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マメ

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「ちょっとは動けますか?」
「うーん、もうちょっとかな……」
 話をしていたら少しは回復したのか、わずかに足が動くようになった。でも歩くにはまだ頼りない。
「どうしましょうか……力が入らないのでは支えて歩こうにも辛いですよね……阿知波も学校帰りならバイクの可能性は低いですし」
「回復するまでここにいるよ」
「ダメです。絶対倒れます」
 上原がどうやって蒼を連れて行くか悩んでいると、遠くから数人の話し声が聞こえてきた。白坂達がようやく来たらしい。
「吉光! ここです!」
 上原が声を上げて知らせると、それに気付いた白坂が手を上げた。
 蒼達のそばまで来た白坂だが、座っている蒼を見て不思議そうな顔をしている。
「どうした?」
「足が動かない」
「連れて行こうにも、どうすればいいか悩んでまして……」
「動けない、か。あ、」
 それを聞いた白坂はしばらく考えた後、何かに気付いて蒼の背後を指差した。
「じゃあ運んで貰えよ。ソレに」
「それ?」
 言われるままに後ろに顔を向けると、顔と顔が触れてしまう程の至近距離に阿知波がしゃがみ込んでいた。
「蒼ちゃんお待たせ~」
 突然現れた阿知波に驚き、思わず動きが止まってしまう。すると顔を寄せられ、いきなりキスされてしまった。
「うわ……!」
 驚いて頭を殴ってしまったが、なんでこいつは気配がしないのか。今までも何度かあったが不思議で仕方なかった。
「急に出てくるなよ!」
「え~酷くない? 蒼ちゃんを迎えに来たのに……電話だって蒼ちゃんから初めてかかってきたと思ったら上原だしさあ」
 頭をさすりながら文句を言う阿知波は不満そうだ。だが、こっちは動けないのだからそれどころではない。
「お前な……」
 反論しようと口を開いた時、蒼の顔を見た阿知波の顔つきが変わった。心なしか表情が無くなっているような気がする。
 正面に来た阿知波は蒼の顔に触れ、赤く腫れている頬を撫でた。
「痛っ……」
「……これ、誰にやられた?」
「痛いって……」
 さらに力を入れた阿知波を非難すると、もう一度問い詰められる。
「誰がやった? 黙ってないで言って」
 まるで蒼を責めるような物言いに、どう答えていいか分からなくなってしまう。阿知波の目は笑っていなくて、いつも蒼を構う時の面影は全く無かった。
「阿知波……どうした……?」
 そう問いかけても、阿知波は黙ったままだ。黙ったまま、蒼を凝視している。
「……」
 見つめ合う状態から抜け出せないでいると、頭上から声がした。
「蒼を殴ったのはあいつらです。体調が悪いのですから、蒼を責めないで下さい」
 顔を上げると、上原が背後を見るよう促していた。隣にいる白坂は苦笑している。
 そこでは、さっき倒した奴らが呆然とこちらを見つめていて、なぜ阿知波がいるのか、なぜ蒼に触れているのか分かっていないようだった。
「なんだと?」
「こちらは被害者なんです。蒼を責めずにあいつらを責めて下さい。あなたのチームの人間ですよ?」
 低い声で威圧する阿知波を物ともせず、上原は目の前の男を責め立てた。
「……」
「さっきも言いましたが、蒼は怪我をしていますし熱もあるんです。感情に任せて行動するのは止めて欲しいですね」
「……そうだったな」
 その言葉を聞いて少し冷静になったらしい阿知波は、蒼の首に何かを巻いた。それはひやりとした冷却タオルだった。
「熱、冷まさなきゃね」
「あ、ありがとう……」
「黒夜、望月は足が動かないらしいぞ」
