ミモザの君

月夜(つきよ)

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過去と今と・・これからと

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凛視点
「凛、もう行くのか?」
朝食を食べ終え、リビングを出ようとすると父に話しかけられる。
「うん。そう・・ちょっと早い方が空いてるから・・。」
「そうか・・。もう大学生だからな、体調管理もしっかりしなさい。」
言葉こそそっけない父だが、その表情は父なりにかなり心配してくれてるんだと思う。
この若干分かりにくい父の優しさに気づいたのは大きくなってから。
「うん、大丈夫。」
そう言い、玄関で靴を履いていると後ろからそっと近づくのは・・、
「こんなに早く出ちゃったら、山城くんに会えないんじゃない?」
残念そうに話すのはマイマザー。
「・・また、迷惑かけられないでしょ。」
ぼそっとつぶやき家を出る。
昨日、お母さんに駅まで車で迎えに来てもらうと、
「山城くんに助けてもらったの??すごーい!!それって偶然なの!?」
「朝からラッキーじゃない。日頃いい子でいるからよ!」
と、年齢の割に可愛らしい顔を興奮した様子でほほを染める母。
「いやいや、私朝から体調優れないんでついてない・・。」
そうつっこみをいれるものの、
「こんな偶然が・・あるわけないわ!きっと、これは運命よ!!」
キラキラとした瞳で、ちょっと何かを確信した母・・。ラブストーリー大好きだもんね。
儚い容姿でその表情は可愛い。
・・父ならきっと、「うん、そうだね、慶子が言うなら。」とか言いそうだ。
でも、運命だわっと便乗できるほど私はイタくない、・・はず。
昨日より一時間早く駅に着くと、昨日のような人混みはまだなくほっとする。
到着した各駅停車の電車に乗り込み、持ってきたカーディガンを冷房対策用に羽織り、生理痛も昨日がピークだった今日はだいぶ落ち着いていて、ほっと安心する。
うん、これなら大丈夫。
・・あ、また・・耳触っちゃった。
癖ってほんと無意識だ。
つい思い出すのは、中学生の頃の思い出。
中二の頃、私は今から思えば大したことない事で悩んでて、それを正直に相談できるほど天真爛漫でもなかった。
うまくいかない友達との関係や、中学校から入った塾にも勉強が付いて行けなくなって辞めてしまった頃は、全部がうまくいかない気がして、自分自身を一番嫌いになった頃だった。
そんな時、小学生だった弟が空手の習い事に遅れそうになって母が車で送って行った日、家にいたら母から空手道具を玄関に忘れてきたから届けて欲しいとの電話がかかってきた。
全くしょうがない弟だと思いながら、忘れ物を持って自転車で15分。久しぶりの道場に足を踏み入れた。
私も護身術がてら一年ほど通っていた空手道場。・・一年だけだからなんちゃって過ぎるんだけど、それでも何かあった時は相手に蹴りを一発入れられると思う。
道場から空手の気合の入った掛け声が聞こえる。
「1、2、3、上段蹴り!後ろ足を引き寄せ、反対向きに。はい、1、受けて、2、受けて・・。」
ああ、平安初段かな。
空手を始めたばかりの子が最初に習う空手の基本の形。
なんだか懐かしいなと思い、一礼して道場に入ると、小学生達の前で平安初段を教える黒帯の男の人に目がいった。見たことのないその男の人の動きは、力強い型を次々と取っていくのに、流れるような優雅な動き。
決してゴツい体つきじゃないのに、繰り出される蹴りと突きは、ザッ、ザッと鋭く空気を切り裂く音が響き、見えない敵と戦う様に前方を睨みつけた視線は突き刺さるようで、攻撃を繰り出してもブレない体幹からは威圧感が溢れ出てる。
普通なら殺さんばかりの視線で、蹴りや突きを繰り出す大人の男の人なんて、怖いと思う。
だけど、私には・・
「きれい・・。」
しんと静まりかえる空間で、迷いの無い強さを感じる瞳とその鍛錬された無駄のない動きは緊張感漂う演舞を見るようだった。
「そうでしょ?」
見とれていた私は突然かけられた声にビクッとする。
振り返ると、先生の助手をしている奥さんだった。
「久しぶりね。凛ちゃん。」
ニカッと笑う年配のこの女性も、黒帯の空手の先生だ。
話を聞けば、いつもお手伝いをしてくれる高校生が今日は病欠で、今日は教え子の大学生が臨時で手伝いに来てるとの事。
「結構いい筋してるのに、本人は謙遜しちゃうのよ。」
ふうんと話をしていると母がやってきたため、弟の忘れ物を渡して私は帰ってきた。
これが先生との出会い。
でも、この出会いが恋へと繋がるなんてその時は思わなかった。

空手が終わり、家に帰ってきた母が、
「凛ちゃん!良い人みつけちゃったわ!」とウキウキ顔で帰ってきた。
「?いい人?」
「凛ちゃんの家庭教師の先生よ!」
そう、母は塾をやめた私に家庭教師を探していた。
正直気がすすまないが、塾を辞める代わりに家庭教師に教えてもらうのが塾をやめる条件だったから、私は嫌だとは言えなかった。
後日、家庭教師としてやってきた人を見て私は驚いた。
「こんにちは、山城です。凛さんですね?よろしく。」
「あっ・・、空手の?す、鈴木凛です。よろしくお願いします。」
家庭教師として来たのはあの綺麗な型を取る黒帯の男の人だった。
「じゃあ・・こないだの中間テスト見せてくれる?」
部屋に着くなり先生に出しづらいものを要求されおずおずと50点代のテストを出す。
すごい恥ずかしい・・。
先生、呆れちゃったかな・・と隣に座る先生の顔をちらりと見ると、眉間にしわを寄せた難しい顔。
ああ~。これ絶対こんな簡単な問題も出来ねえのかって思ってるよ・・と撃沈していると、
「うん、分かった。」
うん、頭悪いでしょ?頑張ってるの、これでも。
でも、全然点数が上がらないんだもん。
「凛さん、焦り過ぎ。」
「え?」
予想外の指摘だった。塾でも、学校でも、もうちょっと頑張れって言われたのに。
キョトンとした私に先生は、
「テストの問題を時間内に最後までやろうと焦るから、簡単な計算ミスをして、その結果、答えが違う。例えば、ここの①の答えが違うから、その答えを使って出す②の回答も当然ミスしてるでしょ。」
「・・ほんとだ。」
今まで、頑張ってもやった割に伸びない点数のテストなんて見たくなくて、見直しもあんまりしてなかった。
「まずは・・計算が速く正確に出来るように練習しよっか?」
ほんのり微笑んだ先生につい聞いてしまった。
「私、勉強出来るようになるかな・・。」
「凛さんなら大丈夫だよ。」
そう言ってポンポンと頭を撫でてくれたが、先生の手が私の頭から離れる時、私のちょっと立ち上がった耳が先生の手に触れた。
耳に先生の視線を感じる。
「どうせ、猿耳なんで見ないでください。」
いつもクラスの男子にからかわれるこの猿耳が恥ずかしくて大嫌いだった。
小学生の頃はリンザルと言われ最悪で、いつも耳が出ないように髪を下ろしていた。
「猿耳?酷いこと言う奴いるな。ひょこっとして・・かわいいんじゃないか?」
か、かわいい!?男の人に初めて言われた。。
ぼっと顔が赤くなるのを感じつつ、下を向いていると、
「・・凛ちゃんなら大丈夫。」
ポンと先生は頭を撫で、スルッと気のせいかもしれないが耳にまた手が触れた気がした。
「さ、計算からやるぞ!」
そんな感じで始まった先生との時間。
そこから、ミラクルが始まった。
エンドレスな計算練習を繰り返し、九九さえ焦ると間違えていた自分にがっくりしながらもコツコツ先生から出された宿題をこなしていくうちにみるみる小テストの点も上がった。
そしてついに期末テストを迎えた前夜、
「さあ、明日から期末テストだ。いつも通り落ち着いてやれば良いよ。」
先生にそう言われても、私は緊張していた。
「凛ちゃんなら大丈夫。」
そう言って、先生は頭を撫でた。
・・また耳に手が?
「ちょっと、出てるな。」
くすっと笑う先生。
「ひどい、気にしてんのに!」
かあっと頬が赤くなるのを感じる。
「ここも凛ちゃんのチャームポイントだよ。もっと自信もて。凛ちゃんなら大丈夫。」
先生が耳をよしよしと撫でた。
「・・頑張ってみる。」
そうして挑んだ期末試験。
なんと、平均点が80点とジャンプアップした。
それを報告した先生は、
「ほら、言っただろ?」
と自分の事のように満面の笑みを向けた。

ずきゅぅぅぅん。

普段あまり笑わない先生のその笑顔にときめいちゃったのは不可抗力だ。
それからの私は、先生の笑顔が見たくて勉強を頑張った。
そして不安になると、つい耳を触ってしまうようになり・・恋の威力は計り知れない。

電車に揺られ、流れる街並みをぼんやりと見つめながらそんな昔のことを思い出す。
なんだかいつも自分と周りを比べて自分が嫌いだったあの頃、先生の一言は魔法のように私が私をちょっとだけ好きになるように変えてくれた。
あの頃から少しは大人になったと思うんだけど・・。

昨日、悩んで悩んだ末に先生の会社のメールした。

無事帰りました。迷惑かけてごめんなさい。
ありがとうございました。凛

たった二行のメールに死ぬほど緊張した。送信ボタンを押す人差し指がプルプルしちゃうくらい。

・・やっぱり全然、大人になれてないのかも。

久しぶりに会った先生は、初めて見るスーツ姿。
後ろに流してた前髪は短く切られ額がすっきりと見えていて、先生のキリッとした顔によく似合ってて、記憶にある先生よりスーツの似合う素敵な大人の男の人になってた。
それなのに私ときたら・・ちっとも差が縮まらない。

先生、結婚指輪してなかった・・。
まだ結婚してないけど、彼女とかいるのかな。
そりゃ・・いるよねぇ。
もし、いなくたって私なんか相手にしないよなぁ・・。
はあぁ・・。
がたんごとんと揺れる車内で、一人朝から憂鬱になってしまう。
いじっていたスマホのメールボックスを見る。
もう、昨日から何度も見たメール。

差出人 :先生〉
宛先:鈴木 凛

Re:ありがとうございました

安心した。
気分が悪い時は無理しないように。

株式会社 麻王化学工業
営業二課
山城 瑛太


先生の名前、えいたっていうんだ。
あんなに好きだったのに、私、先生のこと何も知らないんだなぁ・・。


山城視点

ガタンゴトンと人混みと電車に揺られる中、あの子はいるかと見回すが姿が見えない。
もしかしたら今日もこの電車に乗っているかと期待していた俺は、彼女がいないと分かると気分が沈んだ。
あれっきりになるかもしれないなら、もっとちゃんとメールすれば良かったか?
・・いや、この電車に乗ってないって事は、俺に会いたくない・・とか?
グサリ
自分の思考が胸を刺す。
いや待て、しまいかけた俺の名刺を俺の手からとったのは彼女だ。嫌いな奴の名刺なんかわざわざ取りはしないだろ。
そうだ、そうだと納得しかけるものの、ただお礼のメールがしたかっただけ?とか・・。
地下鉄へと乗り換えるため、ホームへと降り立つ。
一応、ホームに降り立つ人波を見つめるが、彼女の姿は見当たらない。
・・まあ、ここで見つけたら、思いっきり避けられたってことだけど・・。

仕事をしながらも、どこか集中できない。
いい加減、情けないよな・・。
「おい、山城。ちょっと。」
声をかけてきたのは、上司である課長。
小会議室に呼び出された俺は、上司に昨日からの仕事のミスを指摘される。
「お前らしくない。・・何かあったのか?係長の事か?プライベートな事ならともかく、業務において心配事があるなら相談しろ。」
ミスをくどくどと説教するわけでもなく、相談しろというこの上司は俺の理想の上司だ。
「すみません。プライベートでちょっと・・心配なやつがいて。」
恋愛ごととは言えず、電車で具合悪い知り合いに遭遇して、帰ることを勧めたものの心配で・・、と事実ではあるものの・・な報告をした。
「へぇ?山城が心配ね・・。」
すごく疑いの眼差しを感じる。
心配なのは具合よりも、気持ちの方だが・・あっ、もしかして昨日から具合が悪くて休んでる?
「じゃあ、心配だって連絡したらどうだ?お前に心配されて嫌な奴いないと思うぞ?」
ニヤッと笑った課長は、訳知り顔で会議室を出て行った。
・・バレたか。
かっこ悪い自分にため息をつきつつ、社用スマホを出す。
気になるから・・しょうがないだろ。

宛先:鈴木 凛

件名:体調は

大丈夫か?
今日、電車にいなかったから心配した。

山城 瑛太

・・簡潔すぎる?
そう思いつつメールして立ち上がり会議室を出て自席に戻ろうと廊下を歩いていると、スマホが震えた。
まさか・・と思いつつメールを開くと、
凛ちゃんからのメール。

大丈夫です!
昨日、先生に迷惑かけちゃったから昨日より一時間早い電車に乗りました。

ほっと安心する。
どうやら色々取り越し苦労だったようだ。

別に迷惑じゃない。

と打ち込んだところで、迷う。
ここでまた何かあったら連絡しろって打つ?
心配なら一時間も早く電車に乗らずに俺と一緒の電車に乗ればいいと打つ?

迷った挙句、とうとうメールを打つ。
バクバクと今までにない心臓音に、少し気分が悪くなる。

送信しました

そんな画面を緊張の面持ちで見つめる。

するとすぐに彼女からメールが返ってきた。

「はい。」

返事だけの短いメール。

「はぁああ。」
思わず廊下にしゃがみこむ。
なにこれすげえ緊張した。

「なんだ、具合悪いのか?」
廊下でへたり込む俺に和田部長が声をかけてきた。
「だ、大丈夫です。」
すくっと立ち上がり部室へ戻る。
人をおちょくるのが大好きな和田部長に弱みなんか見せたら身の破滅だ。
部室へ入室すると、
「問題解決か?」
とニヤリとした冴木課長に声をかけられる。
なんだか諦めのような気持ちになるが、明日からの事を思えば感謝するべきか・・。
「上々です。」
そう言う俺はいつも通り冷静な俺なのかは分からない。
冴木課長の肩が多少震えていてもそこはスルーだ。
さて・・挽回すべく集中しますか。


山城くんが凛ちゃんに送ったドキドキメール

宛先:鈴木 凛
件名:Re 体調は

別に迷惑じゃない。
嫌でなければ、朝一緒に行こう。
明日待ってる。

山城 瑛太





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