39 / 43
番外編 竜の城の恋人たち
7.フロルの発情③ ※
しおりを挟むフロルの腰を鷲掴みにして、レオンが思い切り突きあげる。ぐぽりと最奥が開かれ、フロルは目の前が一気に真っ白になった。そこに押し込むようにして、レオンはさらに抽送を繰り返す。
「あッ! あああ……っ! あつ……い」
「フロル!」
細かく痙攣を繰り返すフロルの髪が揺れ、レオンの目の前に真っ白な項が見えた。レオンは迷うことなく自分の歯を突き立てた。
フロルの口から細い悲鳴が上がった。肌を食い破られる痛みが走り、同時に自分を貫いているものと同じ快感が溢れ出す。今まで感じたことがないほどの悦びに包まれると、一段と大きくなったレオンの剛直がフロルの最奥に熱を放った。体中から湧き上がる快感に包まれて、フロルは堪らず中を強く締め上げた。
「ッ! ……フロル!」
「あ……なか、れおんで、いっぱい……」
「そんな事、言われたら」
「ん……おっきい……」
フロルの中で今にも溶けてしまいそうだと思いながら、レオンは精を放ち続けた。アルファの吐精は止めようとしても止められない。オメガの中を全て満たし、溢れるほどの精を注ぎ終わるまでは。
フロルの薄い腹にレオンが手を回すと、フロルは自分の手を重ねた。
「いっぱいなの、うれしい……」
「……フロル」
唯一人の相手を得たアルファの本能は一つだ。
――このオメガは自分のものだ。誰にも渡さず……自分の子を孕ませる。
くっきりと痕のついたフロルの項を舐めれば、にじんだ血の味すら甘く感じた。レオンは、舌を這わせるたびにびくびくと震えるフロルを腕の中に囲い込む。
(今すぐじゃなくてもいい。いつかは……)
フロルの体からは段々に力が抜ける。レオンが愛していると囁けば、こくりと頷く。甘い快楽を追い続けるフロルをレオンは強く強く抱きしめた。フロルの口からため息のような声が漏れる。
「……やっぱり、……どきどきする……ね」
「え?」
疲れ切ってまどろみ始めたフロルは、もう何も言わなかった。レオンは、柔らかなフロルの髪にそっと口づけた。二人のための時間はこれからたくさんある。ゆっくり話をすればいいのだと思うと、泣きたいほど幸せだった。
翌日、カイが目覚めた時には、太陽は空高く昇っていた。
「……あれ、レオンはどこに行った?」
「とっくにお部屋に戻られましたよ」
ダナエが窓を全て開け放ったので、部屋の中にはびゅうびゅうと風が通り抜けていく。カイはぶるりと震えたが、誰も気にかける者はいない。山のように積まれていた酒樽は片端から空いており、使用人たちがせっせと片付けている。
「一晩でよくもこんなにお飲みになりましたね!」
「人型だからこんな量ですんだんだ。竜の姿なら話にもならない」
ダナエに呆れた目で見られ、ふんと鼻を鳴らした時だった。
カイは大きく目を瞬いた。
自分の体の中の魔力が強くなっている。今までとは違い、陽の光のように暖かく黄金色の輝きだ。これはレオンの持つ魔力が変化したのだろう。
(ああ、そうか。ようやく二人は番になったのか)
カイは嬉しかった。幼い二人の姿を心に思い描く。一時はすれ違い、どうなることかと思ったが、ちゃんと絆を結ぶことができたようだ。
「なあ、ダナエ」
「はい?」
「......めでたいことがあった。今日は城の皆で宴会にしよう!」
「馬鹿なことを! どれだけ飲んだら気がすむんですか!」
「いや、本当に祝い事なんだって!」
「知りません」
カイがダナエの怒りを収めるまでには大層な時間がかかった。その間、竜の城の恋人たちはぐっすりと眠っていた。
――ねえ、フロル。ずっと一緒にいてね。
――変なレオン。もちろん、ずっと一緒にいるよ。
竜の心に浮かんだ幼い二人の面影が夢となって恋人たちに降り注ぐ。幼い二人は微笑んで手を繋いだ。カイが部屋に乱入してくるまでの間、レオンとフロルは互いを抱きしめたまま、幸せな眠りを味わい続けた。
★番外編もこれで終わりです。ここまでお読みいただきありがとうございました!
