39 / 40
第5章 最後の戦い
最終話
しおりを挟む
パトレシア視点
敵国を打ち倒して王国に平和が戻ると、皆んなが私のために盛大な祝勝会を開いてくれた。大広場にはたくさんの料理が並び、貴族も平民も関係なく楽しそうに笑っている。
「パトレシアお姉様!」
豪華な料理を頂いて皆んなとお喋りをしていると、人々の間をすり抜けて、ウィリアムがひょっこりと顔を出した。
「あら、ウィリアム! 私たちがいない間、王国を守ってくれてありがとね」
「当然の事です! パトレシアお姉様も、ご無事で何よりです!」
ウィリアムは少し誇らしげに声を張って答えた。
「お姉様、僕はこの戦いで多くのことを学びました。守るべきものがあるからこそ、人は強くなれるのですね!」
そう語るウィリアムの瞳には、強い決意が宿っていた。すっかり頼もしい青年になったわね。
「本当に立派になったわね……」
可愛い弟の成長を密かに喜んでいると、近衛兵のララとルークが私の前に膝をついて頭を下げた。
「貴方たちも大変だったでしょ? 聞いた話だけど殺し屋が紛れ込んでいたそうね」
「そうですね……かなり苦戦をしましたが……」
「僕とララがいたので問題ありません!」
不安そうなララとは対照的にルークは自信満々に胸を張って答えた。本当に優秀な近衛兵だわ。
「パトレシア様、お怪我はされませんでしたか?」
皆んなに労いの言葉をかけていると、薬屋で働くリリアが私の元に駆け寄って来た。
「大丈夫よ。貴方たちには本当に感謝しているわ」
森の奥で子供達が染色に使える薬草を見つけてくれたから色ごとに兵士を分ける作戦を思いついた。もし別の戦略を使っていたら負けていたかもしれない……
「これからもよろしくね」
「はい!」
リリアは元気よく答えると、ララの方に駆け寄って耳元で何かを囁いた。
「ところで……ルークさんには無事にマフラーを渡せましたか?」
「はい、喜んでくれました!」
「よかったですね! ちなみに赤いマフラーは好きな人に送るものなんですよ」
「えっ、すっ、好きな人に?」
ララの頬が赤く染まり、チラッとルークの方を見る。会話は聞こえなかったけど、恋愛関係の話しかな?
「パトレシア、そろそろ時間だから舞台の方に上がってくれないか?」
「はい、今から行きます!」
マルクスに呼ばれて舞台に立つと、国民から一斉に拍手が贈られた。
「パトレシア様! 素晴らしい戦いでした!」
「貴方こそが戦姫です!」
戦場に立って兵士を先導した話は、いつの間にか国中に広まり、多くの人の心を感動させたらしい。
「ありがとうございます。皆さんの協力には本当に感謝しています!」
私は一度言葉を区切って会場を見渡すと、噛み締めるように続きを語った。
「アルバード王国はここからさらに発展し、さらなる繁栄をします。どうか皆さん、これからも私に力を貸して下さい!」
大広間は熱狂に包まれて拍手喝采が湧き起こる。この演説はまるで予言の様に的中して、アルバード王国は繁栄に次ぐ繁栄を極めた。
ある年、周辺の国と連合を提案し、平和条約を結んだ。これにより戦争は激減した。
またある年は、不作で作物が取れない国に食料を送り助け合う制度を提案して、飢餓で苦しむ人をなくした。
国同士の紛争が無くなったことで、年に一度、国を挙げた大規模なお祭りが行われる様になり、周辺国の絆は強固なものとなった。
後に人々から黄金の時代と呼ばれ、平和と発展を極めた。年に一度のお祭りは歴史上に名を残すほど壮大で、新しい文化と技術がここで生まれた。
しかし、そんな輝かしい時代も一つの幕を閉じようとしていた……
パトレシア視点
「パトレシア……確かもうすぐお祭りが始まるよね?」
「そうね……また今年も始まるわね」
私はベットで眠っているマルクスの手を握って答えた。時の流れは本当にあっという間で、あれから何年もの月日が流れた。
バトラ将軍とティレンド副将軍は現役を引退して、指導者として若い兵士の教育をしている。
ララとルークは今でも私の近衛兵として忠誠を誓ってくれている。
ウィリアムはすっかりおじさんになったけど、王国のために毎日仕事をこなしている。
「君はいつまで経っても綺麗なままだね」
マルクスの声は掠れていて、昔のようなハリがない。頬も痩せて腕も小枝のように細い。でも、その顔には若い頃の面影があった。
「そんな事ないわ、最近またシワが増えちゃったわ」
気持ち的には若い頃と変わらず元気なままだけど、鏡を見るたびに歳を取ったのを認めざるをえなかった。
「君と過ごせて本当に幸せだったよ……あの日……君が作った薬がなかったら、とっくの昔に死んでいたと思う……会いに来てくれてありがとう……」
あの日……まだ私が森の奥の村で第二の人生を楽しんでいた頃は、こんな事になるなんて思いもしなかった。
たまたま私が調合したお薬がマルクスの元に届いて、お礼がしたいからと言われ王宮に招かれた。そして再開した時は、とてもショックを受けた。
私が死んだ事でマルクスは心を病んで弱っていた。それなのに私は第二の人生を楽しんでいた。あの日感じた罪悪感は今でもよく覚えている。
「ねぇ……パトレシア……君は一体何者なんだい?」
マルクスは朦朧とした目で私を見つめる。今なら本当に信じてくれるかしら?
「えっと……もう気づいてるんでしょ? そうよ、私はクレア妃の生まれ変わりよ。あなたの事が心配だったから、会いに来たの」
私は一度話しを区切ると、真面目な表情で続きを語った。
「みんな私の事を小娘扱いしたけど、実はお姫様だったのよ」
マルクスはこっくりと頷くと、私の手を握りしめた。
「うん……今ならそれが本当だって分かるよ……ありがとうクレア……」
マルクスの瞳から涙が溢れて頬を濡らす。私の第二の人生の目的は、マルクスの側にいて彼を支える事。でも、その使命は終わりを迎えようとしていた。
「少し疲れたから……また寝ていても大丈夫かな?」
「もちろんよ……ゆっくり休んでね。マルクス……」
マルクスの瞳から光が消えてそっと手の力が抜けていく。その寝顔は、とても満足そうな……穏やかな表情をしていた。
─完─
敵国を打ち倒して王国に平和が戻ると、皆んなが私のために盛大な祝勝会を開いてくれた。大広場にはたくさんの料理が並び、貴族も平民も関係なく楽しそうに笑っている。
「パトレシアお姉様!」
豪華な料理を頂いて皆んなとお喋りをしていると、人々の間をすり抜けて、ウィリアムがひょっこりと顔を出した。
「あら、ウィリアム! 私たちがいない間、王国を守ってくれてありがとね」
「当然の事です! パトレシアお姉様も、ご無事で何よりです!」
ウィリアムは少し誇らしげに声を張って答えた。
「お姉様、僕はこの戦いで多くのことを学びました。守るべきものがあるからこそ、人は強くなれるのですね!」
そう語るウィリアムの瞳には、強い決意が宿っていた。すっかり頼もしい青年になったわね。
「本当に立派になったわね……」
可愛い弟の成長を密かに喜んでいると、近衛兵のララとルークが私の前に膝をついて頭を下げた。
「貴方たちも大変だったでしょ? 聞いた話だけど殺し屋が紛れ込んでいたそうね」
「そうですね……かなり苦戦をしましたが……」
「僕とララがいたので問題ありません!」
不安そうなララとは対照的にルークは自信満々に胸を張って答えた。本当に優秀な近衛兵だわ。
「パトレシア様、お怪我はされませんでしたか?」
皆んなに労いの言葉をかけていると、薬屋で働くリリアが私の元に駆け寄って来た。
「大丈夫よ。貴方たちには本当に感謝しているわ」
森の奥で子供達が染色に使える薬草を見つけてくれたから色ごとに兵士を分ける作戦を思いついた。もし別の戦略を使っていたら負けていたかもしれない……
「これからもよろしくね」
「はい!」
リリアは元気よく答えると、ララの方に駆け寄って耳元で何かを囁いた。
「ところで……ルークさんには無事にマフラーを渡せましたか?」
「はい、喜んでくれました!」
「よかったですね! ちなみに赤いマフラーは好きな人に送るものなんですよ」
「えっ、すっ、好きな人に?」
ララの頬が赤く染まり、チラッとルークの方を見る。会話は聞こえなかったけど、恋愛関係の話しかな?
