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番外編 傷がなかった理由
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「あの傷を消したいんです」
自分の怪我の手当の最中だというのに、この特殊体質の兄ちゃんは、自分そっちのけの発言を始めた。
そういう性格なんじゃろうなあ、と出会ったころから思っておったが、はてさて、やっかいな患者だわい。
小宮山桐生は、先天性の遺伝子疾患。通称ヴァンパイア体質。
医学に関わる最低ラインに属する自分ではあるが、その通称名は極力使いたくはない。
世間が偏見により作り出した病名であり、差別の塊と言っても過言ではない。
はっきりした理論はわからん。
血を主食とするコウモリは、数百万年前から存在すると言われている。
人類の歴史よりはるかに長く存在する生物と、人類の祖先たる生物になんらかの交わりがあり、効率的な栄養補給として血を食べる種ができたと仮説して。
彼らは静かに独自の進化、退化を繰り返し、人間と交配する中で表に出なくなり、稀に出現する劣性遺伝子として現代に残った。
儂からすれば、他の疾患となんら変わりはない。解明されていない病は星の数ほどある。
「令一の傷は、放置すれば痕が残ります。
早急に治療したいんです。
僕ならできます。そうでしょう?」
この兄ちゃんは、不遇な体質にねじ曲がらず、まっすぐ育った青年だ。
ごく少数の存在とはいえ、力を悪用する者もいる。あの男のように快楽で殺人を繰り返す者もいる。
特別な能力だと錯覚したり、自分は化け物だと過度に卑下したり。
あー、この兄ちゃんには後者の気はあるなあ。
「その前に聞くぞい。
兄ちゃん、ケンカ慣れしとらんのに、大立ち回りやったんかい」
「ええと、その……。
頭に血が上ってしまって、自分でも驚いています。なんであんなことできたんだろう」
格闘というのは、訓練していても危険が伴う。
ずぶの素人が行えば、攻撃されたほうだけでなく、したほうも負傷する。
兄ちゃんの場合、回し蹴りを放った左足の腱と足首、膝関節が腫れあがっていた。
それ以外の場所も痛むというので、儂は笑顔でストロー付き輸血パックを差し出してやった。
この体質の人間は、血液食によって自らを治癒できる。
一般人は数か月ほどギプスで固定する重傷だが、こうすればすさまじい速さで治ってくれる。
「うええ、マズイ……」
「前で懲りたかと思ったが、兄ちゃんは懲りんタイプらしいな。
儂がいいというまで、足の固定器具を勝手に外すでないぞ。歩く時は左足に負担がないよう松葉杖を使え」
「そこまでひどい怪我なんですか」
「兄ちゃん。
痛いじゃろう?
痛みの度合いで想像つかんか?」
「すみません、痛みに鈍くて」
ため息しか出ない。
鈍いのではなく、生きるために耐える癖がついただけだ。
採血の針を刺せば痛そうにするし、触診では悲鳴を上げていた。痛覚が鈍いのではない。激痛や苦痛の中で動けるよう、何年も訓練したのだろう。
阿呆じゃなあ。
「話を戻します。
一刻も早く、令一の全身の傷跡と内出血を消そうと思います。
力を貸してくれませんか」
いつのまに儂の本棚から抜き去ったのか。『穿刺吸引法』やら『ドレナージ』に関する医学書が兄ちゃんの脇にある。
自力で調べた上での発言か。
「針やカテーテルでの吸引ではなく、兄ちゃんが直接噛んで唾液で治療し、内出血を吸い出すということじゃな」
「はい。理論上、可能だと思います」
「理論上はな。
儂が一般人に患者の治療をさせると思うか?」
「…………。
ヴァンパイアが噛むなんて、医療じゃないですよね。
民間療法です。だから一般人が行っても罪になりません」
「そうくるか」
儂は笑った。
なんという屁理屈よ。
この分だと、治療に伴う危険性も理解しているようだ。
「時間は30分きっかり。それ以上は認めん。
儂が立ち会い、指示する。
途中で兄ちゃんに危険が及んだら中断じゃ。
ひとつでも呑めんなら許可はできん」
「やります。30分で、やってみせます」
自らも満身創痍で、それでも恋人に刻まれた暴行の痕跡を消し去ろうという気概は認める。
しかしなあ。この兄ちゃん、いろいろ危なっかしい。
医者からすれば面倒な性格。心底面倒じゃ。
儂は必要な器具を準備すると、患者である朝霧令一を手術室に運んだ。
万が一にも途中で目覚めてはいかん。量を調節しながら、弱めの全身麻酔を施す。
手術着に着替え、車椅子の小宮山桐生が手術室に現れる。
足を痛めた状態で長時間立つのを許さなかったので、こうなった。
「溝口先生。始めます。
裂傷が大きい左右の首から行います」
