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改めてリノと対峙した俺は、早速聞いてみた。
「リノ、あなたはこれからどうされたいのでしょうか?」
「どう……とは?」
「先ほどあなたは、今のこの状態はとても苦しく、話し相手もいなくて、鍛錬もできずに暇をしていた……そう言いましたね?」
「はい」
「では、私から逃げたいとか、離婚したいとか、そう思っているのではないですか?」
「……」
俺がずっと思っていた事を告げると、彼は黙ってしまった。図星だったのだろうか。俺は彼を手放すつもりはない。彼の返事によっては、たとえ彼に嫌われるような事になっても、強引に事を進める覚悟をしていた。
だが、彼は予想とは反する答えを俺にくれた。
「確かに私は、ここに来てからリオスが恋しくなった事はありました。騎士団にいた頃が懐かしいと、そう思う日はよくあります。ですが、それは自分の生まれ育った国から離れたら当たり前に思う感情です。それに、私に近づいて来ないのはあなたの方ではございませんか」
「リノ?」
「私は、結婚したからには、例え気持ちが通っていようがいまいが、夫婦としての生活があると思っておりました。それは、我が国が敗戦した際、使者の方が、あなたが私を伴侶にしたいと陛下へ直々に仰ったと聞いたからです。ですが、その、私を求めているはずのあなたは私と会おうともせず、遠征ばかりで……私はまるで軟禁されているような気持ちになっておりました」
「な、軟禁……」
「はい、軟禁です。部屋を出る事も許されず、剣を持つ事も許されず、ただ、一日を無駄に過ごす……私の今の立場は、伴侶という名の捕虜に等しいと感じております。なぜなら、あなたは高貴なアルファで、私のような普通のオメガなどを伴侶としなくても人生に影響はないと、そう思っております」
何という事だ。彼は、最初から俺と夫婦の関係を持つ覚悟を決めて嫁いできたらしい。また、軟禁されていると言った。何も考えず、ゆっくり過ごして欲しいと配慮していたつもりが、常に剣を持って過ごしていた彼にとっては、苦痛でしかなかったようだ。
早く誤解を解かなければ。
そう思った俺は、すぐさまこう叫んだ。
「そんな事はない!」
「ラミレス殿?」
「俺が、俺があなたを伴侶にと望んだのは、あなたをお慕いしていたからです」
「……は?」
「言葉の通りです。戦場であなたにお会いする度に、この手に抱きたいと、なぜ戦場でしか会えないのか、なぜあなたがレガラドの民ではないのかと、心苦しく思っておりました」
「……」
「私がリオスと戦闘になった際に、騎士団長ではなく、いつも副長のあなたの前に現れたのはそういう事です。私は、あなたにお会いしたかった。会って、剣を交わしてでもお話ししたかったのです」
「で、では、私を殺さなかったのは、いたぶって楽しんでいたわけではない、と……?」
「はい。あなたとの逢瀬を大事にするために、戦闘を長引かせておりました」
彼にそう告げた途端、彼は床に座り込んでしまった。なぜか呆然とした表情をしている。具合が悪くなったのだろうか。
「リノ!?」
「も、申し訳、ございませ……ちょっと、力が抜けてしまって……」
よくよく話を聞いてみると、彼は自分が全力で向かっていたにも関わらず、俺が手加減していた事に相当なショックを受け、それではリオスが勝てる訳がないと実感したのだという。
体調が悪いわけではないと安心したが、そう思った瞬間、彼はいきなり息を荒げ始めた。そして、衝撃的な言葉を告げてきた。
「申し訳ない……発情期が、来た、ようです……」
「な、何……?」
「も、申し訳、ございませ、ん……予定では、まだ先のはずだった…のに……」
「リノ……!」
「私を、助けて、ください……、お願い、しま、す……」
彼は縋るように俺の胸に倒れ込み、抱きついてきた。一瞬、頭がフリーズしたが、彼の顔を見ると、涙を浮かべ、はあはあと息を荒げながら苦しそうにしていた。その姿を見た瞬間、俺の中で理性が吹き飛び、彼の顔に触れ、涙を指で拭った。
「ああ……リノ……こんなに涙を溜めて……苦しいでしょう……」
「はい……早く、この身体を……静め……」
ああ……彼が自分から俺を求めている。こんな幸福があっていいのだろうか。少なくとも、彼が俺に気を許すまでは相当な年月がかかると予想していたのに、これはなんだ。彼の方から身体を静めて欲しい……つまり、抱いて欲しいと願っている。俺はこのまま彼を押し倒し、すぐにぺニスを挿れたくなる衝動を抑え、冷静を装い、彼に伝えた。
「本当なら、発情期ではない時に、あなたを初めて抱きたかったのですが……他の者に奪われてはたまらない。これからあなたを抱き、私の番にします。よろしいですか?」
「だ、抱、く……?」
「あなたと私が、身体と身体で繋がると言うことです。ここと、ここで。経験はおありでしょう?」
彼の美貌と役職から、今までセックスする相手には困らなかったはずだ。彼と関係を持った相手にかなりの嫉妬を抱きながらそう尋ねると、彼は再び衝撃的な言葉を吐いた。
「け、経験は、ありま、せん……」
俺の頭は再びフリーズした。今、彼は何と言ったのだ? 聞き間違えか?
経験がないなどありえない。発情期の混乱のあまり、嘘をついてしまったのだろうか。
「リノ、あなたはこれからどうされたいのでしょうか?」
「どう……とは?」
「先ほどあなたは、今のこの状態はとても苦しく、話し相手もいなくて、鍛錬もできずに暇をしていた……そう言いましたね?」
「はい」
「では、私から逃げたいとか、離婚したいとか、そう思っているのではないですか?」
「……」
俺がずっと思っていた事を告げると、彼は黙ってしまった。図星だったのだろうか。俺は彼を手放すつもりはない。彼の返事によっては、たとえ彼に嫌われるような事になっても、強引に事を進める覚悟をしていた。
だが、彼は予想とは反する答えを俺にくれた。
「確かに私は、ここに来てからリオスが恋しくなった事はありました。騎士団にいた頃が懐かしいと、そう思う日はよくあります。ですが、それは自分の生まれ育った国から離れたら当たり前に思う感情です。それに、私に近づいて来ないのはあなたの方ではございませんか」
「リノ?」
「私は、結婚したからには、例え気持ちが通っていようがいまいが、夫婦としての生活があると思っておりました。それは、我が国が敗戦した際、使者の方が、あなたが私を伴侶にしたいと陛下へ直々に仰ったと聞いたからです。ですが、その、私を求めているはずのあなたは私と会おうともせず、遠征ばかりで……私はまるで軟禁されているような気持ちになっておりました」
「な、軟禁……」
「はい、軟禁です。部屋を出る事も許されず、剣を持つ事も許されず、ただ、一日を無駄に過ごす……私の今の立場は、伴侶という名の捕虜に等しいと感じております。なぜなら、あなたは高貴なアルファで、私のような普通のオメガなどを伴侶としなくても人生に影響はないと、そう思っております」
何という事だ。彼は、最初から俺と夫婦の関係を持つ覚悟を決めて嫁いできたらしい。また、軟禁されていると言った。何も考えず、ゆっくり過ごして欲しいと配慮していたつもりが、常に剣を持って過ごしていた彼にとっては、苦痛でしかなかったようだ。
早く誤解を解かなければ。
そう思った俺は、すぐさまこう叫んだ。
「そんな事はない!」
「ラミレス殿?」
「俺が、俺があなたを伴侶にと望んだのは、あなたをお慕いしていたからです」
「……は?」
「言葉の通りです。戦場であなたにお会いする度に、この手に抱きたいと、なぜ戦場でしか会えないのか、なぜあなたがレガラドの民ではないのかと、心苦しく思っておりました」
「……」
「私がリオスと戦闘になった際に、騎士団長ではなく、いつも副長のあなたの前に現れたのはそういう事です。私は、あなたにお会いしたかった。会って、剣を交わしてでもお話ししたかったのです」
「で、では、私を殺さなかったのは、いたぶって楽しんでいたわけではない、と……?」
「はい。あなたとの逢瀬を大事にするために、戦闘を長引かせておりました」
彼にそう告げた途端、彼は床に座り込んでしまった。なぜか呆然とした表情をしている。具合が悪くなったのだろうか。
「リノ!?」
「も、申し訳、ございませ……ちょっと、力が抜けてしまって……」
よくよく話を聞いてみると、彼は自分が全力で向かっていたにも関わらず、俺が手加減していた事に相当なショックを受け、それではリオスが勝てる訳がないと実感したのだという。
体調が悪いわけではないと安心したが、そう思った瞬間、彼はいきなり息を荒げ始めた。そして、衝撃的な言葉を告げてきた。
「申し訳ない……発情期が、来た、ようです……」
「な、何……?」
「も、申し訳、ございませ、ん……予定では、まだ先のはずだった…のに……」
「リノ……!」
「私を、助けて、ください……、お願い、しま、す……」
彼は縋るように俺の胸に倒れ込み、抱きついてきた。一瞬、頭がフリーズしたが、彼の顔を見ると、涙を浮かべ、はあはあと息を荒げながら苦しそうにしていた。その姿を見た瞬間、俺の中で理性が吹き飛び、彼の顔に触れ、涙を指で拭った。
「ああ……リノ……こんなに涙を溜めて……苦しいでしょう……」
「はい……早く、この身体を……静め……」
ああ……彼が自分から俺を求めている。こんな幸福があっていいのだろうか。少なくとも、彼が俺に気を許すまでは相当な年月がかかると予想していたのに、これはなんだ。彼の方から身体を静めて欲しい……つまり、抱いて欲しいと願っている。俺はこのまま彼を押し倒し、すぐにぺニスを挿れたくなる衝動を抑え、冷静を装い、彼に伝えた。
「本当なら、発情期ではない時に、あなたを初めて抱きたかったのですが……他の者に奪われてはたまらない。これからあなたを抱き、私の番にします。よろしいですか?」
「だ、抱、く……?」
「あなたと私が、身体と身体で繋がると言うことです。ここと、ここで。経験はおありでしょう?」
彼の美貌と役職から、今までセックスする相手には困らなかったはずだ。彼と関係を持った相手にかなりの嫉妬を抱きながらそう尋ねると、彼は再び衝撃的な言葉を吐いた。
「け、経験は、ありま、せん……」
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