「パトレシア、そろそろ時間だから舞台の方に上がってくれないか?」
「はい、今から行きます!」
マルクスに呼ばれて舞台に立つと、国民から一斉に拍手が贈られた。
「パトレシア様! 素晴らしい戦いでした!」
「貴方こそが戦姫です!」
戦場に立って兵士を先導した話は、いつの間にか国中に広まり、多くの人の心を感動させたらしい。
「ありがとうございます。皆さんの協力には本当に感謝しています!」
私は一度言葉を区切って会場を見渡すと、噛み締めるように続きを語った。
「アルバード王国はここからさらに発展し、さらなる繁栄をします。どうか皆さん、これからも私に力を貸して下さい!」
大広間は熱狂に包まれて拍手喝采が湧き起こる。この演説はまるで予言の様に的中して、アルバード王国は繁栄に次ぐ繁栄を極めた。
ある年、周辺の国と連合を提案し、平和条約を結んだ。これにより戦争は激減した。
またある年は、不作で作物が取れない国に食料を送り助け合う制度を提案して、飢餓で苦しむ人をなくした。
国同士の紛争が無くなったことで、年に一度、国を挙げた大規模なお祭りが行われる様になり、周辺国の絆は強固なものとなった。
後に人々から黄金の時代と呼ばれ、平和と発展を極めた。年に一度のお祭りは歴史上に名を残すほど壮大で、新しい文化と技術がここで生まれた。
しかし、そんな輝かしい時代も一つの幕を閉じようとしていた……
パトレシア視点
「パトレシア……確かもうすぐお祭りが始まるよね?」
「そうね……また今年も始まるわね」
私はベットで眠っているマルクスの手を握って答えた。時の流れは本当にあっという間で、あれから何年もの月日が流れた。
バトラ将軍とティレンド副将軍は現役を引退して、指導者として若い兵士の教育をしている。
ララとルークは今でも私の近衛兵として忠誠を誓ってくれている。
ウィリアムはすっかりおじさんになったけど、王国のために毎日仕事をこなしている。
「君はいつまで経っても綺麗なままだね」
マルクスの声は掠れていて、昔のようなハリがない。頬も痩せて腕も小枝のように細い。でも、その顔には若い頃の面影があった。
「そんな事ないわ、最近またシワが増えちゃったわ」
気持ち的には若い頃と変わらず元気なままだけど、鏡を見るたびに歳を取ったのを認めざるをえなかった。
「君と過ごせて本当に幸せだったよ……あの日……君が作った薬がなかったら、とっくの昔に死んでいたと思う……会いに来てくれてありがとう……」
あの日……まだ私が森の奥の村で第二の人生を楽しんでいた頃は、こんな事になるなんて思いもしなかった。
たまたま私が調合したお薬がマルクスの元に届いて、お礼がしたいからと言われ王宮に招かれた。そして再開した時は、とてもショックを受けた。
私が死んだ事でマルクスは心を病んで弱っていた。それなのに私は第二の人生を楽しんでいた。あの日感じた罪悪感は今でもよく覚えている。
「ねぇ……パトレシア……君は一体何者なんだい?」
マルクスは朦朧とした目で私を見つめる。今なら本当に信じてくれるかしら?
「えっと……もう気づいてるんでしょ? そうよ、私はクレア妃の生まれ変わりよ。あなたの事が心配だったから、会いに来たの」
私は一度話しを区切ると、真面目な表情で続きを語った。
「みんな私の事を小娘扱いしたけど、実はお姫様だったのよ」
マルクスはこっくりと頷くと、私の手を握りしめた。
「うん……今ならそれが本当だって分かるよ……ありがとうクレア……」
マルクスの瞳から涙が溢れて頬を濡らす。私の第二の人生の目的は、マルクスの側にいて彼を支える事。でも、その使命は終わりを迎えようとしていた。
「少し疲れたから……また寝ていても大丈夫かな?」
「もちろんよ……ゆっくり休んでね。マルクス……」
マルクスの瞳から光が消えてそっと手の力が抜けていく。その寝顔は、とても満足そうな……穏やかな表情をしていた。
─完─
121
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された皇后を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
事務仕事しかできない無能?いいえ、空間支配スキルです。~勇者パーティの事務員として整理整頓していたら、いつの間にか銅像が立っていました~
水月
恋愛
「在庫整理しかできない無能は不要だ」
第一王子から、晩餐会の場で婚約破棄と国外追放を告げられた公爵令嬢ユズハ。
彼女のギフト【在庫整理】は、荷物の整理しかできないハズレスキルだと蔑まれていた。
だが、彼女は知っていた。
その真価は、指定空間内のあらゆる物質の最適化であることを。
追放先で出会った要領の悪い勇者パーティに対し、ユズハは事務的に、かつ冷徹に最適化を開始する。
「勇者様、右腕の筋肉配置を効率化しました」
「魔王の心臓、少し左にずらしておきましたね」
戦場を、兵站を、さらには魔王の命までをも在庫として処理し続けた結果、彼女はいつしか魔王討伐勇者パーティの一人として、威圧感溢れる銅像にまでなってしまう。
効率を愛する事務屋令嬢は、自分を捨てた国を不良債権として切り捨て、再出発する。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる