【騎士とスイーツ】異世界で菓子作りに励んだらイケメン騎士と仲良くなりました

62．甘く深く ※

　
　何でこんな格好にするのかと問えば、ジードは久しぶりだからこちらの方が体に負担がないと言う。そんな言葉を聞いた途端に体が熱くなる。
　ジードは俺の不安を失くそうとするかのように、ぎゅっと後ろから抱きしめてくれた。

「怖がらないで、ユウ。少しだけ、力を抜いていて」

　ジードの指がぴたりと後孔に当てられる。入り口から奥が温かくなる感じがして、指が離された。
　そして、ジードの温もりが背から離れたかと思うと、尻を左右に割り開かれ、後孔に柔らかく湿ったものが触れた。体がぞくぞくと震え、俺は咄嗟に体をよじった。

　……え？　

　思わず目を見開いた。

「や！　やめて」

　ジードのしていることが信じられなかった。もう、恥ずかしくて逃げ出したい。それでも腰をしっかり掴まれて、逃げることは出来なかった。

「ジード！　やだ！　そこはきれいじゃない。やめて！」
「そう言うと思って、先に洗浄魔法をかけておいた。ユウの体は綺麗だ。体中、どこも汚いところなんかない。全部舐めたい」
「ば、馬鹿ッ！　な、何言って……！　あッ」

　柔らかくなった窄まりに、今度は指が入れられた。ジードの指が入った瞬間、体がびくりと跳ねる。まるで電流のように背に走る快感は、以前、体を開かれながら教えられたものだ。
　ジードは俺を傷つけないようにと、時間をかけてじっくりと中を解していく。異物感を覚えた場所は、いつのまにかじわじわと快感を拾い始めた。一回達したはずのペニスが、少しずつ上を向いていく。

「……あっ！　んっ」
「ユウ、感じやすくなった。どんどん解れてきてる」

　言うな！　と思ったけれど、口に出すどころじゃない。
　ジードの指が肉襞の一点を探り当てると、俺は思わず中をぎゅっと締めつけてしまう。くちゅくちゅと水音が立ち、指が何本も抜き差しされる。

　気持ちよさで頭の中がいっぱいで、他のことが何も考えられない。

「ジード。ジードっ、気持ちいい。こ、声、出ちゃう……」

　甘く深いため息が聞こえた。
　ジードは指を抜き、俺の腰を引き寄せたかと思うと、思い切り剛直を突き入れた。

「んっ！　ンンン――――っ！」
「ッ！」

　ジードの剛直が、みちみちと入ってくる。バックからの挿入は信じられないほど気持ちがよかった。前からでは届かないような奥まで突かれ、脳天が焼ききれそうになる。床に敷かれた布を必死で掴み、崩れそうになる腰をジードが引き寄せる。何度も肌と肌が打ちあって、ジードの剛直が肉襞を擦り上げた。

「あっ……ジード、いぃッ……」
「ぁあ、ユウ……」

　押し殺した声が響き、俺の肉襞はジードを離さずに絡みつく。ジードが呻き、剛直が膨れ上がっていく。奥の奥まで突き入れられた瞬間、何も考えられず、快感に身を委ねた。中に熱いものが満ちて、イきっぱなしの俺の耳元でジードが囁く。

　――好きだよ、ユウ。愛してる。

　俺も、と頷いた後のことは、はっきりとは覚えていない。
　ただ、ずっと抱きしめられ、何度も優しく口づけられたことだけは覚えている。