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7 おもちゃ箱とプロポーズ(最終章)
二 主導権(※)
しおりを挟むベッドで、膝を立てて四つん這いにさせられて、なかを舐められてる。
「っ、ふ、文弥さん……!」
「んん……尚くん」
文弥さんの舌は柔らかいのに力強くて、腰が砕けそう。舌を突き立てられて、ぴちょぴちょと音を立てられると、耳からも犯されてる気分になる。
「う、あ、あ、ああぁ」
文弥さんが俺のペニスを絞るみたいに握る。手の強さが絶妙にいやらしい。
「ひっ」
「尚くん、可愛い……」
「あっ、あぅ、あっ、ああっ」
文弥さんの手の中で射精して、シーツにぽたぽたと精液が垂れる。
早く拭いたいのに、文弥さんが手を離してくれなくて、ベッドボードに手が届かない。
舌が抜かれて、文弥さんのペニスがあてがわれる。奥が欲しがってる。広げられると否応なしに甘い声になった。
「あ……」
「尚くんえっち」
「んん……」
「尚くんの腰、細いな。こじあけてごめんね」
文弥さんの太いペニスがずんずんと入ってくる。おなかの奥、気持ちいいところを当たって、抉って、奥まできて、亀頭がぬちゅっとキスをしてくる。
奥をついばまれるたびに、肘が震えて、体を支えていられなくなって、シーツを掴んでやりすごした。
「あ、ふ」
文弥さんは俺の腰を両手で掴んで奥を味わいながら、屈んできて、あごで俺の後頭部をすりすりしてる。
「深いね」
「ふ、ふか、ふかい、れす」
「苦しい? いい?」
「い、いい」
「可愛い……」
文弥さんが強めに当てたまま止まった。
体を貫かれて、それだけなのに、イきそう。シーツを掴む左手のうえに、文弥さんが左手を重ねてくる。指を絡めて、ぎゅっと握る。
文弥さんの苦しげな息遣いと汗が背中に落ちてくる。文弥さんも気持ちいいみたい。
「はー、はー……尚くん……尚くんのなか、よすぎ……」
「文弥さん、文弥さん……」
「待って、すりつけられると……あー、出そう……待って、尚くん」
きつく固定されて動かないようにさせられた。文弥さんの力強い指が股関節をぐいっと止めた瞬間、おなかのなかでぶちゅ、と粘着質な音がして、俺は震えた。
「っ、イくっ」
「尚くん、締まる、やば」
「ふ、ふみやさ、イ、イくの、とまんな」
射精して、潮も吹いて、なかでもイって、頭が真っ白になりながら、シーツを掴んでやりすごす。涙があふれる。
なかなか終わらなかった。
「あっ、あぐ、ひ、イく……」
「なか、うねる……僕もイく……ごめん、少し突く……」
文弥さんは背中に覆いかぶさってきて、股間をずんずん押し付けてくる。
「ま、おね、が、まって、動かないで」
「こんなの無理、無理」
「イ、あ、あふ」
「出る、奥すご、イく」
文弥さんが俺の耳を噛んだ。ふうふうと熱っぽくて甘くてたまらなさそうに。
俺のなかで、文弥さんがどくどくしてる。奥に精液を注がれてるのがわかる。
「あー……」
「イくの、止まんない、です」
「僕も長い……すんごい出る……」
ふたりして、高熱が出てるみたいに火照ってる。文弥さんは射精を終えたのに、挿入したまま、奥を何度もかき回した。
俺はとうとう膝に力が入らなくなって、枕を抱いて、ベッドにうつ伏せる。
「っ、文弥さん」
「ん……」
「そこ、好き……」
「尚くん、あんまり可愛いと、僕、我慢できない。仰向けになって。上からもする」
文弥さんの指示にしたがって、貫かれたまま、体をねじって仰向けになる。途中、文弥さんは足を引いて、手伝ってくれた。
「よくできました」
「抜いてくれたらいいのに……」
「尚くんが僕に入れられたまま頑張って動いてるところ見るの好きなんだ」
「うぅ……」
そう言われると、恥ずかしい。恥ずかしがるのを楽しまれている。さらに恥ずかしい。
文弥さんは、仰向けになった俺に覆いかぶさってくる。両手を繋いで、口付けた。
ちょっと落ち着いた。はぁ。
文弥さんは俺の胸の上で頰をこすりつける。くすぐったいよ。
「尚くん。僕の尚くん」
「文弥さん」
「大好き……」
「俺も、大好きです」
「幸せすぎる……」
「あはは。俺もです」
「……なんだか、尚くんに主導権を握られてる気がする……」
「えっ!? 気のせいでは!?」
でも文弥さん最近甘えん坊だから、よしよしってしたくなってる気もする。
先日、日頃は飄々とした文弥さんの弱い一面を見てしまって、なんだか愛おしくて、包みこんであげたくなるような。そんな気持ちなんだ。
また口付けると、文弥さんは、ちょっと膨れながらも素顔で笑った。
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