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二日目
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買った商品を袋に詰めて、四人がスーパーを出ると、すぐ、
「さっきのひと、なんだか、気持ち悪くなかった?」
アキが、げんなりした顔で、言った。
その言葉に、レンとリクはふたたび無言で顔を見合わせる。
(たった一日で、同じ人間の印象があれほど大きく変わるものだろうか)
(見た目は同じでも、中身はまったくの別人……)
(まるで、昨夜のうちに何者かから強力な洗脳でも受けたかのような――)
レンは、ひとりでさっさとミニバンに乗り込んでいくユウトを見つめて、考える。
(以前と印象が変わったといえば、ユイと、それから、ユウトもだ)
(上手く言えないが、昨日までとは、何かがちがう。アイツの中で、何か決定的な変化が起こったような気がする……)
(もし、それがただの思い過ごしでないとすれば、ユウトを変えたのは、おそらく、ユイ……)
レンはまた、あの夜の砂浜で、その黒い瞳に狂気を宿らせながら彼の肉体を責め尽くした女の顔を思い出して、思わず身震いした。
(何かが、おかしい……。この島でいま、何かが起きている。常人には想像もできないような、恐ろしいことが――)
皆に遅れて、レンが最後にミニバンに乗り込み、ドアを閉めた、その時――、
バンバンバンバンッ!
と、突然、何者かが激しく窓ガラスを叩き、車内にいる全員が一斉に飛び上がった。
「きゃあっ、なっ、なにっ!?」
「開けてェッ! ねぇ、おねがいだから、開けてェーッ!!」
見れば、八十代くらいの老女が、必死の形相でミニバンの窓に張りつき、叫んでいる。
「なっ、何だ……?」
「開けてェッ! 開けてよォーッ!!」
「どうしよう……?」
皆が呆然とする中、意外にも、
「とりあえず、ドア開けて話を聞いてあげようよ」
と言ったのは、アキだった。
「そう、だな……」
レンが恐る恐るドアを開けると、
「ありがとォー、ありがとォねェーッ!」
老女は、シワだらけの顔をさらにシワくちゃにして涙を流しつつ、勢いよく車内に乗り込んできた。
「……どうしたの、おばあちゃん? 何かあったの?」
アキが問うと、老女は、血走った目をギョロギョロさせながら、世にも恐ろしいことを口にした。
「あの子らが、あたしば、殺そうとしとるとよ……。逃げんばいかんとおもって、あの子らが眠るのば待って、家ば飛び出してきたとよ……」
「さっきのひと、なんだか、気持ち悪くなかった?」
アキが、げんなりした顔で、言った。
その言葉に、レンとリクはふたたび無言で顔を見合わせる。
(たった一日で、同じ人間の印象があれほど大きく変わるものだろうか)
(見た目は同じでも、中身はまったくの別人……)
(まるで、昨夜のうちに何者かから強力な洗脳でも受けたかのような――)
レンは、ひとりでさっさとミニバンに乗り込んでいくユウトを見つめて、考える。
(以前と印象が変わったといえば、ユイと、それから、ユウトもだ)
(上手く言えないが、昨日までとは、何かがちがう。アイツの中で、何か決定的な変化が起こったような気がする……)
(もし、それがただの思い過ごしでないとすれば、ユウトを変えたのは、おそらく、ユイ……)
レンはまた、あの夜の砂浜で、その黒い瞳に狂気を宿らせながら彼の肉体を責め尽くした女の顔を思い出して、思わず身震いした。
(何かが、おかしい……。この島でいま、何かが起きている。常人には想像もできないような、恐ろしいことが――)
皆に遅れて、レンが最後にミニバンに乗り込み、ドアを閉めた、その時――、
バンバンバンバンッ!
と、突然、何者かが激しく窓ガラスを叩き、車内にいる全員が一斉に飛び上がった。
「きゃあっ、なっ、なにっ!?」
「開けてェッ! ねぇ、おねがいだから、開けてェーッ!!」
見れば、八十代くらいの老女が、必死の形相でミニバンの窓に張りつき、叫んでいる。
「なっ、何だ……?」
「開けてェッ! 開けてよォーッ!!」
「どうしよう……?」
皆が呆然とする中、意外にも、
「とりあえず、ドア開けて話を聞いてあげようよ」
と言ったのは、アキだった。
「そう、だな……」
レンが恐る恐るドアを開けると、
「ありがとォー、ありがとォねェーッ!」
老女は、シワだらけの顔をさらにシワくちゃにして涙を流しつつ、勢いよく車内に乗り込んできた。
「……どうしたの、おばあちゃん? 何かあったの?」
アキが問うと、老女は、血走った目をギョロギョロさせながら、世にも恐ろしいことを口にした。
「あの子らが、あたしば、殺そうとしとるとよ……。逃げんばいかんとおもって、あの子らが眠るのば待って、家ば飛び出してきたとよ……」
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