「手順を間違えんようにな」
小宮山桐生は緊張を飲み込みながら、朝霧令一の首筋に歯を立てた。
数十秒、牙を埋めたまま内部の裂傷を治癒する。
あえて吸った内出血は、用意したバケツに吐き出した。
「うえぇっ、げほ、げほっ! ううっ!」
「こりゃ。少しも飲み込むなと言ったろ。
うがいして吐き出せ」
「は、い……。少し、喉に入っただけです。
大丈夫です。いけます」
朝霧令一の左首筋は、まるで何もなかったかのように綺麗に治っていた。
内出血も痣も傷跡もない。
医者としては見惚れる能力。
しかし、朝霧令一より、小宮山桐生のほうが危険であるから、目が離せない。
内出血は劣化している。劣化した血液は、この体質持ちには毒となる。
一定量以上を飲み込めば、死に至ることもある。
「ごほっ! げぇ、うぐ…っ」
バケツに嘔吐しながらも、小宮山桐生は朝霧令一のすべての傷跡を28分で消し去った。
内部組織の痛みは残っているだろうが、本来なら見目に一生刻まれた傷跡は、どこにもない。
儂は小宮山桐生に胃洗浄を施し、胃に落ちた劣化血液をすべて吐き出させた。
「眠いじゃろ」
「は、い。
ねむい、です」
全身麻酔を施す相手から体液を吸ったのだから、飲み込まなくても口内で微量に吸収する。
いつ意識を失ってもおかしくない状況を、この兄ちゃんは、根性で耐えた。
どういう根性でここまでできるのか。体質による身体能力なのか。
それとも。
恋人に行われた暴虐に対する、激しい怒りからか。
「車椅子にもたれて眠れ。
そのための車椅子じゃ。手術着は適当に脱がせておくぞい」
「ありがと……ござ……」
最後まで言わずに、小宮山桐生は眠りに落ちた。
傷跡がきれいになった朝霧令一の麻酔を切る。
もうしばらく、ふたりともゆっくり眠るといい。
この兄ちゃんたちの戦いは、目覚めた後から始まるじゃろう。
「精神は専門外なんじゃがなあ」
ここから立ち直れるかは、このふたり次第。
心を踏みにじられた人間は、壊れてゆくのか、踏みとどまるのか。
「医者は、いつも何もできんもんじゃ」
器具を手際よく片付けながら、溝口医師はぽつりと呟いた。
かつて、できないことはないと奢っていた若医者の姿は、今はどこにもなかった。
番外編おわり
自分の怪我の手当の最中だというのに、この特殊体質の兄ちゃんは、自分そっちのけの発言を始めた。
そういう性格なんじゃろうなあ、と出会ったころから思っておったが、はてさて、やっかいな患者だわい。
小宮山桐生は、先天性の遺伝子疾患。通称ヴァンパイア体質。
医学に関わる最低ラインに属する自分ではあるが、その通称名は極力使いたくはない。
世間が偏見により作り出した病名であり、差別の塊と言っても過言ではない。
はっきりした理論はわからん。
血を主食とするコウモリは、数百万年前から存在すると言われている。
人類の歴史よりはるかに長く存在する生物と、人類の祖先たる生物になんらかの交わりがあり、効率的な栄養補給として血を食べる種ができたと仮説して。
彼らは静かに独自の進化、退化を繰り返し、人間と交配する中で表に出なくなり、稀に出現する劣性遺伝子として現代に残った。
儂からすれば、他の疾患となんら変わりはない。解明されていない病は星の数ほどある。
「令一の傷は、放置すれば痕が残ります。
早急に治療したいんです。
僕ならできます。そうでしょう?」
この兄ちゃんは、不遇な体質にねじ曲がらず、まっすぐ育った青年だ。
ごく少数の存在とはいえ、力を悪用する者もいる。あの男のように快楽で殺人を繰り返す者もいる。
特別な能力だと錯覚したり、自分は化け物だと過度に卑下したり。
あー、この兄ちゃんには後者の気はあるなあ。
「その前に聞くぞい。
兄ちゃん、ケンカ慣れしとらんのに、大立ち回りやったんかい」
「ええと、その……。
頭に血が上ってしまって、自分でも驚いています。なんであんなことできたんだろう」
格闘というのは、訓練していても危険が伴う。
ずぶの素人が行えば、攻撃されたほうだけでなく、したほうも負傷する。
兄ちゃんの場合、回し蹴りを放った左足の腱と足首、膝関節が腫れあがっていた。
それ以外の場所も痛むというので、儂は笑顔でストロー付き輸血パックを差し出してやった。
この体質の人間は、血液食によって自らを治癒できる。
一般人は数か月ほどギプスで固定する重傷だが、こうすればすさまじい速さで治ってくれる。
「うええ、マズイ……」
「前で懲りたかと思ったが、兄ちゃんは懲りんタイプらしいな。
儂がいいというまで、足の固定器具を勝手に外すでないぞ。歩く時は左足に負担がないよう松葉杖を使え」
「そこまでひどい怪我なんですか」
「兄ちゃん。
痛いじゃろう?
痛みの度合いで想像つかんか?」
「すみません、痛みに鈍くて」
ため息しか出ない。
鈍いのではなく、生きるために耐える癖がついただけだ。
採血の針を刺せば痛そうにするし、触診では悲鳴を上げていた。痛覚が鈍いのではない。激痛や苦痛の中で動けるよう、何年も訓練したのだろう。
阿呆じゃなあ。
「話を戻します。
一刻も早く、令一の全身の傷跡と内出血を消そうと思います。
力を貸してくれませんか」
いつのまに儂の本棚から抜き去ったのか。『穿刺吸引法』やら『ドレナージ』に関する医学書が兄ちゃんの脇にある。
自力で調べた上での発言か。
「針やカテーテルでの吸引ではなく、兄ちゃんが直接噛んで唾液で治療し、内出血を吸い出すということじゃな」
「はい。理論上、可能だと思います」
「理論上はな。
儂が一般人に患者の治療をさせると思うか?」
「…………。
ヴァンパイアが噛むなんて、医療じゃないですよね。
民間療法です。だから一般人が行っても罪になりません」
「そうくるか」
儂は笑った。
なんという屁理屈よ。
この分だと、治療に伴う危険性も理解しているようだ。
「時間は30分きっかり。それ以上は認めん。
儂が立ち会い、指示する。
途中で兄ちゃんに危険が及んだら中断じゃ。
ひとつでも呑めんなら許可はできん」
「やります。30分で、やってみせます」
自らも満身創痍で、それでも恋人に刻まれた暴行の痕跡を消し去ろうという気概は認める。
しかしなあ。この兄ちゃん、いろいろ危なっかしい。
医者からすれば面倒な性格。心底面倒じゃ。
儂は必要な器具を準備すると、患者である朝霧令一を手術室に運んだ。
万が一にも途中で目覚めてはいかん。量を調節しながら、弱めの全身麻酔を施す。
手術着に着替え、車椅子の小宮山桐生が手術室に現れる。
足を痛めた状態で長時間立つのを許さなかったので、こうなった。
「溝口先生。始めます。
裂傷が大きい左右の首から行います」
「手順を間違えんようにな」
小宮山桐生は緊張を飲み込みながら、朝霧令一の首筋に歯を立てた。
数十秒、牙を埋めたまま内部の裂傷を治癒する。
あえて吸った内出血は、用意したバケツに吐き出した。
「うえぇっ、げほ、げほっ! ううっ!」
「こりゃ。少しも飲み込むなと言ったろ。
うがいして吐き出せ」
「は、い……。少し、喉に入っただけです。
大丈夫です。いけます」
朝霧令一の左首筋は、まるで何もなかったかのように綺麗に治っていた。
内出血も痣も傷跡もない。
医者としては見惚れる能力。
しかし、朝霧令一より、小宮山桐生のほうが危険であるから、目が離せない。
内出血は劣化している。劣化した血液は、この体質持ちには毒となる。
一定量以上を飲み込めば、死に至ることもある。
「ごほっ! げぇ、うぐ…っ」
バケツに嘔吐しながらも、小宮山桐生は朝霧令一のすべての傷跡を28分で消し去った。
内部組織の痛みは残っているだろうが、本来なら見目に一生刻まれた傷跡は、どこにもない。
儂は小宮山桐生に胃洗浄を施し、胃に落ちた劣化血液をすべて吐き出させた。
「眠いじゃろ」
「は、い。
ねむい、です」
全身麻酔を施す相手から体液を吸ったのだから、飲み込まなくても口内で微量に吸収する。
いつ意識を失ってもおかしくない状況を、この兄ちゃんは、根性で耐えた。
どういう根性でここまでできるのか。体質による身体能力なのか。
それとも。
恋人に行われた暴虐に対する、激しい怒りからか。
「車椅子にもたれて眠れ。
そのための車椅子じゃ。手術着は適当に脱がせておくぞい」
「ありがと……ござ……」
最後まで言わずに、小宮山桐生は眠りに落ちた。
傷跡がきれいになった朝霧令一の麻酔を切る。
もうしばらく、ふたりともゆっくり眠るといい。
この兄ちゃんたちの戦いは、目覚めた後から始まるじゃろう。
「精神は専門外なんじゃがなあ」
ここから立ち直れるかは、このふたり次第。
心を踏みにじられた人間は、壊れてゆくのか、踏みとどまるのか。
「医者は、いつも何もできんもんじゃ」
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