エリート先輩はうかつな後輩に執着する

みつきみつか

文字の大きさ
282 / 396
番外編14 ある新婚生活

八 興奮(※)

しおりを挟む
 ローションを垂らして扱いた和臣さんは、ふたたび尻肉を広げて欲しがる俺に密着しながら、目を見つめてくる。

「多紀くん。おちんちんくださいって言ってみて」
「ください……」
「心から欲しいのかわかんないな。どうしよ」

 ナマの分厚い先っぽをぴたりと当てながら、俺の性器を握って、親指の指の腹で裏筋を撫でてる。上にいったり下になぞったりじれったい。
 だがそれ以上に、呑み込みたい。いつもよりゆっくり、じっくり来る。

「多紀くん、少しずつ広がってる。俺の食べてる。美味しい?」
「かず、おみさん……」
「ちょっとずつ入っちゃうね、入っちゃうよ。ね。入ってく」

 ことさらゆっくりと挿入してくる。俺の体が動かないように全身で押さえつけてくる。少しずつ侵入されてる。感覚が鋭くて、いつもより敏感かも。

「先っぽ食い込んでるよ。多紀くんの指だとこのくらいかな。太さが違うね」

 俺が欲しがって少しでも深くと擦り付けようとするのを阻止したり、自分の体を引いたりして、めっちゃ意地悪。再現しなくたって俺の指とは比べものにならないってわかってるのに。

「和臣さん、もっときて。ねぇ」
「ここで、俺の指くらい。前立腺」
「ひっ、あっ、あっ、あっ」

 ぬちゅ、と卑猥な音を立てて抜かれ、先っぽだけかろうじて食い込んでいる。

「浅いのもいいよね」
「和臣さん……!」
「カリで引っ掛けるの好き。輪っかみたいに吸ってくるね。多紀くん男の子だけどアナルこうやって生ちんぽでごしごしされたいねー」
「んんっ、や、はぁ」
「あー、とろけてる。とろとろ多紀くん、可愛い。オナニーじゃ足りなかったね。俺の体いっぱいあげる。使っていいよ」
「あっ、やっ、あう、和臣さん、欲しい」

 でも執拗に浅くしてくる。なかなか奥に来てくれない。

「奥までください……」
「ん?」

 聞き返すなってば。あー、くそ。

「おちんちん、奥までください……奥がいい」

 和臣さんは俺の前髪を真ん中で分けて、額に口づけながら、息を止めた。一息みたいに貫いてくる肉棒に、俺も息ができずに痙攣するみたく震えて、目の前の和臣さんに縋りつく。
 俺は思わず言った。

「イく……」

 熱いよ。狭いソファでこんなふうに支配されてさ。
 和臣さんはつぶやいた俺を覗き込みながら、髪の毛をかき混ぜてくる。あんまり優しくなくて、顔をつかむみたいにされる。余裕ないのは和臣さんもだな。
 あ、和臣さんもイくのか。

「あ、っ……!」

 イキ顔してる。据わった目。少し細めて、とろけてる。口も開けて、だらしなくてみだらな表情。

「多紀くん、俺……っ、い、あ、ッ……!」

 なんだか、和臣さんのイく瞬間を、初めて見たような気分。久しぶりにお互いの肉体に触れて、一気に興奮の頂点に達して、下半身が熱くて、絶頂。
 俺はイキ顔をよく見られてるけど、でも、今この瞬間が一番いやらしい顔してると思う。何を見られてもどうなっても構わないからこの快感に身を任せていたい。

「和臣さんも、一緒にイって……!」
「多紀くん、締まる、や、吸わないで、あっあっ、イく、う、あ……イく……!」
「あ、あ、あっ」

 どっちも甲高い声をあげて果てて、深くつながったまま、お互いをかき抱いていた。髪をぐしゃぐしゃにかき混ぜて、お互いに、噛みつくみたいに肌に口づける。
しおりを挟む
感想 341

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

寝てる間に××されてる!?

しづ未
BL
どこでも寝てしまう男子高校生が寝てる間に色々な被害に遭う話です。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放

大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。 嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。 だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。 嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。 混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。 琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う―― 「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」 知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。 耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。

処理中です...