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「そっちのパンツ、兄貴にあげるから。交換こしよう」
「いっ、いらねえよお前の中古パンツとか!」
「じゃあそれ捨ててもいいから!とにかく兄貴のパンツが俺は欲しいの!」
「だから、なんで、俺のパンツが欲しいんだお前は!」
「おかずにするから!」
「なっ……」
俺の目線はつい、弟の下半身に落ちる。平常時のくせにでけぇ。俺はさっと目をそらす。
「と、とにかくそのぶらさがってるもんをなんとかしやがれ!これ履け!」
俺は手にしていたボクサーパンツを、弟に無理矢理握らせた。
「あ……うん」
弟はうなずくと、素直に自分のパンツを履いた。
とりあえず下半分のいかがわしい物体を隠させて俺は一息つく。
もっこり感は正直、気になるが。
なんでボクサーパンツってのはこう……。ブツがデカいやつが履くと特に……。
俺じゃなく弟をトランクス派にしてくれたらよかったのに親。
俺はごほんと咳払いする。
「だから、どうして!お前のおかずが、俺のパンツなんだよ!?」
弟はしょんぼり半分、逆ギレ半分で口をとがらせる。子どもの頃、大人に叱られた時、こいつはよくこの顔をしていたことを思い出す。
これは長々とした逆ギレ系の言い訳が始まる合図だ。
「兄貴が悪い……」
「はっ!?」
「兄貴が毎日毎日、スーツなんか着て大人の色気を振りまくから……!」
「スーツ!?スーツがなんだって!?」
「あの、バサッとジャケット羽織るのなんなんだよ!で無造作に袖まくって腕時計見るだろ!フェロモンがどばどば出てるんだよ!学生の時はスマホで時間チェックしてたくせに!」
「バサッと羽織って何が悪い!」
なんでそろそろ~っと静か~に羽織らないといけないんだ!
スマホはいちいち取り出すのが面倒になったんだよ、使ってみたら便利だったんだよ腕時計が!
ていうかフェロモン?
「で帰って来たら、けだるげにネクタイをゆるめたりするじゃないか!貞操の危機を感じろよ!」
「帰って来たらネクタイ取るだろそりゃ!」
けだるげで悪かったな、疲れてるんだよ大変なんだよ新社会人は!
ていうか貞操の危機?
「それと平日は髪の毛きっちりワックスで固めてるのに、休日は無防備に前髪垂らして!ギャップ!分かる?ギャップ!」
「無防備な前髪っておかしいだろう!」
ワックスは防備でも防具でもねえぞ!?
「そんなんしょっちゅう目の前でやられたら、誰だってムラムラするよ!」
「しねえよ!」
語られた全描写のどこにムラムラ要素があるのかさっぱり分からなかった。
弟の大きな体が、ずいと俺に近づいてくる。
「言っておくけど俺、兄貴のこと無茶苦茶、エロい目で見てるから……!」
「…………………………………………………」
なんだって?
「もう俺、限界……!」
両肩をつかまれて、ベッドに押し倒された。
「おい、やめっ」
弟はさらに俺のシャツに手をかける。胸までまくりあげられてしまう。
「なにやってんだよ、やめろってば……っ!」
俺は弟の腕を掴むが、まったく力では敵わない。
弟は俺の胸をガン見している。
「大人になった兄貴の乳首……すごい、エロい……」
「何言ってんだお前は!?」
「だって兄貴、小五の時から一緒に風呂に入ってくれなくなったじゃないか!俺、全然兄貴の体見れなくなっちゃって、悔しくて悲しくて」
「小五って!お前はいつから……っ」
俺のことを「エロい目」で見ていたんだ!?
「いっ、いらねえよお前の中古パンツとか!」
「じゃあそれ捨ててもいいから!とにかく兄貴のパンツが俺は欲しいの!」
「だから、なんで、俺のパンツが欲しいんだお前は!」
「おかずにするから!」
「なっ……」
俺の目線はつい、弟の下半身に落ちる。平常時のくせにでけぇ。俺はさっと目をそらす。
「と、とにかくそのぶらさがってるもんをなんとかしやがれ!これ履け!」
俺は手にしていたボクサーパンツを、弟に無理矢理握らせた。
「あ……うん」
弟はうなずくと、素直に自分のパンツを履いた。
とりあえず下半分のいかがわしい物体を隠させて俺は一息つく。
もっこり感は正直、気になるが。
なんでボクサーパンツってのはこう……。ブツがデカいやつが履くと特に……。
俺じゃなく弟をトランクス派にしてくれたらよかったのに親。
俺はごほんと咳払いする。
「だから、どうして!お前のおかずが、俺のパンツなんだよ!?」
弟はしょんぼり半分、逆ギレ半分で口をとがらせる。子どもの頃、大人に叱られた時、こいつはよくこの顔をしていたことを思い出す。
これは長々とした逆ギレ系の言い訳が始まる合図だ。
「兄貴が悪い……」
「はっ!?」
「兄貴が毎日毎日、スーツなんか着て大人の色気を振りまくから……!」
「スーツ!?スーツがなんだって!?」
「あの、バサッとジャケット羽織るのなんなんだよ!で無造作に袖まくって腕時計見るだろ!フェロモンがどばどば出てるんだよ!学生の時はスマホで時間チェックしてたくせに!」
「バサッと羽織って何が悪い!」
なんでそろそろ~っと静か~に羽織らないといけないんだ!
スマホはいちいち取り出すのが面倒になったんだよ、使ってみたら便利だったんだよ腕時計が!
ていうかフェロモン?
「で帰って来たら、けだるげにネクタイをゆるめたりするじゃないか!貞操の危機を感じろよ!」
「帰って来たらネクタイ取るだろそりゃ!」
けだるげで悪かったな、疲れてるんだよ大変なんだよ新社会人は!
ていうか貞操の危機?
「それと平日は髪の毛きっちりワックスで固めてるのに、休日は無防備に前髪垂らして!ギャップ!分かる?ギャップ!」
「無防備な前髪っておかしいだろう!」
ワックスは防備でも防具でもねえぞ!?
「そんなんしょっちゅう目の前でやられたら、誰だってムラムラするよ!」
「しねえよ!」
語られた全描写のどこにムラムラ要素があるのかさっぱり分からなかった。
弟の大きな体が、ずいと俺に近づいてくる。
「言っておくけど俺、兄貴のこと無茶苦茶、エロい目で見てるから……!」
「…………………………………………………」
なんだって?
「もう俺、限界……!」
両肩をつかまれて、ベッドに押し倒された。
「おい、やめっ」
弟はさらに俺のシャツに手をかける。胸までまくりあげられてしまう。
「なにやってんだよ、やめろってば……っ!」
俺は弟の腕を掴むが、まったく力では敵わない。
弟は俺の胸をガン見している。
「大人になった兄貴の乳首……すごい、エロい……」
「何言ってんだお前は!?」
「だって兄貴、小五の時から一緒に風呂に入ってくれなくなったじゃないか!俺、全然兄貴の体見れなくなっちゃって、悔しくて悲しくて」
「小五って!お前はいつから……っ」
俺のことを「エロい目」で見ていたんだ!?
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