不本意ながらも双剣英雄譚

藤亮遠真

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Lv3 嫌な日々もいつかはよく思える

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「はあ…やっと終わったー」
俺たちは初クエストでスライム10体の
討伐を行った。最弱の代名詞のスライムと言えど
10体はきつい。
「疲れましたね…でもレベルも上がりましたよ!」
「俺は4になった」「私は3です」「私も3だ」
「私は2」
スライムでも結構上がるんだな。まあ最初のうちかな
「それにしてもやっぱ二刀流は無理があるな…
若干戦ってる途中でなれては来たけど振るので
精一杯だ…」
「それに消費MPも単純に2倍だしな…
あまりおすすめはしないぞ」
「まあ、普段は二刀流でやばい時に
一本で戦う…とかでもいいと思いますよ」
「そうするかな」
「じゃあ帰るとするか」

~ギルド~
「ではクエスト報酬の5000ドラムです」
そう言って受付のお姉さんに5000ドラムを
渡された。
「じゃあ1人1250ドラムずつだな」
「いいのか?こういうのは普通一番活躍した奴や
パーティーリーダーが一番多く貰うはずだぞ?
お前が一番活躍したしパーティーリーダー
もお前だぞ?」
「そうなんだ…まあいいよ。今日からこの
パーティーの決まりとして「どんな時でも平等に」
をかかげる!」
「分かった。お前がいいならそれでOKだ」
「私もいいですよ!」
「…私も」
意外に従順な人達でした。ありがたい
「そんなことよりさ…家どうしよう…」
そう…俺はこの世界に来たばかり。家なしなのさ
「パーティーハウスが欲しいってことですか?」
「パーティーハウス?」
「今冒険者の中で主流のパーティーで住む家です」
「高いの?」
「いいえそんなことは…
多分一軒家が5~60万ですね」
安いな!
「なんでそんなに安いんだ?」
「そういう家って大抵はクエスト中に殉職した
パーティーの家なんです。いわばいわく付きです
もちろん普通の家なら高いですよ?」
「俺は気にしないけど…お前らは?」
陰陽師の息子舐めんな。まあ多分血繋がってないけど
「そんなものが怖くて冒険者できないだろ」
「…私も」
「私もユウトくんと同じ部屋なら」
「しないよ?部屋は別々だよ?」
「まぁとりあえず私も大丈夫です!」
ほんとかよ…夜這いダメ絶対
「お前らいくら持ってる?」
「通帳に2~30万くらいだな」
通帳とかあんだ…
「私も15万くらいです」
「10万…」
みんな金あんだね…
「じゃあ俺は出世払いで…」
俺金ないし3万9250しか
「私に「大好き」って言ってくれるなら
それでも…いいですよ?」
「大好きだぜ!マリン」
「え?あ…えー、プロポーズですか?」
「違います」
どうなってんのこの娘?言えって言われたから
言ったんだよ?
「じゃあユウトくんの分も私が持ちます!」
「ありがとうございまーす!」
深々と頭を下げた…ご利用は計画的に
「てか家はどこで買えんの?」
「不動産屋だろう…普通」
呆れないでー…異世界とか初めてなんで!
「じゃあ行こう!」

~不動産屋~
「こんにちわー…」
返事がない…
「…いらっしゃい」
後から人が来た…怖いよ!
「家ね…もうこの家でいいよね?いいね?ハイ決定」
「待て待て待て待て!え?何それ?やだよ!
俺たちに決めさせろよ!てかまずなんで
後ろから来た?てめぇぜってえ表で休んでただろ!
客来ねぇと思って油断してただろ!」
「すいませんねえ、まあ軽いジョークとやらですよ」
駄目だ俺こいつ嫌いだわ
「それでどんな家が欲しんですか?」
「4人で暮らせて50万くらいの家が欲しい」
「じゃあこの家なんてどうでしょうか?」
なになに…敷地面積1200坪…広!
「この家広すぎるだろ!誰の家だよこれ…
作ったやつ馬鹿だろ。」
そんで値段は…2億…
「おい…俺50万くらいのって言ったよね?
何2億って?ねえ?またジョーク?やめてねえ
次やったら俺の剣が勝手にお前の方に飛ぶよ?」
「すいません、ジョークが好きなもんで」
「早くいい物件だせ」
「こちらはどうでしょう?
4人ぐらしにぴったりの二階建てで48万です」
「んー、まあそれでいいや」
「そうですねこれにしましょう」
「異論はない」
「…」
そろそろちゃんと喋ってほしいなアイリスに
「決定ですねでは後ほど代金は回収しに行きます」
「はい」
「では鍵です。場所は右にまっすぐ行けばあります」
「ちゃんといえ」
「家だけに?…すいません」
危ない危ない、危うくここが血の海になるとこだった
「若干案内します」
「若干ってなんだよ。意味わかんねえよ」
「ではこちらです」
「聞けよ!」

~パーティーハウス~
「結構広いな…」
「いい感じの家ですね!」
「なかなかではないか」
「…」
 「じゃあ部屋決めでもするか」
「私、ユウトくんの隣の部屋志望で」
「善処します…」
「私はどこでもいいぞ」
「私も…」
「じゃあ右から俺、マリン、ルル、アイリスで」
コンコン
「ん?誰かきたな?」
「新聞の勧誘とかではないか?」
「新聞とかあるんだ…」
「とりあえず出ましょうか?」
「はい?どちら様ですか?」
「代金を回収しに来ました」
「早いわ!」
「え?」
「え?…じゃねえよ早いわ!いやいや早いな!
家に着いてから一時間経ってないよ?」
「でも回収…」
「まあ嫌な予感してたから用意してるけど」
「じゃあ早く出してください」
「ころすぞ」
「すいません…では50万で…」
「は?」
「50万ですよ?」
「いやいやいや48万だったよ!」
「50でした」
「マジで?なんで嘘つくの?ダメだろそれは…
やっちゃいけない手口だよそれは。」
「50払ってください、さもないと不法占拠として
通報しますよ?」
「この…分かったよ払うよ!ほら!
早く帰れ!」
「毎度あり!」
あの野郎後で覚えてろよ!

~後日・ギルドにて~
「皆さん!小ボス警報です!」
「小ボス警報?」
「小ボスが街に定期的にやってくるんですよ
この街はみんな弱いですから」

「今回の迎撃パーティーはユウトさんの
パーティーです」
え?
「どうしましょう!選ばれましたよ!」
「え?なんで?みんなで迎え撃てよマジで」
「まあ、こればっかりは抽選だから…」
「抽選の必要性は?」
「小ボスといえどそんなに強くはないのです
だから駆け出しのパーティーに依頼して戦ってもらうことにしてるんだよ。」
「いや駆け出しも駆け出し…二日目よ?」
「いやまあ抽選ですから…」
マジですか…
「では…クエストスタートです!」
そんなギルドの受付のお姉さんの声が響いた

さてどう戦うか…
「よし!作戦を決めよう!俺は二刀流で行く」
「ほんとですか?大丈夫ですかね…」
「無理はしない方がいいぞ…」
「そこでだ、マリン、お前バフかけれるか?」
「一応出来ます。攻撃・力・素早さの3つです
一度に出来るのは2つです」
「よし!じゃあ戦いが始まったら攻撃と力をくれ」
「はい!」
「アイリス…お前弓で相手の動き止める系の
技ない?」
「拘束という技がある…」
「それでいこう」
「分かった…」
「ルルは拘束がちゃんと当たるように隙を作れ」
「分かった。」
「そしたら俺がバフかけてもらって
すぐに仕留める。よし!やるか!」

「小ボスが来たぞ!」
「はっはっは!私が魔王の眷属の1人
アポカリプスだ!」
名前強そう…
「よし!行くぞ!」
「ATK・UP!POWER・UP!」
よし!バフがかかった
「覚悟しろアポカリプス!」
第一段階…ルルの攻撃は…成功だ!隙ができた
「拘束!」
「なんだ?」
よし!あとは俺が!
「アイスソード!ファイアソード!」
「ぐ!二刀流だと…まるで先代の魔王様を倒した
勇者のようだな…」
「そうか…俺も勇者だからな…」
「なるほど…では問おう勇者よ!敵とはいえ
拘束してタコ殴りは酷くないかい?」
こいつ!良心を刺激してきやがった!?
「だ、黙れ!」
「俺はもうじき殺られるだろう…だが俺を倒して
お前はそれでいいのか?」
「いい加減黙れ!」
「ヤバい、死にそう…勇者に拘束されてタコ殴りに
されて死にそう…」
「死にやがれ!サンダーソード!」
「ぐぁー!」
「ハァハァ…」
最後にアポカリプスは俺に傷を残した…
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