(仮)捕虜となった女兵士が敵国の皇帝に求婚されたってよ

蛾花 凛太郎

文字の大きさ
1 / 6

1

しおりを挟む


 昔々、大陸の覇者 白 蓮眞ハク レンシンは、かつて発展途上であった中ツ国を大陸統一せしめるまで発展させた。
 残すは大陸外れに位置する真澄鏡という、歴史の古い小さな島国のみ。

 別名 盗賊島とも呼ばれるこの真澄鏡は、その異名の如く治安が悪い。人口の約半数以上が盗賊と揶揄されるほど蔓延っており、根も歯もない噂では 内紛が起きすぎて、国家が誕生して以来、一度も他国と戦争をしたことがないとまで言われている。

 しかしそんな噂が立つ事も無理はない。
 なぜなら真澄鏡は、どこの国とも外交を行っていない閉ざされた国、つまりは鎖国状態である。
 その為、今の島の内情は誰も知らない。


 __完全制覇を目指し、仮想1530年 季節は春。
 蓮眞は1万の兵を連れて、真澄鏡を襲撃した。
 後に島で襲撃された海の名に因んだ「沈月海の乱」と呼ばれるこの出来事は、真澄鏡を開国させる軌跡の始まりとして、後世に語り継がれた。


 ここからは、その沈月海の乱から約半月後の話に入る。
 沈月海の乱を皮切りに、大国 中ツ国と島国 真澄鏡の戦が始まった。真澄鏡にとっては初めての他国との戦と言っても過言ではないだろう。


 蓮眞が引き連れた軍兵は約一万、対して真澄鏡の兵士の数は、僅か三千。


 圧倒的不利な状況の真澄鏡に、大陸中が負け戦だと嘲笑った。
 しかし、蓮眞は違った。
 たかが三千、されど三千。数にこそ差はあれど、その三千人の兵士達だけで長きに亘る内戦を収めてきたのだ。
 言わば、全員が戦争玄人と言っても過言ではない。

 __中でも警戒すべきは軍を率いる五人の幹部。

 戦場において絶対的リーダーであり、地獄の鬼の生まれ変わりと言わしめる一級上将 荊木いばらぎ
 
 軍師の才も持ち合わせた兵士、真澄鏡一残虐非道な策略家  二級上将 楠茂くすしげ
 
 “戦場の悪童“の異名を持つ、白い悪魔 二級上将 花垣はながき

 島の中で剣技の才では右に出るものはいない、寡黙な剣才  中将 亥藏いぐら

 そして、軍兵紅一点であり異例の幹部入りを果たした女兵士 少将 乱華らんか

 一人につき軍隊一隊分の実力を持つと言われる彼ら相手に、たった一万の兵士しか連れて来られなかったことに、蓮眞は不安を抱いていた。

 本格的に戦が始まれば、島中が戦火の海と化してまさに地獄絵図となる……はずだった。



__「え?」



 沈月海の乱から五日も経たぬまま、突如として戦争は終わった。
 
 結果は、真澄鏡の惨敗だった。
 負け戦だと嘲笑われるどころの問題ではない。寺子屋で歴史を学ぶ後世の子どもからも大爆笑されるレベルである。
 戦で死者が出るどころか、中ツ国側の負傷者は最も酷くて逆剥けが捲れた程度。逆に戦利として幹部5人を含めた数百人の兵士を捕虜として自国へ連れて帰る始末である。

 そして、ここからが本編。
 史上稀に見る短い戦が終わって数日経った日から話は始まる。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

転生先のご飯がディストピア飯だった件〜逆ハーレムはいらないから美味しいご飯ください

木野葛
恋愛
食事のあまりの不味さに前世を思い出した私。 水洗トイレにシステムキッチン。テレビもラジオもスマホある日本。異世界転生じゃなかったわ。 と、思っていたらなんか可笑しいぞ? なんか視線の先には、男性ばかり。 そう、ここは男女比8:2の滅び間近な世界だったのです。 人口減少によって様々なことが効率化された世界。その一環による食事の効率化。 料理とは非効率的な家事であり、非効率的な栄養摂取方法になっていた…。 お、美味しいご飯が食べたい…! え、そんなことより、恋でもして子ども産め? うるせぇ!そんなことより美味しいご飯だ!!!

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...