勝手に魔王と呼ばれて困ってます。/【旧題】俺的魔王の楽しみ方。

きつねころり

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第31話

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「さてと……」

 自室に戻った俺は、まず新人さん達の装備を考える事にした。

 今後の事を考えると、あった方が絶対に良い。

 ここの所大人しくなってきてはいるが、お客さんが来るのはまず確定だろうしな。

 

「んじゃまずは……」

 そんな感じで、一人黙々と作業を始めた。




☆☆☆☆☆



「はぁ……疲れたな」

 気が付けば、もう夕日はとっくに沈んでいた。

 珍しく誰からも連絡無かったけど大丈夫かな。まぁ、大丈夫か。

 アキラ用の装備を考えるのが楽しくて、ついつい時間を忘れてしまった。

 斧に魔力を籠めると、鎧になる。とかいいアイデアだったと思うんだけど、何か色んな問題がありそうだったから止めたんだよね。

 そもそも、大盾を活かすなら斧じゃ駄目だろう。

 どうしても大振りになるから、そうなると盾の優位性が全く活かせないしな。

 理想を言えば、魔法を主体の攻撃が良いんだけど。固定砲台みたいな感じで。

 まぁ、今からそれは難しいだろうから、無難に長剣だろう。

 て感じで、創作活動をしていた訳だが……流石に腹減ったな。

 丁度その時、念話で連絡があった。リルリーからだ。

『イース起きてるかしら?そろそろ夕食の時間よ』

「あぁ、分かった。すぐに行くよ」

 俺は装備品を収納して、食堂へと飛んだ。







 食堂には既に全員が揃っていた。

 テーブルの上には、何種類かの料理と――、大量の肉……ハンバーグが鎮座していた。

「これはまた……随分と作ったな」

 昼間にサザンスターと司ちゃんが作っていたものだ。

「サザンさんが楽しくなっちゃったみたいで……すみません」

「ニャハハ、いやー。料理って楽しいんだニャ!」

「私、包丁でひき肉――ミンチを作る人は初めて見ました」

 司ちゃんはどこか遠い目をしている。

 まぁ、普通に考えればフードプロセッサーでミンチにするんだろうけど。サザンスターには必要なかったという事だな。

「むしろ、良く肉がペーストにならなかったな」

 あの玉ねぎを見たら、逆にね。

「私だってそれ位分かってるにゃ!」

「「えー……」」

 俺と司ちゃんは、同時に抗議の声を上げた。

「あの大根おろしみたいになった玉ねぎはどうしたの?」

「あ、それはしっかり使いましたよ!オニオンソースにしました」

 あら素敵。

 司ちゃん出来る子ね。

「そうか、まぁ、早速食べるとしよう」

 これ以上皆を待たせても悪いからな。

 しっかりサラダも作っているあたり、司ちゃんは良いお母さんになるのかな?


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