【完結】異世界に行ったらイケメン騎士たちの愛玩人形にされました。~四人の騎士は砦の女王に溺れる~

たるとタタン

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倒錯 マルセル

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マルセルの囁きは、悪魔の呪文のように甘く、ゆきの理性を溶かしていく。

彼が男だと知った衝撃も、騙されていたという怒りも、彼の舌がもたらす巧みな快感の前では、たちまち霧散してしまう。

秘められた花園を丁寧に、執拗に味わう彼の行為は、羞恥を通り越して、背徳的な熱をゆきの全身に巡らせた。

「あ……っ、ふ……マル、セル……さん……」

「そう、その声……。マルレーヌじゃなく、ちゃんと僕の名前を呼んでくれたね」

顔を上げたマルセルは、恍惚とした表情で笑う。

その口元は濡れて艶かしく光り、ゆきは目を逸らすことができない。

彼はゆきが着ている瑠璃色のドレスを愛おしそうに撫でた。

「こんなに綺麗なのに、汚してしまうのは可哀想だ。……でも、君が僕に乱されていく姿は、何よりも見たいな」

彼はドレスの背中の編み上げをゆっくりと解き始めた。

しかし、すべてを脱がせることはしない。まるで贈り物のリボンを解くように、肌を少しずつ、焦らすように覗かせていく。

露わになった背中に、彼の冷たい指先が走り、ゆきの身体がびくりと跳ねた。

「ふふ、感じやすいんだね。僕のマルレーヌが言っていた通りだ」

彼はわざと「マルレーヌ」の名前を出し、ゆきを混乱させる。

女友達に身体の秘密をすべて知られていたかのような錯覚。その倒錯した状況が、言いようのない興奮を掻き立てた。

マルセルはゆきをうつ伏せにさせると、その背中に何度も口づけを落とした。

うなじから、肩甲骨へ、そして腰のくびれへと。彼の唇が辿った道筋が、燃えるように熱い。

「カイは力で君を支配し、キースは狡猾さで君を堕とした。……じゃあ、僕はどうしようかな」

彼はゆきを仰向けに戻すと、その手を取って、自身の硬く熱を帯びた男性の象徴へと導いた。

「っ……!」

初めて触れる男の熱量に、ゆきの手が震える。

「怖い?」

「……」

「大丈夫。君が望むまで、僕は入らない。……君が、僕を欲しくてたまらなくなるまで、こうして愛撫してあげる」

それは、地獄の始まりだった。

マルセルは約束通り、それ以上を求めることはせず、再びゆきの身体を隅々まで探ることに集中し始めた。

彼は、まるで聖域に触れるかのように、ゆきの胸の谷間に顔を埋め、その肌の匂いを深く吸い込む。

そして、硬く尖った蕾の先端を、舌先でつつくように優しく刺激した。

「んぅ……っ、ぁ……や……」

「嫌じゃないくせに。こんなに可愛く尖らせて」

指先では決して味わえない、濡れた舌の生々しい感触。彼は決して強く吸ったりはしない。

ただ、優しく、しかし執拗に、快感の縁をなぞり続ける。

じりじりと焼かれるような焦ったさに、ゆきは彼の髪を掻きむしりたい衝動に駆られた。

「もっと……してほしい?」

「……ん……」

「だめ。まだ早いよ」

彼は悪戯っぽく笑うと、今度はその唇をゆきのお腹へと滑らせた。おへその周りを舌でなぞり、くすぐったさと甘い疼きでゆきの身体を悶えさせる。

そして、彼の指は、再び下着のレースを押し分け、すでに蜜で濡れそぼった花園へとたどり着いた。

「すごいな。僕が触るたびに、どんどん甘くなっていく」
彼は一本の指で入り口をなぞり、もう一本の指で、その上にある硬い蕾を優しく弾いた。二方向からの刺激に、ゆきの腰がびくんと大きく跳ねる。

「あ、あああっ! そこ、だめ……っ!」

「どうして? ここが一番好きなんだろう?」

マルセルの言う通りだった。

そこは、カイもキースも知らなかった、ゆきだけの秘密の場所。

それを、まるで最初から知っていたかのように、彼は的確に攻め立ててくる。

「マルレーヌがね、教えてくれたんだ。ゆき様はきっと、ここを優しくされるのがお好きだって」

女の自分と、男の自分が、まるで共犯者のように囁き合う。

その倒錯した言葉が、ゆきの最後の理性を焼き切った。

「も、むり……イく……っ!」

「まだだよ」

絶頂の寸前、マルセルはぴたりと動きを止めた。熱い奔流が行き場を失い、身体の内側で渦を巻く。

「……なんで……」涙目で訴えるゆきに、マルセルは苦しそうな、それでいて恍惚とした表情を向けた。

「君があまりに可愛いから……。僕も、もう、おかしくなりそうなんだ……」

彼の額には汗が滲み、その呼吸は荒くなっている。

ゆきを焦らし、悦ばせるはずの行為が、彼自身の我慢の限界を試していた。

彼の瞳は、先ほどまでの余裕を失い、純粋な雄の欲望でぎらぎらと輝いている。

「ねえ、ゆき……」

「もう、我慢できない……。君の中に、僕の全部を注ぎ込んで、ぐちゃぐちゃに壊してしまいたい……」

それは、もはや懇願だった。

あれほどゆきを翻弄していた男が、今はただ、受け入れてもらうことを乞い願っている。

その姿を見て、ゆきの中に、今まで感じたことのない感情が芽生えた。

憐憫、庇護欲、そして、この美しい男を自分の手で救ってあげたいという、倒錯した母性。ゆきは、震える手を伸ばした。

そして、苦しげに喘ぐ彼の頬を、そっと撫でた。

「……マルセル……さん……」

その名前を呼んだ瞬間。

マルセルの瞳から、最後の理性が消え失せた。
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