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第4話 我王の社に仕える巫女
我王の社に仕える巫女 其ノ弐
しおりを挟むグゥアウムオゥを奉る神社──我王ノ社。
某県某所の人里離れた山奥に、旧神の勢力から逃れるように建立されたこの神社は、かつて見るも無惨に朽ち果てた廃神社だった。
しかし、ある噂の発信源として都市伝説的な知名度を持っていた。
この神社にお参りすれば──どんな願いも叶えられる。
7つ集める龍の玉とか、過去の英雄の魂をぶち込む聖杯とか、フィクションには願いを叶えてくれるアイテムに事欠かないが、願いを叶えるまでのプロセスには艱難辛苦が付きものだ。それが物語の旨味となるのだから。
だが、我王ノ社でのプロセスはそこまでドラマチックではない。
どことも知れない神社を探し当て、途中まで車を使えば苦にもならない道のりを乗り越えて、本殿までやって来たら賽銭箱にいくらか投げ入れ、二礼二拍手した後に叶えてもらいたい願いを頭に浮かべ、最後に一礼すればいい。
たったこれだけで――願いが叶う。
ただし、ここから先はホラーのテリトリーだ。
こんなあっさり簡単に願いを叶えてくれるなんて、裏があるに決まっている。誰だってそう思うのではなかろうか? その予想を裏切らない。
うまい話には裏がある、よくあることだ。
グァウムオゥは願いを叶えてくれる。前言した通り、願った者のどんな願いも叶えてくれるのだ。ただし、その願いを叶える対価というか代償というか……いや違う、正しくは“材料”を要求するのだ。
材料となるのは――願った本人。
その結果、願う者は願ったものに作り替えられる。
使えきれない大金を欲した者は、その者が暮らす国のお札や硬貨に――。
飲みきれない美酒を求めた者は、本人が呑みたいと思う数々の酒類に――。
最高の美女を我が物にしたい思う者は、当人こそが最高の美女に――。
グァウムオゥは聞き届けた願いを元に、願いを持つ本人をその願いの対象物へと変えることで「願いは叶えたぞ」と言い張る神なのだ。
――ぶっちゃけ邪神である。
勿論クーリングオフなどあり得ない。
神社の本殿前で祈ればグァウムオゥへの願いは伝わるものの、当の神様に会えるわけではないし、会えたとしても話が通じるかどうかも怪しい。なにせ宇宙創世の頃から暴れ回っていた、年季の入った邪神様だからして。
また、変えられた者が邪神へクレームを申し立てることもない。
グァウムオゥは願う者を作り替える際、この世のものとは思えない快感を与えることで、変えられた姿が最高に気持ちいい状態にする。
自分の求めるもの──己の願ったもの。
それに生まれ変われたことに多幸感を感じ、凄まじい達成感に満たされる。この時に解き放たれる人間の欲望をグァウムオゥは糧としていた。
人間の情動とは根源的なエネルギーのひとつ。
虚仮の一念は岩をも通し、愚直な信念は小石を積み上げて山を成す。
世界さえ作り替える可能性を秘めた人間の欲望を、グァウムオゥは好んで餌食とする。情動の源である欲望を喰らうことで力を蓄えているのだ。
御崎紅葉、森野毘斗流、金子泰三、大蔵信司──。
暇を持て余していた4人の男子大学生は、ちょっとした肝試しのつもりで我王ノ社を訪れ、それぞれの願いをグァウムオゥに捧げてしまった。
肝試しのついで、ほんの遊びのつもりだった。
グァウムオゥは彼らの願いを聞き届け、しっかり叶えてくれた。
ギャンブル狂の金子はとにかく金に困っていたので大金を望み、自らが使い切れないほどの大金に変えられてしまった。無類の酒好きだった大蔵は何百本もの高級酒を詰めた酒瓶になっていた。
それでも──2人の幸せそうな笑い声は止まない。