 お礼を言っていると白坂がさっき教えた事を口にした。
「足? だから座ってんのか?」
「ああ、よく分かんねえけど動かないんだ」
 説明する蒼の言葉に、阿知波の顔が再び険しくなる。
「痛むのか?」
「捻った所はな。他は痛くないけど力が入らない」
「……」
 すると阿知波が立ち上がり、倒れている奴らの方を向いた。その顔からは表情が読み取れない。
「阿知波?」
「ちょっと待ってろ」
 急に冷たくなったその声色に、なぜだか背筋に悪寒が走った。
「あーあ……俺知らね」
 そばにいた白坂が呟いているが、嫌な予感がする。
「あいつ……どうしたんだ?」
「まあ、見てろよ。面白いもん見れるから」  
「あいつらも可哀想に……」
 上原も何か言っているが、よく分からない。二人を交互に見ても、うっすらと笑みを浮かべたまま教えてくれなかった。
 阿知波は舞の仲間の元に歩いて行くと、まず最初にこう言った。
「あいつを殴ったの誰?」
「あいつ? ってか、どうしてここに……」
「蒼ちゃん殴ったの、誰? 早く言え」
 阿知波は男達の言葉を無視して問いかける。
「蒼ちゃん? もしかして望月の事ですか?どうして……」
 男達はなぜ自分達が問いつめられているのか分からないらしい。不思議そうに阿知波を見上げた。
 それもそうだ。こいつらは全て阿知波の指示だと言われているのだから。
「早く」
 阿知波がイライラしたようにもう一度問うと、男達は慌てて姿勢を正した。
 そして、蒼を殴った男が頼りなげに手を上げた。まだ上原の蹴りが効いているらしく、座り込んだままだ。
「お、俺です」
「……そうか」
 その途端、阿知波は男の髪を掴むと、そのまま背後にあった壁に頭を打ちつけた。
「が……!?」
 ゴッ……と酷く嫌な音がして、打ちつけられた男はズルズルと壁に添ってずり落ちていく。それは一瞬の出来事で、そばで見ていた仲間達も何が起きたか分からず呆気に取られていた。
 そして、今度は倒れ込む男の胸倉を掴み、背中から壁に叩き付けた。
「ぐ……っ、」
 男は抵抗もできずにされるがままだ。その顔は痛みに歪んでいて、呼吸も荒くなっている。
「お前さあ、何してくれてんの?」
「は……?」
「何してくれたんだって言ってんだよ!」
 男の顔に張り手が飛び、衝撃に頭が激しく揺れた。そのままギリギリと胸元を締め付け、男の顔がさらに歪んでいく。
「あ、ちはさ……」
 苦しさの中で、かろうじて阿知波を見た男は、その凄まじいほどの形相に息を飲んでいる。男の顔が真っ赤になり、涙を流し始めると他の仲間が止めに入った。
「阿知波さん! それ以上やったら死んでしまいます!」
「離してやって下さい!」
 阿知波の腕を掴んで離そうとするが、その身体はびくともせず、さらに男を締め上げる。男はもがき苦しみ、抵抗する力が徐々に弱くなっていった。
「あ゛……」
「言え、なぜあいつらを襲った」
 阿知波の暴力に恐れをなした男は、身の危険を感じたのか震える声で呟いた。
「あ……なたの指示だと、言われたから、です」
「……またか」
 阿知波が手を離し、男が解放される。男はそのままうずくまり、咳き込みながら荒い息を吐いていた。


 蒼はその様子を呆然と眺めていた。
「な……に、やってんだ、あいつ……チームの仲間だろ……?」
 いきなりの阿知波の暴力に、かろうじて言えたのはそんな言葉だった。どう見てもあまりに一方的過ぎる。
 動揺する蒼とは逆に、上原と白坂の二人は冷静だ。
「気にするな。いつもの事だ」
「まあ、妥当な対応でしょう。トップの意思を聞かずに勝手に行動したのですから」
「いつもの事? あれが?」
 白坂の言葉はあれがいつも行われている事を意味していた。
 BLACKのメンバーはいつもあんな扱いを受けているのか?
