恋愛物語り。

闇猫古蝶

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『好きだ。付き合ってほしい』

私は昨日、初めて告白された。

放課後に二人きりの教室で、幼馴染の君に。

今まで君のことそんなふうに思ったことなんかなくて…

だから私は

『か、考えさせて…』

そう言ったのだ。

断れなかったのは、見たこともないくらい真っ直ぐな瞳をしていたからかもしれないし、別の理由があるからかもしれない。

すごく驚いたけれど、告白するのには勇気がいるってことはわかってるから…真剣に、考えてみようと思った。

それで今日、いつもより注意深く君を探して、見つめてみた。

すると今まで知らなかったこととか、たくさんわかった。

野良猫にこっそり餌を与えていること、掃除は真面目にやっていること、後輩に優しいこと…女子から意外に人気がある、ということ。

君は廊下で、女の先輩に呼び止められていた。

話は聞こえないけれど、下の名前で呼びあっていて、笑顔で、なんだか楽しそう。

その時、胸がズキリと痛んだ。

ぎゅっと締めつけられるみたいに、苦しくなった。

…なに、これ?

君が私に笑いかけるところを、目を瞑って想像してみる。

柔らかい微笑みに、透き通るような綺麗な瞳が私に向けられて──

思い浮かべながら無意識に胸に手をあてると、鼓動はいつもより速かった。

どくどくどく。

その音は、私の気持ちを確信させた。

…そうか、私は、そうなんだ。

君が他の女の人と話していてモヤモヤするのは

君を想うと胸があたたかくなるのは

君の笑顔に安心するのは

私が君に『恋』してるからなんだ。

廊下の角に隠れている私だけど、心が飛び出してしまいそうだ。

どきどき、ふわふわ、もやもや、わくわく。

色んな気持ちが混ざりあっていて、今すぐ君に伝えたい。

「私も君が好きです」と。

「ようやく気づけた」と。

ああ、おかしくなりそうだ。

じんわり広がる熱の甘さに浮かれてる。

空を飛べそうなくらいに。

『恋』は甘いと、初めて知りました。
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