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第2章 【異世界召喚】冒険者

第95話 孤軍奮闘?

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「うるぁーーーー!! 」

 既に何体のオーガを屠っているのか。途中からは数えるのを止めた程だ。

 実際はこの短時間で何十体ものオーガを切り刻んでいる。

 しかし、一向に数が減る気配が無い。次から次へと押し寄せる。

 最初は城から持ち出した「大剣」を振るっていたが、そんなものは直ぐに使い物にならなくなった。

 今は魔力を刃に変える「光剣」を使い、迫りくるオーガを容易く切り刻んでいる。

 だが、レオニードの魔力も無限では無い。このままだとジリ貧になる事は分かっている。

 そうは言っても目の前の獲物オーガを見す見す逃すなんてことは出来ない。

「くそが! てめえら一体何処から湧いて来やがったんだ! 」

 その言葉の通り、オーガの大群が観測もされずに生息している事は考えづらい。

 そうなると、何者かが意図的にこの状況を創り出している。そう考えるのが自然だろう。

 単純に戦闘力で考えれば、今のレオニードはオーガに負けるはずはない。が、それでも数が数だ。

 オーガ共がレオニードに群がってくる。

 切り倒したオーガ共が地面に積み重なり、邪魔になる。

 少しでも動きやすい場所に移動しながらオーガを屠る。

 まるで何処かに誘導されているかのように、少しづつ移動しながらオーガの相手をしている。

「あー! 面倒くせー! 」

 本心は、あらゆる感情を込めて切り刻んでやりたいところだが、そうも言ってられない程面倒だと感じたレオニードは、オーガから距離をとる為に範囲攻撃スキルを使用した。

「吹き飛びな! うおおおりゃああああ!! 」

 魔力爆発。

 自身の中心として半球体状にエネルギーを膨らませ、段階的に爆発させるスキル。

 半透明のドームの様な魔力の壁が徐々に大きさを増し、オーガを押し退けながら拡大していく。

 半径が丁度15mほどに広がった所で、

「こんだけありゃ十分だろうよ」

 そして次の瞬間、ドームの外側へ向けて大爆発を起こしたのだ。

 ドームの外の空気と反応して爆発しているかの様に。

 爆発した先で、また反応するかの様に小爆発が連鎖する。

 ドームの付近に居たオーガは一瞬で焦げ、離れた場所にいたオーガは爆発の衝撃で腕や顔が捥げるほどだ。

 その衝撃が到達した場所でまた爆発が連鎖する。
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