 チームというのは、信頼が無ければ成り立たない。阿知波の行動は信頼している人間に対するものとは到底思えなかった。
「ああ。お前らの所はどうか知らないけど、うちは少しでも甘い顔をすればつけあがるからな……あのくらい厳しくないと。躾ってヤツ?」
「躾?」
 白坂が無表情のまま答えた。それが当たり前だとでも言うように。
「そう、躾。ああしとけば裏切ろうだなんて思わないだろ? 誰だって痛いの嫌だろうし」
「躾……」
『大丈夫。そこんとこちゃんと躾てるから』
 そういえばこの前、阿知波はメンバーを躾ていると言ってなかったか。
(もしかして、これが……)
「躾か……」
「あ、言っとくけど、あいつが始めたんじゃないぞ? うちはあいつが総長になる前からああだったから」
「前から? 先代からって事か?」
「初代からじゃねえかな。兄貴もそうして来たって言ってたし、BLACKのルールみたいなもん?」
「……みんなそれでいいのか?」
「いいんじゃねえの? 嫌ならチームに入らなきゃいいんだし、我慢出来ないなら抜ければいい。うちは抜けるからって制裁はしねえし自由だから。お前らだってチームの奴が裏切ったらあのくらいやるだろ?」
「いや、さすがにあそこまでは……チームは抜けさせるけど」
 裏切られたらそれなりの報復はするが、あんなに弱った所を責めはしないし、それ以外で仲間に暴力を振るう事は一切無い。それがBLUEのルールだ。
 特に蒼は理不尽な暴力を嫌うため、総長になってからのBLUEはかなりの穏便派として知られている。だからこそ、BLACKと度々ぶつかっても大きな事件にならずに済んでいるのかもしれない。
「やらないのか? 随分甘いんだな。それじゃあ裏切られても文句は言えないぞ? 誰かBLUEの奴が舞に加担してるんだろ?」
「それは……」
 そう言われてしまうと何も言えなくなってしまう。やはり自分の考えは甘いのだろうか。
「BLACKから見れば甘いかもしれませんが、うちは強さでカバーしています。俺が入ったのもそういう所に惹かれたからですし。力だけが全てじゃないでしょう?」
 言葉に詰まった蒼を上原が助けた。こいつはいつも蒼を助けてくれて、まるで保護者のようだった。
「上原……」
「それに蒼は裏切り者や嫌悪を感じる人間はとことん拒絶しますから。精神的に分からせると言いますか……」
「何それ」
 白坂が不思議そうな顔で聞き返す。
「蒼は仲間ならとことん大切にしますし、間違った事をしても多少の事は目をつぶります。ですが、裏切り者には見向きもしません。たとえそれがどれだけ親しい間柄だったとしても、二度と心を開かないんです」
「それは怖いな……そっちの方がダメージでかいかも」
「でしょう? その仕打ちをされた奴らの顔が忘れられません」
「上原……ここで言わなくてもいいだろ……」
「いえ、BLUEとBLACKはこのくらい違うと言うのは知っていただかないと」
「ふーん……それは黒夜にも言っとかないとな。望月に嫌われたら二度とチャンスは無いって」
「……言わなくていい」
「でも、黒夜の恋は応援するって約束したし。言っておくけど、逃げるなよ?」
「逃げる?」
「黙ってあいつの前から居なくなるなって事」
「なんだそれは」
 あまりに現実味が無いので冗談だと思ったが、白坂の目は真剣だった。
「細かくは聞いてねえけど、黒夜から告白されたんだろ?」
「……うん」
 どうやら阿知波から聞いたらしい。昨日の今日だと言うのに、もう白坂は知っていた。
「あいつが誰かに執着するなんて本当に初めてなんだ。もちろん告白したのも初めて」
「……らしいな」
「誰かに殴られて笑ってるなんてありえねえし、嫌がられてんのに構うなんて事も無かった。お前に会ってからは丸くなったしな。あれでも」
