悪夢〜やまの恵多短編集〜

やまの恵多

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倉庫の太郎くん

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最近、仕事でパソコン見すぎてるせいか、目の調子が悪いんだよ。

自分の視界のちょうど中央にさ、ぽっかりと黒くて丸い穴が空いた、みたいな感じだよ。太陽とか電球とか、眩しいものを直接見たあと、焼きついたように残像が残るだろ。アレと同じようなもんでさ。瞬きしても何しても、ずーっと黒くて、もやーんとしたもんが見えてんだ。たぶん、網膜とか角膜とか、よくわからねえけど、その辺の異常なんじゃねえかな、って思ってて、今度病院行くんだよ。

え?幽霊かなんかじゃないかって?

残念ながらな、その可能性は「ゼロ」だ。ゼロ。なぜなら俺には幽霊なんて見えないからな。

「何でそんなこと断言できるんだ」って顔してるな?じゃあ俺の子供の頃の話でも聞いてくれよ。これを聞けば、お前も納得すると思うからさ。

俺が小学校6年の頃だったな。クラスの連中の間で、奇妙な噂が流れ始めたんだ。

「クラスの三不思議」って噂な。

七不思議でもありゃカッコがつくんだが、あいにくそんなに種類はなかった。噂にしても、

「たまにクラスの中の時間が止まる」

とか、

「18年経ってもこの噂を覚えてたら、死ぬ」

とかな。そういうよくある荒唐無稽な、いかにもガキが考えつきそうなやつだった。だが、3つめの噂だけは、やたら具体的でな。

「体育館倉庫の中に、黒いモヤが見える」

って噂だった。

俺の学校では、授業や休み時間に使ったボールとか、バドミントンのラケットとか、そういうものを「返却当番」が放課後に体育倉庫に返しに行くって決まりがあってな。その返却当番に当たった奴らの間で、黒いモヤの噂は広がっていった。

「倉庫に入ると、窓際に黒いモヤが浮かんでいる」

「触ろうと思っても触れない」

「窓を開けて風を入れても飛んで行ったりせず、その場に留まっている」

なんて事を、返却当番になった奴らが口々に言い合っていた。くだらない。当時の俺はそんな心霊の類いなんて信じちゃいなかったし、ガキのノリで「なぁ怖えだろ?怖えだろ?」と、その体験を武勇伝のように語り、恐怖を共有しようとしてくる空気に、心底うんざりしていた。

で、そのうち、俺に返却当番が回ってきた。その頃になると、もうクラスの連中の半数ぐらいがモヤが見える、って毎日のように言ってる状況だったから、俺にもなんか見えるんだろうな、めんどくせえな、ってぐらいの気持ちで、体育倉庫に放課後、行ったんだよ。

そしたらな。何も見えなかったんだよ。ものの見事に。いつもの体育倉庫があるだけ。窓際に浮かんでるって言ってたよな、って、窓際にわざわざ近づいても、下から覗いても、まばたきしても。なーんにも。

翌日、もちろん皆から聞かれたよ。「どうだった?お前も見たろ?怖えよな?」って。だから答えたよ。何も見えなかった、ってな。そしたらな、皆「はぁ?」って顔して、それで次の瞬間には何が始まったと思う?

無視だよ。「コイツ、ノリ悪い」って思われたんだか何なんだか。つい昨日までヘラヘラ一緒に喋ってた奴らが、一斉に俺を空気扱いし始めてさ。陰でヒソヒソ「なぁ、なんでアイツ、見えてねえの?」「おかしいんじゃね?てか、見えてんのに見えてないとか意地張ってんじゃね?」とか、見下したような目でチラチラ見ながら言うわけ。

まあ、子供心に流石にこたえたよね。で、そういう状況になると、人間って不思議なもんでさ。「見えてない俺が異常なのか」って思うようになるんだよな。皆には見えてる。でも俺には見えてない。少数派が自分を押し通すってのは、大人でも難しいもんな。それを小学生でやれって言われてみ?できっこねえから。

でさ、俺も仕方ないから、見えてるフリして皆と話を合わせる方向でいこう、って思ったんだよ。でも、そう切り替えようとしたその日、出席番号が後ろの方で、今まで返却当番が回ってきてなかったBがさ、初めて体育倉庫に行って、俺と同じく、何も見えなかったんだよ。前日に当番だったBが登校してきて、開口一番、「何も見えなかった」って大声で言ってさ。

俺、その時すげえ勇気もらった気がしてさ。Bと二人で、そうだよな、何も見えないよな、なんで皆こんなに盛り上がってんだ?って言い合って。Bって正直、あまり喋ったこともない奴で、普段隠キャっぽかったし、まさかこんなことで意気投合するとは思わなかったんだけど、俺は嬉しくて仕方なくて。

で、見える派の連中は、見えない派が俺一人じゃなくなったもんで、疑い出すんだよな。あれ、見えてる俺らがおかしいのか?って。で、その日の返却当番に、念を押すようになるんだよ。「お前なら絶対見えるから」「見えたら明日、教えてくれよな」ってな。もう、半ば強制だよな。気の弱い奴らは、俺が無視されてた状況も見てるから、ホントに見えたかどうかも疑わしい中、朝報告するんだよな。「僕にも見えた」って。

結局、クラス全員、返却当番をやり終えた時、見えない派は俺とBの二人だけだった。確か40人のクラスだったから、38対2だ。圧倒的少数派であるという厳然たる事実が、哀れな俺とBに突きつけられたわけだ。そうなると、どうなるかはわかるよな?

いじめが始まるんだよ。俺は腕っぷしも強くて、そもそも皆とはうまくやってた方だったから、まだ良かったんだが、問題はBだよ。隠キャでちょっと浮いてる奴だったから、標的はBに集中した。ノートに落書きされたり、ランドセル越しに背中蹴られたり、上靴隠されたり、まあ見ちゃいられなかった。その都度、止めに入ったが、俺が見てないところでもBへのいじめは行われててな。泣きながら帰るBの後ろ姿をよく見たよ。

だから俺はある日、担任に言った。返却当番の時に体育倉庫に行くと、黒いモヤが見えると皆が言い出した。俺とBは見えない。そのことで、俺はともかくBがひどくいじめられていると。担任は驚いて、学級会を開くと言い出した。自分のクラスでいじめがあるなんて微塵も思ってなかったような、脳内お花畑の若い女の担任だったから、どうしていいかわかんなかったんだろうな。担任はいきなり、どストレートに皆に切り出した。

「体育倉庫に黒いモヤが見えるんですか?」

見える、見えないの問題じゃない。主観でどう捉えてるのかの違いで、少数派を攻撃するっていう人間性の問題だった。そこを改めて欲しかったのに、担任はどんどん違う方向へ話を進めて行ってな。

「これから先生が、見てきます。戻ってくるまで、自習してて下さい」

はぁ?って思ったよ。それでどうなるんだよ、って。見えなかったら「先生は見えませんでした。だから見える子はおかしいんです」とでも言うのか?って。でも、いじめを無くしたいはずだから、そういう方向に持ってくんだろうな。でもそれでこいつら納得すんのかな。って思いながら、俺は漢字の書き取りをしてた。そしたらな、廊下の遠くの方から、パタパタパタ……って走ってくる足音がして、担任が息切らして戻ってきてな。何て言ったと思う?

「先生にも見えました!黒いモヤ!すごいねあれ!幽霊?なんなの?」

クラスがな、歓声で湧き上がったよ。俺とBだけ、死人みたいな顔してた。見える派はもう、自分たちの正当性が認められた、担任のお墨付きを得た、って。いじめ許可証をもらったようなもんだからな。見た事ないような凄い目つきで、俺とBを見てきたよ。捕食者が獲物をただ食べるんじゃなく、楽しんで殺すような、同じ動物とすら思っていないような、虫みたいな目つきでな。

ただ、救いはあった。Bは俺が思うよりも賢くてな。次の日から学校に来なくなった。あの担任の行動が、ある意味Bが吹っ切れるきっかけになったんだろう。「この学校に味方はいない」っていう、な。それはそれで賢明な選択だったと思う。なにしろ、学級会の場で、皆盛り上がりすぎて、トイレの花子さんならぬ、「倉庫の太郎くん」なんて名前までつけ始めて。

「太郎くんはどうして倉庫にずっといるんだろう」

「先生、何年か前に、倉庫に閉じ込められちゃって死んだりした生徒とか、いないの?」

「えー、先生は聞いたことないなー」

なんて真剣な顔して話したりしてるような、異様な雰囲気だったしな。ここに自分の居場所が無いって思うのも当然だ。

だが、問題は俺だ。Bが不登校になったら、見えない派は俺、たったの一人だ。まあ、控えめに言って地獄だったよな。皆、俺のことなんかガン無視で、毎日毎日、太郎くんがああだった、こうだった、なんてはしゃいでな。担任も一緒になって。

