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三章・推しとの境界線
6・黒幕様は充電切れです
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「…‥‥様…」
「…‥」
「…‥公爵様…」
「…‥ん…」
甘く愛おしい声に微睡みから意識を浮上させ重い瞼をゆっくり開けるとそこには艶やかな紫色の長い髪を耳に掛け惹き込まれる様な琥珀色の瞳が覗き込み薄紅色の唇を上げ柔らかな笑みを浮かべるミリアの姿があった。
「公爵様、起きて下さい」
「…‥」
「公爵様…?」
「仕事を増やされたいようだな、シュリア」
「…完璧だと思ったのに」
ブルーラベンダーのソファの上で銀色の刺繍が入った白のローブを掛けたまま眠っていたノアは傍らでミリアの姿をしたシュリアの名前を呼ぶなりシュリアは一瞬にして声と姿を変え素の肩まである黒髪に翡翠色の瞳を持ち銀色のイヤリングをつけ胸元に大きなリボンのある白のブラウスに黒のタイトスカートとヒールパンプスを履き銀色の刺繍が入った白のローブを羽織った姿になり残念そうな顔を浮かべた。
「はぁ…‥」
ギシッ‥
反省の顔もしないシュリアに呆れつつ怠い体をゆっくりと起こす。
「まだ愚弟には敵わないわね」
「何やってんだ!馬鹿!」
パシッ!
「痛っ!?」
突然、シュリアの背後から後頭部を軽く叩いた茶髪に深緑色の瞳を持ちベージュのシャツにカーキーのズボンと黒の革靴を履き同じく銀色の刺繍が入った白のローブを羽織った姿のエルセンは呆れた視線をシュリアに注いだ。
「何するのよ!?」
「お前、魔塔主様が疲労困憊している状態でミリア様に姿を変えるだなんて追い討ちかけてどうするんだよ?」
「だって、こういう時じゃないと魔塔主様相手に試せないでしょ?」
「はぁ…仕事を増やされても自業自得だな」
現在、ノアはエルセンと共に魔塔の仕事を忙しなく片付けノアは魔塔の最上階である魔塔主の部屋のソファの上で一時間程の睡眠を取っていた最中だった。その理由は、エルセンの言う通り皇室のパーティー以降ノアは休む暇もなく皇室とギルドと魔塔や公爵としての仕事をこなし続けた結果疲労困憊という状態になってしまったからだった。
「だが、ミリア様の姿になったのはやり過ぎた。ほら、あの様子を見たら少しは反省しろよ」
「…?」
エルセンの言葉にシュリアはノアへと視線を移すと掛けていたローブの下にあったノアに似たぬいぐるみを取り出すなり無言で抱き締める姿に唖然とした。
「何あれ…?」
「皇室のパーティー以降、忙し過ぎてミリア様にも会えずにいるからたまにあんな風にミリア様から貰った手作りのぬいぐるみを見つめたり抱き締めたりしてるんだよ。所謂、ミリア様不足ってやつだな」
「私、今もの凄く自分のした事を反省してるかも」
「あの姿を見たくなかったらミリア様の姿になるのは止めとけ」
「うん、止めるわ。もうしない」
今まで見た事もないノアの姿にシュリアは自身の行いを反省したのだった。
タッタッタッ‥
「魔塔主様、報告書ここに置いておきますね」
「…ああ」
エルセンはアーティファクトや書類の数々が並べられた部屋の中央にある白のデスクの上に報告書を置くと再度ノアへと声を掛けた。
「そう言えば、今日はミリア様がマスト伯爵家で開かれるお茶会に行く日ですね」
ギシッ‥
「…‥」
その言葉にノアはぬいぐるみとローブを手に持ちソファから降りようとし固まった。
「それに、確かバレアーナ子爵令嬢も参加されるそうで…今頃は、三人でお茶会を楽しんでおられるのでしょうね」
「…何が言いたいんだ?」
不機嫌な声で問いただすノアにエルセンは笑みを浮かべた。
「魔塔主様が早く起きられたのとシュリアが反省として仕事を増やす事になったのとギルドからの報告でこの後予定していた情報依頼の方の訪問予定の時間が一時間程遅れるとの報告を受けました。なので、一時間程の時間が空きますが如何致しますか?」
「…‥」
カタッ‥
ノアはローブをソファの上に置き立ち上がりぬいぐるみを抱き抱えると白のシャツとブルージーンのズボンに黒の革靴を履いた姿で転移魔法を発動させ肩まである銀色の髪と右耳に着けたルビーのピアスが揺れた。
「着いて来い」
「了解です」
その言葉にエルセンは笑みを零し頷くなり同じく転移魔法を発動させその瞬間、眩い光を放ち姿を消したのだった。
「な…‥」
姿を消したノアとエルセンを他所に一人残されたシュリアは唖然としつつも言葉巧みに仕事を増やしたエルセンに対し徐々に怒りが込み上げた。
「あの馬鹿‥っ!戻って来たら倍にして返してやるんだからっ!!!」
「…‥」
「…‥公爵様…」
「…‥ん…」
甘く愛おしい声に微睡みから意識を浮上させ重い瞼をゆっくり開けるとそこには艶やかな紫色の長い髪を耳に掛け惹き込まれる様な琥珀色の瞳が覗き込み薄紅色の唇を上げ柔らかな笑みを浮かべるミリアの姿があった。
「公爵様、起きて下さい」
「…‥」
「公爵様…?」
「仕事を増やされたいようだな、シュリア」
「…完璧だと思ったのに」
ブルーラベンダーのソファの上で銀色の刺繍が入った白のローブを掛けたまま眠っていたノアは傍らでミリアの姿をしたシュリアの名前を呼ぶなりシュリアは一瞬にして声と姿を変え素の肩まである黒髪に翡翠色の瞳を持ち銀色のイヤリングをつけ胸元に大きなリボンのある白のブラウスに黒のタイトスカートとヒールパンプスを履き銀色の刺繍が入った白のローブを羽織った姿になり残念そうな顔を浮かべた。
「はぁ…‥」
ギシッ‥
反省の顔もしないシュリアに呆れつつ怠い体をゆっくりと起こす。
「まだ愚弟には敵わないわね」
「何やってんだ!馬鹿!」
パシッ!
「痛っ!?」
突然、シュリアの背後から後頭部を軽く叩いた茶髪に深緑色の瞳を持ちベージュのシャツにカーキーのズボンと黒の革靴を履き同じく銀色の刺繍が入った白のローブを羽織った姿のエルセンは呆れた視線をシュリアに注いだ。
「何するのよ!?」
「お前、魔塔主様が疲労困憊している状態でミリア様に姿を変えるだなんて追い討ちかけてどうするんだよ?」
「だって、こういう時じゃないと魔塔主様相手に試せないでしょ?」
「はぁ…仕事を増やされても自業自得だな」
現在、ノアはエルセンと共に魔塔の仕事を忙しなく片付けノアは魔塔の最上階である魔塔主の部屋のソファの上で一時間程の睡眠を取っていた最中だった。その理由は、エルセンの言う通り皇室のパーティー以降ノアは休む暇もなく皇室とギルドと魔塔や公爵としての仕事をこなし続けた結果疲労困憊という状態になってしまったからだった。
「だが、ミリア様の姿になったのはやり過ぎた。ほら、あの様子を見たら少しは反省しろよ」
「…?」
エルセンの言葉にシュリアはノアへと視線を移すと掛けていたローブの下にあったノアに似たぬいぐるみを取り出すなり無言で抱き締める姿に唖然とした。
「何あれ…?」
「皇室のパーティー以降、忙し過ぎてミリア様にも会えずにいるからたまにあんな風にミリア様から貰った手作りのぬいぐるみを見つめたり抱き締めたりしてるんだよ。所謂、ミリア様不足ってやつだな」
「私、今もの凄く自分のした事を反省してるかも」
「あの姿を見たくなかったらミリア様の姿になるのは止めとけ」
「うん、止めるわ。もうしない」
今まで見た事もないノアの姿にシュリアは自身の行いを反省したのだった。
タッタッタッ‥
「魔塔主様、報告書ここに置いておきますね」
「…ああ」
エルセンはアーティファクトや書類の数々が並べられた部屋の中央にある白のデスクの上に報告書を置くと再度ノアへと声を掛けた。
「そう言えば、今日はミリア様がマスト伯爵家で開かれるお茶会に行く日ですね」
ギシッ‥
「…‥」
その言葉にノアはぬいぐるみとローブを手に持ちソファから降りようとし固まった。
「それに、確かバレアーナ子爵令嬢も参加されるそうで…今頃は、三人でお茶会を楽しんでおられるのでしょうね」
「…何が言いたいんだ?」
不機嫌な声で問いただすノアにエルセンは笑みを浮かべた。
「魔塔主様が早く起きられたのとシュリアが反省として仕事を増やす事になったのとギルドからの報告でこの後予定していた情報依頼の方の訪問予定の時間が一時間程遅れるとの報告を受けました。なので、一時間程の時間が空きますが如何致しますか?」
「…‥」
カタッ‥
ノアはローブをソファの上に置き立ち上がりぬいぐるみを抱き抱えると白のシャツとブルージーンのズボンに黒の革靴を履いた姿で転移魔法を発動させ肩まである銀色の髪と右耳に着けたルビーのピアスが揺れた。
「着いて来い」
「了解です」
その言葉にエルセンは笑みを零し頷くなり同じく転移魔法を発動させその瞬間、眩い光を放ち姿を消したのだった。
「な…‥」
姿を消したノアとエルセンを他所に一人残されたシュリアは唖然としつつも言葉巧みに仕事を増やしたエルセンに対し徐々に怒りが込み上げた。
「あの馬鹿‥っ!戻って来たら倍にして返してやるんだからっ!!!」
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