不本意ながらも双剣英雄譚

藤亮遠真

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Lv4 静かに咲き誇る一輪の恋の花

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「いやー疲れた!」
俺たちは家で小ボス討伐記念の祝勝会みたいなのをやっていた。
「マジで辛かった!特に心が…」
あの野郎は「いつか殺すリスト」へ仲間入りだな
メンバーあの不動産屋だけだが…
「経験値も小ボス級だと差は出るがみんなに
入るしな!おかげで6にあがった」
「私は6になりました」
「私は5…」
「俺なんか8だぜ!報酬も20万出たしな!」
「おい…酒はその辺にしておけ…」
「だって俺の前住んでたとこでは酒は20から
だったから16の俺は飲めなかったんだ。
ここだと15からOKだろ?初めて飲むんで嬉しくて」
「あ!そうだ!あんまり酔ってると危ないですから
今日は私と寝ましょう!」
「大丈夫です、それは結構です」
「そんな…」
「まあ…今日くらいはいいか、ただ…
次もあんな戦い方を?」
「お前もあの野郎と同じこと言うのか?」
「そうではなくて…お前の負担があまりにも
大きいのでな」
「ああ、そういうことか…まあなんとかなるべ」
「そうだといいんですが…」
「…」
この時もアイリスは黙っていた。
今までのように…
もしかしたらこらからもずっとこうかもしれない…
それはアイリスにも分からない…
もちろん俺にも…
神のみぞ知る事だ…
いや…神も知らないかもしれない…



~翌日~
「よし、みんなおはよう」
「おはよう」
「おはようございます!ユウトくん!」
「……おはよう」
アイリスも簡単な挨拶はしてくれるんだな
「じゃあ今日もギルド行くぞ!」

~ギルド~
「いいかお前ら…冒険者にとって大切な
  ものはなんだ?」
「レベルか?」「装備でしょうか?」
「そう!その2つだ。ということで今日は
クエストではなく探索しに行く!」
「ではなぜギルドに?」
「地図だけもらいに来たんだ」
準備大事!
「なるほど!頭いいですね!」
「だろう?」
「はい!かっこいいです!」
「……」(アイリス)
そう、僕には今日もう1つ目的がある
それはアイリスと仲良くなることだ
別に好きとかそんなんじゃあないさ
ただ話したいだけ…なのだが…
難易度が高いなこれは…
「よし、じゃあ行こうか!」

~始まりの草原~
「ではここで二手に別れたいと思う」
「はい!ユウトくんと一緒の方を所望します」
マリンが言った
「却下」
「えぇ!」
「今日俺はアイリスと行こうと思う」
「なんでですか!もしかしてユウトくん
アイリスさんにホの字ですか!」
「違う。てかホの字ってお前いつの時代の
人だよ…とにかく今日俺はアイリスと行くんだ。
アイリスもそれでいいよな?」
「うん…」
「じゃあその代わり今日の夜は私と寝てください!」
「嫌です」
その様子をルルがじっと見ていた
「ルル?どうした?」
「いや…お前はマリンの何が気に入らないんだ?」
「え?」
「こんなに可愛い子に好きと言われて嬉しく
ないのか?」
「いや…嬉しいけど、さ…恥ずかしいんだよ…
公の場で」
「じゃあ家の中では私とイチャイチャしてくれる
んですか?」
「イチャイチャはしない。」
「そんな~」
「いいから探索に行くぞ」

~はじまりの大地(崖エリア)~
「アイリス頼む!」
「拘束!」
「サンダーソード!」
ふぅ…やっぱバフなしだときついな…
それに足場も悪い…落ちたら死にはしないが
致命傷だ…
「そろそろ帰ろうかな…」
「…」
「なあ…なんでお前は喋らないんだ?」
「…」
「なんか特別な理由とかあんのか?」
「いや…別に…」
その時だった
ビキビキ!
「え?」
アイリスのたっていた場所が土砂崩れを起こした
「キャー!」
「おい!アイリス!アイリスー!」
やばい落ちやがった!クソっ!どうすれば…
ピコン
ん?なんだ?
「【ウォーター・メイド】を覚えました」
「ウォーター・メイド?水を作れるのか?」
そうだ!これなら!
俺はすぐさま崖の中へ飛び込んだ。
(この高さならまだアイリスも地面にはついて
ないはず)
「ファイア!ファイア!」
俺は上にファイアを放った。加速のためだ
(アイリスに追いついた!)
「ウォォァァァァ!ウォーター・メイド!」
俺は全魔力を使ってウォーター・メイドを放った
「よし!辺りが水で覆われた!これなら落ちても…」
ザブン!
………アイリス!アイリスは無事か?
(いた!)
俺はアイリスを抱き抱えて水面へ出た。
だんだん水もはけて地面が見えてきた。
「ふぅ…いてぇもんはいてぇな…」
アイリスは気絶していた。
仕方ないおぶって帰るか…

「ん?ここは…」
「おお、目がさめたかアイリス!」
「さっき崖から落ちて…」
「ああ、それは夢じゃねぇな。残念ながら」
「助けて…くれたの?」
「ああ…まあな。でも気絶させちまったけど」
「…ありがとう…」
「どいたま。」
「それで…さっきの話…」
「話?」
「なんで喋らないんだ…って話」
「ああ…あれか」
「私は昔…すごいお喋りだった…」
「へえ…」
意外だな…
「でも喋りすぎた…だから友達がいなくなった…
私は喋っちゃいけないんだ…」
重いな…
「はぁ…そんなことで黙ってたのか…
じゃあ俺と話せばいいよ。俺はいつでも聞くし
嫌がったりもしない。むしろお前と喋りたい。
決してお前の仲間を辞めたりはしない。」
「いいの…私…喋るとうるさいよ?」
「いいよ」
「えへへっ!ありがとう!」
その時のアイリスはとても可愛く見えた。
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