4 / 4
閃光
しおりを挟む「おい、お前ら静かにしろ! 私は伊達や酔狂でこんな事を言っている訳ではない」
「いやでも実際私達は落ちこぼれだからこのクラスにいる訳で、そんなの無理に決まってます」
「そーだ、この世界は才能が全てをーーー」
「おーーー」
「おい! それは違うぞ!」
男子生徒の実力が全てと言う発言に対して、セレカがそれを否定しようとした瞬間、シューが立ち上がりながら大声で更にそれを遮る。
どうしても許せなかったのだろう。生まれつきの才能で全てが決まってしまうこの世界が。才能がないからと自分の息子を捨てた家族が。
突然大声をあげながら立ち上がったシューに注目するクラスメイト。
それに気づいたシューは、「取り乱した。何でもない」
と言い、席につく。
「こほん、まぁこの世界は生まれつきの才能至上主義だが、その男の言う通りそれは違う。才能などなくてもいくらでも強くなれる」
「はっ、馬鹿じゃねーのか! 才能がないカスがいくら努力したって強くなれるわけがねーんだよ」
セレカの理想論に対してこちらもまた一般論で反論するロズヴェルト。
確かにこの世界は生まれつきの才能が全てだ。無属性ならばお話にならないし、たとえ属性があったとしてもそれがろくに使えなければ、落ちこぼれのレッテルを貼られる。もちろん無属性など論外である。
そんな固定概念に囚われた世界にも関わらず、あろう事か才能は関係ない! などと言い出すこの世界の上位に存在する存在。
「お前達は閃光という冒険者は知っているか?」
「当たり前だろ」
「知らない人なんていませんよ!」
「もちろん知ってますよ!出自から性別まで秘匿されているこの国の最高戦力なんですから」
矢継ぎ早に同意の声が飛んでくる。
「実はな、その閃光……無属性魔法士だ!」
「「「「えーーーーー!」」」」
それもそーだろう。王国の最高戦力が無属性ということだけではなく、正体を知るものがいない閃光が無属性だと知るセレカに驚いているのだ。
しかし、この教室で最も驚いている人が左後方の窓際に。
閃光か……。
「まぁそーいう事だからこれからびしばし鍛えていくぞ。それでは今日のホームルームは終わるぞー」
セレカは、まだざわつく教室を颯爽と去っていったのだった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
悪役令嬢ではありません。肩書きはただの村人ですが、いつの日か名だたる冒険者になっていた。
小田
ファンタジー
ポッチ村で生まれた少女ルリには特別な力があったのだが、六歳を迎えたとき母親が娘の力を封印する。村長はルリの母の遺言どおり、娘を大切に育てた。十四歳を迎えたルリはいつものように山に薬草を採りに行くと、倒れていた騎士を発見したので、家に運んで介抱すると。騎士ではなく実は三代公爵家の長男であった。そこから彼女の人生は大きく動き出す。
特別な力を持つ村人の少女ルリが学園に行ったり、冒険をして仲間と共に成長していく物語です。
なろう、エブリスタ、カクヨム掲載しています。
俺は、こんな力を望んでいなかった‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
俺の名は、グレン。
転移前の名は、紅 蓮(くれない 蓮)という。
年齢は26歳……だった筈なのだが、異世界に来たら若返っていた。
魔物を倒せばレベルが上がるという話だったのだが、どうみてもこれは…オーバーキルの様な気がする。
もう…チートとか、そういうレベルでは無い。
そもそも俺は、こんな力を望んではいなかった。
何処かの田舎で、ひっそりとスローライフを送りたかった。
だけど、俺の考えとは対照的に戦いの日々に駆り出される事に。
………で、俺はこの世界で何をすれば良いんだ?
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる