9 / 10
9 騎士生活で得てきたものたち
しおりを挟む
私の相棒ププと、マクシムに預けたユニ、そして、コリアンヌのケット・シーを女性騎士団の訓練に参加させ、3人対3魔物? で、戦闘訓練をしていた。
陛下からは、次の新入団員が決まる半年後まで猶予をもらっているから、こうして訓練をしたり、第2師団のテオドールに頼んで王族の警護に混ぜてもらったりをしながら、日々を過ごしている。
みんな騎士試験に合格するだけあって腕が良い。うんうん。良きかな良きかな。来年まで男を作らず、いや、3人にはいつまでもここにいてもらいたい。そんな話をしてみたら――
「団長だけカッコいい彼氏がいてずるいですー」
と、今も少しだけぶりっ子が残るアリスに言われた。コリアンヌとミレーヌに助けを求めたら――
「恋も仕事も順風満帆な団長が羨ましいですよ」
「見せつけ過ぎは部下の集中力を削ぎますので、控えめにお願いします」
と、あっさり流された。いや、貴女達には本気で残って欲しくて言ってるんだけど、上手く伝わらないもんだ。
マクシムも、騎士団の任務中なのに『もうばれたんだから構わないだろ?』と、2人でいるときの様に接して来る。公爵様がこんな所でこんなことをしていていいのかな? と心配になるが、そんな私達の交際は至極順調だ。
任務が終われば街へ出掛けたり、公爵邸でご飯をご馳走になったり、私の家で2人で手料理を作って食べたり……。
時間よ過ぎないで~! なんて、可愛らしい気持ちになる。公爵邸の皆さんにも、相変わらず大変良くしていただいている。
でも、人間は欲深い生き物だって、身をもって感じることが多くなった。マクシムへの愛情が日増しに強く、2人でいることが当たり前で、穏やかなものになればなるほど、ずっとこうして2人で生きて行きたいと思ってしまう。
やっぱり最終的に歯止めをかけるのは、公爵と平民という身分。そうやって苦しくなると、マクシムに包み込まれるように優しく甘やかされ、より好きになるという泥沼の蟻地獄だ。
もう、抜け出せる気がしない。どうしたらいいんだろう……。
**********
そんなある日、急に『団長・師団長会議』が召集された。緊急事態ということか? 何が起きたの!?
団長が上座の椅子に掛け、会議が始まる。会議室に、一気に緊張が走った。
「国境の山脈地帯から魔物の群れが押し寄せて来た。数は100。最悪200までは増える可能性がある。最低限の人員を残し、王都に駐屯している騎士で討伐に向かう」
「仲間同士の争いに負けた、ドラゴンにでも住処を追われて来たのかもな」
「そのまま進行してくると、訓練で使っている森に入って来るわね」
普段は新人訓練でも遠征する森だ。王都からも近い。一刻を争う事態だ。
「2時間後には王都を出る。第3も討伐に専念させたい。ポーションはあるだけ持て」
「なあテレーズ」
「どうしたの、ミカエル?」
「お前ら仲良いように見えるけど、テレーズはなんか悩みでもあるのか? その男が原因じゃないのか?」
「失礼だな。俺とテレーズの交際は、お前らのつけ入る隙などないほど盤石で、相思相愛だ! 散れ散れっ!」
ミカエルは鋭いな。伊達に腐れ縁で、長く付き合って来たわけではないよね。その相思相愛のせいで悩んでいるなんて、誰にも言えないから苦しいんだよね……。
「テレーズは分かりやすいんだよー」
「そこが単純馬鹿っぽくてぇ、かわいいんですよねぇ」
「失敬な! エミールとダミアンが狡猾なだけよ! ねえ、何か言ってやってよ、ブリス」
私の後釜、第4師団の新師団長ブリスに話を振る。
「テレーズ団長は、魔物と同じで全身で感情を表現しますからね。観察していると面白いですよね」
「それは私も同意する。目が離せない」
「ブリスにテオドール。まさか邪な目でテレーズを見ているのではないだろうな?」
「コラお前ら! ちゃんと自分等の団を率いろ!!」
ほら、団長に怒られちゃったじゃない。蜘蛛の子を散らすように、師団長4人がそれぞれの隊列に戻って行った。
**********
「来たぞー! 900メートル先に200匹程度の魔物の群れを発見!」
斥候を担っていた第5の騎士が、群れを発見したようだ。
「第1は左右、第3は前方、第5は後方から群れを囲むように移動! 完了し次第攻撃を開始しろ! 第2は負傷者の救護、第4は魔物の特性に合わせて自由にやっちまえ! テイム出来るなら1匹でも多く引き入れろ!」
「貴女たちは第2を支援して! マクシム! ユニと一緒に第4に加勢するわよ!」
『ヒヒン』と、『了解』という返事が同時に聞こえ、私たちも魔物の群れに向かって駆け出した――
「よろしくププ!」
「はーい」
小型の魔物が多いが、予想以上に数は多い。本当に200か? それ以上倒して来た気がする。周囲を見渡しても、余力が残っている者はいないだろう。少しずつ負傷者が増えて来ている。
「新手の魔物の群れが向かって来るぞ! さらに100は来る!」
騎士たちの顔色が、疲労から絶望の色に変わる。ここで退却しても、王都にまで魔物が流れ込むだけだ……。
「これはちょっとマズイね。僕の体力だって無尽蔵じゃない」
「ブヒヒン」
「テレーズ! 団の周囲を別の魔物たちに囲まれ始めているぞ!! ん? 何か小さいのがこっちに来るな?」
その時、1匹のインプがパタパタと私のところにやって来た。インプが騎士たちを囲んだ魔物を指さす。
「あ!! あなたナタンに捕まっていたインプじゃない! ああ。そうか! 敵じゃないのね? あの子たちは、ここの森にずっと住んでいた子たちなのね!」
ユニもインプも、『そうだそうだ』と言うように首をブンブン上下に振っている。
「ププ、みんなに伝えて。今、周りを囲んでいるのは味方の魔物よ! あの子たちは助けに来てくれたのよ! 私たちは向こうから来ている魔物の相手をすれば良いの!!」
「はーい。『みんな聞いてーー。今周りにいるのは、テレーズの仲間だってーー。あっちから来る奴らだけ、相手すれば良いんだってーー!』」
「良くやったテレーズ! 皆の士気が上がったぞ! 流石、俺の惚れ込んだ女だ!」
いやー。連れて帰るのが大変だっただけなんだけどねー。そりゃあ、毎年毎年、訓練でこの森に来ていれば、連れて帰らなかった子がこんなに増えてても不思議ではないわね。
魔物が魔物を抑え込む間に、怪我を負った者たちが治療されて行く。気力も体力も果てそうになっていた騎士たちに、光明が差し込んだ。
これなら行けるわ!!
**********
「みんなーありがとうー!! また半年後には訓練で必ず来るから、元気でねー!!」
みんな傷だらけの泥まみれ。顔や手の概念に当てはまらない子もいるから分からないけれど、みんなが笑って手を振ってくれている気がする。
「魔物に囲まれてた時には、もうだめかと思ったよー」
「今回はテレーズの懐かれ体質に救われたな」
「テレーズ団長のテイムは、本当、別格ですよ」
「私はテレーズを誇りに思う」
「やだやだ。そんなに褒めても、あんたたち4人のした事は、帳消しにしないんだからね」
後ろからグイッと腕を引かれる。
「もう帳消しにしてやっても良くないか? 俺たちはあいつらがいたから、今2人で一緒にいれるんだろ?」
「テレーズの腰に手をまわす男が現れるなんてぇ。直視したくありませんねぇ」
「マっ、マクシム! こんなところで何すんのよ!」
「コラ! お前ら! いい加減に自分等の団に戻れ! 王都に入るまで気を緩めるんじゃない!」
ほら、また団長に怒られちゃったじゃないの。学習能力がないんだから。
「だが、テレーズのお陰で、王都が魔物に襲われずに済んだ。良くやったぞ」
久し振りに団長が、頭をポンポンして褒めてくれると、ちょっと前傾姿勢で期待して待っていたら、団長の手が空で止まった。
「射殺さんばかりの目で見ないでいただけますかな? アインホルン公爵?」
「オレノ団長。部下の連れに、手を出さないでもらいたい」
「おや? そう言っていられるのも今のうちですぞ?」
「???」
もう、マクシムってば、団長にまで嫉妬しないで欲しいわ。でも、程々なら、愛情を感じるっていうかさー。なかなか良いもんなのよね。やだ、惚けている場合じゃないのにー。
「テレーズ……。お前、変わったな……」
「???」
「オレノ団長……。今見たものを、直ちに記憶から抹消しなさい」
「狭量な男は最初のうちは良いですが、次第にウザがられますよ?」
よく分からんが、何はともあれ、みんなが無事に帰還出来て良かったよ。
陛下からは、次の新入団員が決まる半年後まで猶予をもらっているから、こうして訓練をしたり、第2師団のテオドールに頼んで王族の警護に混ぜてもらったりをしながら、日々を過ごしている。
みんな騎士試験に合格するだけあって腕が良い。うんうん。良きかな良きかな。来年まで男を作らず、いや、3人にはいつまでもここにいてもらいたい。そんな話をしてみたら――
「団長だけカッコいい彼氏がいてずるいですー」
と、今も少しだけぶりっ子が残るアリスに言われた。コリアンヌとミレーヌに助けを求めたら――
「恋も仕事も順風満帆な団長が羨ましいですよ」
「見せつけ過ぎは部下の集中力を削ぎますので、控えめにお願いします」
と、あっさり流された。いや、貴女達には本気で残って欲しくて言ってるんだけど、上手く伝わらないもんだ。
マクシムも、騎士団の任務中なのに『もうばれたんだから構わないだろ?』と、2人でいるときの様に接して来る。公爵様がこんな所でこんなことをしていていいのかな? と心配になるが、そんな私達の交際は至極順調だ。
任務が終われば街へ出掛けたり、公爵邸でご飯をご馳走になったり、私の家で2人で手料理を作って食べたり……。
時間よ過ぎないで~! なんて、可愛らしい気持ちになる。公爵邸の皆さんにも、相変わらず大変良くしていただいている。
でも、人間は欲深い生き物だって、身をもって感じることが多くなった。マクシムへの愛情が日増しに強く、2人でいることが当たり前で、穏やかなものになればなるほど、ずっとこうして2人で生きて行きたいと思ってしまう。
やっぱり最終的に歯止めをかけるのは、公爵と平民という身分。そうやって苦しくなると、マクシムに包み込まれるように優しく甘やかされ、より好きになるという泥沼の蟻地獄だ。
もう、抜け出せる気がしない。どうしたらいいんだろう……。
**********
そんなある日、急に『団長・師団長会議』が召集された。緊急事態ということか? 何が起きたの!?
団長が上座の椅子に掛け、会議が始まる。会議室に、一気に緊張が走った。
「国境の山脈地帯から魔物の群れが押し寄せて来た。数は100。最悪200までは増える可能性がある。最低限の人員を残し、王都に駐屯している騎士で討伐に向かう」
「仲間同士の争いに負けた、ドラゴンにでも住処を追われて来たのかもな」
「そのまま進行してくると、訓練で使っている森に入って来るわね」
普段は新人訓練でも遠征する森だ。王都からも近い。一刻を争う事態だ。
「2時間後には王都を出る。第3も討伐に専念させたい。ポーションはあるだけ持て」
「なあテレーズ」
「どうしたの、ミカエル?」
「お前ら仲良いように見えるけど、テレーズはなんか悩みでもあるのか? その男が原因じゃないのか?」
「失礼だな。俺とテレーズの交際は、お前らのつけ入る隙などないほど盤石で、相思相愛だ! 散れ散れっ!」
ミカエルは鋭いな。伊達に腐れ縁で、長く付き合って来たわけではないよね。その相思相愛のせいで悩んでいるなんて、誰にも言えないから苦しいんだよね……。
「テレーズは分かりやすいんだよー」
「そこが単純馬鹿っぽくてぇ、かわいいんですよねぇ」
「失敬な! エミールとダミアンが狡猾なだけよ! ねえ、何か言ってやってよ、ブリス」
私の後釜、第4師団の新師団長ブリスに話を振る。
「テレーズ団長は、魔物と同じで全身で感情を表現しますからね。観察していると面白いですよね」
「それは私も同意する。目が離せない」
「ブリスにテオドール。まさか邪な目でテレーズを見ているのではないだろうな?」
「コラお前ら! ちゃんと自分等の団を率いろ!!」
ほら、団長に怒られちゃったじゃない。蜘蛛の子を散らすように、師団長4人がそれぞれの隊列に戻って行った。
**********
「来たぞー! 900メートル先に200匹程度の魔物の群れを発見!」
斥候を担っていた第5の騎士が、群れを発見したようだ。
「第1は左右、第3は前方、第5は後方から群れを囲むように移動! 完了し次第攻撃を開始しろ! 第2は負傷者の救護、第4は魔物の特性に合わせて自由にやっちまえ! テイム出来るなら1匹でも多く引き入れろ!」
「貴女たちは第2を支援して! マクシム! ユニと一緒に第4に加勢するわよ!」
『ヒヒン』と、『了解』という返事が同時に聞こえ、私たちも魔物の群れに向かって駆け出した――
「よろしくププ!」
「はーい」
小型の魔物が多いが、予想以上に数は多い。本当に200か? それ以上倒して来た気がする。周囲を見渡しても、余力が残っている者はいないだろう。少しずつ負傷者が増えて来ている。
「新手の魔物の群れが向かって来るぞ! さらに100は来る!」
騎士たちの顔色が、疲労から絶望の色に変わる。ここで退却しても、王都にまで魔物が流れ込むだけだ……。
「これはちょっとマズイね。僕の体力だって無尽蔵じゃない」
「ブヒヒン」
「テレーズ! 団の周囲を別の魔物たちに囲まれ始めているぞ!! ん? 何か小さいのがこっちに来るな?」
その時、1匹のインプがパタパタと私のところにやって来た。インプが騎士たちを囲んだ魔物を指さす。
「あ!! あなたナタンに捕まっていたインプじゃない! ああ。そうか! 敵じゃないのね? あの子たちは、ここの森にずっと住んでいた子たちなのね!」
ユニもインプも、『そうだそうだ』と言うように首をブンブン上下に振っている。
「ププ、みんなに伝えて。今、周りを囲んでいるのは味方の魔物よ! あの子たちは助けに来てくれたのよ! 私たちは向こうから来ている魔物の相手をすれば良いの!!」
「はーい。『みんな聞いてーー。今周りにいるのは、テレーズの仲間だってーー。あっちから来る奴らだけ、相手すれば良いんだってーー!』」
「良くやったテレーズ! 皆の士気が上がったぞ! 流石、俺の惚れ込んだ女だ!」
いやー。連れて帰るのが大変だっただけなんだけどねー。そりゃあ、毎年毎年、訓練でこの森に来ていれば、連れて帰らなかった子がこんなに増えてても不思議ではないわね。
魔物が魔物を抑え込む間に、怪我を負った者たちが治療されて行く。気力も体力も果てそうになっていた騎士たちに、光明が差し込んだ。
これなら行けるわ!!
**********
「みんなーありがとうー!! また半年後には訓練で必ず来るから、元気でねー!!」
みんな傷だらけの泥まみれ。顔や手の概念に当てはまらない子もいるから分からないけれど、みんなが笑って手を振ってくれている気がする。
「魔物に囲まれてた時には、もうだめかと思ったよー」
「今回はテレーズの懐かれ体質に救われたな」
「テレーズ団長のテイムは、本当、別格ですよ」
「私はテレーズを誇りに思う」
「やだやだ。そんなに褒めても、あんたたち4人のした事は、帳消しにしないんだからね」
後ろからグイッと腕を引かれる。
「もう帳消しにしてやっても良くないか? 俺たちはあいつらがいたから、今2人で一緒にいれるんだろ?」
「テレーズの腰に手をまわす男が現れるなんてぇ。直視したくありませんねぇ」
「マっ、マクシム! こんなところで何すんのよ!」
「コラ! お前ら! いい加減に自分等の団に戻れ! 王都に入るまで気を緩めるんじゃない!」
ほら、また団長に怒られちゃったじゃないの。学習能力がないんだから。
「だが、テレーズのお陰で、王都が魔物に襲われずに済んだ。良くやったぞ」
久し振りに団長が、頭をポンポンして褒めてくれると、ちょっと前傾姿勢で期待して待っていたら、団長の手が空で止まった。
「射殺さんばかりの目で見ないでいただけますかな? アインホルン公爵?」
「オレノ団長。部下の連れに、手を出さないでもらいたい」
「おや? そう言っていられるのも今のうちですぞ?」
「???」
もう、マクシムってば、団長にまで嫉妬しないで欲しいわ。でも、程々なら、愛情を感じるっていうかさー。なかなか良いもんなのよね。やだ、惚けている場合じゃないのにー。
「テレーズ……。お前、変わったな……」
「???」
「オレノ団長……。今見たものを、直ちに記憶から抹消しなさい」
「狭量な男は最初のうちは良いですが、次第にウザがられますよ?」
よく分からんが、何はともあれ、みんなが無事に帰還出来て良かったよ。
207
あなたにおすすめの小説
不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。
猫宮乾
恋愛
再婚した父の元、継母に幽閉じみた生活を強いられていたマリーローズ(私)は、父が没した事を契機に、結婚して出ていくように迫られる。皆よりも遅く夜会デビューし、結婚相手を探していると、第一王子のフェンネル殿下が政略結婚の話を持ちかけてくる。他に行く場所もない上、自分の未来を切り開くべく、同意したマリーローズは、その後後宮入りし、正妃になるまでは婚約者として過ごす事に。その内に、フェンネルの優しさに触れ、溺愛され、幸せを見つけていく。※pixivにも掲載しております(あちらで完結済み)。
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。
木山楽斗
恋愛
弱小貴族で、平民同然の暮らしをしていたルリアは、両親の死によって、遠縁の公爵家であるフォリシス家に引き取られることになった。位の高い貴族に引き取られることになり、怯えるルリアだったが、フォリシス家の人々はとても良くしてくれ、そんな家族をルリアは深く愛し、尊敬するようになっていた。その中でも、義兄であるリクルド・フォリシスには、特別である。気高く強い彼に、ルリアは強い憧れを抱いていくようになっていたのだ。
時は流れ、ルリアは十六歳になっていた。彼女の暮らす国では、その年で魔法学校に通うようになっている。そこで、ルリアは、兄の学園に通いたいと願っていた。しかし、リクルドはそれを認めてくれないのだ。なんとか理由を聞き、納得したルリアだったが、そこで義妹のレティが口を挟んできた。
「お兄様は、お姉様を共学の学園に通わせたくないだけです!」
「ほう?」
これは、ルリアと義理の家族の物語。
※基本的に主人公の視点で進みますが、時々視点が変わります。視点が変わる話には、()で誰視点かを記しています。
※同じ話を別視点でしている場合があります。
恋愛戦線からあぶれた公爵令嬢ですので、私は官僚になります~就業内容は無茶振り皇子の我儘に付き合うことでしょうか?~
めもぐあい
恋愛
公爵令嬢として皆に慕われ、平穏な学生生活を送っていたモニカ。ところが最終学年になってすぐ、親友と思っていた伯爵令嬢に裏切られ、いつの間にか悪役公爵令嬢にされ苛めに遭うようになる。
そのせいで、貴族社会で慣例となっている『女性が学園を卒業するのに合わせて男性が婚約の申し入れをする』からもあぶれてしまった。
家にも迷惑を掛けずに一人で生きていくためトップであり続けた成績を活かし官僚となって働き始めたが、仕事内容は第二皇子の無茶振りに付き合う事。社会人になりたてのモニカは日々奮闘するが――
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
【完結】白い結婚成立まであと1カ月……なのに、急に家に帰ってきた旦那様の溺愛が止まりません!?
氷雨そら
恋愛
3年間放置された妻、カティリアは白い結婚を宣言し、この結婚を無効にしようと決意していた。
しかし白い結婚が認められる3年を目前にして戦地から帰ってきた夫は彼女を溺愛しはじめて……。
夫は妻が大好き。勘違いすれ違いからの溺愛物語。
小説家なろうにも投稿中
ブサイク令嬢は、眼鏡を外せば国一番の美女でして。
みこと。
恋愛
伯爵家のひとり娘、アルドンサ・リブレは"人の死期"がわかる。
死が近づいた人間の体が、色あせて見えるからだ。
母に気味悪がれた彼女は、「眼鏡をかけていれば見えない」と主張し、大きな眼鏡を外さなくなった。
無骨な眼鏡で"ブサ令嬢"と蔑まれるアルドンサだが、そんな彼女にも憧れの人がいた。
王女の婚約者、公爵家次男のファビアン公子である。彼に助けられて以降、想いを密かに閉じ込めて、ただ姿が見れるだけで満足していたある日、ファビアンの全身が薄く見え?
「ファビアン様に死期が迫ってる!」
王女に新しい恋人が出来たため、ファビアンとの仲が危ぶまれる昨今。まさか王女に断罪される? それとも失恋を嘆いて命を絶つ?
慌てるアルドンサだったが、さらに彼女の目は、とんでもないものをとらえてしまう──。
不思議な力に悩まされてきた令嬢が、初恋相手と結ばれるハッピーエンドな物語。
幸せな結末を、ぜひご確認ください!!
(※本編はヒロイン視点、全5話完結)
(※番外編は第6話から、他のキャラ視点でお届けします)
※この作品は「小説家になろう」様でも掲載しています。第6~12話は「なろう」様では『浅はかな王女の末路』、第13~15話『「わたくしは身勝手な第一王女なの」〜ざまぁ後王女の見た景色〜』、第16~17話『氷砂糖の王女様』というタイトルです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる