42 / 101
第2章 【異世界召喚】冒険者
第42話 心構え。
しおりを挟む結局あの後、シルフィーさんと仮眠した。
朝お迎えの人が来たので、シルフィーさんは無事に普通の服を着て帰る事が出来た。ちゃんとドレスは持って帰ったみたいだね。
帰り際に、
「あの、また呼んで下さいねっ」
そう言って帰って行ったけど……。ハルバードさん聞いたら何と「あの嬢は普通に手配しますと、金50枚程では無いでしょうか」との事だった。
いや、待ってくれ。確かに最高だったけども、流石にぶっ飛んでるじゃぁないか。いつ呼べるんだよ。それ……。
「はっはっはっ、金額にはそれなりに理由がありますのでね。今回はラッキーでしたな」
とか言ってハルバードさんは笑ってたけど。あ、因みにベッドで粗相しちゃった件については良くある事だそうで、特に気にしてなかったな。
良くあるのか……。
一度「銀のかまど亭」に帰って、部屋でゆっくりしてから昼飯を食べて。それからギルドに行く事にしよう。うん、そうしよう。
☆☆☆☆☆
ギルド内
早速レオニードさんに訓練して貰ってるんだけど……、
「お前、昨日と雰囲気が違うが、何だ?レベルでも上がったのか?」
「いや、昨日はあの後、特にレベルが上がる様な事はしてませんからね。そんなはずないですよ」
チュートリアル期間が終わってしまったからな。仮に期間中だったら、昨日のシルフィーさんとの件でめちゃめちゃ上がってたんだろうな。
あ、見てみるか。ステータス。
名前:アオイ
年齢:26
職業:冒険者
LV:70
HP:1700
MP:4200
状態:良好+
称号一覧
【転移者】:転移してきた者に与えられる称号
【初めてを奪いし者】:処女を奪った者に与えられる称号
スキル一覧
【健康LV5】
【精神耐性LV6】
【念話】
【反転】
【奇跡【1】】
【奇跡【2】】
【代用】
【鑑定LV5】
【処女狩り】
【アイテムボックス】
【絶倫+】
【聖液+】
【もう一つの処女狩り】
【ゲート】New
【媚薬】New
つーか、レベル上がってるやんか……。
「あの、レオニードさん。昨日の訓練でレベル上がったりします?」
「あ?上がる訳ねぇだろ?そんなんで上がれば誰も苦労しねぇよ」
「ははっ、ですよねぇ――……」
これは明らかにおかしいぞっ。つーか、これチュートリアル終わってないよね?!いや、有難いけども、これはパワーバランスとか壊れるヤツだ。絶対ダメな奴だろう……。
っていうか、セックスでどんだけ経験値入ってんだよ……。メタルなスラスラなんて目じゃない位経験値多いよな、絶対。
まじかー。と言っても、今後エロ無しとか絶対に無理だし。つーかするし。
考えても無駄だし、なる様になるか……。
そんで?【ゲート】Newと【媚薬】Newって。
いや、Newじゃないよ。何勝手にアップデートしてんのさ。そんな機能無かったじゃんか。
因みにスキルなんだけど。
【ゲート】
効果:訪れた事がある場所を記録し、瞬時に移動する事が出来るアレ。ゲート設定数0/5
【媚薬】
効果:スキル使用時は体液が媚薬となり触れた者は感度が向上する。
移動できるアレって……。まぁ、アレですけど。
あー、成程ね。ゲートを設置した場所に移動できるって訳ね。で、5か所迄登録出来ると。あー、これアグストリア城に設置したかったな。そしたらいつでもアリアと王妃様と……。
で、次は媚薬ですかぁ。完全に大人の為のスキルだな……。何だろう、【絶倫+】とか【聖液+】のスキルと同じ匂いがするな……。派生でもあるのかな。こんなスキルばかり増えても困っちゃうよ?いや、困らないかも。
シルフィーさんに使ったらどうなっちゃうんだろうなぁ……。いや、しかし金が無いからな……。
風俗にハマるってのは、こんな感じなのか?いや、知らんけど。
「おい、大丈夫か?ニヤニヤして気持ちわりぃんだけどよ。変なもん食ったか?」
おっと、ちょっと妄想が過ぎたみたいだ。
「あ、すみません。大丈夫です。そう言えば何ですけど、レオニードさんのレベルってどれ位なんですか??」
半ば強引に話題を変えてみた。
「お前なぁ。まぁ教えてやっても良いけどよ、普通はマナー違反だからな?」
「え、すみません……気を付けます」
「仲間内ならまだ問題ないけどよ、冒険者間での探り合いは止めて置いた方がいいぜ。どこから情報が洩れるか分からねえしよ。ほら、護衛の任務をお前が仮に受けたとして、襲う側……あぁ、盗賊でも何でも良いんだけどよ。
そいつに何お前のレベルが知られてて、それよりも上位のヤツを連れて来たり。そういう対策も出来ちまうからな。