「……嘘だろ? あれが普通じゃないのか?」
 チラリと阿知波の方を見ながら話す白坂は、嘘を言っているようには見えない。だが、自分の知っている阿知波の姿は今聞いたものとはかけ離れていた。
 いつも話を聞かずに蒼を構い倒し、殴られてもヘラヘラ笑っている。それが阿知波の印象だった。だからこそ、何度口説かれても信じられなかったのだ。
「あれはお前の前でだけだ。他の奴がやったらとっくに潰されてる。そう考えればお前がどれだけ特別なのか分かるだろ?」
「あ……」
 蒼だけが特別。
 それは、阿知波にも直接言われた事だった。上原や速水にも言われた。そしてさらに白坂。
 阿知波と一番親しい男が言うのだから間違いないんだろう。これだけ言われればもう確信せざるを得ない。
 だが、自分が阿知波を好きなのかはまだ分からないままだ。気持ちの踏ん切りがつかないまま、あいつの懐へ飛び込むのは危険すぎる気がした。
 考える蒼をよそに、白坂は言葉を続ける。
「お前が居なくなったらあいつは荒れる。まず最初にBLUEは潰すだろうな。お前が大切にしているチームを……お前の帰る場所を無くそうとするはず」
「そんな大袈裟な……」
「大袈裟じゃねえよ。今のBLACKとBLUEの関係はお前が総長だから保たれてるんだ。あいつは面倒くせえのは嫌いだからな……他のチームと協力するなんて頭に無いはずだ」
「……」
「あいつを抑えられるのはお前だけだ。そのお前が居なくなったら……BLACKもBLUEもただでは済まない。だから、逃げないでくれ」
「お、おい……」
 白坂は頭を下げて頼み込んできた。そこまでするほどの価値が自分にあるんだろうか。周りに言われれば言われるほど、その思いは強くなっていく。

 どうしよう。

 嬉しいという感情より先に、浮かんだのはその言葉だった。
 一度受け入れてしまえば、きっと何があっても後戻りは出来ない。あいつが離してくれないだろうから。
「……」
 まるで外堀からじわじわと埋められていくような、逃げられない恐怖にも似たような感覚に、身体に震えが走ってしまう。
「望月? どうした?」
 黙り込んだ蒼に白坂が声をかけてくる。こいつにも自分の気持ちを言っておいた方がいいのかもしれない。
「いや、ちょっと……お前は誤解してる。俺は……」
「頼む。あいつの為にも。まあ、お前にしてみれば脅しに近いかもしれないけどな……でもこれは事実だ」
「吉光、蒼が逃げたらただでは済まないだなんて、あまり追い詰めないで下さい。蒼の気持ちを考えてなさすぎる。それでは全て蒼のせいだと言ってるようなものですよ?」
 さっきは阿知波との仲を時間の問題だと言っていたというのに、さすがに気の毒に思ったのか、上原が蒼を庇い始めた。
「俺だってあいつが今まで通りだったらとっくに諦めるように言ってるさ。ゲイでも無いのに男に惚れられるなんて気の毒なだけだしな。でも、あいつはお前に惚れてから変わったんだ。良い方向に。やっと普通の人間らしい感情を持って、誰かを大事にするって事を学んでる」
「……」
「確かに、以前のあいつは最低だった。見ていて女や周りの人間が気の毒になるくらいにな。そんな奴が……あいつが初めて見つけた、本気で愛したいと思ったのがお前だ。その気持ちを踏みにじるのか?」
「踏みにじるだなんて、そんなつもりは……あいつだって」 
 事情を言ったら納得してくれたと言いたいのに、白坂は言う暇を与えてくれなかった。
「違うのか? 散々振り回してあいつの気持ちを本気にしないじゃないか。少しは信じてやってくれないか? 見ていてあいつが可哀想だ」
「吉光、いい加減に……」
 あまりの言い分に上原が言葉を返すが、白坂は全く取り合ってくれない。
「俺が……振り回して……?」
 白坂は蒼が阿知波を変えたと言う。
 なのに、振り向きもせず、阿知波を振り回していると非難する。
 だが、それは当たり前の反応だろう。男が男に惚れられて嬉しく思うはずがない。ましてや相手は敵対していた人間だし、素直に心を開けないのは仕方がない。
 振り回されているのはこっちの方だ。
勝手に惚れて追いかけ回し、人の都合も聞かず何度断っても諦めないのは阿知波なのに。
 それなのに、皆、悪いのは蒼だと言う。
 阿知波は自分の気持ちを分かってくれないと言っていた。白坂も同じだ。
 速水達は自分が男に好かれるのを自覚しろと言い、舞の仲間は蒼が勝手に阿知波の女を騙って困らせていると責めた。
 自分の知らない所で、いつの間にか話が進んでいる。
 みんながみんな、蒼が悪いと言う。
 BLUEの傘下が潰されたのも
 舞が蒼を狙うのも
 誰かが裏切ったのも
 みんなみんな、蒼のせいだと。
「全ての元凶はお前だ」
 そう言われている気がした。
(全部、俺が……?)
 どこへぶつけていいのか分からない感情が次々と押し寄せてくる。心のやり場が見つからないまま黙っていると、上原と白坂が声を上げた。
「蒼!?」
「望月……どうした?」
「え……?」
 二人に言われてふと気付くと、なぜか涙が流れていた。止まらない涙は頬を伝い、蒼の服を濡らしていく。
「あれ……なんだろ?」
 別に悲しいわけでもない。怪我した足が泣くほど痛いわけでもない。だが、不思議と涙が止まらず、止めようとすればするほど涙は流れていく。
 原因は分からないが、身体のコントロールが出来なくなっていた。
「悪い。体調悪いんだったな……言い過ぎた」
 それを見て白坂が謝罪する。いきなり見せた涙に罪悪感を覚えたのかもしれない。
「いや……俺もよく分かんねえ……こんなの初めてだ」
 目を擦りながら呟くと、上原が蒼の肩に手をかけた。
「蒼、今日はもう帰った方がいいですよ。きっと疲れてるんです。あいつらの事は吉光達に任せましょう」
「そうだな……その方がいい。後は俺達がやっておくから」
 白坂も同意し、頷いた。
 だが、先ほどから漠然とした思いが心に浮かんでは消えていた。
「なあ、白坂」
「なんだ?」
「俺と阿知波……しばらく会わない方がいいような気がするんだ」
「は? 何言ってんだ……さっき俺が言った事忘れたのか?」
 白坂は蒼の突然の言葉に驚いている。
だが、自分がいる事で舞を煽っているならば、阿知波のそばにいない方がいい。
 自分が居なくなる事で阿知波が荒れるというのなら、深い関係にならないうちに離れた方がいいような気がした。
「舞の目的は知らねえけど、俺を潰してあいつが喜ぶって言ってんなら、たぶんあいつに好意を持ってる。じゃあ、あいつが俺を好きだと知ったらどうなる?思い込みだけで一人の為にチームを潰す奴だ。そばにいると知ったら……何をするか分からない」
「まあ……それも考えられますが、だからと言って会わないというのは……」
「ああ、ちょっと考えが飛躍しすぎだ。それに黒夜が納得するとは思えない。冷静になれよ」
 二人が宥めてくるが、自分は冷静のつもりだった。
「俺は冷静だ。事が落ち着くまでは離れた方がいいと思う。会わなくても連絡はできるし」
 蒼の真剣な表情を見て本気だと悟ったのか、白坂が肩をすくめて困った顔をした。
「じゃあ、黒夜に直接言え。俺から伝えるなんて怖くてできねえよ」
「……」
「黒夜を呼ぶぞ?」
「……うん」
 そして、白坂は阿知波を止めに向かった。
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