【騎士とスイーツ】異世界で菓子作りに励んだらイケメン騎士と仲良くなりました

尾高志咲/しさ

文字の大きさ
89 / 90

88.騎士の愛とスイーツの恋 ※

しおりを挟む
 目の前にあったジードの親指を軽く噛んだら、急に困ったような顔になる。

「ユウ。その……」

 小さな声で、もう少し触れていいかと聞かれた。あんまり真剣だから、返事の代わりにキスを返す。重なる唇は涙を含んでも甘い。

「ユウは、泣いている姿も……綺麗だ」
「……興奮する?」

 いつか聞いた言葉を思い出して聞いた。目を瞬いた騎士は少しだけ頬を赤く染めた。

 一枚ずつ丁寧に服を脱がされる。何だか大切にしないと壊れてしまうとでも思っているみたいだ。肌に唇が優しく触れる。触れられた場所はすぐに熱を持って、体に甘い痺れが走った。鎖骨の下を柔らかく吸い上げられると、じんと下半身が疼く。

 下着の中で張りつめたペニスは、先端からじわじわと先走りがこぼれている。大きな手で布の上から優しく擦られれば、びくびくと体が震えた。

「……ッ、あ、あ」

 体が後ろに反りあがると、ちょうど乳首がジードの目の前に突き出される。小さな飴玉を転がすようにぺろりと舐められる。

「あッ! やめ……」
「こんなに健気に膨らんでるのに」
「……っ」

 反論しようと思ってもちゅっと吸われたら、声が出ない。代わりに雄の先端からこぼれたものがある。もう片方も指で弄られているうちに、じんと甘い感覚が体の奥から湧き上がってくる。

「ジ、ジード」

 触れてほしいのはそこじゃない。……ジードを感じたいのは、そこじゃないんだ。

 ジードが上目遣いに俺を見た。その瞳の中にちらつくのは獣のような欲だ。口の中で転がした粒を甘く噛まれ、跳ねた体をそっと横にされる。俺の体を見下ろしながら、ジードが眉を寄せた。

「こんなに細くなった体に、無理はしたくない……。そう思うのに」

 ジードの口から、甘いため息が漏れる。

「どうしても、ユウが欲しいんだ」
「……ジード、俺は簡単に壊れたりしないから」

 手を伸ばすと、指と指を絡めてしっかりと握り返してくれる。

 ……今まで、こんなに誰かに求められたことがあったかな。ジードほど好きだと思った相手がいただろうか。
 綺麗な碧の瞳を見るだけで心が震える。

 ジードがゆっくりと俺に覆いかぶさってくる。均整の取れた体の重みを受け止めるのが嬉しい。
 全て脱がされ優しく触れられて、俺の体は溶かされていく。太腿の内側の柔らかい部分に口づけられて逃げそうになれば、ペニスを熱い口中に含まれた。

「あッ! ジード! ……ぁっ! イクっ」

 ねっとりとしゃぶるように舐め上げられたら、とても我慢なんかできない。すぐに達してしまった俺の精をジードは残らず飲み干した。体中が小刻みに震えたまま、爪先まで甘い痺れが止まらない。

「ユウ、絶対に傷つけはしないから」

 金色の光を指に纏わせて、ジードの指が後孔の入り口に触れる。温かい流れが奥まで一巡りすると、今までとは違った感覚が生まれた。温かいだけじゃない。ひどく中が疼いて、肉襞がひくつく。

「ジ、ジード、これ、何?」
「ユウの中を綺麗にして、少しだけ温めた」

 ジードは洗浄魔法をかけて、俺の体に負担がかからないようにしてくれたらしい。
 じゃあ、この体の奥の疼きは、自分が勝手に求めているのだ。そう思うと、かっと頬が熱くなる。ジードの指が入ってくると、項垂れていたペニスがもう一度天を向く。ゆっくりと進む指を待っていたように中が蕩け始め、ジードの首に手を回した。コリッと指でつぶされた場所から甘い快感が走り、堪らず声が出る。

「……入れて、もっと。ゆ、指いれて」
「あぁ、もう……。こっちがもたない」

 指を増やされ、中をこねられると何も考えられなくなる。ジードの指が何度も感じる部分をすりつぶし、俺の雄からは、だらだらと白濁が零れて腹を濡らした。ぐちゅぐちゅと水音が聞こえ、何本も指が中をかき回していく。ジードが噛みつくように口づけてくる。口の端からは唾液が、後孔からは粘液がとろりと糸を引いた。

「もう……、れる」

 ジードがため息とともに両手で俺の膝裏を掴み、そそり立った太いペニスをぴたりと当てた。大きな雁首がぬち、と中に入り込んだかと思うとゆっくりと中を押し広げていく。久しぶりの剛直を、すぐに全部受け入れるのは無理だ。息が苦しくてつらい。それでも勝手に、自分の肉襞がジードに絡みつく。

「んっ! ……あッ!」
「ユウ……っ。狭いけど……すごく、いい」
 
 耳に聞こえるのは、自分の嬌声とジードの堪えるような吐息だけ。弱い所を雁首で擦られると、体中が細かく震えた。

「あっ! あ! ……っあ」
「もうすぐ全部、入る」

 剛直が根元まで入った体は、少しも動けない。ジードが俺の薄い腹を撫でた後に、宥めるように優しくキスをする。肩で息をしていると耳元で、少しずつ動くからと囁いてくる。
 
「こ! こわい、から」
「……大丈夫だから。泣くな」

 怖くて勝手に涙がこぼれると、獣のように獰猛な瞳が見えた。

 ああ、もう自分は戻れない。この男に貪られて、そして。
 ――……離れられなくなる。

 ジードが互いに強く絡めあった指をシーツに押し付けて、抽挿をはじめた。次第に激しくなって快感が電流のように背中を走っていく。水音が立ち、引き抜いては奥へと突き上げられる。

「やあっ! ああああああ――――!」

 最奥を突きあげられた瞬間に目の前が白くなって、がくがくと震えた。熱いものが中に叩きつけられる。今まで感じたことがないほど熱いうねりが体の奥に流れ込み、快感と魔力の両方がゆっくりと渦を巻く。胎の奥に受け取めたものが、ゆっくりと俺の中に沁み渡っていく。

 ジードは俺の中から自分の剛直を抜こうとはしなかった。細かな震えがおさまらない俺に、何度もキスを繰り返す。互いに離れるのを惜しむかのように肉襞もジードに縋りついたままだ。俺は震える手を伸ばして、ジードの髪に触れ、頬に触れた。長い睫毛が揺れて、碧の瞳が俺を見る。

「二度と離れない」
「……うん」
 
 蕩けるように微笑んで俺を抱きしめるジードが、何度も耳元で囁いた。

 ――愛してる、俺のユウ。

 俺の騎士。異世界で見つけた俺の恋。
 その優しい言葉を聞いているうちに体の力が抜けて、いつの間にか眠ってしまった。
 
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。

猫宮乾
BL
 異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。

愛していた王に捨てられて愛人になった少年は騎士に娶られる

彩月野生
BL
湖に落ちた十六歳の少年文斗は異世界にやって来てしまった。 国王と愛し合うようになった筈なのに、王は突然妃を迎え、文斗は愛人として扱われるようになり、さらには騎士と結婚して子供を産めと強要されてしまう。 王を愛する気持ちを捨てられないまま、文斗は騎士との結婚生活を送るのだが、騎士への感情の変化に戸惑うようになる。 (誤字脱字報告は不要)

【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる

おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。 知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。

誓いを君に

たがわリウ
BL
平凡なサラリーマンとして過ごしていた主人公は、ある日の帰り途中、異世界に転移する。 森で目覚めた自分を運んでくれたのは、美しい王子だった。そして衝撃的なことを告げられる。 この国では、王位継承を放棄した王子のもとに結ばれるべき相手が現れる。その相手が自分であると。 突然のことに戸惑いながらも不器用な王子の優しさに触れ、少しずつお互いのことを知り、婚約するハッピーエンド。 恋人になってからは王子に溺愛され、幸せな日々を送ります。 大人向けシーンは18話からです。

【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。

竜鳴躍
BL
同性でも子を成せるようになった世界。ソルト=ペッパーは公爵家の3男で、王宮務めの文官だ。他の兄弟はそれなりに高級官吏になっているが、ソルトは昔からこまごまとした仕事が好きで、下級貴族に混じって働いている。机で物を書いたり、何かを作ったり、仕事や趣味に没頭するあまり、物心がついてからは身だしなみもおざなりになった。だが、本当はソルトはものすごく美しかったのだ。 自分に無頓着な美人と彼に恋する王子と騎士の話。 番外編はおまけです。 特に番外編2はある意味蛇足です。

《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年

処理中です...