が引き抜かれて、中がひくりと震えた。自分の足が思い切り左右に開かれる。内腿に赤い花のような痕が見えて、ごくりと唾を飲んだ。ジードがそれに気づいて、くすりと笑う。ジードは俺の足を掴んだまま、花のようなキスマークをぺろりと舐めた。

　背中にぞくりと快感が走る。

　清廉な騎士の美しい顔には興奮があって、厚みのある彫刻のような体には、まるで熱を帯びた杭のようにそそり立つペニスがある。それを見て、思わず首を横に振る。

　だって、怖い。指とは違うんだ。怖い。

　体の焼けつくような熱さと、頭の片隅で怖いと言う気持ちが渦を巻く。何度も首を振ると、ジードが体を折って、俺の目尻にキスをする。いつのまにか俺の目からは涙がこぼれていた。

「……ユウ、好きだ」
「じーど？　ジードが、俺をすき？　お、俺も好き。ジードが、好き。で、でも、こわい」

　ジードが今、すごく嬉しい言葉を言ってくれた気がする。でも、何だか頭の中がぐちゃぐちゃだ。

　頬に幾つもキスをされる。ジードのそそり立つ熱いものが腹に触れる。

　熱くて、硬くて、すごく……大きい。自分の知っているものと全然違う。

「こ、こんなの……無理だ。おお、きい。こわい」
「大丈夫だ、ユウ。ゆっくり、入れるから」

　ジードが、慰めるように、もう一度目尻にキスをする。優しくて蕩けてしまうようなキスだ。顔中にキスが降ってきて、涙も舐められて、泣いているのが恥ずかしいけれど、少し安心する。

「……困ったな」
「え？」
「ユウは……泣いている顔も可愛い。……その、興奮する」

　馬鹿！　と叫ぶと、耳元で囁かれた。

「ユウ、好きなんだ。……ユウが、欲しい」


　涙が、止まる。
　……俺の下半身も、一気に熱くなった。


　ジードが俺の足を押し広げて、入り口にぴたりと楔を押し付ける。硬く張りつめた先の部分は濡れていて、ぐちゅりと俺の中に入ってくる。

「あ！　あ……あ！」

　熱い。熱くて、硬い。

　ものすごい圧迫感。肉襞がじわじわと拓かれ、隘路が開かれていく。

「ああっ！」
「……ユウ。は、あ！」

　ジードが体を少しずつ少しずつ進める。指で弄っていた時のように奥までぐっと入ってくるような真似はしない。熱い杭が手前に入り込み、気持ちのいいところに当たる。その刺激は、指とは比べものにならなかった。

「あ！　やだ、あ、あ！」
「くっ！　ユウ！」
「やだ、ジード！　そこ。あ、あ！　あああ！」

　それまでゆっくりだったジードがぐいと体を推し進めてくる。自分の体が、ず、ずと大きなペニスを飲み込んで頭の芯まで突き抜けるような快感が押し寄せる。痛みや圧迫感よりも、痺れるような快感の方が強い。ジードの肌から細かな汗が飛ぶ。

　腰を掴まれ、体を揺すられた。怖さも苦しさもどこかに消えて、途中から、何も考えられなくなる。ジードを飲み込んだ肉襞が、細かく震えてきゅうきゅうと吸い付いていく。

「ユウっ！　こんな、まずい」

　ジードが大きく中を突き上げた。

　何、これ、何でこんなに気持ちいいの？

「あ、あ、イくッ、またイっちゃう！」

　俺のペニスからはびゅるりと白濁が零れる。同時に中をきゅうっと締め付けて、ジードのペニスが大きく膨れた。

「ッ！　だめだ、もう」

　一際大きく膨らんだジードの熱が中で出される。俺の中はジードの熱で満たされていく。

「……ユウ、ユウ」

　何度も名前を呼ばれ、体を抱きしめられた。ジードが中に入ったまま、俺もジードの首に手を回す。何で自分がすすり泣いているのかもわからなかった。

「ごめん、つらかったか。今、離れるから」
「……、離れないで」
「ユウ？」

　厚い胸に頬を寄せた。ジードが俺の中でびくんと震える。目を瞬いて見上げると、碧の瞳が揺れて、小さくため息が漏れた。

「……困る」
「ご、ごめん」
「そうじゃない。もう一回、……したくなるから」

　ジードは拗ねたような顔で、キスを一つ、くれた。