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第16話 夜伽 (6) ※
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アルキバは冷たい笑みを浮かべた。
「散々、剣闘士に使って楽しんで来たんだろ?これは罰だ。てめえが使われる気分を味わえよ、王子様」
「剣闘士達に無理矢理をしたつもりはない!嫌だ、どうか許してくれ頼む」
「じゃあ俺も優しくしてやるよ」
アルキバは指をしっとりと香油で濡らした。つっぱって抵抗を試みる脚を無理矢理開いた。
「や……やめッ……!放せ、私を放せ!」
形の良い脚を片方、持ち上げて肩にのせ、尻に濡れた指を伸ばす。
拒絶を無視してその谷間の一番深いところに、指をぐっと差し込んだ。ひいっ、と息を飲んでリチェルの体が硬直する。
ん?
とアルキバは首をかしげた。指で形を確かめてみれば、縦に割れている。まるで男娼のようにひずんだ穴。
ちょいとぐりぐりいじってみたら指はあっさり中に入った。ずぶりと深みまで。
アルキバは男も抱いたことはある。
アルキバに抱かれたいと望む信奉者は女だけではない、男でも見目が良ければ抱いてやる。そういう信奉者たちの体を開いてやったことも一度ならずあるのだが、これは。
「お前、貫通済みじゃないか」
しかもこれは一度や二度の貫通じゃない、幾度となく貫かれた身体だ。
「王子なのに体は娼婦か。どんだけ咥え込めばこんな無様な穴になるんだ?」
あざ笑いながらその顔を覗き込む。
だが、アルキバは真顔になった。
リチェルの様子が明らかにおかしかった。
桃色の唇を青紫に染め、脂汗をじっとりとかき、がくがく震えていた。天井を見上げるその青い瞳は、まるで目を開けたまま悪夢を見ているかのよう。
ああ、とアルキバは察した。
とりあえず指は抜いてやり、押さえていた脚も解放した。身を離し、その足元に座った。
「無理矢理やられたのか?」
リチェルは震えながらこくりとうなずいた。やはりそうか。
「分かって来たぞ。あんた、自分がやられた腹いせの為に男を食いまくってるのか。虚しいことやってんな王子様」
リチェルが薄っすらと笑みを浮かべた。
「腹いせ、か……。そのように考えたことはなかったが、そうなのだろうか……」
アルキバは頭をかく。
「誰にやられたんだ?」
「兄上……たちに……」
アルキバは思わず口をあんぐりあけた。この国の王族は何をしてるんだ。剣闘士を買春する弟に、弟を犯す兄だと?
「兄上ってあれか、後妻王妃の連れ子二人か。後妻が国王の愛人だった頃に実はこさえてました、隠し子です、って突然出てきた第一王子と第二王子のことだよな。腹違いとはいえ実の兄弟にねえ、悪趣味な連中だな王族ってのは」
「……」
リチェルは無言で宙を見ている。
なんだか嫌な空気になってしまった。
アルキバは猛りきった己の分身をもてあまし、艶かしい体を晒したまま目の前に横たわる美しい王子を見やる。
同情はするが、しかし。
とは言え貫通済みならば、さほど体の負担にはならないわけで、遠慮なくいただいていいのではないか、などという気持ちが頭をもたげた。
こんな空気になってもなお、鎮まる気配もない凶暴な本能。
アルキバの雄はお預けをくらって、どうしようもなくイライラとしている。
(こいつが欲しい。こいつを抱きたい。その無様でうまそうな穴に俺のものを突っ込んで、汚い種をぶちまけたい)
「でも、罰は受けなきゃな」
うそぶくと、リチェルの全身がびくんと震えた。
アルキバは、抑えられない情動のままに、再びリチェルの上に覆いかぶさった。
リチェルの顔の両側に腕をつき見下ろす。
そしてアルキバは、見てしまった。
空っぽの瞳。
それはまるで、覗いてはならない禁忌の深淵のようだった。
これほど空虚なものを、今まで一度も見たことはなかった。
絶句するアルキバの下、リチェルの青紫の唇が、ゆっくりと開かれる。その背中が震えながら反り返り、肉体のアーチとなる。
次の瞬間。
この世のものとは思えない、とてつもない絶叫が、リチェルの喉から発せられた。
およそ一人の人間がこれ程の大音量を発しうるのかという、天災のごとき咆哮だった。
「散々、剣闘士に使って楽しんで来たんだろ?これは罰だ。てめえが使われる気分を味わえよ、王子様」
「剣闘士達に無理矢理をしたつもりはない!嫌だ、どうか許してくれ頼む」
「じゃあ俺も優しくしてやるよ」
アルキバは指をしっとりと香油で濡らした。つっぱって抵抗を試みる脚を無理矢理開いた。
「や……やめッ……!放せ、私を放せ!」
形の良い脚を片方、持ち上げて肩にのせ、尻に濡れた指を伸ばす。
拒絶を無視してその谷間の一番深いところに、指をぐっと差し込んだ。ひいっ、と息を飲んでリチェルの体が硬直する。
ん?