この世界は一般的にレベルがモノを言うからな。まぁ、中にはレベルの割には強いヤツってもの居るが……。あくまで一般的にはって話だな。ただ……お前はどっちかって言うと、その逆な感じだな。地力はあるのに弱い」
レベルの割には弱い。と言う事らしい。
俺、レベルは結構上がってると思うんだけどな……。まぁ確かに、どれだけレベルが上がって身体能力が高かろうと、それを使いこなせないなら弱いか。
「つっても、俺は何となく分かるってだけで、レベルとか詳しい情報は見れないからな。で、俺が見るに、お前は強いか弱いかで言えばクソ弱いんだけどよ。感覚的なもんだから説明は難しいな。まぁ、そういうもんだと思ってくれや」
「はぁ、何というか……。そんなに弱いを連呼しなくても。あー、強くなれますかね。俺」
「そうだなぁ……訓練次第じゃねぇか?結局のところ、自分の力を扱いきれてないだけな気がするんだが。お前はさ、まず第一に、相手を殺す為の動きが出来てない。第二に、覚悟が足りない。第三に、センスが無い」
「ボロクソじゃないすか……」
「そうだな。ハッキリ言って、冒険者には向いてないとは思うがな。だがまぁ、依頼を受けたからには出来る事はしてみるけどよ。
どっちかって言うと、良くそんなんで生きて来れたな。ってのが正直な感想だな。それじゃぁ、ゴブリンですら倒せないな」
ゴブリンとか居るんですね、やっぱり。
「そのゴブリンってのは弱いんですか?」
俺の知識……と言ってもゲームや小説の中じゃ、序盤にしか出て来ない雑魚キャラなんだけど。
「ゴブリン自体は弱いさ。だけどよ、今のお前はきっと殺しきれない。んで、奴らは集団で報復に来るからな。きっとお前はやられるだろうよ」
今まで、生き物を殺すなんてしてこなかったんだ。ゴブリンにしても家畜にしても、命を奪う事には抵抗があるさ。レオニードさんが言いたいのは、少しの油断が命取りになるって事だろう。
「命を奪う覚悟は持っておけ。それが動物にしても魔物にしても……人間にしてもだ」
覚悟か……。冒険者になるってのはそういう事なんだよな。いつまでも簡単な依頼だけではランクは上がらないしな。
「いきなりは無理だとは思うが、実際相手は手加減してくれねーぞ?お前を殺しに来る。お前に覚悟があろうと無かろうとな。だったら最初から覚悟を決めておけ。出ないと生き残れない。そういう世界だ」
「そうですよね……。はい……」
俺が殺さないから、相手も俺を殺さない。なんて事はあり得ないもんな。ここは…異世界だ。日本とは違うんだ。改めて現実を突きつけられると、これはこれで重いな……。
「だからよ。まずは相手を殺せる場所に攻撃を決める事だな。心臓だったり、首だったり急所を狙うんだ。後は血管が太い所を迷いなく狙え。それでも殺したくないって時は、まぁお勧めはしねーけど、手を切り落とす。目を潰す。位は出来ないとそれすらも無理だな。中途半端に手負いにさせると、相手は何をしてくるか分からねーからな。それをいなせる位に実力をつけろ。経験を積め。まずはそれからだ。でないと」
「生き残れない……」
「そうだ。生きていく為には相手を殺せる位の実力をつけろ」
出来れば殺したくない。なんて理想論はここでは通用しないんだ。分かっているけど……。
「もしお前に大切なものがあったとして、それを守れるのはお前だけだ。お前が強くなるだけで守れる。簡単な事だろう?」
「大切な……。そうですね……。覚悟か……」
「そうだ。まぁ、一度実際に魔物でも討伐して来たら良いんだがな……。まだ今のお前は無理だな」
「いえ、やりますよ。俺」
やらないと。覚悟を決めないと。フローラ達を守れない…。
「あー、その為にはだな。センスを磨こうか。ハッキリ言ってセンスねぇんだわ。お前。だからよ、身体が武器の扱いを覚えるまでひたすら反復練習をしろ。って事で、ほら素振りから始めろ」
「うっす。俺、やりますよ!」
「くっくっく。良い目になったじゃないか。扱き甲斐がありそうだな」
レオニードさんの目が怪しく光った気がした。
「あ、あの、お手柔らかに……」
「じゃあまずは――……」
そうして昨日とは打って変わり、本格的な訓練始まった。
ひたすら扱いを身体に覚えさせる為に武器を振り回した。
そして訓練の後は負担の少ない依頼を紹介してもらって……。
そう言えば結局、訓練でレベルが上がる事は無かったんだけど……。
「これ、もしかしたらかなり強い魔物とか倒さないと上がらないんじゃ……」
そんな不安を抱きながら日銭を稼ぎつつ、2週間が過ぎていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる