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アルファの騎士は希う
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【side ユアン】
◇
俺がリノ・アルムの話を聞いたのは偶然だった。
その日は合同演習があった日で、騎士団の誰もが緊張していた。自分の今後の出世に関わるからだ。
俺はレガラドの騎士団で団長を務めている。我が騎士団は完全なる実力主義で、少しでも鍛錬をサボれば誰かに追い抜かれる……そんな場所だった。だから、俺に認められれば出世できる……そんな馬鹿げた事を思う奴も多かった。実際は、そんな事をする者は降格させるようにと陛下に告げられていた。だから、何を聞いても俺の心が動く事はなかった。
だが、あの日だけは違っていた。合同演習が終わった後、皆は緊張が解けた様子で休んでいた。今回は脱落者はいなかった。だから、俺も気が緩んでいたのかもしれない。普段なら聞き逃すようなたわいもない話を、なぜか聞いてしまったのだ。
「ラミレス様、お聞きになりましたか?」
「何をだ?」
「今度のリオスとの戦の事です」
「ああ……聞いている。なかなか決着がつかないな。あの国も軍に力を入れているからな……」
リオスはレガラドと長年戦を繰り返している国だ。レガラドよりは小さな国だが、軍に力を入れていて、騎士や戦士に精鋭が揃っている印象だった。
「ここ数年、さらに軍事力が上がったと思いませんか?」
「ああ……確か、騎士団のトップが変わったな。元から強かったが、さらに強い者をその座に据えたのだろう」
「それが、リオスは騎士団長も副長も変わらぬ強さだと聞いた事はありますか?」
「副長? 俺はまだ会った事がないな。いつもトップと剣を交えている」
俺が戦の時に対峙するのは、決まって騎士団長だった。向こうも自分しか俺に対抗できる者がいないと分かっての事だと思ったが、団員は副長の話をしてくる。
「副長……強いのか?」
「はい。何名か剣を交えておりますが、団長に引けを取らぬ強さだったと言っております。ですが、どうやらオメガの性らしく……だからトップにならないのかもしれません」
「オメガ? 副長がオメガなのか? 本当に存在するのか」
「はい。そのようです」
この世界の人間は、アルファ、ベータ、オメガという三つの属性に分かれている。遠い国ではオメガは虐げられていると聞いているが、レガラド周辺の国々では、どの属性でもみんな平等に、どんな職業でも就く事ができるようになっていた。
だが、騎士に関してはオメガの性を持つ者がトップに近い地位に就く……という事はなかなかない。レガラドにもオメガの騎士は存在していたが、幹部にはなってはいなかった。
「オメガの騎士……副長……か」
俺はなぜか、「リオスのオメガの騎士」が気になった。次の戦で剣を交わす事はあるだろうか。大量の兵士が戦う中で、見つける事はできるだろうか。何人もの団員が話しかけてきた中で、俺の心に残ったのはその話だけだった。
そして、その日は来た。
「カウイは右から、ユーイは左からリオスを取り囲め」
「「はっ!!」」
主要メンバーに指揮を出し、俺はリオスの幹部がいると思われる場所へと馬を走らせた。
いつもなら、気配を察した団長が俺と対峙するはずだった。だが、今日はなぜか団長のモノとは違う甲冑を纏った男が目の前に現れ、俺の道を塞いだ。
騎馬隊の中では見た事のない男だった。しかも、頭からつま先まで甲冑を纏っているから、表情が読めない。
「「……」」
俺達は甲冑越しに見つめあい、間合いを測った。
初めてでも分かる。この男は強い。その証拠に、俺を見ても取り乱さず、こうして様子を窺っている。ただの兵士だったらすぐに俺に向かってくるはずだ。
「……まさか」
この男がオメガの騎士か?
確証はないが、なぜかそう思った。俺はいてもたってもいられなくなり、すぐに聞いてみた。
「……貴殿は、オメガの騎士か?」
「……それが、何か?」
返ってきたのはそれだけだった。団長よりは声が高いが、低すぎる事もない。不思議と心地のいい声だった。俺はもっと目の前の男が気になって、自分から向かってみる事にした。
「では、こちらから行こうか」
「何っ!?」
男は驚いたらしい。一瞬反応が遅れた。俺はそれを逃す事はなく、すぐに男のそばへと切り込んだ。
「くっ……!」
男は突然そばに来た俺に怯みつつも、しっかりと俺の剣を受け止めた。それだけで、こいつが強いと分かってしまった。普通の兵士は俺の剣を受け止めきれず、吹っ飛ばされる者が多いからだ。
「ほう……」
俺は感心しながら男を見つめた。ヘルムの隙間から除く瞳は碧眼だったが、全体的な素顔は分からない。体格は……俺の剣を受けたのだから大柄だろう。ますます顔を見たくなった。強い者は名前と顔を知りたくなる。これは職業病のようなモノだ。
「お前……顔を見せるつもりはないか?」
「は? そんな状況か……?」
剣を何度か交わしたあと、男はそう答えた。声に余裕がなくなっているし、肩で息をしている。俺にはまだ余裕があるが、体力の限界がきているのだろう。これなら簡単にヘルムを飛ばせるような気がする。
俺は、男の剣を受け止めたあと、押されてよろけた振りをした。すると、男はチャンスと思ったのか、俺の方に向かってくる。
「貴様……殺してやる!」
「そうは行くか!」
俺は体勢を立て直し、男の剣を跳ね返した後、男の首に剣を当てた。
「うっ……!」
男は殺されると思ったらしい。動きが止まった。俺はすかさず剣の先で男のヘルムを弾き飛ばした。
「……は……?」
すると、目の前に現れたのは予想とは全く違う男だった。いや、男と言っていいのか分からない。金髪碧眼、髪は短めだが、顔は中性的な美貌を持った人間が、俺の前に現れた。
どうやら甲冑で大柄に見えていたらしい。どこからあんな力が出ていたのか疑いたくなるほどに、俺と比べたら華奢だった。
これが、リオスのオメガ……。
あまりの美貌に目を奪われ、呆然となっていると、男の方から声をかけてきた。
「……殺すなら殺せ」
「なぜだ?」
「首をはねるためにヘルムを飛ばしたのではないのか?」
「いや、お前の顔が見たかっただけだ」
「何を言っている?」
「俺と対等に渡り合う者の顔が見たかった。今すぐ殺すつもりはない。それに、ここまで強い男を殺してしまうのは惜しい」
「貴様……私をバカにしているのか!」
「馬鹿になどしていない。君だって、強い男がいたら戦ってみたいだろう?」
「……」
男は図星だったようだ。途端に黙ってしまった。
「名は、何という? これからも君と戦ってみたい」
「……リノ・アルム。これが私の名だ」
「リノ・アルムか。いい名だ。俺はユアン・ラミレス」
「……そうか」
彼はそう呟いたきり、黙ってしまった。
ああ……話し方も気高く、好みだった。この美貌ならばオメガとして充実した生活を送っているだろうし、発情期の時も苦労はしないだろう。そう考えた瞬間、俺の中に強い嫉妬が産まれていた。この男に今まで抱かれた者が、いや、抱いた者が許せない。そう強く思ってしまった。
この感情は一体何なのか。意味が分からなかった。
ただ分かっていたのは、またこの男と剣を交わし、言葉を交わして親交を深めたい。そんな想いだった。
敵同士なのに何を言っているのだろう。
俺は自分の想いに気づいて笑ってしまった。
「何を笑っている?」
男は訝しげに俺を見つめている。ああ……もっと、もっと俺を見て欲しい。俺の事しか考えられないように、このままレガラドに連れて帰って、すぐに首筋を噛んで、番にしてしまいたい。
そんな事を思っているとは思わないのか、彼は落ちた剣を拾った後、リオスの陣営に向かって馬を走らせようとしていた。
「もう帰るのか?」
「これ以上何もしないなら、貴様との会話は無意味だ」
「まあ、次に会えるのを楽しみにしている」
「……次は、殺してやる」
彼は素気ない態度を取りながら、あっさりと俺の前から消えていった。
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俺がリノ・アルムの話を聞いたのは偶然だった。
その日は合同演習があった日で、騎士団の誰もが緊張していた。自分の今後の出世に関わるからだ。
俺はレガラドの騎士団で団長を務めている。我が騎士団は完全なる実力主義で、少しでも鍛錬をサボれば誰かに追い抜かれる……そんな場所だった。だから、俺に認められれば出世できる……そんな馬鹿げた事を思う奴も多かった。実際は、そんな事をする者は降格させるようにと陛下に告げられていた。だから、何を聞いても俺の心が動く事はなかった。
だが、あの日だけは違っていた。合同演習が終わった後、皆は緊張が解けた様子で休んでいた。今回は脱落者はいなかった。だから、俺も気が緩んでいたのかもしれない。普段なら聞き逃すようなたわいもない話を、なぜか聞いてしまったのだ。
「ラミレス様、お聞きになりましたか?」
「何をだ?」
「今度のリオスとの戦の事です」
「ああ……聞いている。なかなか決着がつかないな。あの国も軍に力を入れているからな……」
リオスはレガラドと長年戦を繰り返している国だ。レガラドよりは小さな国だが、軍に力を入れていて、騎士や戦士に精鋭が揃っている印象だった。
「ここ数年、さらに軍事力が上がったと思いませんか?」
「ああ……確か、騎士団のトップが変わったな。元から強かったが、さらに強い者をその座に据えたのだろう」
「それが、リオスは騎士団長も副長も変わらぬ強さだと聞いた事はありますか?」
「副長? 俺はまだ会った事がないな。いつもトップと剣を交えている」
俺が戦の時に対峙するのは、決まって騎士団長だった。向こうも自分しか俺に対抗できる者がいないと分かっての事だと思ったが、団員は副長の話をしてくる。
「副長……強いのか?」
「はい。何名か剣を交えておりますが、団長に引けを取らぬ強さだったと言っております。ですが、どうやらオメガの性らしく……だからトップにならないのかもしれません」
「オメガ? 副長がオメガなのか? 本当に存在するのか」
「はい。そのようです」
この世界の人間は、アルファ、ベータ、オメガという三つの属性に分かれている。遠い国ではオメガは虐げられていると聞いているが、レガラド周辺の国々では、どの属性でもみんな平等に、どんな職業でも就く事ができるようになっていた。
だが、騎士に関してはオメガの性を持つ者がトップに近い地位に就く……という事はなかなかない。レガラドにもオメガの騎士は存在していたが、幹部にはなってはいなかった。
「オメガの騎士……副長……か」
俺はなぜか、「リオスのオメガの騎士」が気になった。次の戦で剣を交わす事はあるだろうか。大量の兵士が戦う中で、見つける事はできるだろうか。何人もの団員が話しかけてきた中で、俺の心に残ったのはその話だけだった。
そして、その日は来た。
「カウイは右から、ユーイは左からリオスを取り囲め」
「「はっ!!」」
主要メンバーに指揮を出し、俺はリオスの幹部がいると思われる場所へと馬を走らせた。
いつもなら、気配を察した団長が俺と対峙するはずだった。だが、今日はなぜか団長のモノとは違う甲冑を纏った男が目の前に現れ、俺の道を塞いだ。
騎馬隊の中では見た事のない男だった。しかも、頭からつま先まで甲冑を纏っているから、表情が読めない。
「「……」」
俺達は甲冑越しに見つめあい、間合いを測った。
初めてでも分かる。この男は強い。その証拠に、俺を見ても取り乱さず、こうして様子を窺っている。ただの兵士だったらすぐに俺に向かってくるはずだ。
「……まさか」
この男がオメガの騎士か?
確証はないが、なぜかそう思った。俺はいてもたってもいられなくなり、すぐに聞いてみた。
「……貴殿は、オメガの騎士か?」
「……それが、何か?」
返ってきたのはそれだけだった。団長よりは声が高いが、低すぎる事もない。不思議と心地のいい声だった。俺はもっと目の前の男が気になって、自分から向かってみる事にした。
「では、こちらから行こうか」
「何っ!?」
男は驚いたらしい。一瞬反応が遅れた。俺はそれを逃す事はなく、すぐに男のそばへと切り込んだ。
「くっ……!」
男は突然そばに来た俺に怯みつつも、しっかりと俺の剣を受け止めた。それだけで、こいつが強いと分かってしまった。普通の兵士は俺の剣を受け止めきれず、吹っ飛ばされる者が多いからだ。
「ほう……」
俺は感心しながら男を見つめた。ヘルムの隙間から除く瞳は碧眼だったが、全体的な素顔は分からない。体格は……俺の剣を受けたのだから大柄だろう。ますます顔を見たくなった。強い者は名前と顔を知りたくなる。これは職業病のようなモノだ。
「お前……顔を見せるつもりはないか?」
「は? そんな状況か……?」
剣を何度か交わしたあと、男はそう答えた。声に余裕がなくなっているし、肩で息をしている。俺にはまだ余裕があるが、体力の限界がきているのだろう。これなら簡単にヘルムを飛ばせるような気がする。
俺は、男の剣を受け止めたあと、押されてよろけた振りをした。すると、男はチャンスと思ったのか、俺の方に向かってくる。
「貴様……殺してやる!」
「そうは行くか!」
俺は体勢を立て直し、男の剣を跳ね返した後、男の首に剣を当てた。
「うっ……!」
男は殺されると思ったらしい。動きが止まった。俺はすかさず剣の先で男のヘルムを弾き飛ばした。
「……は……?」
すると、目の前に現れたのは予想とは全く違う男だった。いや、男と言っていいのか分からない。金髪碧眼、髪は短めだが、顔は中性的な美貌を持った人間が、俺の前に現れた。
どうやら甲冑で大柄に見えていたらしい。どこからあんな力が出ていたのか疑いたくなるほどに、俺と比べたら華奢だった。
これが、リオスのオメガ……。
あまりの美貌に目を奪われ、呆然となっていると、男の方から声をかけてきた。
「……殺すなら殺せ」
「なぜだ?」
「首をはねるためにヘルムを飛ばしたのではないのか?」
「いや、お前の顔が見たかっただけだ」
「何を言っている?」
「俺と対等に渡り合う者の顔が見たかった。今すぐ殺すつもりはない。それに、ここまで強い男を殺してしまうのは惜しい」
「貴様……私をバカにしているのか!」
「馬鹿になどしていない。君だって、強い男がいたら戦ってみたいだろう?」
「……」
男は図星だったようだ。途端に黙ってしまった。
「名は、何という? これからも君と戦ってみたい」
「……リノ・アルム。これが私の名だ」
「リノ・アルムか。いい名だ。俺はユアン・ラミレス」
「……そうか」
彼はそう呟いたきり、黙ってしまった。
ああ……話し方も気高く、好みだった。この美貌ならばオメガとして充実した生活を送っているだろうし、発情期の時も苦労はしないだろう。そう考えた瞬間、俺の中に強い嫉妬が産まれていた。この男に今まで抱かれた者が、いや、抱いた者が許せない。そう強く思ってしまった。
この感情は一体何なのか。意味が分からなかった。
ただ分かっていたのは、またこの男と剣を交わし、言葉を交わして親交を深めたい。そんな想いだった。
敵同士なのに何を言っているのだろう。
俺は自分の想いに気づいて笑ってしまった。
「何を笑っている?」
男は訝しげに俺を見つめている。ああ……もっと、もっと俺を見て欲しい。俺の事しか考えられないように、このままレガラドに連れて帰って、すぐに首筋を噛んで、番にしてしまいたい。
そんな事を思っているとは思わないのか、彼は落ちた剣を拾った後、リオスの陣営に向かって馬を走らせようとしていた。
「もう帰るのか?」
「これ以上何もしないなら、貴様との会話は無意味だ」
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