生き物でなくなっても当人の意識は金や酒に染みついているようで、その金を使ったり酒を飲んだりすると、金子や大蔵の喜ぶ感情が伝わってくるのだ。
一方、紅葉と毘斗流は特殊だった。
毘斗流は「この世に1匹しかいない貴重な昆虫が欲しい」と願った結果、黄金色に輝く巨大なカブトムシを手に入れたが、気が付いたらそのカブトムシと一体化しており、森野毘斗流の意識を持ったカブトムシになっていた。
紅葉は「理想の美女を手に入れたい」と願った結果、イラストレーターの手腕で密かに描いた美女が具現化、彼女と素晴らしい一夜を過ごしたのだが……怪物と化した彼女に取り込まれ、自らが彼女に成り果ててしまった。
今ではグァウムオゥの眷族として、モミジとビートルと名乗っている。
「……んで、なんの因果か邪神の手先だもんな」
巫女服に着替えたモミジは、かったるそうに境内を掃いていた。
女性としては身長が高く、そのおかげで八頭身。大人の色香を漂わせながらも、円らな瞳でそこはかとなく童顔の美貌。腰まで届く長い黒髪は癖のないストレートヘアで、前髪は綺麗に切り揃えたいわゆる姫カットだ。
特筆すべきは、巫女服では抑えきれない爆乳。
本来ならばサラシなどを巻いて押さえつけるのだろうが、モミジは敢えてブラを付けて盛り上がりを強調していた。その方がエロいからだ。
緋色の袴のお尻もこんもり盛り上がっている。
体型こそ日本人離れしたグラマラスボディだが、顔立ちは清楚でおとなしめの純日本風な美人。文系を意識してフレームの細い眼鏡をかけていた。
現実にはいない、アンバランスな美女である。
巫女に扮したモミジは竹箒でせっせと境内の掃除に励んでいた。
チャリンチャリン――軽い金属音がする。
モミジはちゃんとした神職というわけでもない。
巫女の格好こそしているが、元を正せば美女の姿をした魔物に変えられただけの元男子学生だ。神社の仕事なんて務まるはずもなかった。
つまり、神社にいてもやることがない。
「朝から晩まで掃除するくらいしか能がないんだよなぁ……」
神社の巫女さんとアパートの管理人さん(未亡人で美人)は、箒を持っているののが絵になっていると思うのはモミジの偏見だろうか?
モミジは暇さえあれば竹箒を手に境内をうろついていた。
「そう不貞腐れるな、おまえにしかできん仕事もある」
半ばヤケクソで竹箒を振り回すモミジに、ビートルが慰めるというよりも小馬鹿にした口調で言い聞かせてきた。
マスコットでも気取っているのか、モミジの左肩にちょこんと座っている。邪魔にならない気遣いなのか、大きさは幾分スケールダウンしていた。
気分次第でサイズを変えられるのも、眷族と化したビートルの能力だ。
モミジも憧れの美女に成り果てただけではなく、我王の眷族として魔物のような力を授かっている。どちらも真っ当な生き物ではなくなっていた。
チャリンチャリン――軽い金属音がする。
「へいへい、わかってますよーだ。噂に釣られて我王さまへ神頼みにやって来た、昔の俺たちみたいなお馬鹿さんを迎える受付嬢だってんだろ?」
「わかっているではないか、その後始末もな」
「後始末はおまえも手伝えよ。巨大化すればできるだろ?」
「この手足だと細かい作業には不向きでな」
ビートルはモミジに見せるため、樹木に捕まるためのカブトムシの脚を見せびらかすように振った。見た目より高性能なくせに……。
「……ったく、もっと片付けやすいものに変わってくれよな」
チャリンチャリン――軽い金属音がする。
賽銭箱の前には、さっきまで若い男だったものが散らばっていた。そのほとんどが100円玉や500円玉だ。お札は一足先に回収済みである。
我王さまに「金が欲しい」と願った男の成れ果てだ。
竹箒で小銭の山を掃き寄せたモミジは半眼で苦笑する。
「どんな願いを持っていたのか知らないけど、拝めばみんな金になる」
「ああ……私たちのように眷族化する者がいないな」
モミジとビートルがグァウムオゥの眷族になって早半年。
廃神社を綺麗に建て直して、モミジが綺麗なお姉さんを演じてあちこちで我王ノ社の噂を流した結果、参拝客はそこそこ訪れるようになった。
風の噂を頼りに、週2~3人はやってくる。
「噂を真に受けてやってきて、出迎えたあたしの美貌とスマイルゼロ円の笑顔に唆されて、我王さまにちゃんとお願いするのはいいんだけど……」
これだもんなぁ、とモミジは足下の500円玉を蹴った。
「老いも若きも男も女も、まず求めるは現世利益……世知辛いな」
ビートルも肩から飛び降りて境内の石畳に降りると、カブトムシの前脚で転がっていた100円玉を持ってしみじみと言う。
「まあ無理もあるまい。神社でお願いすることなど高が知れている。幸せになりたい、楽になりたい、豊かな生活を送りたい……そんな在り来たりなことを願えば、先立つものしか頭に浮かばないだろうからな」
「先立つもの、イコールお金ってわけね」
「大体、噂を頼りに神社へ来るような輩は、昔の私たちのようによっぽど暇を持て余した若者か、食い詰めて二進も三進もいかなくなかった貧乏人だ。後者が真っ先に欲しがるのは、後にも先にも金だろうよ」
ギャンブル、ソシャゲ、スパチャ、FX、株式、先物取引……。
「そんなもので失敗した連中が、電車へ飛び込む前に思い立ち、藁にも縋る思いでやってくるのだ。そりゃあ誰もが大金を求めるに違いない」
「そんで金になってりゃ世話ないね」
モミジは掃き集めた小銭の山をちり取りで掬い取る。
社務所を兼ねた自分たちの住処へ運ぶと、片付けるのも面倒になってきた八畳一間へ放り込む。
そこは──人間の成れ果てで埋め尽くされていた。
ほとんどが日本銀行が発行した銀行券……いわゆる一万円札、五千円札、千円札、といった紙幣から、500円玉から1円玉までのような硬貨だった。紙幣も硬貨もゴチャゴチャ、貯金箱の中みたいな有り様になっていた。
まれに高そうな金貨や銀貨も混ざっているが、仕分けるのも面倒なのでそのままにしている。宝石なんかもチラホラ見掛けるが気にしない。
モミジはちり取りに詰めた小銭を適当にばらまいた。
「我王の親方を拝むと、みんな金になる……その理屈はなんとなくわかってきたけどさ。あたしたちみたいな眷族になれるのはレアケースとして、もっと他の変わったものに成り果てることはないのかね?」
「親方ではない、御方様と呼べ」
グゥアウムオゥへの尊称を正してからビートルは続けた。
「うーむ、大概は金になるのがオチだな」
モミジが不在の時だが、とビートルは話を前振りしてくる。
「アイドルオタクらしい男がやってきてたんだ」
「そういう奴って当人がアイドルに変わるもんじゃないの?」
俺みたいに──モミジは山盛りの乳房に手を添えた。
現実には存在しない理想の女性像を夢想するあまり、イラストレーターの技術でそれを描いていたモミジは、その願いをグァウムオゥに叶えられた。
理想の女性を模した怪物に変えられたのだ。
「私もおまえみたいになると予想した。そうなれば出迎えの巫女と宣伝役の売り子と手分けして効率も上がる……そんな期待もしたのだがな」
現在どちらもモミジが兼任している。
モミジは数日置きに下山すると、あちこちで我王の社の噂について吹聴し、人々が我王ノ社を参るように仕向けていた。
ただし、やり過ぎないように注意している。
まかり間違って我王ノ社が人気のパワースポットになり、大勢の参拝客が押し寄せでもしたら、旧神を崇拝する正義の味方に目を付けられるはずだ。
そうなれば最後、グゥアウムオゥとその眷族は滅ぼされる。
モミジやビートルは秘密裏に抹殺されるだろう。
なので、モミジは噂を流すのにも細心の注意を払っていた。
やってることは撒き餌である。
そのアイドルオタクも撒き餌に寄ってきたらしい。
「結局そいつも金になってしまったがな」
「なんで? アイドル好きなら、そのアイドルとあれやこれやと公の場で言えないようなやらしいことしたい欲望いっぱいだから、その願いを我王の親方にひねくれて叶えられて、自分がアイドルになるもんじゃないの?」
「だから……御方様と呼べ!」
生真面目なビートルにまた叱られる。
グゥアウムオゥから力を分け与えられ、手足となって働く眷族となった割には、ビートルとモミジで忠誠度にあからさまな差があった。
いや、忠誠度に優劣はない。
モミジの場合、無愛想だけど人付き合いのいい男子大学生だった頃はひたむきに隠していた。自由気ままで放埒な面が表に出てきた。
そのためか忠誠心はあれど、態度がおざなりになってしまうのだ。
心の中ではちゃんと我王の御方様を敬っていた。
「どうもな、目的と手段が入れ替わっているらしい」
「手段が目的になった、ってことか?」
今時のアイドルにありがちなことだが、とビートルは説明する。
「最近のアイドルはほとんどが大人数のグループだ。その中でも自分の“推し”を選んで、そのアイドルに投資するみたいに金銭を注ぎ込む……人気投票にしろ握手会にしろ、大量のCDを買ってそのための投票券を集めたりな」
動画配信者への投げ銭もそうだ、と似た事例も並べる。
「“推し”への愛情表現はとにかく金を使うこと……それに尽きている」
「その資金が欲しくて金になっちゃったのか?」
「そう考えるのが妥当だろう。金さえあれば何とかなる……と考えてな」
そのアイドルオタクに限った話ではない。
「他にも意中の異性を振り向かせたいとか、物にしたいとか、色恋沙汰を願う者もいたが……そのために必要なのは金だと思ったようだ」
「本来のお目当てである女や男を求める前に、そいつを手に入れるための軍資金を願っちゃったってわけ?」
やっぱり、みんな金に変わったそうだ。
「ある意味、現実的な手順を踏んだと言えるな」
──大金さえあれば何とかなる。
言い方は悪いが、現代社会はそういうところがあった。
理性でそう考えてしまうのか、本命の願いを叶えるための現金をたくさん欲しいとグゥアウムオゥにお願いしてしまうらしい。
「色恋沙汰だけじゃない。たとえば綺麗になりたいとか美人になりたい、イケメンになりたいマッチョになりたい、痩せたい太りたい、あるいは男になりたい女になりたい性別を変えたい……そういう変身願望を持った連中は自分の肉体を整形する資金を求めて、やっぱり金に変わるのだ」
「本末転倒じゃないか。叶えたい願いがどっか行っちゃってるじゃん」
「というより、現実的に考えてるんだろうな」
神様にお願いしたぐらいで、なりたい自分に生まれ変われるはずもない。
だったら自分が変わるための軍資金をください。
「……そう無意識に願ってしまうらしい」
「なんだよそれ、現代っ子は夢を見ないわけだぜ」
面白くもない、とモミジはぼやきみたいな感想を口にした。
肩に乗ったビートルは宥めるような言い方をする。
「確かに面白くはないな。おまえの気持ちもわからんでもない……しかし、現代人の誰も彼もが金に固執するばかりではないぞ」
ビートルはモミジの肩から飛び降りた。
カブトムシらしく羽を広げて飛んでいる。そういうドローンみたいだ。
「いいものを見せてやろう」
勿体ぶった口調のカブトムシは、もしかすると笑ったのかも知れない。
昆虫の表情なんて読み取れるわけもないが……。
● ● ● ● ● ●
ビートルは気分次第でサイズを変えられる。
最小ならコガネムシくらい、最大は大型ダンプなどの特殊車両くらいまで大きくなれるらしい。そこまで巨大化すれば怪獣だ。
モミジの肩に乗る時は全長8㎝、標準的なカブトムシである。
床へ降り立つと中型犬くらいの大きさになり、カブトムシのくせして人間みたいな二足歩行でトコトコと部屋の隅へ向かう。
そして、お金に埋もれかけた段ボール箱を持ってきた。
「おまえが神社の噂を流すために街をうろついて留守の間にも、それなりに参拝客がやってきてな。そのうちの何人かは面白い変化を遂げたのだ」
「変化って……この段ボールにか?」
「見たまんまじゃない。変化したものはこの中身だ」
ビートルは段ボールを開ける。
まず目に入ったのは、透き通った輝きを放つ大小のボールみたいなものだ。金色のリンゴ、青緑に輝く水晶、銀色の光沢を持つ葡萄……。
「これが元人間? こいつは何を願ったんだ?」
ぱっと見で連想したのは──パワーアップアイテム。
ソーシャルやコンシューマーなど関係ない。ゲームのキャラクターに与えると、能力が向上したり特殊能力を覚えるアイテムだ。
「こいつらはな、どうやら特殊能力を求めたらしい」
「特殊能力って……マンガの主人公が持ってるようなやつ?」
そうだ、とビートルは炎を宿した木の実を手に取る。
「自然現象を操る能力、人間の五感を惑わす能力、時間や空間を操る能力、状況に応じて肉体を変化させる能力……フィクションの登場人物、特にファンタジー系なら必須の力。そういったものを欲しがったようだ」
結果──特殊能力そのものになってしまった。
能力に覚醒して、映画に登場するヒーローのようになりたかったのかも知れないが、自分は能力に変わり果てるとは皮肉だった。
このねじくれた願いの叶え方こそグァウムオゥである。
「これらは特殊能力の精髄だ。食べれば能力を身に付けることができる」
「どっかの海賊漫画にあった悪魔の実みたい……っておい!?」
モミジが止めるより早く、ビートルはカブトムシの口を牙のように変化させると、炎を宿した木の実に齧り付き、あっという間に食べてしまった。
すると、カブトムシの角が真っ赤に燃え上がる。
赤熱化した角からは炎を噴き、その火力を自在に調節していた。
「……ふむ、食べれば能力が身に付き、使い方を覚えられるのか。意のままに使いこなすには練習が必要のようだがな」
「いや、あの……食べていいもんなのこれ?」
元人間を食べるビートルにドン引きするモミジだが、よくよく考えてみれば大蔵が変わったお酒をガブガブ飲んでいるので今更だった。
ビートルは能力の精髄が詰まった段ボール箱をモミジに押してくる。
「おまえも食べておけ。御方様の許可は頂いている」
眷族が強くなれば役に立つ、というお考えらしい。
「こいつらは人格や肉体を失い、能力の精髄になったとはいえ、私たちと同じ御方様の眷族だ。使ってやらねば勿体ない」
モミジはツンツン、とおっかなびっくり黄金のリンゴを指先でつつく。
「2つ食べたら身体が爆発する……とかないよね?」
「世にいう悪魔の実ではない。1人で複数食べたところで問題ないし、むしろ能力を複合させることでパワーアップも可能だ」
あと美味い、とビートルは銀色の葡萄まで貪った。
本当に美味しそうに食べるので、モミジも唾を飲んでしまう。
「似たり寄ったりの能力が多いから、それは分け合おう。おまえは客引きに使えそうな魅了系や催眠系、幻惑系などを大目に食べておいてくれ。私はいざという時に戦えるよう攻撃系や肉体強化系をメインに……」
「──あ、ちょっと待って」
ビートルの説明を遮り、モミジは女の子っぽく手を合わせた。
「せっかくだからこれ、三時のお茶のおやつにしよう」
「……おまえも女子が板に付いてきたな」
ナイスアイデアと思ったのに、ビートルに小馬鹿にされてしまった。
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