たくさんのいいねやエール、ご感想に励まされ、楽しく書くことができました^^
またレオンやフロル、カイの話を書きたくなったら追加します。その際はお付き合い頂けましたら幸いです。
505
あなたにおすすめの小説
出来損ないのオメガは貴公子アルファに愛され尽くす エデンの王子様
冬之ゆたんぽ
BL
旧題:エデンの王子様~ぼろぼろアルファを救ったら、貴公子に成長して求愛してくる~
二次性徴が始まり、オメガと判定されたら収容される、全寮制学園型施設『エデン』。そこで全校のオメガたちを虜にした〝王子様〟キャラクターであるレオンは、卒業後のダンスパーティーで至上のアルファに見初められる。「踊ってください、私の王子様」と言って跪くアルファに、レオンは全てを悟る。〝この美丈夫は立派な見た目と違い、王子様を求めるお姫様志望なのだ〟と。それが、初恋の女の子――誤認識であり実際は少年――の成長した姿だと知らずに。
■受けが誤解したまま進んでいきますが、攻めの中身は普通にアルファです。
■表情の薄い黒騎士アルファ(攻め)×ハンサム王子様オメガ(受け)
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
泡にはならない/泡にはさせない
玲
BL
――やっと見つけた、オレの『運命』……のはずなのに秒でフラれました。――
明るくてお調子者、だけど憎めない。そんなアルファの大学生・加原 夏樹(かはらなつき)が、ふとした瞬間に嗅いだ香り。今までに経験したことのない、心の奥底をかき乱す“それ”に導かれるまま、出会ったのは——まるで人魚のようなスイマーだった。白磁の肌、滴る水、鋭く澄んだ瞳、そしてフェロモンが、理性を吹き飛ばす。出会った瞬間、確信した。
「『運命だ』!オレと『番』になってくれ!」
衝動のままに告げた愛の言葉。けれど……。
「運命論者は、間に合ってますんで。」
返ってきたのは、冷たい拒絶……。
これは、『運命』に憧れる一途なアルファと、『運命』なんて信じない冷静なオメガの、正反対なふたりが織りなす、もどかしくて、熱くて、ちょっと切ない恋のはじまり。
オメガバースという世界の中で、「個」として「愛」を選び取るための物語。
彼が彼を選ぶまで。彼が彼を認めるまで。
——『運命』が、ただの言葉ではなくなるその日まで。
【運命】に捨てられ捨てたΩ
あまやどり
BL
「拓海さん、ごめんなさい」
秀也は白磁の肌を青く染め、瞼に陰影をつけている。
「お前が決めたことだろう、こっちはそれに従うさ」
秀也の安堵する声を聞きたくなく、逃げるように拓海は音を立ててカップを置いた。
【運命】に翻弄された両親を持ち、【運命】なんて言葉を信じなくなった医大生の拓海。大学で入学式が行われた日、「一目惚れしました」と眉目秀麗、頭脳明晰なインテリ眼鏡風な新入生、秀也に突然告白された。
なんと、彼は有名な大病院の院長の一人息子でαだった。
右往左往ありながらも番を前提に恋人となった二人。卒業後、二人の前に、秀也の幼馴染で元婚約者であるαの女が突然現れて……。
前から拓海を狙っていた先輩は傷ついた拓海を慰め、ここぞとばかりに自分と同居することを提案する。
※オメガバース独自解釈です。合わない人は危険です。
縦読みを推奨します。
オメガの復讐
riiko
BL
幸せな結婚式、二人のこれからを祝福するかのように参列者からは祝いの声。
しかしこの結婚式にはとてつもない野望が隠されていた。
とっても短いお話ですが、物語お楽しみいただけたら幸いです☆
隣国のΩに婚約破棄をされたので、お望み通り侵略して差し上げよう。
下井理佐
BL
救いなし。序盤で受けが死にます。
文章がおかしな所があったので修正しました。
大国の第一王子・αのジスランは、小国の王子・Ωのルシエルと幼い頃から許嫁の関係だった。
ただの政略結婚の相手であるとルシエルに興味を持たないジスランであったが、婚約発表の社交界前夜、ルシエルから婚約破棄をするから受け入れてほしいと言われる。
理由を聞くジスランであったが、ルシエルはただ、
「必ず僕の国を滅ぼして」
それだけ言い、去っていった。
社交界当日、ルシエルは約束通り婚約破棄を皆の前で宣言する。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる