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61.駐留地の夜 ※
しおりを挟む辺りはすっかり暗くなって、あちこちのテントの入り口から仄かな魔石の明かりが漏れる。まるで子どものように泣きすぎて目が痛い。ぎゅっとジードの服を掴んだら、髪に優しくキスをされた。
「ユウ、レトのところに行こう」
ジードは俺の手を引いて、どんどん歩いていく。前方にある一つのテントから、丁度出てきたのはレトだった。
「あっ! ユウ様! よかった、ジード様もご一緒でしたか」
「レト、ユウとゆっくり話をしたいんだが……、いいだろうか?」
レトは俺とジードを交互に見て、こくりと頷いた。
「私は、応援部隊の皆さんの天幕に行きますから、よかったらこちらで」
俺とレトには、二人で一つのテントが用意されていた。特別待遇なのだろう。騎士たちは大抵、4人から6人で一つのテントを使っていると聞いた。
レトにありがとうと言うと、とても優しい瞳をしていた。
テントの中に入ると、小さな魔石が一つ灯されている。床には断熱材のような敷物の上に更に布が敷かれているから座っても痛くはない。
「……ユウ」
二人きりになると、ジードは俺をもう一度抱きしめた。熱い唇が俺の唇に重なって、すぐに舌が入ってくる。まるであやすように、舌が優しく絡められた。自分も、と思ってジードの舌を追いかけたら、ゆっくりと床に押し倒された。
「んッ」
舌が柔らかく吸い上げられてぼうっとする。そこに、ジードの手が俺の上着の裾から忍び込んできた。乾いた指の感触が久しぶりで、触れられたところからびくびくと感じてしまう。
……ジードの手はこんなに大きかった? 指はこんなに滑らかだった?
ジードに触れられていると思うと、胸の奥が甘く震えて痺れていく。乳首を摘まみ上げられて、思わず腰が揺れた。唇を離したジードが嬉しそうに笑う。
「ユウ。可愛い」
「……ッ」
「俺はずっと、ユウに触れたかった。ユウは?」
ジードの指は俺の乳首を優しくこねている。そんなところに触れられたら、たまらなかった。
「んっ! ジ、ジードに」
「俺に?」
「ふ、触れたいし……」
「うん」
恥ずかしくて言いよどんでいたら、ジードが俺の耳朶を食んだ。ぞくぞくして涙が浮かぶ。ジードの舌が耳の中を舐めて、乳首が更に弄られる。わざとやっているのだとわかって、声が震える。
「んっ! さわって……ほしかった」
「……いい子」
もう片方の手が、ズボンの前を触る。膨らんだそこを、ジードの大きな手が握りしめる。
「あっ! だめ!」
ズボンの上から二、三回こすられただけで先走りがにじみ出てしまう。
「だめと言われても止められない。ずっと、ユウのことばかり考えていた」
「ンっ!」
俺は自分の手を口元に持って行った。ここはテントだ。声がすぐに他に聞こえてしまう。必死で声を抑えていると、ジードの手の動きが早くなり、耳に熱い息がかかる。
「ああ、可愛いな。声を出すのは我慢して。ユウの可愛い声を他の奴に聞かれたくない」
そう言いながら、ジードの手がズボンの中に入ってくる。直接掴まれたそこはもう、ぬるぬると滑りがよくなっている。
「ん! んッ――っ!」
竿をこすられ、鈴口に軽く爪を立てられる。腰が震えて、もう堪えられなかった。嫌々と必死に首を振ると、ジードの手の動きが早くなる。ろくに自慰もしていなかったのに、こんな刺激に耐えられるわけがない。
「――――ンンッ!!」
目の前がチカチカして、爪先に力が入る。俺の先端からは、どろりと濃い白濁が溢れた。
ジードの手の中に出してしまった白濁は思ったよりも多い。恥ずかしさに涙が湧き上がる。達したのに、体はびくびくと震えが止まらない。
体を起こしたジードは、手近な布で白濁を拭き、自分の服を脱いだ。より引き締まった体が魔石の明かりに浮かび上がる。精悍さを増した端正な顔と見事な体は野性味に溢れていて、胸の傷さえ似合っていた。思わず見惚れていると、ジードが俺に顔を寄せる。
「困ったな。そんな顔をされたら、ますます可愛くて仕方がない」
……どんな顔してるんだろ。
「俺と同じ。好きで仕方ないって顔」
「……」
ジードはそう言うと、俺の額にキスをした。器用な指が、俺の服を全て剥いでいく。自分で脱ぐと言っても聞いてもらえない。頬が熱くて仕方がないのに、ジードは舐めるように俺の体を見る。
「ユウは綺麗だ。とても」
ジードの逞しい腕に抱きしめられると、ジードのペニスは既に硬く反りあがっている。俺の視線を感じたジードは、熱の籠もった瞳で言う。
「ユウが欲しくて、ずっとつらかった」
そう言いながら、ジードは俺の体を返して四つん這いの態勢にした。
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