異世界に召喚されて、レアスキルもらったのでヤリたい放題したいと思います。

きつねころり

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第2章 【異世界召喚】冒険者

第52話 オーガ討伐報告。

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「だからよ、魔物を全て殺せ。なんて無理な事は言わねぇ。けどな、相手を生かすだ殺すだの判断は、そうだな……。大切なモノを守れる様になってからだな。それまでは、殺せる時に殺せ。でないと、いつか後悔する時が来る。それにお前には力がある。あの時の俺とは違う……」

 レオニードさんはそう言うと口を閉ざしてしまった。

 水の魔石から流れ出る水の音と、焚火のパチパチと枝の弾ける音だけがこの場を支配した。

「あぁ、すまねえ。そろそろ帰ろうぜ。あのオーガはそのまま収納出来んのか?流石にあれを背負って帰るのは怠いぞ」

 すっかり忘れてたけど、オーガの死体はそのまま放置されていた。良い具合に血抜きされている状態だ。

 オーガに軽く触れ、収納をイメージすると難なくアイテムボックスの中に収納する事が出来た。

「お、良いねぇ。お前が一緒なら、魔物狩り放題だな」

 豪快に笑いながら、ボアウルフの残りの部分を焼却処理をしている。骨は残るけど、それ位なら問題ないそうだ。

 そんな時、まだ温かい肉串を渡された。

「今食ってもいいけど、試したい事があるんだ」

 との事で、その肉串をそのままアイテムボックスに収納した。


 暫くして、焚火の後始末をして水の魔石を回収し、夕焼けに染まった空の下、少し足早に街へと向けて歩いて行った。

 結局、レオニードさんの話……その後どうなったかは、ついに聞き出せなかった。

☆☆☆☆☆


 街に戻り、俺達はギルド迄戻って来ていた。

「あ、お帰りなさいっ!アオイさんっ!……とレオニードさん」

 リンダさんが笑顔で迎えてくれた。

「おいおい、俺はついでか?まぁ良いんだけどよ」

 不貞腐れてるおっさんは置いておいて……。

「無事に戻りました。あ、あの……素材の買い取りってお願いできますか?」

「はい、カウンターの上に置いて頂ければ査定しますっ」

 違うんだリンダさん。

「ちょっと大きいので、何処か広い場所でお願いしたいのですが」

「それなら、会議室が空いているのでそちらへご案内しますね」

 そう言われて、レオニードさんの方を確認すると、何も言わずに頷いた。

「はい、お願いします」

 俺とレオニードさんは、リンダさんに案内され、会議室に通された。

「あー、じゃあ、そのテーブルの上に出して置きます。それでなんですが……出来たら所長さんにも同席して頂きたいので、呼んできて頂けますか」

 俺がそう言うと、リンダさんは快く所長を呼びに行ってくれた。

「さて……」

 アイテムボックスからオーガの死体を、会議室のテーブルの上に直接置く様にイメージして取り出す。

「こりゃまた……異様だな」

 レオニードさんの言う通り、会議室のテーブルの上にオーガが寝てる様な異様な絵面が出来上がった。

「流石に驚きますよね……これは」

 
 そして想像通り、戻って来たリンダさんと所長さんはビックリしていた。

「いや……まさかオーガか?これは参ったな……」

 出来れば討伐。なんて掲示板にあった物の、そもそも出没自体信じていなかったギルドだ。

 今回の討伐成功により、今後しばらくの間、警戒態勢を敷く事を決定する。

 何故なら、オーガは単体では行動しないからだ。あいつらは何処かに巣を作り、集団で行動する。

「つまり、他にもオーガが出没する可能性があるって事ですか?」

 俺の質問にはレオニードさんと所長さんが頷いた。

 さっきのレオニードさんの話を聞いた後だからか、今この街にオーガの群れが攻めてきたら、と考えてしまう。

「とはいえ、暫くは大丈夫だろうさ。仲間が倒されてんだ。少しは警戒もするだろうよ」

「そんな事よりよ、斡旋所の所長さんよ」

「なんだ」

「このオーガを倒したの、俺じゃねーからな」

 レオニードさんはクックックッと邪悪な笑い方をし、所長さんも「冗談はよせ」とか言ってる。

「オーガの致命傷になったのは、首の血管と脇の血管の切断。つまり切り傷だな。俺の装備でそんな傷は出来ないぜ?」

 レオニードさんのライトソードなら、切り傷どころか、切断してしまうだろう。首も腕も。

「確かに……それではまさか?!」

 所長さんは俺の方を見ると、分かり易く目を見開く。いや、そんなに見ないでいいから。

「そのまさかだ。証人は俺。倒したのはアオイだ。しかも一人でな」

「いや、運が良かったんですよ。そう、偶々ですよ」

 狂戦士化してたし、記憶曖昧だしな。そう偶々だよ。



 結局、俺の単独討伐という事になり、掲示板の依頼達成の処理が行われた。レオニードさんとパーティーで行動していた事になり、【Cランク】の依頼も問題なく受理されたそうだ。

 俺のランクも、今回の一件で【Dランク】に上がった。異例の2ランクアップだ。

 本来なら、オーガを倒せる実力が評価されて【Cランク】まで上げられるそうだ。
 しかし、流石に【Fランク】からのランクアップは信憑性、この場合、公に実績は出せないので、レオニードさんが裏で手を回している。所謂「出来レースだ!」と疑われる恐れがあり、それを避ける為の措置だそうだ。
 
 まぁ何でも良いんだけどね?

 後、オーガの素材の引き取りに関しては、金額の査定をするので数日時間をくれとの事だった。

 まだ金銭的には余裕もあるし、そこに関しては了承した。

 そして……俺のランクが上がった事により、リンダさんの待遇も上がるという訳で……。そう、リンダさんは賭けに勝ったんだ。自分のキャリアを掛けた賭けに。

 それじゃあ、今日はお祝いしなくちゃね!

 飲みに行くぞー!



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