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第2章 【異世界召喚】冒険者
第30話 ある受付嬢の日記の話。
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斡旋所は、冒険者の方々に色々な依頼を紹介し、その対価をお支払いする場所です。
毎日沢山の冒険者の方々が来ますが、比較的他所の国の斡旋所よりは暇だと言われています。
まぁ、その理由としては魔物の出現率が低い事が関係あるのかも知れませんね。
理由は定かではありませんが、おそらく魔物が産み出されているとされる【地下神殿】や【ダンジョン】とも呼ばれているモノが、この国には無いからだと言われています。なので、この付近で生息している魔物は、他所の国から流れて来たモノか、もしくは、ゴブリン等の様に、何処かに巣を作り、自ら繁殖しているモノだと言われています。
じゃあ、何を斡旋しているのかって?それは、住人からの依頼が大半では無いでしょうか。
そうですねぇ、一番多い依頼ですと……。
住人同士の揉め事の解決でしょうか。護衛の依頼等もこれに含まれますね。
薬草の採取や、キノコなどの自生植物の採取も多い依頼となってますね。
稀に、アグストリア国としての依頼何かもあったりしますが…。そうですね。これは高ランクの冒険者しか受ける事の出来ない依頼ですね。あ、でも、特定の冒険者をご指名になる場合もある様ですね。
はい、ではまずは比較的難易度の低い【孤児院の草むしり】の依頼は如何ですか?危険も無いと思われますので、駆け出しの冒険者様には人気の依頼となっておりますが――――。
「っと、練習はこんな感じかしらね。大丈夫。折角斡旋所に就職出来たんだもの。狙うは、【高ランク】の玉の輿!頑張らなくちゃね!」
私は小さい村の出身で、そんなに裕福な家庭では育っていない。だからなのかも知れないけど、やっぱりお金持ちには憧れがある。
夜のそういうお店に行けば、それなりの賃金が貰えるかも知れないけど。偶然手に入れたこのチャンスを活かさなくちゃね!
私の前任の受付嬢は、特権である冒険者を自ら推薦して【専属受付】になったみたい。そして、その冒険者が【Cランク】になったタイミングで、寿退社したらしい。
まぁ、【Cランク】ともなれば、そんなに生活には困らないとは思うけど。
確か……そう、二人でお店を開いて経営するのだそうだ。
何のお店だったかは聞いてないけど、そこそこ上手くやったんじゃないかしら。
でも私は、もっと!それこそ、英雄にでもなれてしまいそうな冒険者が現れるのを待ってるの。そう、お姫様が王子様を待っている様に。
って言ったら、同じ受付の「ポリーニ」と「アガサ」にバカにされたのよ。ホントむかつくわ。
何が、
「あんた、夢を見るのは良いけどぉ。そんな御伽話みたいな事を言ってると、婚期逃すわよ」
「そうそう、良い感じの冒険者に色目使って、頑張ってもらってさー。養ってもらうのが良いって」
余計なお世話よ!!確かに私が此処へ来て、もう直ぐ2年経つけど!
そんな事言って、貴方たちは推薦すら断られてるじゃない!
もうね、こうなったら意地よ。誰が飛び抜けるかなんて分からないんだもの。慎重に見極めないと!
それに、私って勘が良い方だと思うのよね。そう、だから、きっと気付くと思うのよ、その王子様が来た時に!
焦らないで、しっかりと冒険者のお手伝いをしながら、その時を待つの!
あぁ、そういえば最近【Bランク】に昇格した人が居たっけ。
でもあの人、悪い人じゃないんだけど顔がね……。もう少し若かったらイケたかな……、ううん。無いよね。
やっぱり、太っててハゲは無理っ。どんなに優秀でも。
はぁ。私って理想高いのかしら。でも、妥協の先に幸せ何て無いと思うのよ!
後1年……。ううん。後、半年待ってみよう。そしたら今後の事、真剣に考えないと。
☆☆☆☆☆
はぁっ。今日も暇ね……、と言うか平和そのもの。
朝は冒険者は来ないから、仕方ないか。
しかし、あの二人は良くも毎日話題が尽きないわね――。そこはホントに羨ましいわ。
珍しく所長の「バルト様」がこの時間に斡旋所に来たわね。あの人、いつもお昼過ぎてからしか来ないのに。
今日は何かあるのかしら……って、まぁどうでも良いんだけどね。
その時、扉が開く音がしたの。
不思議そうにロビーを見渡す青年が入って来たの。
見た事の無い人だったわ。黒髪で身長は170cm位かしら。冒険者らしくない格好だったのを覚えている。だって、普通武器の一つも持って来るでしょ?そして、何だか……凄く弱そうだったのよね。何て言うの?戦った事ありません。みたいな。
正直、受付するのも無駄かなって思ったんだけど…何故かね、意に反して立ち上がってたの。
まるでそうしないと、絶対に後で後悔するって焦燥感があって。
それで、その入って来た彼に手を振って呼んだのよ。「こちらどうぞ」って。
まぁ、その後は大変だったけど。
だって、冒険者登録の質問事項……殆ど埋まらなかったんだもの。
正直これは「やっちまった」と思ったわ。えぇ、ホントに。
名前:アオイ
年齢:26(あら…中々若いのね)
出身:ニホン(え、何処なのそれ。聞いた事ないのだけど……)
得意な武器:なし(武器使わないのかな……あ、魔法が得意なのねっ)
得意な魔法:不明(えぇ……、魔法使えないの??えっ、どうやって魔物と戦うのかしら)
属性:不明(属性って調べた事ないんですってー。へーそうなんだ――……)
冒険者に向いてないですよーーーー!!!
辞めておいた方が良いですって!!
私は、この方に、どうやってお引き取りを願おうか悩んでいたの。
でも、その時思い出したのよ。昔に勇者って人が作った【特別な鑑定道具】がこの斡旋所にある事に!!
普段は使わないから、倉庫から持ってこないとっ!
私は一縷の望みにかけてみる事にしたの。
結果は……大当たりだったの!もう、一等前後賞合わせて!みたいな!
……一等前後賞って何かしら……まぁ、いいわ。
基本属性の全てに適性があって、しかも!しかもよ?!上級属性にまで適性があるなんて!
これはもう奇跡よ。そう、奇跡。
しかも……LVキャップが150?!だってこれって、現状確認されている最大LVじゃない!
これ以上もあるらしいけど、測定できる道具が無いって話だし。
内心、興奮状態よ。そりゃ。
でも、なるべく平常心。
と、と、とりあえず、バルト様に報告しなきゃ!
そうそう、そんな感じだったわね。
毎日沢山の冒険者の方々が来ますが、比較的他所の国の斡旋所よりは暇だと言われています。
まぁ、その理由としては魔物の出現率が低い事が関係あるのかも知れませんね。
理由は定かではありませんが、おそらく魔物が産み出されているとされる【地下神殿】や【ダンジョン】とも呼ばれているモノが、この国には無いからだと言われています。なので、この付近で生息している魔物は、他所の国から流れて来たモノか、もしくは、ゴブリン等の様に、何処かに巣を作り、自ら繁殖しているモノだと言われています。
じゃあ、何を斡旋しているのかって?それは、住人からの依頼が大半では無いでしょうか。
そうですねぇ、一番多い依頼ですと……。
住人同士の揉め事の解決でしょうか。護衛の依頼等もこれに含まれますね。
薬草の採取や、キノコなどの自生植物の採取も多い依頼となってますね。
稀に、アグストリア国としての依頼何かもあったりしますが…。そうですね。これは高ランクの冒険者しか受ける事の出来ない依頼ですね。あ、でも、特定の冒険者をご指名になる場合もある様ですね。
はい、ではまずは比較的難易度の低い【孤児院の草むしり】の依頼は如何ですか?危険も無いと思われますので、駆け出しの冒険者様には人気の依頼となっておりますが――――。
「っと、練習はこんな感じかしらね。大丈夫。折角斡旋所に就職出来たんだもの。狙うは、【高ランク】の玉の輿!頑張らなくちゃね!」
私は小さい村の出身で、そんなに裕福な家庭では育っていない。だからなのかも知れないけど、やっぱりお金持ちには憧れがある。
夜のそういうお店に行けば、それなりの賃金が貰えるかも知れないけど。偶然手に入れたこのチャンスを活かさなくちゃね!
私の前任の受付嬢は、特権である冒険者を自ら推薦して【専属受付】になったみたい。そして、その冒険者が【Cランク】になったタイミングで、寿退社したらしい。
まぁ、【Cランク】ともなれば、そんなに生活には困らないとは思うけど。
確か……そう、二人でお店を開いて経営するのだそうだ。
何のお店だったかは聞いてないけど、そこそこ上手くやったんじゃないかしら。
でも私は、もっと!それこそ、英雄にでもなれてしまいそうな冒険者が現れるのを待ってるの。そう、お姫様が王子様を待っている様に。
って言ったら、同じ受付の「ポリーニ」と「アガサ」にバカにされたのよ。ホントむかつくわ。
何が、
「あんた、夢を見るのは良いけどぉ。そんな御伽話みたいな事を言ってると、婚期逃すわよ」
「そうそう、良い感じの冒険者に色目使って、頑張ってもらってさー。養ってもらうのが良いって」
余計なお世話よ!!確かに私が此処へ来て、もう直ぐ2年経つけど!
そんな事言って、貴方たちは推薦すら断られてるじゃない!
もうね、こうなったら意地よ。誰が飛び抜けるかなんて分からないんだもの。慎重に見極めないと!
それに、私って勘が良い方だと思うのよね。そう、だから、きっと気付くと思うのよ、その王子様が来た時に!
焦らないで、しっかりと冒険者のお手伝いをしながら、その時を待つの!
あぁ、そういえば最近【Bランク】に昇格した人が居たっけ。
でもあの人、悪い人じゃないんだけど顔がね……。もう少し若かったらイケたかな……、ううん。無いよね。
やっぱり、太っててハゲは無理っ。どんなに優秀でも。
はぁ。私って理想高いのかしら。でも、妥協の先に幸せ何て無いと思うのよ!
後1年……。ううん。後、半年待ってみよう。そしたら今後の事、真剣に考えないと。
☆☆☆☆☆
はぁっ。今日も暇ね……、と言うか平和そのもの。
朝は冒険者は来ないから、仕方ないか。
しかし、あの二人は良くも毎日話題が尽きないわね――。そこはホントに羨ましいわ。
珍しく所長の「バルト様」がこの時間に斡旋所に来たわね。あの人、いつもお昼過ぎてからしか来ないのに。
今日は何かあるのかしら……って、まぁどうでも良いんだけどね。
その時、扉が開く音がしたの。
不思議そうにロビーを見渡す青年が入って来たの。
見た事の無い人だったわ。黒髪で身長は170cm位かしら。冒険者らしくない格好だったのを覚えている。だって、普通武器の一つも持って来るでしょ?そして、何だか……凄く弱そうだったのよね。何て言うの?戦った事ありません。みたいな。
正直、受付するのも無駄かなって思ったんだけど…何故かね、意に反して立ち上がってたの。
まるでそうしないと、絶対に後で後悔するって焦燥感があって。
それで、その入って来た彼に手を振って呼んだのよ。「こちらどうぞ」って。
まぁ、その後は大変だったけど。
だって、冒険者登録の質問事項……殆ど埋まらなかったんだもの。
正直これは「やっちまった」と思ったわ。えぇ、ホントに。
名前:アオイ
年齢:26(あら…中々若いのね)
出身:ニホン(え、何処なのそれ。聞いた事ないのだけど……)
得意な武器:なし(武器使わないのかな……あ、魔法が得意なのねっ)
得意な魔法:不明(えぇ……、魔法使えないの??えっ、どうやって魔物と戦うのかしら)
属性:不明(属性って調べた事ないんですってー。へーそうなんだ――……)
冒険者に向いてないですよーーーー!!!
辞めておいた方が良いですって!!
私は、この方に、どうやってお引き取りを願おうか悩んでいたの。
でも、その時思い出したのよ。昔に勇者って人が作った【特別な鑑定道具】がこの斡旋所にある事に!!
普段は使わないから、倉庫から持ってこないとっ!
私は一縷の望みにかけてみる事にしたの。
結果は……大当たりだったの!もう、一等前後賞合わせて!みたいな!
……一等前後賞って何かしら……まぁ、いいわ。
基本属性の全てに適性があって、しかも!しかもよ?!上級属性にまで適性があるなんて!
これはもう奇跡よ。そう、奇跡。
しかも……LVキャップが150?!だってこれって、現状確認されている最大LVじゃない!
これ以上もあるらしいけど、測定できる道具が無いって話だし。
内心、興奮状態よ。そりゃ。
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