とアルキバは首をかしげた。指で形を確かめてみれば、縦に割れている。まるで男娼のようにひずんだ穴。
ちょいとぐりぐりいじってみたら指はあっさり中に入った。ずぶりと深みまで。
アルキバは男も抱いたことはある。
アルキバに抱かれたいと望む信奉者は女だけではない、男でも見目が良ければ抱いてやる。そういう信奉者たちの体を開いてやったことも一度ならずあるのだが、これは。
「お前、貫通済みじゃないか」
しかもこれは一度や二度の貫通じゃない、幾度となく貫かれた身体だ。
「王子なのに体は娼婦か。どんだけ咥え込めばこんな無様な穴になるんだ?」
あざ笑いながらその顔を覗き込む。
だが、アルキバは真顔になった。
リチェルの様子が明らかにおかしかった。
桃色の唇を青紫に染め、脂汗をじっとりとかき、がくがく震えていた。天井を見上げるその青い瞳は、まるで目を開けたまま悪夢を見ているかのよう。
ああ、とアルキバは察した。
とりあえず指は抜いてやり、押さえていた脚も解放した。身を離し、その足元に座った。
「無理矢理やられたのか?」
リチェルは震えながらこくりとうなずいた。やはりそうか。
「分かって来たぞ。あんた、自分がやられた腹いせの為に男を食いまくってるのか。虚しいことやってんな王子様」
リチェルが薄っすらと笑みを浮かべた。
「腹いせ、か……。そのように考えたことはなかったが、そうなのだろうか……」
アルキバは頭をかく。
「誰にやられたんだ?」
「兄上……たちに……」
アルキバは思わず口をあんぐりあけた。この国の王族は何をしてるんだ。剣闘士を買春する弟に、弟を犯す兄だと?
「兄上ってあれか、後妻王妃の連れ子二人か。後妻が国王の愛人だった頃に実はこさえてました、隠し子です、って突然出てきた第一王子と第二王子のことだよな。腹違いとはいえ実の兄弟にねえ、悪趣味な連中だな王族ってのは」
「……」
リチェルは無言で宙を見ている。
なんだか嫌な空気になってしまった。
アルキバは猛りきった己の分身をもてあまし、艶かしい体を晒したまま目の前に横たわる美しい王子を見やる。
同情はするが、しかし。
とは言え貫通済みならば、さほど体の負担にはならないわけで、遠慮なくいただいていいのではないか、などという気持ちが頭をもたげた。
こんな空気になってもなお、鎮まる気配もない凶暴な本能。
アルキバの雄はお預けをくらって、どうしようもなくイライラとしている。
(こいつが欲しい。こいつを抱きたい。その無様でうまそうな穴に俺のものを突っ込んで、汚い種をぶちまけたい)
「でも、罰は受けなきゃな」
うそぶくと、リチェルの全身がびくんと震えた。
アルキバは、抑えられない情動のままに、再びリチェルの上に覆いかぶさった。
リチェルの顔の両側に腕をつき見下ろす。
そしてアルキバは、見てしまった。
空っぽの瞳。
それはまるで、覗いてはならない禁忌の深淵のようだった。
これほど空虚なものを、今まで一度も見たことはなかった。
絶句するアルキバの下、リチェルの青紫の唇が、ゆっくりと開かれる。その背中が震えながら反り返り、肉体のアーチとなる。
次の瞬間。
この世のものとは思えない、とてつもない絶叫が、リチェルの喉から発せられた。
およそ一人の人間がこれ程の大音量を発しうるのかという、天災のごとき咆哮だった。
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