そのうち、

「太郎くんの姿が、前よりもハッキリしてきた」

だの、

「男の子の形になってきた」

だの、

「顔は見せてくれない」

だの、

返却当番の奴らの目撃談もだんだん、具体的になっていった。女子の中では、

「太郎くんがハッキリ見えたら、幸せになれる」

とか、そんな根も葉もない事を言い出す奴も現れる始末。俺か?もう一回、返却当番が回ってきたことがあったが、やっぱり何も見えなかったよ。ただの殺風景な、跳び箱やらマットやらが乱雑に置かれた、カビ臭い倉庫の風景があるだけでさ。なんで見えねえんだよ、って思ったよな。そこまで来るとさ。

翌日、いつも俺をシカトしてる奴らが、ニヤニヤしながら聞いてくる。「今度は見えたぁ?」なんて、バカにしたような口調でな。見えなかった、って答えてゲラゲラ笑われるのは目に見えてたから、俺は何も答えなかったよ。まあ、結局笑われたんだけどな。

「ええ!?あんなにハッキリ見えるようになったのに、まだ見えないのお前!?」

「しゃがんで下向いてる男の子だよ!?黒いTシャツ着ててさぁ!やっぱおかしいよお前!!」

ってな。

もうその頃になると、太郎くんはそいつらが言うように、めちゃくちゃハッキリ見えるようになってたらしい。でも俺には見えない。俺もBと同じように、不登校になる一歩手前の精神状態だったよな。孤立感もピークに達してたと思う。でもな、俺はなんとか踏みとどまってた。何でって、修学旅行が近かったからさ。それだけを楽しみに、俺は皆のシカトも、太郎くんの話題で盛り上がる連中の笑顔も、耐えに耐えた。

で、とうとう修学旅行の前日になった。翌日朝早いからって、午前中だけ授業して、って日だったな。担任が、とんでもないこと言い出した。

「明日から何日か、学校を留守にするから、皆で太郎くんに挨拶しに行きましょう」

ってな。おいおい、勘弁してくれよと思った。もはや、見えない俺のことなんかどうでもいいんだな、って。体育倉庫は普段は施錠されてて、返却当番の一人だけが開けることができたから、皆で見に行く機会なんてこれまで無かった。クラス全員、担任まで一緒に見に行って、俺だけ見えないことをバカにされるのは明白だよな。でもそれに異を唱える暇なんてなく、ゾロゾロと担任に連れられて、俺を含む皆は体育倉庫へ向かった。

「太郎くん、こんにちは!」

担任が、先陣を切って倉庫に入り、何もない床の方を見下ろしながら、太郎くんがしゃがんでいるとされるあたりに向かって声をかけた。それを皮切りに、皆が口々に、太郎くん、僕たち修学旅行に行くよ、ちょっと留守にするけど、すぐ帰ってくるからね、なんてことを言った。皆ニコニコ笑っててな。

でもな、その笑顔が、一瞬で消えて。

「うわああああああああああ!!!!」

「ぎゃあああああああああああ!!!!」

皆、凄まじい悲鳴をあげて、蜘蛛の子を散らすように倉庫から飛び出した。どいつもこいつも、恐怖に怯えた、とんでもない顔をしてた。我先にと、一目散に教室まで駆け戻って行って。俺は何が起きたのかさっぱりわからなかったが、皆の後に続いて教室に戻った。

その後すぐ、学級会が開かれた。皆、まだ怯え、泣いている奴もいた。担任も泣いててな。見えない俺は一人、皆の様子を見て、何か恐ろしいものを見たのかと思うだけだった。恐る恐る、俺は聞いた。皆、何が見えたんだ?ってな。なにせ俺には見えないから、聞くしかないわけで。そしたら、担任が、皆が、俺を睨みながら口々にこう言ったんだ。

「太郎くん……初めて、顔上げて……」

「顔、見せてくれたんだけど………ぐっちゃぐちゃに、腐ってて…………」

「顔の肉とかもう削げ落ちて、骸骨みたいな顔で……笑ってて………」

異様な雰囲気が包む教室の中で、皆、呆然としてた。でも、そう言われても、見えてない俺にはピンと来なくて、皆が感じた恐怖には、残念ながら共感できなかった。

そんな俺の態度が、

「こんなに怖かったのに、なんでコイツはわかってくれないんだ」

「なんでコイツだけこんなに落ち着いてるんだ」

って皆の気持ちを逆撫でしたんだろうな。誰からともなく、「帰れ」って声があがり始めて。怒りの感情で一致団結したクラスの連中、それに担任も混ざって、帰れ、ってまばらに言ってたそれは、そのうち帰れコールになっていってな。皆で手拍子しながら、「かーえーれ!」「かーえーれ!」って。

この時ばかりは、俺も見えないことを呪ったよ。これまで見えることで結束して、いろいろ楽しい思いをしてきた奴らの輪に入れなくて。それはそういうもんかと流せたけど、泣くほど怖いものが見えてしまった、それで苦しんでる皆を差し置いて、自分は何も見えていない。なんかズルい気がしたんだよな。見えないことで色々いじめられたけど、心のどこかではまだ、仲良くしてた頃に戻れる。そう思ってたのにな。

担任も混じえた帰れコールは、完全に俺の居場所を奪うものだったから、俺は泣きそうになりながら、席を立って教室を出た。教室を出ても手拍子は続いてて、パン、パン、って音を背中に受けながら、俺はとぼとぼ廊下を歩いた。

そしたらな、手拍子が止まった。で、俺、泣き顔見せるの嫌だったけど、振り返ってみたんだよ。もしかして、ちょっとやりすぎたなんて思った皆が、帰れコールをやめて、俺を呼び戻してくれるんじゃないか、なんて思ってさ。

でもな、違ったんだよ。

皆、手拍子の最中、手を合わせたまま、時間が止まったように固まってたんだよ。

ちょうど、全員がまばたきする瞬間、目を閉じて、手を合わせて、まるで拝んでるような状態でな。

最初に言ったよな?「クラスの三不思議」。

「たまに、クラスの中の時間が止まる」

そんな噂、今でも信じちゃいねえけど。当時はその異様な光景が怖くてな。一目散に家に帰った。それで、泣いた。泣きまくった。太郎くんの異変、帰れコール、止まったクラスの奴ら。小6の脳みそじゃ、処理しきれなかった。でも、次の日になったら、前みたいに、皆でまた仲良くできる、って俺は思ってた。

何でって?そりゃもちろん、次の日から、修学旅行だったからだよ。太郎くんが怖かろうが、皆でバスに乗って、楽しいとこ行くんだよ。途中、歌とか歌ってさ。ホテルで夜中まで起きて馬鹿話してさ、たくさんお土産買ってさ。そんな楽しい思いしたら、太郎くんが見えるとか見えないとか、そんなこと関係なく、皆仲良く楽しくできるよな、って。そう思ってたんだよ。

でもな。俺、熱出しちゃったんだよ。その日の夜中。結局、行けなかったんだよ。修学旅行。悔しかったな。なんでこんなタイミングで、って、母親に泣きついたなぁ。行かせてくれってな。まぁずっとゲーゲー吐いてたし、そんな状態でバスなんか乗れないってのは自分でもわかってたけどさ。でもまぁ、結果的にはそれで良かったんだよ。俺個人はな。

バスがさ、事故ったんだ。高速で。

担任も、クラスメイトも、皆、死んだんだよ。

当時のクラスで生きてたのは、当日に熱出した俺と、不登校だったBだけだった。

これ、偶然だよな。太郎くんが見えてない俺とBだけ生き残って、見えてた奴らは担任も含めて死んで。

俺さ、そういうの信じてねえから、あくまで参考に、ってさ、大人になってから調べてみたんだよ。

「死期が迫ってる奴にだけ見える、死神」の話。

そしたらまあ、最初は黒いモヤで、死期が近づくにつれてその姿が鮮明になっていく、なんて話も見つかるんだけど、そんなの俺のクラスで起きた話と似てるだけで、全然別物の可能性だってあるわけだよな?似てるけど、同じモノとは言えないよな?

あれから18年も経ってさ、俺ももう30だから。

そんなオカルト話、気に病んでるよりもさ、目の前の仕事に精を出さなきゃならないわけ。だから、今見えてるこの黒いのも、全然関係ないんだよ。網膜だか角膜だか、そういうのの異常のはずなんだよ。

これでわかっただろ?俺には幽霊なんて見えねえし、信じてもいないってさ。

え?

「クラスの三不思議」のもう一つ?

…お前さ、なんでそんなこと聞くの?さっき言ったじゃん。

「18年経っても、この噂を覚えてたら」

そうだよ、覚えてんだよ。18年経ってもさ。忘れられねえんだよ。死んだクラスの連中の顔と、太郎くんの噂と、時間の止まったあの教室の、皆が拝んでるような光景と、それとセットで。忘れられるわけねえだろうよ。畜生。

その上さ、目の中の黒いモヤもさ、だんだん人の形になってきてんだよ。

だからさ、助けてくれよ。助けられないなら、このまま強がらせててくれよ。

頼むよ。なあ。
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